---はじまり---


 ピンポーン。と3回目のチャイムを鳴らす。

「おーい。居ないのかー?」

 幼馴染に呼ばれ、こうしてやって来たというのに留守とは何事か。虚しく鳴り響くチャイム音を聞きながら空を仰ぐ。
 目の前に聳えるは天辺が霞むほどの1枚の板。横方向にも延々と続くそれ。これがドアですと言われても分からないであろう。
 ドアだけでは無い、門ももちろんぶっとんだ大きさだし、玄関前の階段だって1段何100mあるか分からない。自分が小さいわけではない。住んでいる街の隣の山をいくつか潰しこの家が建っている。
 巨人と小人の共存が当たり前にはなっているが、やはり色々不便である事には変わりない。門から玄関までだって小人用通路をスクーターで走ってきたわけだし。

「おーーい」

 ガチャッ。

 小人用玄関のノブを適当に回していたら開いてしまう。やれやれ無用心な……。小人が侵入した所でどうもならないだろうが。
 お邪魔しますと呟き中に入れば外と変わらずスケールのデカい家の中。まるで自分が蟻になったようである。相対的に見ればまさにその通りなのだが。
 幼馴染の家という事もあり、ここへは何度も来た事がある。勝手知ったる他人の家。何しろバカでかいので駆け回り放題なのだ。靴脱ぎ場で野球が出来る。昔はよく1クラスまるごと集合して遊んでいたものだ。若干1名、サイズが1000倍の女子も混じっていたが。

「…………」

 すぐ手前の部屋から何やら物音が聞こえる。なんだ居るじゃないかと小人用スロープを歩き靴脱ぎ場から廊下へ、部屋への扉には小人用ドアは付いていないが、下の隙間(隙間と言っても10m程度)からすんなりと入れてしまうので問題は無い。
 ドアを潜り抜けるとウチの高校の制服の後姿が見えた。その距離約2km。彼女からすれば僅か2歩だが。
 声をかけようとしたが、その違和感に気付いて止める。俺の幼馴染はあんなに髪は長くなかったはずだ。それに制服も縮んでしまったようにサイズが合っていない。
 彼女の股の間から姿見が見える。どうやら自分の格好をチェックしているようだが。

「……!?」

 そこには幼馴染……ではなく、彼女の母親が娘の制服を着て姿見と睨めっこをしている姿が映っていた。
 黙っていれば幼馴染の姉で通せるくらい若く見えるおばさん。記憶の中ではいつもエプロンを着て微笑んでいるイメージだったが……こんな趣味があるとは。
 今は真剣な表情で「まだいけるわ……」とか「似合ってるじゃない」とかぶつぶつ言いながら裾をぐいぐい引っ張っている。母と娘では絶望的に胸囲の差があり、娘の貧相な胸に合わせてある制服はギチギチと音を立て今にもはちきれんばかりだ。
 
 ズドォォォン……。ズドォォォォン……。

 おばさんが一人で恥ずかしいポーズを取る度に地響きに襲われる。もはやスカートの意味が無いのではないかと思うくらい超ミニに成り果てたスカートがひらひらと踊り、惜しげもなくパンツを見せ付けてくる。まさか下着まで娘のなんだろうか。白いパンツはお尻に食い込み、大事な部分の形がくっきりと浮き出てしまっている。
 その衝撃的な光景にしばし釘付けになっていた。はっと我に返るといつ止んだのか、もうおばさんが起こす振動は止まっていた。
 後姿のおばさんは両腕で胸と股間を隠すようなポーズをしており顔は真っ赤、ぷるぷる震えてその目線は姿見越しに……俺を見ていた。
 まさか!床に落ちる塵のような小人を目視出来るというのだろうか。いや、巨人を人間の常識で考えてはいけないのか。小人の街を被害無しで歩く彼女達には何か特別な能力があるに違いない。
 嫌な汗が吹き出る。そのまま回れ右をしてドアの隙間へ向かう……が遅すぎる。おばさんは既に振り返り、一歩踏み出していた。幼馴染の白いニーソに包まれた肉付きの良い足が非常にゆっくりとした速度で振り下ろされる。
 衝撃にもんどりうつ俺とドアの間に2歩目が降ろされた。コロニーが落ちてきたようなものだ。その風圧に吹き飛ばされ転がる。目を回し仰向けになる俺の頭上におばさんが聳え立っていた。張り出した下乳がよく見える。
 照れ隠しなのだろう、真っ赤になりながらも無理やり怒った表情作りこちらを見下ろしている。腰に手を当てる姿は眼鏡こそかけていないが、どこか幼馴染と重なって見えた。
 だが、幼馴染のトゲトゲしい口調とは正反対の、甘ったるく優しい口調でこう言った。

「もう、いつから見てたの?」


---おっぱい編---


「ふーん、それでおばさんに見惚れてたのね。ふふ、仕方ないわね。男の子だもんね」

 おばさんがクスッと笑うだけで吹き飛ばされる。白く柔らかい大地のおかげで怪我はしない。ベッドの上に仰向けで寝転がるおばさん。服は制服のままで、その胸の上の黒い点が俺だ。
 これだけ巨大だともう胸の上という感じがしない。まさに山だ。片方の胸だけでウチの学校のグラウンド並の広さがあるのだ。もしかしたらそれ以上かもしれないが。

「あはっ、転がる姿も可愛いわねぇ。えいえいっ」

 必死に体勢を整える俺へおばさんの人差し指が迫る。冗談じゃない!そこら辺のビルより巨大な肌色の柱が一瞬前まで俺が居た場所に突き刺さり、おっぱいの大地をむにゅっと押し込んだ。間髪入れずに浮き上がり、俺を追うように影が移動する。
 
ドォォン!ドォォン!

「うふふ、怪獣だぞー。がおー」

 なんてのほほんと微笑んでいるおばさん。人差し指という名の巨大怪獣から必死に逃げ、おっぱいの山肌を駆け上る。
 息切れもしてきた頃、ふいに隠れられそうな場所を見つける。家くらいの大きさの盛り上がり、それが何かも確かめずに裏側に飛び込んだ。
 ……どうやら人差し指を付き立てるのは止めたようだ。自分が隠れている物の陰から顔を出し、おばさんの表情を伺う。
 
「あらあら、大胆ねぇ」

 左手を顔に当て、再び顔を紅く染めて微笑むおばさん。
 周りをよく見てみる。寝そべるおばさん、おっぱいの山の山頂、そこにある突起……。正体を知り、かあっと顔が紅くなる。すぐさま離れようとする俺をまた振動が襲った。
 突起が隆起する衝撃に弾き飛ばされる。

「だ、大丈夫?」

 またしてもおばさんに摘み上げられる。1mmちょっとの小人をよく摘めると感心してしまう。
 次に降ろされたのは先ほどより一回りほど大きくなった突起の真上だった。これは一体……。困惑する俺に、おばさんは熱を帯びた表情で語りかける。

「君が大きくしちゃったんだから、責任持って小さくしてくれるわよね?」

 乳輪も含めれば俺の家より広いのではないだろうか。乗ってもびくともしないおばさんの乳首にうつ伏せになって抱きついてみる。制服の上からでも温かな体温が伝わってくる。全身を使って揉んでみるが、やはりビクともしない。叩いたり蹴ったりしてみても同じだった。

「ほらもっと頑張って!こうやって……ね?」

 俺が居る方と反対の胸に手が伸びたかと思うと、そちら側の乳首を摘んで弄り始めるおばさん。どうする事も出来なかった屈強な砦のような乳首が、おばさんの人差し指と親指の間で面白いように形を変える。あれに巻き込まれたら戦車だろうがなんだろうが一瞬にしてスクラップになるだろう。
 その様子を見ながら、俺は既に大きくなっていた息子を自分が張り付いているおばさんの乳首に押し付け、ばれない様に腰を振る。
 このまま出したらズボンが濡れるな。等とぼーっとする頭で考えているとおばさんが脱力し、おっぱい山を襲っていた振動が消える。

「はぁ……いっぱい汗かいちゃったから、一緒にお風呂に入らない?」

 有無を言わさず、おばさんはベッドから立ち上がる。

「お風呂場ならいっぱい出してもいいからね」

 ……どうやらこすり付けていたのはばれていたらしい。聖母のように微笑むおばさんの乳首に張り付いたまま、俺は脱衣所に向かった。


---お風呂編---


 
「ん~~~……はぁ」

 窮屈な制服から開放された体をほぐすように背伸びをし、浴室へ足を踏み入れるおばさん。タオル等一切持っておらず肉付きの良い体を惜しげもなく晒している。
 小惑星規模の豊満な胸、張り出した大き目のお尻、むちむちとした太もも……湯気を纏っている姿はさながら女神のようであり、大事な所を隠していなくても下品ないやらしさは微塵も感じられない。

「すぐに体洗っちゃうから」

 浴槽の淵に降ろされている俺に微笑みかけると、彼女のサイズに合わせて作った椅子に座り、風呂場の隅においてある物に手を伸ばす。
 彼女が手に取ったそれは小人の世界では決して風呂場等には無い物、原油輸送を目的とされ作られたタンカーだった。

「これにね、ボディーソープが入ってるんだ」

 小人さん達も面白い事考えるよね。とくすくす笑いながら自らの胸の谷間にタンカーを持っていく。
 その様子を俺は呆然と眺める。圧倒的な質量を持つ、柔らかなおばさんの両胸はタンカーをほぼ覆い尽くしてしまい、谷間からちょこんと船首がはみ出ているのみだった。
 
「えいっ」

 既にメキメキと悲鳴をあげていたタンカーは、おばさんが両胸を寄せるだけであっけなくぺしゃんこになる。谷間からは真っ白なボディーソープが溢れ出し、艶かしく胸をコーティングする。

「ああん、壊し甲斐が無いわねぇ……今度はもっと頑丈なのを作ってもらおうかしら」

 むにゅむにゅと両胸を揉むおばさん。それに合わせて更にタンカーが磨り潰され、ぺらぺらの鉄板へと変貌する。魚の干物より無残な姿になったそれを谷間から開放し、興味が無くなったのか、おばさんは片手でぐしゃりと握り潰した。
 上機嫌に鼻歌を歌いながら体を洗うおばさん。彼女の足元を見れば、いつかは先ほどのタンカーと同じ運命を辿るであろう別のタンカーが並べられている。その端には何に使うのか、両翼をもがれたジャンボジェットや潜水艦まで置いてある。
 飛び散る水しぶきに流されまいと必死に抵抗している内におばさんは髪を洗い終える。立ち上がり、浴槽に入ろうと足を持ち上げる。
 ……うおおお!多分わざとなのだろうが、おばさんは俺が乗っている場所を跨いだのだ。僅か頭上数100mに彼女の恥部が迫る。恥丘に申し訳程度に生えた毛、そこから股間を縦に裂く途方も無く巨大な割れ目。それを包む襞から先端のクリトリスの盛り上がりまでが圧倒的な大きさで俺の全天を覆いつくしていた。
 ぬらぬらと濡れ光るピンク色の肉の渓谷はすぐに去り、もう片方の足が唸りを上げ頭上を通過していった。

「あら、ごめんなさいね。おばさんのここなんて見たくないわよねぇ」

 見せ付けておきながら、おばさんは今更恥ずかしそうに股間を手で隠し頬を赤らめた。
 対岸が霞むほどの浴槽。湯気を纏いながらその1700mの巨体がゆっくりとお湯に沈んでいく。

「はぁぁぁ~~~……生き返るぅぅ」

 ずぶずぶと口元まで沈み、深く息を吐く。そのセリフ、おばさんくさいですよ。

「むう、どーせおばさんですもん。高校生の娘がいるおばさんですよーだ。罰として島流しの刑です」

 逃げるまもなく巨大な指の先端に捕まった俺は何100mも移動させられ……お湯の大海に浮かぶ二つの島へと落とされた。
 見渡す限りの肌色。見上げれば巨大な女神の微笑み。

「ああ、可愛そうな男の子。彼は一生おっぱいという島の上で暮らす事になったのです。食べ物といえば島の先っぽから溢れるミルクだけ……」

 芝居がかったセリフを悲しそうな表情を作りながら言うおばさん。再び摘まれた俺はお湯の海面からちょこんと顔を出しているおばさんの乳首の上に降ろされる。
 制服の上からとは違う温かさと柔らかさ。おっぱいの島から突き出したピンク色の突起は俺が走り回れるほどの大きさだった。振り返れば乳輪の壁。おっぱいにさえぎられ、もうおばさんの顔は見えなかった。
 もにゅもにゅと押せばいい弾力を返してくる乳輪に全身で抱きついてみる。はうぅ……とおばさんの声が聞こえたような気がした。
 そのまま股間を押し付け、肉棒を擦り付ける。塵サイズの俺が果たして刺激を与えられるかは謎だったが、目の前のピンクの壁に思い切り吸い付き肉棒を突き立てた。
 乳首から発せられる、むせ返るほどのミルクの匂いにクラクラしながら何回目かの射精をする。既に乳輪にかかる精液も薄くなり、全身汗だくで肩で息をする。浴室の高い温度にあてられついに俺はおばさんの乳首の上に仰向けで倒れてしまった。
 薄れ行く視界の中、遥か上空からおばさんが心配そうにこちらを覗きこんでいたような気がした。


---その後---


 一定間隔の揺れ、全身を襲う肌寒さにより俺は現実世界へと引き戻された。すぐさま周囲を見渡し状況確認。
 地面は布の感触でなだらかな丘の中腹辺り。隣には同じ丘がもう一つ、2つ仲良くゆっさゆっさと揺れている。
 
「起きたのね。おはよう」

 優しい口調だが、あまりにも巨大なため空気が震える。見上げればこちらを見下ろすおばさんの顔。髪がほんのり濡れ石鹸のいい匂いが漂う。既におばさんは着替えており、いつも通りのエプロン姿になっていた。それとは反対に俺は何も着ていない。慌てて探すが広大なおっぱい平原には自分以外何も見当たらない。

「ごめんなさいねぇ。服、小さすぎて見つけられなかったのよ」

 悪びれもなくうふふと笑うおばさん。一体どうやって帰ったらいいのか、立ち上がって抗議しようとしたその時、突き当たりの玄関からガチャリとドアノブを捻る音。
 1000倍サイズのドアを開けられる人物。擦りガラスに映るシルエットは華奢な女の子。間違い無く幼馴染だ。
 その音に慌てふためき、顔を見合わせる俺とおばさん。幸い、鍵がかかっていたのか幼馴染はドアノブを捻るのを止め、カバンをあさり始める。
 
「ごめんね、すこーしだけ我慢してね」

 言い終わらないうちに俺はおばさんの指先にへばり付いていた。指先を舐め、唾液に俺を付着させたおばさん。そのまま胸、お腹、股へと急降下し全身に途轍もないGがかかり気絶しそうになる。
 反対の手でスカートをたくし上げたおばさん。俺の目の前に薄ピンク色の壁が現れる。まさかと思った時には既に俺を貼り付けた人差し指はパンツのゴムの隙間にねじ込まれていた。
 ピンッと弾かれ、何mも下の柔らかな地面に投げ出される。蒸し暑く薄暗い世界はさっきお風呂に入ったばかりなのに雌の匂いが漂っていた。
 突如地面が浮き上がる。おばさんが下着を上げなおしたらしい。上空の巨大な化け物のような割れ目がパンツの大地と激突する。図太いワイヤーを連想させる陰毛が圧迫されギチギチと音を立てる。俺は運良く割れ目の中心に咥え込まれたため、おばさんの大き目の土手に押し潰されなかった。

「ただいま…今日あいつ来る予定なんだけど見てない?」

 いつものテンションの低そうな声は幼馴染。機嫌が悪いのではなく素だ。

「おかえりなさい。いいえ見てないわねぇ。お菓子用意する?」

 さっきの慌てぶりは嘘の様にのほほんとした口調のおばさん。幼馴染はおばさんの言葉にじゃあお願いと返した後、自分の部屋へと向かっていく。

「……やっぱり服探さないとまずいかしら」

 小さく俺に囁くおばさん。俺はそれに答えるように、今まさに俺の目の前に鎮座するドーム状のピンクの球体を力の限り蹴飛ばす。

「んっ……!は…あん…もう、分かったわよ」
 
 おばさんは振り返り風呂場へと向かい、再び下着の中の世界が地震に見舞われた。おばさんが歩く度に地形が複雑に変化する。両側の高さ数mの襞がパンツと擦れ合う。巻き込まれたら確実に磨り潰され、肉片と化すだろう。俺は割れ目の空間を後ろの方へと移動し、おばさんのお尻の割れ目へと避難した。

「もう、小人さんの服なんて見つからないわよ。埃と一緒にどこかに飛んじゃったかしら……?」

 外の世界でおばさんがぶつぶつ文句を言う。俺は再度抗議してやろうと目の前の直径10mを超える菊の窄まりへと蹴りをかました。

「や、やだ!ちょっとそんな所……に、逃げて!」

 尻を突き出す格好をして腸が圧迫されていたのか、塵サイズの俺の攻撃を感じ取ったおばさんの排泄器官。いくら無敵で巨大な女性であろうとも抗えないその行為。おばさんの尻の奥底から不気味な振動が聞こえ、みるみるうちに菊の印が盛り上がる。
 この後、俺は生命の危機にさらされる事となったが、これからのこの母娘との付き合いの中で考えれば些細な出来事なのであった。


---おわり---