借金帳消しゲーム

債務者の借金を帳消しにするための命をかけたゲーム。
普通の部屋に縮小された状態で指示された場所へのゴールを目指す。
しかしただゴールするだけではなく部屋の中にいる少女に見つかってもいけない。
少女は駅前で紹介されたバイトで来ている、「ある特定の条件を満たすと追加報酬がある、基本は部屋でくつろいで時間になったら終わり」とだけ言われている
ピィーという笛が部屋の中に鳴り響いた
少女『なにか始まったのかな?でもゆっくりしとけばお金もらえるんだよねー』
少女は笛の音など気にせず椅子に座り、机にもたれかかり持ち込んで来た本を読み始めた。

債務者たちを閉じ込めていた空間にゆっくりと光が差した。
借金帳消しのため我先にと光の方に走り出す債務者たち。
外に出ると債務者たちの足は止まった。 自分たちの何十倍もある巨大な部屋、椅子に座っている少女に圧巻されてしまった。

部屋の外に全ての債務者が出ると先ほど空いていた扉は閉まった。

ズゥドオーンンンン!!!
轟音が一気に債務者の耳に響く!その音を辿ると少女の姿があった。
この音はただ何気なく机の下で組んでいた足を組み直し片足を地面につけた時に起きた音だ。

ピピピピッ
債務者にあらかじめ装着を義務付けられていたインカムに一斉にコールが入る。
『債務者の皆さんにはこれから指示する場所へ向かってもらいます、場所は少女のうなじ。それではグッドラック。』
短い指示が出たと同時に債務者は少女に向かい走り出す。
何百メートルか走りやっと債務者たちは少女の足元にたどり着いた。
少女の足は少しムワッとしており、足の臭いを感じる。
足を組んでいるため登れるのは左足のみ。債務者たちの上空で踵を基点にして左右に生き物のように動く足。
数人の債務者たちは少女の履いてある巨大な靴下の踵部分に手をかけ登り始めた。
ゴゴゴゴゴッ
するとその瞬間少女が足を組み替えたのだ。
先程足元周辺にいた債務者は降りて来たもう片方の足の裏の下敷きになっている。
踵を登り始めていた債務者はそのまま上空にさらわれ、彼らにとってかなりの高さがある場所で惨めに少女の靴下にしがみついている。
『たすけてくれー』上空と足元で情けない男たちの声がこだましているが少女の耳には届かないだろう。
しかし靴下ごしの巨大な足指と足裏で圧迫されて息をすることができない債務者よりはまだましだろう。息を吸おうとしても靴下に染み込んだ少女の汗しか取り入れることができないのだ。


グググググッ
ゆっくりと足にかけている体重が移動する。
踵や土踏まずに捕らえられていた債務者は巨大な足の裏の圧迫から逃げ出すことができた。
一方で指先で捕らえられていた債務者はミチミチっと音を立てて潰れていった。
『ピンポンパーン ただいま条件が達成されました。追加で四万お支払い致します!引き続き頑張ってください。』

少女『ええー、なんもしてないのに四万!』
金欠だった少女には思い寄らぬ軍資金だった。

指先にかけていた体重をまた踵に戻し、足の裏を見せつけるように逃げだせた債務者たちの目の前で足が持ち上がる。
指先の方にかけて血まみれでところどころ肉片がついている。