これは「水穂の巫女」が某匿名掲示板に連載されていた当時、
その掲示板に感想代わりにカキコしたものです(少し手がはいっています)。
連載が2003年正月をはさんでいたため、正月ネタになっています。

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ゆたか「お正月だね」
ミズホ「そうですね・・・」
ゆたか「お正月だってのに神様がこんなとこでおもち焼きながら甘酒なんかのんでていいの?」
ミズホ「町まで行って初詣も済ませてきましたし、破魔矢も買ってきたんですよ」
ゆたか「ここも神社・・・だよね・・・」
ミズホ「ここのもゆうべ紅白みながらちゃんと作ったんですよ。ここのは天水穂神の手作りなんですよ」
ゆたか「でも12mは長すぎると思うよ。」
ミズホ「やっぱりそうなんでしょうか・・・だから売れないのでしょうか・・・私には程よい長さ・・・」
ゆたか「それって本当の姿のときだろっっ」
ミズホ「昔は指相撲やってがんばった人のところに届けたりしてたんですよ」
ゆたか「指相撲って・・・ひょっとして天水穂神の指と力比べすんの?」
ミズホ「けっこう有名な神事だったのですよ。」
近所の人「あけましておめでとうございます。今年もひとつよろしく・・・」
ミズホ「こちらこそよろしくお願いいたします。あ、ご祈祷ですか。ちょっとお待ちくださいね。甘酒もありますし」
・・・
ミズホ「お待たせいたしました。こちらへどうぞ」
ゆたか「仕事も・・・してるんだ・・・」

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ワイドショーの司会者
   「・・・というわけで、これが元日の朝、埼玉県瑞穂町の町乃神社で目撃された
    巨人の映像です。ぼやけていますが、巫女さんのようにも見えますね〜」
ワイドショーの霊能者
   「このあたりには昔から天水穂神という神様がいまして、巨人の姿だったともいわれているんですね。
    最近町乃神社の方がはやってますから、お怒りになって姿をあらわしたんでしょうかね」
ワイドショーの司会者
   「ただいま天水穂神さまとおっしゃる方からお電話が・・・はい、はい、怒ってはいらっしゃらない、と・・・」
ワイドショーの霊能者
   「・・・・・」
ワイドショーの司会者
   「え?初詣、ですか?商売敵に?」
ワイドショーの霊能者
   「他の神社に初詣に行く神様なんて、聞いたことがないですね」

ゆたか「まさか巨大化して初詣に・・・」
ミズホ「ちょっと遠かったものですから。6キロの道も300メートル位になるんですよ」
ゆたか「あんな混んでる所に行っていいの、人や車、踏んじゃうよ」
ミズホ「透過、できますから。それにあの姿は大人には見えないことになっています。」
ゆたか「でもビデオ撮られてるよ」
ミズホ「ほら、撮影者は13才の方だと・・・」
ゆたか「この神様、やっぱ抜けてる・・・それにTV局に電話する神様なんていないよ」

ワイドショーの司会者
   「水穂神社には7不思議がありましたよね」
ワイドショーの霊能者
   「元日にはだ〜れも準備しないのに社殿に電柱のような破魔矢が並ぶ、とか
    だいだら法師が出現する、とか
    早朝石段が壊れていることがあるとか、それが見る見る元に戻っていく、とか
    お供えをすると誰にも会っていないのにお礼状が届くとか、地元では有名みたいですね。」
ワイドショーの司会者
   「そんなことが本当にあるんでしょうか・・・」
ワイドショーの霊能者
   「そう、いわれてるんですよ。気はいいんですよね、あの神社。あんな清々しい、無邪気な気のところはそうないですよ。」

ミズホ「節分には挂甲を着て弓の弦を鳴らすという神事もあるんですよ」
ゆたか「節分の日に必ず鳴る雷って・・・」
ミズホ「15丈くらいある弓を使いますから」
ゆたか「15丈って?」
ミズホ「50メートルはないと思いますけれど・・・」
ゆたか「・・・」


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畑山 「考えたんだけどさ、ミズホお姉ちゃんで大もうけ、できないかな、『ミズホ産業』とかって会社作って・・・」
ゆたか「だめだよ、神さまだよ」
畑山 「『しゅうきょうほうじん』とかってのにすれば税金もかかんないって父さん言ってたよ」
ゆたか「それに天然だよ」
畑山 「でも神さまだぞ、本物の。雨だって降らせられるじゃん」
ゆたか「雨じゃお供えくらいしかもらえないよ。」
畑山 「水不足のとこだってあるじゃん。それにあの巨体・・・」
ゆたか「大人には見えないっていってたぞ」
畑山 「でも鉄塔へし折ってるんだろ、頭ぶつけて。工事もできると思うんだけどな
    それに節分の時の弓。てぽどんよりきっと強いぞ」
ゆたか「・・・」
畑山 「怪獣がきてもウルトラマン待ってる必要、ないんだぜ、ミズホお姉ちゃんさえいれば・・・
ゆたか「『めいげんのぎ』とか言うののとき、鎧着て弓持ったミズホお姉ちゃん、カッコよかったもんな〜」
畑山 「だろだろ!『ミズホちゃん写真集』だって億はかたいぞ」
ミズホ「なにを話しているんですか」
ゆたか「何でもないよ・・・あ〜びっくりした」