※50cmシリーズと70cmシリーズの主人公の名前が混同してしまっていました。
 70cmがまさきで50cmの方はまさるです。


「う…。」

まさるは目が覚めた。目を開けるとそこは当然えりの部屋だった。

「あ。起きた?」

えりはまさるを床で寝かせたまま自分は椅子に座ってお茶を飲んでいた。えりはいつの間にか着替えたらしくショートパンツにTシャツという寝間着姿である。
えりは目覚めたまさるの方に歩いて近づいた。まさるはまだ起きあがる体力が無く横になっている。

「まーさーるーくん」

えりは優しい笑顔のまま、まさるを踏みつける。えりの可愛らしい25cmの足が50cmのまさるの上にのしかかる。普通の身長の人間にしてみたらほっそりとした華奢な可愛らしい足であるが、まさるにとっては自分の半分の大きさの巨大な足である。

「ぐえええ…。」

まさるはえりの足の重さに苦しむ。
一方、えりは余裕の表情でまさるを見下ろす。

「ねえ。まさるくん…。」

えりはぐりぐりとまさるを踏みつけながら言う。
こころなしかえりの目はうっとりとしている。復讐ができてうれしいのである。

「な…なんだ…。」

「今日と明日、私の言うこと聞いたらまさるくんのこと許してあげるけどどうする?言うこと聞かないっていうならこのまま踏み殺そうと思うんだけど。」

えりの足は相変わらず50cmのまさるの上にある。えりが全体重をかければその瞬間まさるはえりの体重に押しつぶされて死ぬだろう。
えりはまさるのお腹にのせた足にぐりぐりと体重をかける。
踏み殺されたいわけがない。まさるはえりの言うことを聞くことにした。

「言うこと聞くから許してくれ…。」

まさるはえりの重さに耐えながらなんとか答えた。

「は?許してくれ?立場分かってんの?許して下さいでしょ?この…チビが!!!」

えりはまさるの口のきき方を不満に感じたらしい。まさるを踏みつけている足にさらに体重をかけ、まさるを見下ろしながら話しかけた。

「ぐえええええええ…。ごめん…なさい…。許して…下さい…。」

まさるは重さに耐えながら、恐怖を感じながらもなんとか答えた。

「最初からそう言えばいいのよ。チビのくせに生意気な口聞かないでくれる?あんたなんて私がちょっと体重かければ踏み殺せるんだからね?次生意気な口聞いたら腕の骨折るから。分かった?」

えりは冷たい目でまさるを見下ろしながら言う。まさるの腹の上にはえりの可愛らしいが、まさるを踏み殺すには充分な大きさの25cmの足が乗ったままである。
えりの冷たい目線にまさるは恐怖を感じ、えりの機嫌を損ねないようにしゃべる。

「はい…。分かりました。」

「そうそう。それでいいのよ。」

えりはようやくまさるの腹の上から足をどかした。
えりが足をどかして安心したからなのか、その瞬間まさるのおなかが鳴った。まさるは夜ごはんを食べていないことを思い出した。

「ん?あんたお腹空いてるの?」

えりが見下ろしながら尋ねる。

「はい…。お腹すきました。」

「ふーん。。。あ。そうだ!ついておいで。」

そう言ってえりは歩きだした。まさるは慌てて起きあがって着いていく。えりの一歩はまさきの3~4歩分はあるのでまさるは走らざるをえない。遅れたら何をされるか分からないからである。
えりは台所に行き冷蔵庫を開けた。

「えーっと。。。あ!あった!」

えりは冷蔵庫から小さめのシュークリームを出した。

「この大きさならあんたの大きさでも完食できるでしょ?」

確かに一般人には物足りない大きさであろうが50cmのまさるにはちょうどお腹を満たせそうな大きさである。

「は…はい。完食できます。」

「オッケーちょっと待ってね。」

そう言ってえりはシュークリームを包装から出すとシュークリームを床に落とした。
そのまま渡してくれればいいものを床に落として拾わせる気らしいがそのことについてまさるは不満を言うつもりは一切ない。不満を言おうものなら再びえりの巨大な足に踏みつぶされるであろうからだ。

まさるがシュークリームを拾おうとした瞬間、まさるの目の前のシュークリームの上にえりの巨大な足が降ってきた。えりの足がシュークリームをぐりぐりと踏みつける。
中身のクリームは完全に飛び出てシュークリームはぐちゃぐちゃである。

「はい。どうぞ。踏んであげたから食べやすくなったでしょ?あ、まずは私の足についたクリームから舐めてくれる?このままだと汚いからさ。」

えりはクリームにまみれた足を差し出した。
クリームは足の指の間にもびっちりとついている。もちろんまさるはこんな状況になったシュークリームを食べたいわけがない。しかし、拒否しようものなら再びえりの足で踏まれてしまうであろう。もしかしたら今度は自分がシュークリームのように踏みつぶされるかもしれないとの恐怖もあった。
仕方なくまさるはえりの足についたクリームをぺろぺろと舐める。足の指とはいえまさきの手の指ほどの長さはあり、指の間のクリームの量はかなり多い。まさきは必死で指の間にあるクリームも丹念に舐め取る。

「あはは。くすぐったい~。まるで犬みたい~。ていうか小さいから小型犬だね。」

えりは笑いながら足の指をもぞもぞと動かす。そのたびにえりの足の指がまさるの顔にぐりぐりと押し付けられる。
しかし、まさるは一切抵抗せずにひたすらに舐め続ける。えりへの恐怖からである。

「あ。そろそろ舐め終わったかな?う~ん。今度はあんたの唾液で足が汚くなったなぁ~。お風呂場で足洗ってこようっと。床についてるシュークリームも残さず舐めときなさいね。」

えりはそう言って浴槽へと消えて行った。
まさるの目の前にはぐちゃぐちゃにつぶれたシュークリームがある。こんなもの食べたくはなかったがえりの命令ならやむを得ない。まさるはぐちゃぐちゃのシュークリームを拾って食べ、床に着いたクリームもぺろぺろと舐めた。

クリームを舐めているとえりが戻ってきた。

「あはは。本当に舐めてる~。やっぱり犬みたいだね。美味しい?」

床でぐちゃぐちゃになったシュークリームが美味しいわけがないが怖くてまさるは口ごたえはできない。

「はい…。美味しいです…。」

「あはは。ぐちゃぐちゃなご飯が美味しいんだ~。明日の朝ご飯も踏んで食べやすくしてあげるからね。」

「はは…。ありがとうございます…。」

まさるは力なく笑う。

「あ。そうだ。お水いる?」

えりはまさるに尋ねる。確かにまさるはのどが渇いていた。

「はい。水が欲しいです。」

「うん。分かった~。」

えりは手をおわん状にしてそこに水をためた。そしてしゃがみこんでその手をまさるに差し出した。身長がまさるの三倍以上ならば手の大きさも当然まさるの三倍近くはある巨大なものだ。えりの小指の太さですらまさるの親指の倍以上の大きさである。

「はい。どうぞ。あんたのサイズに合うコップが無かったから私の手から直接飲んで。」

まさるは言われるがままにえりの手の中の水を犬のように手を使わずにすすった。

「うんうん。やっぱりまさる君は犬みたいだね。私が一生君のこと飼ってあげてもいいよ?」

「え…。それは…。」

まさるは困惑した顔でえりを見上げる。しゃがんでいてもなおえりはまさるよりも目線がはるかに高い。

「ははは。嘘に決まってるでしょ。あんたみたいなキモい犬を飼いたいわけないじゃん。」

えりに笑われるがまさるはぐっと我慢して水をすすった。

「もう大丈夫です…。」

まさるは充分水を飲んだのでえりにその旨伝えた。

「はいはーい。」

えりは手に残った水を台所の流しに捨てた。
そして、えりはまさるの首根っこを掴んで軽々とまさるを持ち上げてリビングへと戻った。
えりはあくびをしながらまさるを運ぶ。どうやら眠たいらしい。

「じゃあ私眠いからもう寝るね。あんたの寝床はタンスの中ね。」

そう言ってえりはタンスを開け、まさるをタンスの中に入れた。
タンスの中にはえりの服が敷きつめられてあり意外と寝心地は悪くない。

「もし私が寝てる間に逃げ出そうとしたらただじゃすまないからね。てか、どうせあんたの身長じゃドアノブまで手が届かないだろうから無駄なことしちゃだめよ~。じゃ、おやすみ。」

えりは乱暴にまさるの入ったタンスを閉めた。まさるの視界は真っ暗になりそのまま眠りについたのであった。