俺は大学時代から付き合っている彼女と同棲している。もうすぐ同棲をして半年になるだろうか。
同棲を始めた当初は家事のやり方で多少揉めることがあったが、今では特に揉めることもなく円満に同棲生活をしている。

同棲を始めて良かったと思えることはたくさんある。家に帰ると彼女が笑顔で出迎えてくれたときはとても幸せだし、逆に彼女の帰りを待つ時間も幸せだ。だが、俺のような性癖の人間にとってはそんな幸せよりももっと幸せなときがある。

それは彼女の身につけているものをこっそり拝借して、彼女の大きさを感じるときである。

俺の性癖はいわゆる長身フェチ。背が高い女の子がたまらなく好きなのだ。
この性癖を自覚したのは、性が目覚め始める小学6年生のときだった。学年で1番小柄だった俺は、当然下級生にも身長で負けることが多かった。ある日、4年生で1番背の高い女の子とすれ違ったとき、明らかに彼女は勝ち誇った顔で俺を見下していた。その瞬間に今までに感じたことのない胸のドキドキを感じた。
思えばあれが長身フェチへの目覚めだったのかもしれない。

幼いころから小柄だった俺は、そのまま身長が大して伸びず、社会人になった今も150cmしかない。しかも、運動部に所属したことがないので色白で体の線が細く、顔も幼いのでよく歳下に間違えられる。

一方、俺の彼女は身長185cm。中学時代からバレーボールをやっており運動神経抜群。バレーボールを辞めて社会人になった今もジムに通って汗を流す体育会系だ。

そんな俺のタイプど真ん中の女の子と付き合えたのは奇跡としか言いようがない。しかも、彼女の方から告白をしてきたのだ。彼女はどうやら俺のような背が低くて華奢な男がタイプらしい。

そんな2人なので、普段から互いの身長をいじったり、背比べをしたりしてお互いの大きさ(小ささ)を楽しんでいる。彼女に頭を撫でられたり、肘置きにされたりするのはとても興奮してしまう。彼女も俺の小ささを楽しんでいるようで、いつも笑顔で俺の身長をいじってくる。

もちろん、彼女とそうやっていちゃいちゃするのは最高だが、俺は彼女が外出したときにも彼女の大きさを感じるために彼女の服や靴で遊んでいる。普通に背比べをするだけでは分からない、彼女の大きさを感じるためである。

今日も彼女が外出したのを確認すると、まずは玄関に行き彼女のスニーカーを靴箱から取り出す。彼女の靴のサイズは28.0だ。女性としてはかなり大きい。あまりサイズの合う靴がないのが悩みのようである。
一方俺の靴のサイズは23.5cm。彼女よりも4.5cmも小さい。当然、俺が彼女の靴を履くとブカブカになるし、彼女が俺の靴を履くのは不可能だ。
早速、俺は取り出した彼女のスニーカーに足を通す。スルッと足が入る。俺が足を入れても彼女のスニーカーはまだまだ余裕がある。
俺が足をブラブラさせると彼女の靴はゆらゆらと揺れ、今にも脱げそうになる。
こんなに大きな靴を彼女は当たり前のように履いている。自分の小さな足とは全く違う彼女の足の大きさに俺は毎回興奮してしまう。

彼女がこの大きな足で俺を本気で蹴ったら、俺は大怪我をするかもしれない。
体重、筋肉ともに彼女の方が圧倒的に上。
もちろんそんなことは彼女も分かっているから、決して俺を本気で蹴ったりはしない。
俺の「脆さ」を分かった上で、俺に決して本気の力をぶつけてこない彼女の態度もまた、俺の性癖にはどストライクなのだ。

俺はだらしない顔をしながら、彼女のスニーカーに足を突っ込んでいたが、彼女はコンビニに出かけただけなのですぐに戻ってくることを思い出す。スニーカーばかりを触っていては時間がなくなる。

慌てて彼女のスニーカーを靴箱に戻し、彼女のクローゼットに向かう。
彼女のアイテムの中で一番好きなものがクローゼットには眠っている。彼女のチェスターコートである。長めの丈のこのコートは彼女が着ると長身によく似合うかっこいいアイテムなのだが、俺が着ると袖は余るし丈が長くて地面に着きそうになる。
そんな滑稽な姿の自分を鏡で見ながら彼女との大きさの違いに一人興奮する。

チェスターコートを着て息を荒くしていると、スマホが鳴った。彼女からLINEが来た。

「もうすぐで帰るね。コンビニに美味しそうなお菓子あったから一緒に食べよ(o^^o)」

俺は急いでチェスターコートをクローゼットにしまい、甘いものに合いそうなコーヒーを淹れる。俺の変態的行為を知られないよう何食わぬ顔で彼女の帰りを待つのであった。あ