この作品はサイズフェチの方向けの小説です。サイズフェチ以外の方が読まれると、気分を害される

可能性がありますのでご注意ください。

また、この作品は過激な性的表現を含みます。SMプレイ程度の残虐性もあります。



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『彼女と彼女の事情』

作:夏瀬 頼重



俺の彼女は特殊な性癖をもっている。

いつものように俺がシャワーを浴び終えると、彼女の方から提案してきた。

「今日も……いい?」

「ああ……まぁ、いいよ」

そうやって水色のクスリを渡される。丸くて表面に線が入っている形状は、頭痛薬のそれとよく似てい

る。穂乃果はこれがないとダメなのだ。

誘われるたびクスリを渡されるなど、常識的にはおかしいかもしれない。

だが、今さら驚きはしない。

驚きはしない、が、本当のところこのクスリを見るたびに不安になる。

初めてこのクスリを飲んだときの記憶が、今でも鮮明に残っているのだから。


***


12月25日。

午前1時17分。

俺たちはセックスに明け暮れていた。

付き合って間もない俺たちには――たとえ世間がサンタクロースの来日を祝おうとも――クリスマスの

過ごし方などこれくらいしか思いつかなかった。

「ふぅ……」

数回目の行為の後、俺は彼女の部屋のベランダでタバコを喫っていた。師走の寒さが骨に染みる。

なにもセックスの余韻に浸っていたわけではない。この鬱憤を晴らすには、この寒さに耐えてでもタバ

コを喫うほかないと思ったまでだ。

部屋から穂乃果の声がする。

「ねぇ……タバコ喫うなら……これ……」

言いながら、水の入った『たっぷり! あずき缶』の空き缶を差し出す。簡易灰皿だ。

「ああ、ワリ……」

それでも灰は冬の風に舞って街の中へと消えていった。

穂乃果の部屋はマンションの6階。しかもマンション自体が小高い丘の斜面に立っているため、ベラン

ダからは街がよく見える。ネオンが光り、電車が走り、恋人たちが祈る。この夜の地平線の向こうの世

界も、同じような光景が流れているのだろうか。

世界一美しい夜に、世界一サイアクな気分だ。



穂乃果はわるい娘じゃない。そもそもなんで俺なんかと付き合ってるか分からないくらい清楚な雰囲気

の娘だ。俺が今まで付き合ってきた女のように口を開けて笑わないし、スカートであぐらをかかないし、

飯食って「ウマイ!」とか言わない。

もともと大学のサークルのひとつ下の後輩で、別にこれといって接点もなかったのだが、ひょんなことか

ら二人で食事に行き、いい雰囲気に。それが半年くらい前のことだ。俺の性格とは無縁のような女が釣

れることもあるのか、と驚いたもんだ。

ただ、そういった馴染みのない部類の人間だからか、何を考えてるのか分からないときがある。

たとえば、今までのセックスのように。



穂乃果は俺とのセックスでイった試しがない。

ヤってる最中は喘ぎ声も出すし、悦な表情を浮かべるのだが、果てたことは一度もない。

たいてい俺が先に射精して終わってしまい、中途半端にセックスしてその先を欲しがるでもなく、ただた

だボーッと遠くを見つめている。

男が先にイっちまうだけでも屈辱なのに、今までのセックスで一度もイかせられなかったという事実がイ

ライラを募らせる。

それに今日はもう何回もヤり続けているというのに、まだ穂乃果は一回もイってない。

これが俗に言う"マグロ"ってやつか。



嘲笑すると俺はタバコの火を消した。

部屋の中は暖房がきいていて暖かい。穂乃果はとっくに部屋着に着替え、ベッドに座って明後日の方

向を見ている。まるで焦点があっていないその瞳が俺をさらにイラつかせる。

穂乃果は部屋に戻ってきた俺に気がつくとあっけらかんと言う。

「あ……もう一回……する?」

チッ……この女!

「もう一回じゃねぇだろ」

「な、なに……? なに怒ってるの?」

「もとはと言えば部屋に誘ってきたの、オマエの方だろ!?」

「え……? だ、だから何?」

「何じゃねーよ! オマエはセックスして何も感じねぇのかっつってんの! そんなに俺が嫌か?」

「え……! ち、ちがう! そうじゃないの」

「ちがくねぇよ。じゃあ、なんで一度もイかねーんだよ!?」

「それは……その……」

「なんだよ、さっさと答えろ」

「え、えと……」

「なぁ!?」

「…………」

「てめっ!」

「わ、わかった! ちゃんと言うから! ぼ、暴力は……やめて」

「チッ」

俺は振り上げたこぶしを静かに下ろすと、穂乃果の隣に音を立てて座った。

「で?」

「え、えと……じつは……」

「…………」

「わ、わたし、コレがないと……ダメなの」

そう言ってポケットから取り出したのは水色のラムネみたいなクスリだった。

「なんだ、それ? 新手のピルか?」

「ううん。違くて、コレを飲むのは、タケル君の方」

は、何言ってんだこいつは? 自分が感じやすくなるクスリとかならともかく、俺がクスリを飲んで穂乃

果がイクってか? 意味わからん。

「それ、何なわけ?」

「飲んでみれば分かるよ。これ飲んだあとで、もっかい、しよ」

穂乃果はあくまで落ち着いていた。やっぱり何考えてるかわかんねー。

「分かったよ。これでいいんだろ?」

クスリを噛み砕くと、薄くソーダみたいな味がした。なんだ思ってたより美味いな。っていうかまんまラム

ネじゃん。

しかし、べつだん体に変化があった様子もなく、ただ穂乃果が嬉しそうに微笑んでいるだけだった。

「なんだ、なんもねーじゃん」

「ううん、これでいいの。試しにパイズリ、してあげよっか」

言うが早いかベッドで仰向けになる穂乃果。ちっ、俺がイかせるんじゃねーのかよ。

悪態をつきつつも言うなりになるしかなかった。

穂乃果は部屋着の薄いTシャツを腹からまくって、下乳と下乳が形成する深い谷間を見せつけてくる。

上目遣いでこちらを見つめ、目が合うとおいでおいでと手で招く。もう何回もイっているはずなのに、再

び俺の陰茎がたぎる。

俺は招かれるままに、穂乃果の腹に馬乗りになり、胸の谷間にイチモツを挿入した。



「どう? 気持ちいい?」

気持ちいいに決まってる。

穂乃果の豊満なおっぱいが俺の陰茎を包み込む。チンコを通して伝わってくる温かさ、柔らかさ。

穂乃果は笑みを浮かべると、乳を荒々しく揉みしだく。おっぱいが右から左から波打ってしごいてくる。

自分から動く必要もない。ただおっぱいに身をあずけているだけで、俺の陰茎は花開く。胸の谷間にう

もれて、チンコはもう見えない。

「タケル君のおちんちん、わたしのおっぱいで溺れちゃったね」

くそっ、下手に出ればいい気になりやがって。

俺は腰を大きく動かし、穂乃果の巨乳を攻めていった。

「なぁ、お前の方こそ気持ちいいんだろ? お前のそのでかい胸は俺のチンポを挟むためだけにある

んだもんな? ほら?」

「ひゃうッ!」

幾度のセックスで彼女の性感帯が胸にあることを俺は熟知していた。

俺が腰を動かす度に身体をビクつかせる穂乃果。クスリの効果なのか、いつもよりも感じてるみたいだ

な。よし……!

「ほらほら、もっと腰を動かして欲しかったら『わたしのおっぱいまんこイかせてください』とお願いするん

だな。 んん?」

「わ……わ、わたっ……し、の……お、おっぱ、い……まん、こ……」

「どうした? 聞こえないなぁ」

「お、おっぱいまんこ……イかせてぇ!」

いつになくノリノリの穂乃果に俺は思わずニヤついてしまう。

結局この女も俺の手中だ。変なクスリは飲まされたが、こうやって手懐けちまえばこっちのもんだ。

「『イかせてください』だろ?」

「い、イかせて……く、くだ……さいッ!」

「まぁ、合格としてやろう。ほら存分に味わいな」

激しく腰を動かす。穂乃果は自分の胸を握るように揉みしだく。よほど感じてるんだな。俺もそろそろ、

フィニッシュしちまいそうだ……!

「あ……やぁんッ!」

ドピュッ! ドピュッ!

俺は顔射の愉悦に身を投じていた。これが最後の"普通の"性行為になるとも知らずに。


***


「ぐぅっ……!」

射精の気持ちよさに思わず顔を歪ませる。頭が真っ白になるような快感。動物が元来あわせ持つ本能

的な開放感。これだからセックスは止められねぇ。

さすがの穂乃果も、あの変なクスリのおかげで快感に身をよじらせているに違いない。

そう思い目を開けると、強烈な違和感が俺を襲った。

第一の違和感。さっきまでイチモツを挿入していた胸の谷間が、ずいぶん緩い。いや、射精後だからも

ちろん緩いだろうが、さっきは勃起前でも締めつけがあったはずだ。それが、ない。

第二の違和感。おっぱいがやたら大きく見える。巨乳好きの俺にはたまらないが、突然人間のおっぱ

いがこんなにも成長するものだろうか?

第三の違和感。おれ、さっきまでスネがベッドについてなかったか? いわゆる『ひよこ座り』みたいな

格好で穂乃果の腹に座っていたはずだ。それが今では足の裏がベッドに接している。そういえばさっき

よりも足を広げているような……。

違和感の拡大。

しかしその答えは刹那のうちに明らかとなった。

「うふふ……。じゃ、降りよっか」

突然、巨大な手のひらに胴体をつかまれる。

でかい。俺の胴回りと同じくらいあるんじゃないか?

「うわ……うわわぁ!」

俺は"たかいたかい"されるような格好で、穂乃果の腹から、そしてベッドの上から降ろされた。

な、何が起こったんだ? とてつもなくデカい手に腹つかまれたぞ? 一体誰の……って、この部屋に

は俺と穂乃果しかいないはず。ってことは……穂乃果、の?

床に降ろされた俺はついに違和感の正体に気が付いた。

「え、え……?」

周囲のものが全部デカくなってる。

ベッドも、ガラスのテーブルも、俺が贈ったハートのネックレスも、テレビも、扉も、全部。巨人の家に迷

い込んじまったみたいだ。さっきまで腰を掛けていたベッドが俺の腰のあたりまである。そして……。


ギシッ。


ベッドの軋んだ音を立てながら穂乃果が立ち上がる。

頭ひとつ俺の方が高かったはずなのに、いまは穂乃果の方がそびえるように大きい。目線は穂乃果の

下腹部あたり。ルーズなホットパンツが誇らしげにその大きさを見せつけてくる。

視線を上にずらせば小さめのサイズのTシャツに包まれた腹。せり出した胸は手を伸ばしてももう届か

ないくらいの位置にある。

そのまま更に視線を上げると、おっぱいの向こうに穂乃果の可愛らしい顔。その表情は喜びを抑えき

れず、嬉しそうに笑っている。

俺はぼんやりと思った。穂乃果が口を開けて笑ってる……。



ひと息ついて、穂乃果は顔の精液を舐めずりながら言った。

「わたしね、サイズフェチ、なんだ」

また意味の分からないことを言う。こいつは俺をどうしたいんだ?

俺の混乱を知ってか知らずか、穂乃果は淡々と言葉を続ける。

「さっき飲んでもらったクスリは『SRK-200』っていってね、これを飲んだ男の人は射精するたびに体が

半分ずつ小さくなっちゃうの。面白いでしょ? わたし、小さい男の人とじゃないとイけないんだよね」

サイズフェチ? SRK-200? なんだよそれ?

「わたしのおヘソと同じくらいの身長ってことは……90cmないくらいかな? まだまだ全然おっきいね。

これからもっともっと小さくなってもらうよ? 私の好みのサイズになるまで、ずぅっと」

90cm? 俺が? ずぅっとって……どれくらい?

「うふふ、声も出ないみたいね。まぁ、無理もないか……。それより、この大きさだと赤ちゃんみたいで

可愛いよ、タケル君?」

「うわっ!」

全身を抱きしめられる。俺はもう考えるのをやめた。

顔が腹に、胸が太ももに、股間がスネに押し当てられ、振りほどこうとしても穂乃果は全く動じない。

右手で頭を、左手で背中を押さえつけられ、息ができなくて苦しい。押し当てられる体温は熱く、穂乃果

の香りを無理やり吸い込まされる。

「う、うぐぐ……ぐ……」

「アハッ、必死に太ももを叩いちゃって……。痛くもかゆくもないよ? でも、それで精一杯なのかな?」

「むぐぅ……ぐぐ……」

「こーら、暴れないの。タケル君はもうお姉さんに力じゃ勝てないんだよ?」

優しく諭すような物言い。

穂乃果の力が緩み、顔だけ窒息寸前の状態から開放される。首だけで上を見上げると、とろけるよう

な穂乃果の視線とぶつかる。面倒をかける弟を思いやるような瞳。俺は、こんな穂乃果の瞳が見た

かったんじゃない……!

「お、"お姉さん"だとッ!? てめぇは俺の後輩だろうがッ……!」

「ふーん、タケル君こんなに小さいのに?」

「く……てめ……」

「あ、そうだ! タケル君、自分がどれだけ小さくなったか分からせてあげるね」

俺を押し付けていた両手が離れたかと思うと、胴体をがっしりとつかまれた。俺は穂乃果の巨大な両

手を脇に抱えるような格好になる。

つかまれたまま俺の体はグングンと上昇し、穂乃果と視線が並んだ。

「う……わ……!」

恐い、恐い、とにかく恐い。1m近く体を持ち上げられていることも、俺を軽々と抱え上げている巨人が

穂乃果だってことも。

「わ、わ……うわぁ!」

俺はジタバタともがくが、穂乃果の手はビクともしない。あのちっちゃい穂乃果の手のひらが、温もりは

そのままに、サイズが大きくなって強大な筋力を獲得している。いや、俺の筋力が穂乃果の手のひらほ

どに及ばないのだ。

俺の恐怖も意にも介さず、穂乃果は嬉しそうに続ける。

「アハッ、ちっちゃくて可愛い!」

「お、おいっ! テメッ、離せ!」

「お姉さんに向かってそんな言葉遣いは良くないゾ☆」

「うぎゃ!」

肋骨が折れるかと思った。

穂乃果は軽く手に力をこめただけかもしれないが、空気が吸えないほど肺が押しつぶされる。

「ほらね。これでお姉さんとタケル君の差がどれほどか分かったでしょ?」

「ひ……ぐ……」

「あ、ごめんね。息できないんだったね」

両手の力が弱まると、俺は激しくむせ返った。酸素が足りず、息遣いが荒ぶる。鈍い痛みが胸から腹

にかけてジンジンと広がっている。

ここまでの事の顛末を整理する間もなく、ただただ混乱と恐怖と鈍痛で頭がいっぱいだった。

「ハッ……! ハッ……!」

「フフ、苦しかった? 辛かった? ……あ、でもそうでもないのかな?」

言いつつ、膝を上げて俺の股間をいじる穂乃果。

言われるまで気がつかなかった。こんな状況で勃起しているなんて……。

「フフ、さっきイったばっかりなのにまだヤりたいの? もう、しょうがないなぁ。タケル君のおちんちんが

本来の機能を失っちゃう前に、コッチに招待してあげようかな」

「フガッ……!」

右腕を俺の背中にまわし、抱え上げられたまま再び強く抱きしめられる。母親が赤ん坊を抱っこするよ

うな態勢。女の子の腕一本で抱えられちゃうぐらいの体重なのか、俺は……!?

穂乃果の腹と俺の腹が密着し、突き出たおっぱいの谷間に俺の顔はうずもれてしまう。俺の頭とおなじ

くらい大きな二つの乳房。チンコを挟んだ時とおなじ柔らかさを、俺は頬で感じていた。こんな大きさで

も、さっきまでと全く変わらない柔らかさを異様だとさえ思ってしまう。

そして否応なくかがされる穂乃果の匂い。Tシャツ越しにでも伝わってくる甘い匂いに混ざって、精液の

イカ臭さもする。さっきまで、確かにここにチンコを挟んでいたはずなのに。

「よいしょっと」

穂乃果は空いた左手で、ホットパンツとショーツを太ももまでずり下ろした。穂乃果の下の口があらわ

になる。

「はい、どうぞ。いらっしゃい」

左手で硬くなった陰茎をつかまれ、そのまま無理やり膣内に挿入させられる。

抱っこされながらのセックス。

人生初の逆駅弁という状況に、しかし屈辱を感じている余裕などなかった。

2分の1になったチンコでも十分なほどの締め付け。逆に2倍の大きさのヒダが俺の陰茎に吸い付く。

まるで膣に喰われちまってるみたいだ。気持ちよすぎるだろ……!

「タケル君……かわいい……」

チンコを挿入し終えた左手は、俺の頭を優しくなでる。

形勢逆転などという生易しいものじゃない。完全に立場が狂ってる。彼氏だったはずが、弟へと、赤ん

坊へと。

こんなのは違う! こんなのはイヤだ! 

拒否しているはずなのに、何なんだ、この妙な興奮は?

「じゃ、そろそろ次にいこっか」

急に顔が圧迫される。頭をなでていた左手が俺の頭を豊満な胸へと押し付けたのだ。

その柔らかさを堪能する間もなく、穂乃果が激しく腰を動かし始めた。

程よい締め付けの中、膣内を翻弄させられる陰茎。腰を前後に動かされるたびに電撃のような快感が

ほとばしる。

「あ……っあぅ……あああ!」

2倍になった穂乃果のおっぱいも、おまんこも、体温も、匂いも、陰毛もすべてが、俺を快楽の園へと

誘っていく。あああ、もうダメだ……! イっちまう……!

その瞬間。

「中出しはだーめ」

射精の寸前でチンコを外され、精液は汚い音をたててフローリングに飛び散る。

「くっ……! はぁ……はぁ……」

果てながら、まだ悪夢は始またばかりであるということを、俺は肌で感じ取っていた。


***


「あらあら、ずいぶん簡単にちっちゃくなっちゃったね」

気がつくと俺は、穂乃果に抱え上げられていた。その大きさ4倍。

さっきまでと世界が全然ちがう。

穂乃果にとってはぬいぐるみを抱き上げているのとなんら変わりないのだろう。俺の目線は穂乃果の

首と同じ高さのはずなのに、足は穂乃果の太ももに届かない。2、3m持ち上げられてる状況にめまい

がする。

「わ……わ……」

「じゃ、小さくなったことだし、タケル君の大きさ確認しよっか」

床にそっと下ろされる。フローリングが足裏に冷たい。

ひさびさの地面に軽くたちくらみを覚える。

「さぁ、どんなもんかな?」

ショーツとホットパンツを穿き直し終えると、両足を肩幅まで開き仁王立ちになった。

視界がはっきりしてくると、目の前にはありえないものが。

穂乃果の……膝……?

デカすぎて一瞬何なんだか分からなかった。俺の顔ほどの面積を持つ穂乃果の膝。

恐る恐る視線を上へと移していく。

もう手の届かない位置に、ホットパンツ。ふわふわした生地でできた部屋着用のホットパンツは悠然と

俺のことを見下している。俺はさっきまであんな高いところにイチモツを挿入していたのか。

次に目に写ったのは、さっきまでチンコを挟んでいたはずの大きなおっぱい。もはや俺が座れるんじゃ

ないかと思うぐらい巨大化したおっぱいは、俺のことなんか眼中にないように乳首をツンと上へ勃起さ

せている。その乳首に持ち上げられてTシャツがテントを張る。

目線の終着点には穂乃果の優しげな笑顔。慈悲に満ちたその笑顔は、しかし俺を戦慄させる。

「膝とおんなじくらいかぁ。もうタケル君跨げちゃうね」

眼前にあった柱が折れ曲がり、巨大な足が俺の頭の上くらいまで上昇した。

「ひっ……!」

俺は思わず頭を抱え、身構えてしまう。

俺の動物的本能が警鐘を鳴らすのだ。何かされる、と。相手は女の子の足だというのに。

しかし、そんな警鐘も杞憂に終わった。

ドシンと踏み下ろされたのは俺の背後。つまり、俺は1歩で穂乃果に跨ぎ越されてしまったのだ。

「どうかな? 女の子の脚にすっぽり収まっちゃった感想は?」

頭上のホットパンツに包まれた股間が俺の視界をまるまる奪う。

ふと、おまんこに嘲笑されながら「ふふ、もう女の子の股間にも届かないのね。おまんこの方が立場が

上になんだから、ちゃんと挨拶しないさい?」と言われた気がした。もしかしたら、じっさい穂乃果に言

われていたのかもしれないが、覚えていない。

「ふ……は……た、助けてくれ!」

ようやく口をついて出た言葉は、命乞いだった。それも命乞いを向けたのは、穂乃果にではなく、穂乃

果のおまんこに、だ。

「こ、これ以上、小さくしないでくれッ!」

「…………」

黙として語らないおまんこ。

「も、もう十分だろ!? なっ? もう終わりにしてくれ!」

「やーだよっ」

黙秘を続けるおまんこの代わりに答えたのは、さらに上層の穂乃果本人だった。

腰に手を当てて見下してくる。目に見えない圧力で、汗が止まらない。

「女の子の膝とおんなじ身長なんて、まだまだおっきすぎるよ。わたしをイかせたいんでしょ? じゃ、

もっともっと小さくなって、わたしを悦ばせてよ!」

にぱっと笑ったその表情は、普段の俺ならばニヤけてしまったかもしれないが、今の俺には恐怖を煽

るものでしかない。もっともっと小さくって……どれくらいなんだよ……!

「さーて、次はどうしよっかな。……とりあえず、タケル君小さすぎて立ったまま相手するの疲れちゃっ

た」

「……ッうわ!」

ドスンと音を立てながら穂乃果が腰を下ろす。俺は座った穂乃果の足と足の間で右往左往することし

かできない。



ありえなかった。あまりに非常識だった。

座った相手に見下されるなんて。

直立する俺よりも、穂乃果の方が頭一つ分大きい。

「アハッ、こんにちは」

着地した上半身の存在感にどぎまぎする。目の前の4倍になったおっぱいは、もはや両手で抱えきれ

ないほどだ。至近距離になってその重量感を再認識する。

「あ~、またエッチなこと考えてるでしょ?」

「え……!」

勃っていた。たった今、出したばかりだというのに。

「ちょ……これ……おかしいッ!」

「なーんだ、必死になって叫んでると思ったら、じつは結構このシチュ楽しんでる? 彼女に小さくされ

て悦んじゃうなんて変態さんだね」

「ち、ちが……」

「違くないよ。じゃ、これは何?」

穂乃果の右足で股間をいじられる。俺の"脚"と同じくらいの"足"で器用に陰部を弄る。

「ぅぐっ……!」

気持ちよすぎて声が出てしまった。

何なんだこの悦楽は。どうしてこんなに興奮してしまう?

「ほらほら」

俺のチンコより大きい足の親指が、優しく愛撫し、激しくつつき、淫らにこねくり回す。

攻防のすえ、俺は無様にも喘ぎ声をあげながら尻餅をついてしまう。

両足を伸ばして座っている穂乃果の足のあいだで、両足を伸ばして座る態勢。

視線の先には陰部を覆うホットパンツ。

視線を上げると穂乃果と目が合う。逆光のせいか笑顔が黒く見える。

「ほらね、さっきまでのは全部演技だったんでしょ? そんな悦んでくれるなら、もう容赦しないよ?」

「あ……ふがッ!」

穂乃果の両足に挟まれる。穂乃果にとって俺を挟みこむなど、膝下だけで十分だった。

何かとてつもなく後戻りができない気がする。

俺は本当にもとに戻れるのか? 一生穂乃果のペットとして飼われるのか?

焦燥にかられて激しくふくらはぎを蹴る。足の甲を殴る。

もう必死だった。とにかく元の大きさに戻りたかった。

でも俺にできることは、彼女の脚の間でもがくことだけだった。

「く……や、やめろぉ……!」

全身全霊を捧げて暴れると、足の締め付けが緩んだ。

さ、さすがに効いたかッ……!?

「ちょっと、位置を調整して……」

巨大な右手に上半身をまるまるつかまれると、なすがまま太ももの方に移動させられ、再び太ももで挟

まれてしまった。

絶望。

もう俺の全力は穂乃果には届かないのか。

「どう? 太ももの監獄だよ?」

うわッ、息ができない!

太ももはその柔軟性をもって俺の顔を優しく包み込んでしまい、呼吸する余地がない。

やばいって、ほんとに……窒息する!

「キャハハ、やめてよもう。くすぐったいでしょ」

俺は必死に暴れるが、穂乃果にとってはくすぐったい程度でしかないらしい。

くそっ! ほんと、し、死ぬ……!

両手で太ももを、右足でホットパンツを、左足でお尻を攻撃するがビクともしない。

無我夢中で攻め続けていた俺は、ついに右足を穂乃果の股間にクリーンヒットさせてしまった。

「ぁん……! うふふ、なかなかやるわねぇ。なら、反撃してあげる!」

「ッ…………!!」

急に穂乃果が太ももどうしをすり合わせ始めた。

痛くて、苦しくて、なのに気持ちいいと感じてしまう俺がいる。

太ももをすり合わせるたびにムニムニとした肉感が全身を撫でまわす。優しく包み込まれるのと同時に

柔肌でこすられてちょっと痛い。それでも、柔らかな太ももに全身をしごかれるのは、この世のものとは

思えないほど気持ちよかった。

「こんなのはどうかな?」

太ももが止まったかと思うと、今度は太ももどうしが密着する。太ももと太ももにサンドされ、ものすごい

圧力がかかる。

息ができないとかそういうレベルじゃない。圧死してしまう!

死を覚悟した瞬間、ふいに太ももの圧力から解放される。

「ぐ、は……! はぁ……はぁ……っ!」

必死に酸素を求めるが、それは全て穂乃果の体臭に染まっている。刷り込みとも言えるほど、散々穂

乃果の香りをかがされて、もう頭がどうにかなっちまいそうだ。

「苦しそうだね。あ、これはどう?」

呼吸が整ってきたかと思うと、次は太ももにビンタされた。

穂乃果は脚を広げたり閉じたりしているだけなのだが、俺は太ももに殴打され普通に立っていられな

い。

痛みが次第に正常な思考を妨げる。

「うわぁ……うわぁぁ!」

俺はもう見えない敵に対して暴れることしかできなかった。

振りかぶった拳はペチペチと音を立てて太ももに吸収されてしまう。

「無駄な抵抗やめなよ。タケル君はわたしのペットなんだから」

ムニムニとこすり合わされ、ぎゅーっと圧迫され、パフパフと叩かれる。

ヴァリエーションに富んだ太もも攻め。3つのパターンが繰り返し繰り返しランダムに襲ってくる。そして

そのどれもが際限なく全身を快感へと誘う。

どんどんエスカレートする太もも。速度も、圧力も上がっていき、絶妙なテクニックでしごかれる。俺は

何をすることもできず、太ももと愉悦に身を任せた。

太ももに犯されてイっちまう……! 太ももに犯されてイっちまうぅぅ!!


***


午前2時を回った段階で、俺は8分の1の大きさになっていた。

「はぁッ……! はぁッ……!」

床の上で力尽きる俺をよそに、穂乃果は床と太ももに付着した精液をティッシュで拭き取っていた。

ねっとりとしたティッシュを丸めてゴミ箱にシュートすると、フフンと鼻をならし、こちらを振り向いた。

俺は穂乃果のつくる影にすっぽりと収まってしまう。

「休めた? ほら、立って立って」

いや……もう、無理だって……。

短時間で幾度となく射精したことに付け加え、あれだけ思い切り暴れていたのだ。いまや立つのが億

劫になるくらい体力は残されていなかった。

いっそ、このまま……眠ってしまいたい。

すべて、悪夢だったと……思えるように……。


ドン!


突然、全身に異常な圧力が加わった。

「うげぇっ!」

カエルのような悲鳴をあげながら、俺はとっさに目を開ける。

視界がやけに狭い。体中が『何か』で覆われているようだ。

その『何か』が穂乃果の巨大な右足だと気がつくまでに、数秒かかった。

仰向けに横たわる俺にむかって、穂乃果の右足が踏み下ろされたのだった。俺はどうやら親指と人差

し指の間から顔を覗かせているらしい。

もう穂乃果の右足はちょうど俺と同じくらいの大きさになっていて、俺は腕一本ぴくりとも動かせない。

「アハハ、ごめーん。いつまでも寝そべってるから間違えて踏んじゃったよ」

嘯きながら踏みつけたままの右足で俺を弄る。

リズミカルに圧力を抜いたり加えたり。足の指で顔を圧迫されたり。力強く踏みにじられたり。

巨人による、全身足コキ。

もはや視界ははっきりしないのに、全身から伝わってくる感覚が全て快楽へと変わっていく。

皮膚から伝わってくる圧力。容赦ない圧迫は苦しくてしょうがないはずなのに、なぜかその痛みが気持

ち良くてしょうがない。右足は少しヒンヤリしていて、逆に俺自身が熱気を帯びていることが分かる。

鼻から伝わってくる匂い。空気を吸うたびに強引に鼻に入ってくる。汗の酸っぱい匂いと足の裏から出

る独特の臭気が、鼻から直接脳に刺激を与えている。臭いのに、どこか穂乃果の体臭が混じってい

て、また嗅ぎたくなるようなクセになる匂い。

舌から伝わってくる味。親指で顔を弄られて、舐めたくなくても舐めさせられる。しょっぱくて、酸っぱく

て、でも苦くはない。少しだけ優しい穂乃果の味。

目から伝わってくる巨大さ。さっきまで目線と同じ高さにあったはずの膝は、もう見上げることしかでき

ない。その上に高笑いするホットパンツが。そのまた上に意地悪く見下ろすおっぱいが。その更に上に

優しく蔑む穂乃果の顔が。もう、それは絶望的な、生物としての差。

耳から伝わってくる辱しめ。

「あれあれ~? もしかして女の子に踏まれてるのに、興奮してるの? 小さなおちんちん頑張って勃

起させちゃってるじゃん。気持ちいい? 気持ちいいの? 気持ちよくないわけないよねぇ? 変態さん

のタケル君は、もうわたしの身体だったらどこでも気持ちいんだもんね?」

「うぐっ……! ひゃぁ……ぐがッ!」

「うふふ……良いよ、イかせてあげるッ!」

俺が果てるのに、そう時間は掛からなかった。


***


「ふふふ……だいぶイイ感じになってきたね」

そう言って穂乃果がしゃがみこむ。

俺と同じくらいの大きさになったおまんこがグっと近づいてくる。しゃがみこんだ穂乃果にすら、見下ろさ

れる身長。

「さ、立って」

ここで立たなければ、また踏まれる。

俺は自分にムチを打って、動かない体に無理やり言うことを聞かせた。

何度も転びそうになりながら立ち上がる。

足はおぼつかない。

「ん、えらいえらい。さーて、どれくらいちっちゃくなったかな?」

穂乃果が立ち上がり、ズイと迫ってくる。その迫力だけでも、逃げ出したくなるほどだった。

くるぶしと同じ身長。足の親指すら、俺の胸くらいまである。

何度経験しても慣れない、ヒエラルキーの最下層へと堕とされていく感覚。

彼氏と彼女が、弟と姉に、子と母に、ペットと人間に、虫けらと女神に、どんどん差が開いていく。今と

なっては女神様に『認識されていること』がありがたいとさえ感じてしまう。

「だいたい10cmくらいかぁ……。ホントはもうちょっと小さいくらいがいいんだけど。まぁ、見えなくなっ

ちゃうと困るし、そろそろいこっか」

親指と人差し指で体をつままれる。穂乃果はほんの軽くつまんだ程度かもしれないが、それでも俺は

全く抵抗できなかった。いや、もう抵抗する気力も起きなかった。

つままれたと思うと、体が急上昇し、穂乃果のおっぱいと目があった。いまや、俺よりも何倍も大きい。

ひょっとしたら小さくなる前のこの部屋と同じくらいの大きさになったんじゃないだろうか。

穂乃果は逆の手でホットパンツとショーツを脱ぎ捨てると、その場に座り込んだ。当然つままれている

俺も急降下し、そのGで脳が揺さぶられる。

ああ、もう女神様のなすがまま。虫けら程度の存在は、価値がないのだ。

「いまからタケル君をわたしの中に招待してあげるね。嬉しい? それとも悔しいかな? さっきまでタ

ケル君のおちんちんが入ってた所だもんね。ふふ……でも、もう気持ちよければ何でもいいみたいね」

俺の勃起した愚息を、穂乃果のなめらかな人差し指がなでる。

「じゃ、今から挿れるけど、踏ん張ってくれないとわたしの膣圧で潰れちゃうから、わたしのアソコに負け

ないように頑張って抵抗してね。なるべく、潰さないように、加減は……するけどっ……!」

言いながら俺を膣内へと挿入していく。

両足が呑まれ、続いて腰、胸、肩とずぶずぶと入っていく。

「あッ……くッ……ぃ、いぃ……! た、タケル君ッ……! 息止めてッ!!」

穂乃果の香りを肺いっぱいに吸い込んだ瞬間、ついに全身膣内に収まってしまった。



中は暗くて何にも見えなかった。

とにかく穂乃果の体温でものすごくアツい。

身動きがとれないほど窮屈で、ビッグサイズのひだひだが舐めるように俺を愛撫する。

犯しているのか、犯されているのか。

もう、そんなことを考えるのが面倒だった。頭を使うより、ただ今の気持ちよさを感じていたい。

「どう、タケル君? ちゃんと生きてる?」

俺は返事代わりに肉壁を押し返そうとするが、全くもってびくともしない。

「ん……! ちょっとピクッとした、かな? うふふ、もっと力一杯やっても大丈夫だよ」

今のが力一杯だと気づいていて言ってるのか? いや、ほんとに蚊が刺したような痛みにしか感じな

かったんだろうな。

だったら……と思い、目の前のひだひだに思いっきり噛み付いた。

「ッ~~~!! そ、それ……は、反則ッ!」

膣圧が一気に加わる。夥しい量の愛液が溢れ出す。

息ができなくて、潰れちまいそうで、すごく苦しい。

でも、何にも増して快感がこみ上げてくる。

締め上げられるように、全身がしごかれる。

気持ちよすぎて頭がイカレちまいそうだ。

「ぃ……いいっ! た、タケル君、いいよぉ……!」

「う……ぐ……はぁっ! ほ、ほの……か……!」

そうだ。

これだけの立場の差になって、やっとお互いが愛し合えたんだ。


***


射精。

縮小。

射精。

縮小。

…………。

それから何回射精したか分からない。

全身を襲う疲労のせいで、モヤがかかったように視界もはっきりしない。

いま自分はどれだけ小さくなったのだろう。

もしかしたら1cmにも満たない微生物よりも更に小さい、ミジンコ位の大きさなんじゃないだろうか。

もう、だめだ……。

動くのも、射精するのも、考えるのも疲れた……。

俺はピンク色の山脈の中で、ぐったりと倒れた。

薄れゆく意識の中、どこからか声が聞こえたような気がした。

「はぁっ……はぁ……イっちゃった……」


***


「タケル君?」

「……っえ」

「どうしたの? なんかぼんやりしてる」

俺は錠剤を片手に、穂乃果の前で突っ立っていた。

どうやら少し昔のことを思い出していたようだ。

「ああ……大丈夫」

そう、大丈夫。

あの時とは、違うんだ。

もう二人には本当の愛があると、俺は確信している。

だから、もう大丈夫なんだ。



俺は錠剤を口にふくむと、ふと窓の外に目をやった。

今日は、あの日と同じ、クリスマス。

窓の外では、雪が風にあそばれ、ちらついている。

凍てつくような12月の風は、6階の窓を眺めると、そっと恋人たちを祝福し、やがて、サンタクロースの

そりを運ぶように、街の中へと溶けていくのであった。


――終――