アメリカに来て数日経ち、俺は伯父さん一家に連れられて観光名所を一通り巡った。
観光先で俺が舞の妹に間違われるという出来事はあったが、それ以外は本当に楽しかった。
今日は特にどこにも出かける予定がなく、舞の部屋でだらだらする予定のはずだった。
「恭平君。今日私のお友達と会ってくれない?」
「え?友達?」
「そう。メアリーちゃんっていう日本人とアメリカ人のハーフの子だけど、日本に一度も行ったことがないの。」
「ふーん。」
「で、日本語の勉強をしてるんだけど、まだ親戚以外の人と日本語で会話したことないんだって。だから日本にずっと住んでる人と会話してちゃんと自分の日本語が通じるか確認したいらしいの。」
「へー。そんな子がいるんだ。今日は別に予定ないし会ってもいいよ。」
「本当ー!じゃあ午後からメアリーが来るから会ってあげてね。私はちょっと予定があるからしばらく二人で過ごすことになっちゃうけどいい?」
「え。二人か。。。まあいっか。大丈夫だよ。」
「ありがとう。メアリーも喜ぶと思う!」
そして午後。
メアリーちゃんが家にやってきた。俺は舞の部屋で待機している。
「こんにちはー。」
部屋のドアを開けて舞と同じくらい大きな黒髪ロングの女の子が入ってきた。大きな胸に大きなお尻。そして長い脚。すごく大人っぽい。服装はロングスカートにTシャツというスタイル。足が長いのでロングスカートがよく似合っている。一方で顔はすごく童顔で可愛らしく、身体とのギャップがたまらない。舞の友達と言っていたがいったい何歳なんだろうか。20歳近いようにも見える。俺より年上かもしれないな。
俺は立ち上がってメアリーを出迎える。舞と話すときと同じくらいの首の角度でメアリーの顔を見上げる。目と髪は黒いが顔立ちはどこか外国人のような雰囲気がある美少女だ。
「あなたが恭平さんですか?私はメアリーです。よろしくお願いします。」
教科書のような日本語だ。ちょっと発音がおかしいが、流暢な日本語である。
「恭平です。どうもよろしく。」
メアリーの大きな手と握手する。
「あー。恭平さんはおいくつですか?」
「17歳です。あなたは?」
なぜか俺も日本語がぎこちなくなる。
「ワオ!驚きました。恭平さん可愛らしいので年下かと思いました。」
メアリーは俺の頭を軽くなでた。年上のお姉さんに可愛いと言われながら頭をなでられるのは悪い気はしない。
「私は11歳です。舞のclassmateです。」
クラスメートの発言が素晴らしい。ってえ!?11歳!?舞の同級生かよ。なんでこう俺の周りに現れる女の子はでかい子が多いんだ。
「え!?11歳!?大人っぽいからもっと年上かと思ったよ。」
「身長が高いのでよく年上に間違えられます。」
「でしょうね。。。身長はいくつなの?」
「身長は201cmあります。」
身長だけではないだろう。これだけグラマーな体型をしていたらとても11歳には見えない。舞は背は高いがそこまで胸とお尻が大きいわけではない。
「恭平さんは相撲が強いと舞から聞きました。昔、舞が日本にいたとき、舞は恭平さんに投げられたと言ってました。」
「ああ。昔はね。」
「私は舞に相撲で勝ったことないです。舞はとても相撲強い。恭平さんは舞よりももっと強い。どのくらい強いのか知りたいです。」
嫌な予感がした。
「私も相撲してみたいです。」
「え?」
「舞は相撲をすごく楽しそうに私にしゃべってくれました。私もやってみたいです。」
「…。」
そりゃあ昔は俺の方が舞よりもでかかった。しかし今は舞の方が断然でかいし、腕力もある。今舞と相撲をしたら片手でかるくあしらわれるだろう。当然メアリーと相撲をしても2m超えの人間に159cmの俺が勝てるわけがない。なんとか断りたい。そう考えていた。
「お願いします。日本の男の子と相撲してみたいです。」
メアリーがきらきらした目で俺を見下ろしながらお願いしてくる。めちゃめちゃ可愛い。こんな可愛い女の子の頼みを断れる男がいるだろうか。
「…じゃあ。一回だけね。」
「ワオ!ありがとうございます!」
なんだかんだで相撲の勝負を引き受けてしまった。猛烈に後悔しているとメアリーはうれしそうに俺を抱きしめた。メアリーの大きな胸に包まれて気持ちいいがそれ以上に抱きしめる力が強すぎて痛い。とても俺一人の力ではメアリーの腕から脱出できない。絶対俺より力が強い。
「苦しい…。早く相撲やろっか?」
「Oh!そうですね。」
メアリーは俺を解放してくれた。
「じゃあ土俵はこのビニールテープで作りましょう。」
「そうだな。」
メアリーは部屋にあったビニールテープで土俵を作った。
「準備終わりました。ここでしましょう。」
「おう。。。」
いよいよ勝負のときだ。絶対に負ける闘いに挑むときほど絶望を感じるときはない。
「はっきょーい。。。。」
メアリーが声をかける。俺はメアリーに合わせて蹲踞の姿勢をとる。腕力で負ける俺は長期戦になってがっぷり四つに組んだら勝ち目はない。メアリーが立ち上がるより先に倒しにかかるしかない。要は先手必勝だ。合図と同時に特攻してやる。
「のこった!」
その瞬間俺は立ち上がり、メアリーに向かって突進した。メアリーは驚いた顔をしている。よし。意表をつくことに成功した。このままメアリーが体勢をととのえる前に倒してしまうぞ。そう思いメアリーの身体を押そうとする。
ところが、メアリーは体勢を整える前に中腰の状態で俺に向かって腕を伸ばしてきた。俺よりも圧倒的に長いリーチの腕だ。メアリーの手は俺の胸をものすごい力で押す。俺の腕はメアリーの身体には届かない距離なので、一方的に俺がつきとばされる形になる。
「うわああああ。」
俺はメアリーの手によって吹き飛ばされる。
気がつくと俺は地面に横になっていた。
「わお。恭平さん弱いですね。本当に舞に勝ったんですか?」
メアリーが不思議そうな顔で俺を見下ろしながら聞いてくる。
「ああ。。。」
俺は11歳の女の子に相撲で負けた恥ずかしさから顔を真っ赤にして答える。
その瞬間、部屋のドアが開いた。舞が帰ってきたようだ。
「ただいまー。恭平君とメアリーは仲よくしてた?ってあれ?何やっての?」
舞は倒れた俺と立ったままのメアリーを見ながら言った。
「恭平さんは舞に相撲に勝ったときいたので相撲してました。」
メアリーが答えた。
「え?あはははははは。」
舞が爆笑している。しばらく笑ってこう答えた。
「メアリー。確かに恭平君は昔は私に相撲で勝ってたけど、昔は私より恭平君のほうが大きかったからよ。今だったら余裕で勝てるわよ(笑)」
「え?そうなんですか?確かに弱すぎると思いました。(笑)」
メアリーも半笑いで答えた。
「恭平さん、無理いってごめんなさい。」
メアリーは倒れてる俺をすごい力で起きあがらせると俺を抱きしめながら謝罪した。メアリーのグラマーな身体に包まれながら俺は勃起してしまった。肉感のやわらかな身体につつまれて興奮しないわけがない。確かに11歳の女の子に興奮するなんて情けないが、メアリーの体つきがいやらしすぎるのだ。しょうがない。しょうがない。しょうがない。そう思いつつ、このときばかりはメアリーに甘え、ぎゅっと抱きつくのであった。