最近有料向けの作品が多く心苦しい限りです。
投稿数が振るわず、うぷろだ用の作品をファンティア向けのものに変えました。
何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします

11/5 後半を投稿しました

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 降るなぁ、と、気怠く気怠く彼女は言った。ベッドの上、薄暗い土曜の昼過ぎのこと。
 窓を打つのは蜘蛛の糸に似た細い雨で、通奏低音に似た響きを伴う。
 降り始めて何日かは、もう忘れた。
「イヤになっちゃうね。まだまだ降るってさ。ふやけちゃうよ」
 電灯さえつけず仄暗い部屋の中、寝そべった彼女は呟いた。乱れた髪を手櫛で梳きつつ、窓外を眺める。日頃編まれた髪は今はほどかれ、色素の薄く細いせいかクセで波打っていた。そして服のはだけた乳房にしなだれかかり、張り付き、ほつれるままに嫋やかな線を描いている。

「キミもそう思うだろ?」
 口を尖らせ、彼女がかこつ。
 が、俺の方が不満は大きい。
「あのなぁ……」
「なんだい?」
「今何してると思ってるんだよ」
「何って、セックスだね?」
 眠たそうに彼女は言った。
 半裸の女の秘部に重なるのは、小さな人間の姿。
 俺とシズ、サイズ差男女の行為の光景に他ならなかった。
「お前、セックス中に外見る奴がいるか?」
「なにさ、もっと初々しくて情熱的なのがお好みなのかい?」
 ニヤッと笑いながら、我が身を抱いてシズがシナを作り体を振る。陰部に乗せられたまま、20倍女に動かれたらたまったものじゃない。淡い色の陰毛にしがみつき、俺は奴の顔を睨みつけた。

「痛いじゃないか」
「痛いもクソもない。これじゃセックスどころか、お前のあそこにへばりついてるだけだっつってんだよ」
「その通りでしょ?」
 ふふん、と減らず口を叩く巨女。いや、俺が小人に生まれついただけなのだが。
 なお睨め付ける俺に、シズは冷えたお腹を撫でながら続ける。
「だってもうイッちゃったんだもん。先に気持ちよくなった誰かさんのせいで、待ちぼうけを食らったのはボクのほうさ」
「だからって、無視することはないだろ」
「なーに、寂しくなっちゃったのー?」
 からかうシズに、俺は声も出ず奴の陰部に体を沈める。茂みのクッションの中に、身を任せて一度ペニスを抜いた。

「……む、選挙カー」
 雨音に混じる滲んだ声を、ぼんやりとシズが聞き流す。近づいては遠のいていくウグイス嬢と車の水音を、ご苦労様だねと見送った。
 俺は答えない。あぐらをかいてシズの下腹部の上、横たえた女体に背を向け愚息を鎮めようと勤しんでいた。
「あらあら、拗ねちゃった」
 背後から手を伸ばして、俺の背中を指の背で撫でる。枕ほどもある女の指に撫でられ、汗ばんだ背中がくすぐったい。
 そんな指に背を預け、仰け反るように奴の顔を見やった。逆さの視界に、娘の大きな顔が映る。
「ヤッてる時に放置されちゃ誰だって困るだろ。セックスくらい対等にしてくれよ」
 目に映る、黒髪、伏せ目、ニヤケ顔。大人びた顔立ちはウェーブした髪を頰に貼り付け、一仕事終えた余韻を漂わせている。薄暗い部屋に明かりはなく、窓から漏れる雨天の光だけが、彼女の横顔と、乳房の側面を照らしていた。その笑みは半分闇に沈んで、ただ、ほつれた髪だけが漏れた光に当たっている。
 俺も同じだ。が、立てたシズの太ももが作る陰に半身を覆われ、少し肌寒い。その分、シズの温もりが生々しかった。

「でも、もう三回はやってるよね」
「嫌なら辞めてもいいんだぞ」
「っていってもねえ」
 だらんと首を寝かせて、シズは呻く。
「他にやることもないしなぁ」
 気怠いセックス。雨の中、予定も取りやめになり、無為に体を重ねる四年目の昼下がり。
「まあ、手持ち無沙汰なキミのために少しボクも手伝おうか」
「あぁそうしてくれそうしてくれ」
 ヒョイと俺をつまみ上げ、シズはペロリと俺を舐め上げた。一挙に視界を占領する健康的な赤色に身を包まれ、ぬめる表面、生暖かい粘液が五感を襲う。そして、糸を引いたまま恋人を股間に貼り付けると、シズの一人遊びにも似た俺たちのセックスが始まった。

「ちゃんとしがみついててよ? ボクのお尻で踏み潰されたいなら別だけど、ね?」
 俺が陰毛のカーペットに身を横たえてしっかりそれを握りしめるのを、可笑しそうにシズは眺めていた。そして背中を指で押さえると、ぷくりと膨らんだ三角地帯に小人がめり込んでいく感触を楽しむ。小人をこれでもかと陰毛の中に沈み込ませると、陰核の上に跨らせるのだ。俺の男根がシズの割れ目に飲み込まれていく。けれど膣までには届くわけはなくて、陰核をくすぐってやるのが関の山だった。