真美ちゃんのリュックの中で息をひそめて5分くらい経っただろうか。真美ちゃんは家に着いた。

「ただいまー。」

「おかえりなさーい。」

真美ちゃんはお母さんの返事も聞かずに二階にある自分の部屋に向かった。


ジーーーーーーー。

リュックのファスナーが開く音がする。

「石川さん。お疲れ様。ここが私の部屋だよ。どうする?リュックから出たい?」

真美ちゃんが俺を見下ろしながら尋ねてきた。リュックの中でぐらぐらと揺らされて軽く船酔いのような状態の俺は、さっさとここから出て外の新鮮な空気が吸いたい。

「リュックから出してくれ。」

そう言った瞬間、真美ちゃんの手が俺の首をつかんできゅっと締める。真美ちゃんの手のサイズなら身長50cmの俺の首くらいかるく一周してつかむことができる。苦しい。俺が訳も分からず真美ちゃんを涙目で見あげていると、

「石川さん、できれば私にため口きいてほしくないな~。石川さんはペットみたいな存在でいてほしいの。」

真美ちゃんが微笑みながらで俺を見下ろして言う。微笑んではいるが俺の首を締めながら言っているのだ。俺に反論の余地はない。

「す、すいませんでした。」

「うん。わかってくれたらいいの。私と石川さんはペットとご主人さまみたいな関係なんだよ。」

真美ちゃんは俺の首から手を離し、頭をなでながら言う。

「そうだ。私が石川さんなんて呼ぶからよくないのかな~。。。ねえ石川さんって下の名前なに?」

「まさるです。」

俺はしっかり敬語で答える。また首を絞められたらかなわない。

「そっかー。じゃあ石川さんのこと今からマー君って呼ぶね。これならペットみたいでしょ?で、マー君は私の事ご主人様か真美様って呼んでね。」

真美ちゃん。いや、真美様は無邪気な笑顔で俺に向かって言った。しぶしぶだが納得するしかない。

「はい。。。。分かりました。。。。」

「んー?マー君不満なのかな~?」

真美様は再び俺の首をつかみ、きゅっと締めた。

「ぐ。。。不満では…ないです…。」

「ふーん。わかればよろしい。」

真美さまは首から手を離すと、俺の頭をなで、さらにネコを可愛がるときのように首をさすった。

「確かにずっとリュックの中で苦しかっただろうから、外に出してあげる。私が部屋に戻ってくるまで部屋の中で自由にしてていいよ。私はしばらく部屋にいないけど、逃げ出したり変なことしちゃだめよ。変なことしたら、ただじゃ済まさないから。」

「はい。」

「よし。じゃあ良い子にしててね。」

真美様は俺の額にキスをして部屋から出て行った。逃げ出そうにも、真美様の家族に見つかったら俺の側が不法侵入で警察に突き出されてしまう。真美様の家族に見つからないように部屋で大人しくするしかない。
それに巨大で恐ろしいとはいえ女子高生の部屋にいるのだ。大人しくペットのふりをしていれば、俺の家でしてくれたような気持ちいいことをしてくれるかもしれない。逃げ出すのは損である。
そう判断し、俺は真美様のベッドでしばらく横になることにした。怒涛のようにいろんなことが起きて疲れたのだ。
俺は布団をかぶり、横になった。女子高生が毎日使っている布団。気のせいかすごく良い臭いがする。この臭いに包まれてリラックスしたおかげか、俺は一瞬で眠くなり眠ってしまった。



「マー君。ご飯よ。ってマー君!何勝手に私の布団で寝てるの!?」

真美様の声で目が覚めた。目が覚めると同時に真美様は俺の首を片手でつかみ、立ったまま自分の目線まで俺を持ち上げる。

「マー君?ペットはご主人さまのベッドで勝手に寝ちゃだめでしょ?」

「す、すいません。。」

「うーん。まあ今回は初めてだし、マー君が一人で寝る場所とか作ってなかったしね。大目に見てあげる。いい?今度から勝手に私のベッドで寝ちゃだめよ?私の許可がない限り、私のベッドで寝ちゃダメ。分かった?」

「は、はい。」

「うん。素直でよろしい。」

真美様は俺の頭をなでる。

「あ、そうそう。晩御飯の残りを持ってきたの。マー君まだ何も食べてないよね?」

確かにそうである。俺は真美様を自宅に呼んだ時にかるくお茶菓子を食べたが、それ以外は何も食べていない。お腹がすいている。

「はい。お腹すきました。」

「うん。チャーハンの残りを持ってきたの。はい。どうぞ。」

真美様は俺の目の前にチャーハンの乗った小さい皿とスプーンを置いた。小さいといっても真美様が持つと小さいのであって、俺から見たら、馬鹿でかい皿とおたまのようなスプーンである。

「食べてもいいんですか?」

お腹がぺこぺこではあるが無断で変なことをしてまた怒られてはかなわないので一応確認をした。

「うん。食べてもいいけど、私が食べさせてあげる。」

そう言うと真美様はスプーンにチャーハンを乗せて俺の目の前に差し出した。俺は素直に差し出されたスプーンの上のチャーハンを食べた。

「や~ん。可愛い~。」

真美様はご満悦のようだ。よかった。家に着いてから不機嫌にさせることが多かったので、ようやくここで挽回できたように思えた。

「はい。ど~ぞ。」

真美様は再び俺の目に前にチャーハンを差し出す。俺は再びそれに食らいつく。

「うふふ。美味しそうに食べるね。餌をあげてるみたい(笑)。」

餌という言葉にひっかかったが、真美様がご機嫌になってくれてうれしい。さらにご機嫌をとるためになるべく美味しそうに食べる。

「ねえマー君?」

真美様がにこにこしながら俺に話しかけてきた。

「なんですか?」

「なんかさ。私にため口聞いたり、私のベッドに勝手に寝たり、マー君にはまだペットとしての自覚があまりないと思うの。もちろん今日出会ったばっかりだからしょうがないけど。だから、私の事をご主人様だってことを体に刷りこんであげる。」

嫌な予感がした。一体何が始まるのかと思い真美様を見ていると、真美様はチャーハンを食べた。もぐもぐとしばらく咀嚼しながら、真美様は俺の後頭部をがっちりと手でつかんだ。
真美様は俺に顔を近づけてくる。まさか。。。と思っていると、真美様は俺に口づけしてきた。そして、そのまま俺の口の中に咀嚼したチャーハンを流し込んできた。
必死で舌で抵抗するが、真美様の巨大な舌に適うわけはない。俺の舌は真美様の舌にねじ伏せられてしまった。
真美様の唾液のせいなのか、なんだかチャーハンは少し甘味が増しているような気がする。それに加えて、真美様の柔らかい唇が俺の唇に触れている。
二つの快感のせいで、俺は骨抜きにされてしまった。

「うふ。どう?美味しい?すごく可愛い顔してるけど(笑)」

「美味しい…です。」

「そんなに美味しかった?」

「はい…。」

「うふふ。良い子にしてたらまた噛んであげるよ。また噛んでほしかったら良い子にしてくだちゃいね~。」

「はい…。」

「じゃ、残りは自分で食べてね。食べさせてあげるの飽きちゃった。宿題があるから大人しくしててね。」

「はい…。あ、宿題手伝いましょうか?」

「ん?マー君の大学って頭悪い大学でしょ?(笑)私の宿題は解けないわよ(笑)」

「はい。すいません…。」

確かに俺の大学は偏差値50以下だ。自分の大学を馬鹿にされたがそんなことは気にならないほど、先ほどの甘い余韻に浸っていた。俺は甘い余韻に浸りながら一人で黙々とチャーハンを食べた。真美様は机に向かって宿題にとりかかった。


しばらく経ち、俺はチャーハンを食べ終わり、真美様の許可を得てベッドでごろごろしていた。

「今日は寒いわね~。あ。そうだ。マー君、湯たんぽの代わりになってよ。」

そう言って真美様は立ち上がり、ベッドで寝ている俺の方へやってきた。何をされるのだろうと少し不安な眼で真美様を見上げた。

「そんなおびえなくていいのよ(笑)少し大人しくしてくれればいいの。」

真美様は制服のシャツのボタンの上二つを開けた。そして、俺の両脇の下に手を入れ俺を持ち上げ、そのまま机に向かって座った。

「しばらくこの中に入ってて。」

俺は真美様のシャツの中に入れられた。俺は胸元からひょっこりと顔を出す形になった。
真美様の胸が俺の後頭部に当たって気持ちいい。もちろん気持ちいいのは後頭部だけではない。真美様のすべすべの肌が俺の全身に触れている。

「うんうん。やっぱりマー君暖かいね。宿題終わるまでこのままでいてね。宿題終わったらお礼に良いことしてあげる。」

言われなくても俺はこのまま真美様に包まれていたい。

「はい。」
とだけ返事をする。

しばらくシャツの中に入れられていると、真美様の体温のおかげでぽかぽかとして、眠くなってきた。気がつくと真美様のシャツの中で眠ってしまっていた。。。