※放屁、放尿あります



第三話 脱出



最後の6限目の授業も何事もなく終わった。
皆いい感じに三上のことを忘れている。
いや、忘れているのではなく、気にかけないだけである。
亜美の魔法は感覚破壊。
ある物体を、魔法の効果範囲内の人間の脳から意識させなくする。
いわば、道端の小石を誰も気にかけないのと一緒だ。
今回の場合、三上のことを気にかけさせないことにより緊張をほぐす。
そうすれば犯人のぼろが出ると思ったから。そして案の定、
山崎早百合と指宿法子は犯行に及んだ。

隼人「今日はこれまでだ。あの後は特に何もなかったな。」
亜美「そうね。」
隼人「俺たちはバイトだから帰るけど、余計なことはするなよ。」
まどか「わかってますよー。」

そう言って、俺たちは帰路についた。



わかってますよー。
なんて言ったけど、私だって気になるもん!
見てなさい、新聞部の意地にかけて、隼人と亜美が見つけられなかったことまで発見しちゃうんだから!
実はさっき、山崎さんと指宿さんが1年校舎に向かうのを見たんだよね。
あの二人、いつもは授業が終わったらまっすぐ2人で帰るのに。
というわけで、あたしも1年校舎にレッツゴーよ!



放課後、校舎裏

香織「あー、もうマジやってらんねー」
のどか「木下マジむかつくよね、ハゲのくせに」
ゆづき「まぁまぁ、これで機嫌なおしなよ。」
香織「何このタバコ?見たことない。」
のどか「これ知ってる、ココナッツの香りがする奴だよね」
香織「そんなのあるんだー!」



早百合「ここにいつも1年の不良女子がたむろしてるのよ。」
法子「どうするの?」
早百合「まぁ、女の子だしね。聞き分けがよければ何もしないけど」
法子「悪かったら?」
早百合「聞くまでもないでしょ?」

早百合はムッチリしたお尻に自信を持つかのように歩み始めた。



早百合「あなた達、何してるの?それはタバコ?」
香織「!…んだよ、センコーかと思ったじゃねーか。」
のどか「アンタら2年?おばさんはどっか行けよ。」
早百合「そういうこと言わないの、年上の言うことは聞くものよ。」
ゆづき「私たちに何か用?」
早百合「こんなところでタバコ吸ってたら環境にも健康にも悪いでしょ?だからやめなさい。」
香織「あたしらだけじゃねーよ、皆やってるよ。うっせーんだよ。」
のどか「そーだよ、帰れよ。」
ゆづき「帰れよ黒ロン毛」
早百合「どうしてもやめる気はないの?」
香織「ねーよ。てかお前、名前言えよ。」
早百合「あたし?2年の山崎早百合よ。」
香織「そうか。2年に神崎伊織っているだろ。あたしのねーちゃんだから、お前シメてもらうわ。」
早百合「そう、じゃあ今からあたし達があなた達をシメるわね。」
香織「舐めてんじゃねーぞ根暗!…あれっ」

彼女が早百合に殴りかかろうと立ち上がった。
しかし、勿論早百合は彼女らを小さくする。

香織「あれ?どこ行ったさっきの女。」
のどか「か、かおちゃん。上…。」
香織「上?」

香織は上を見上げた。
そこにあったのは白い物体。横からは肌色の柱、下の方は黒くなっている。
白い物体は真ん中のあたりがぷっくりと膨らんでおり、スジのようなものも見える。
むしろ、自分の体でこのような部分を見たことがあると、香織は思った。

香織「何これ…?」
早百合「お・し・お・き♪」

ぷぅぅ〜〜〜

勢いよく屁は発射された。

香織「うああ!」
のどか「きゃっ!」
ゆづき「くさっ…何これ!」
香織「と、とりあえず逃げよう!」

香織たちは走り出した。同時に白い物体は上昇し、2本の柱が立つ。

ずぅぅぅん…

早百合は足を3人の目の前に降ろし、行く手を阻んだ。

香織「こ、こんなことって…。」
早百合「ふふ、驚いた?あなた達は今、身長2cmになってるのよ」
のどか「はぁあ!?意味わかんない!早く戻しなさいよ!」
早百合「…」

ズシッ!…グリグリ

早百合はそばに落ちていたタバコを踏みつぶし、足の裏で踏みにじる。

早百合「こうなりたくなかったら、先輩には敬語を使ってね。」
のどか「は、はい…。」

目の前で自分たちより大きいタバコがいとも簡単に踏みつぶされたのを見て、3人は完全に青ざめてしまった。

早百合「さて、あなた、かおちゃんだっけ。」
香織「か、香織です…。」
早百合「香織ちゃん。あたしをシメるんだよね?じゃあ、タイマンはろっか。」
香織「えっ…勘弁してください」
早百合「不良になるんなら、根性見せなさい。じゃあ法子、この二人は任せるね。」
法子「うん。」
香織「い、いやだ!助けて!おねえちゃーん!」



誰もいない教室に来た。
さて、この子をどう料理してやろうか。
ん〜。そうだ。とりあえず10cmぐらいにしてみる。

香織「えっ…。」
早百合「じゃあ香織ちゃん、お姉さんのパンツの中にはいろっか。」
香織「そんな、やめて…。」

私は香織ちゃんを頭からパンツに入れる。
顔の部分はマ○コに当たるように。
手はパンツの足の部分から外に出す。こうすればゴムの力で手が抑えられて抵抗できない。
足は腰の部分から出す。同じように、彼女は身動きが他れなくなる。

香織「ん、ぐむっ…んん〜!」

香織ちゃんの小さな顔があそこに当たる。
ちょっと気持ちいい。ちょっと動かしてやれば、頭を肛門にすりつけることだってできる。

早百合「じゃあ香織ちゃん、座るよ?」
香織「んぐぐー!(やめてー!)」

ギシ…

椅子に座る。今、香織ちゃんの顔は私のマ○コで覆われている。
息はできないはず。始めはもがいていたが、だんだん抵抗する力もなくなってきた。

早百合「息継ぎしよっか。」

腰を浮かせて、パンツの足が出る部分から顔を出してやる。

香織「ぷはっ!はぁ、はぁ…。やだ、こんな惨めな…」
早百合「ぼやいてる暇があるなら空気を吸いなさい。また座るから。」
香織「いやっ!やめて!」

涙目になっている香織ちゃんをパンツに押し戻し、また座る。
上から香織ちゃんを眺める。足をばたつかせている…。
目を凝らすと股の間も見える。
そうだ♪
私はスカートとパンツをはぎ取る。
そしてなぜかポケットに入っていた麺棒に唾液をつけ、
彼女の股の間に差し込む。

香織「!!!んぐがー!」

香織ちゃんがまた足をばたつかせた。
ま、今の彼女からしたら男性器より大きなものが入ってるんだから…。無理もない。
ずぷっ。抜いてみる。
あれ?茶色い。ひょっとして入れる穴間違えた?
小さいから分かりづらいのよ…。
改めて、正しい穴に入れる。

香織「ひあっ!いがっ!」

少々入りにくいが入れる。そして何度も出し入れする。

香織「んぶばっ!あはぁっ…。」

感じているのかしら。そろそろ息継ぎもさせないと。

香織「ぶはっ…はぁ…い、痛いよぉ…。うぇ…」

麺棒を見ると血がついていた。この子処女だったのかしら。

香織「んぐ…ごめんね和樹…。」

和樹?彼氏の名前かしら。
まぁ彼氏がいてもおかしくはないわね、顔は悪くないもの。
でもこの麺棒は和樹のより太いはず。より気持ちいいはずよ。

早百合「その涙、パンツで吸い取ってあげる。」
香織「もう…やめてください…。」
早百合「だーめ。」

三度彼女をパンツに戻す。
無論、麺棒はさしっぱなし。
そろそろガスもたまってきたかな。

早百合「んっ」

ビジュジュッ!

香織「ぐぁっ!ぺはっ!」

やけに水っぽいのが出た。麺棒を出し入れするだけじゃつまらないのでグリグリ回してみる。

香織「うっ、あああああ!」

香織ちゃんの動きが激しくなってきた。それにこたえて私も激しいおならを出す。

ブジュジュビィィィィ!

香織「ぶぐっ!おばっ!」

お昼何食べたっけ?コーヒー牛乳とパン?コーヒー牛乳が原因かな。なんかゆるい。
パンツが汚れていないか心配だ。
そろそろ法子を呼ぶか。法子も終わったころだろうし。
メールを送る。



法子「あなた達の相手は私がするね。」
のどか「何をするんですか…。」
法子「それは空き教室に向かってからのお楽しみ♪」

2人を連れて空き教室に向かう。
まず靴を脱ぐ。
そしてたち腰になり、2人をうつぶせで足の裏に置く。
そして、正座する。

のどか「うぁっ…」
ゆづき「重い…」

2人の下半身をお尻で押さえつける感じになる。
上半身は足の裏にくっつき、臭いをかぐことになる。

法子「どう?足の鼻のマッサージ。」

ときどきお尻を揺り動かす。柔らかいお尻の感触を味あわせてあげる。
鼻からは酸っぱい臭いが入ってくる。

のどか「重くて臭いです…。」
ゆづき「離してください!」

法子「そうね、足の裏のにおいをかいでもつまらないものね。のどかちゃんだっけ。あなたから。」
のどか「え…?」

今度はのどかちゃん一人を仰向けにして足の裏に置く。そしてまた正座する。
さっきと違うのは、今度はスカートをまくりあげてパンツ越しに座る。
そしてお尻の穴の部分を彼女の顔に当てる。

法子「ゆづきちゃんも中で見なさい。」

スカートを降ろし、ゆづきちゃんを中に入れる。

ゆづき「のどか、大丈夫!?」
のどか「すごく惨め。重いよ…。助けて。」
ゆづき「私も助けてほしい…。」
のどか「いやっ!なんか動いてる!」
ゆづき「何!?」

お尻の穴をピクピク動かしてみる

のどか「まさか、まさか…」
ゆづき「いやっ!あたし逃げる!」
のどか「待って!置いてかないで!…あー!もうどきなさいよこのお尻!」

ブウウウウ!

のどか「いやああああああああ!」
ゆづき「う、うああ!」

のどかちゃんの顔にめがけ、一直線に放屁する。
スカートの中に立ち込める臭い。こもる臭い。
もちろん、ゆづきちゃんだって逃げ切れない。

のどか「く、臭いよぉ…。ゲホッ。うぅ…。」
ゆづき「のどか…大丈夫?」
のどか「大丈夫なわけ無いでしょ。逃げるなんてひどいよ!」
ゆづき「ごめん。でも逃げ切れない。おぇっ!!!!」
のどか「大丈夫!?」
ゆづき「あたし、臭いの駄目なの。」

ブッ!

のどか「ひぁっ!」
ゆづき「くさっ!」
のどか「ぐふっ…髪の毛が…。あぁぁ。」
法子「中の感じはどんな感じー?」
のどか「もうやめてください!ゆづきは臭いアレルギーなんです!」
法子「臭いアレルギー?」
のどか「嗅覚が敏感で、臭いのを嗅ぐと発作が出るんです。」
法子「私のおならがそうだっていうの?」

ちょっといらっとした口調で言ってみる。

のどか「あ、そ、それは…。」
法子「じゃあゆづきちゃんの分まであなたが吸いなさい!ふんっ…」
のどか「待って!まだゆづきは中に…!」

プウッ!ブッ!

のどか「うええええぇぇぇ!ゲホッ!」
ゆづき「ゲホッ!ゲホッ!ゲホっ!ぜー、ぜー。」
のどか「ゆづき!大丈夫!?」
ゆづき「ゲホッ…うぷっ。おえっ!」
のどか「吐いてる…!お願いです!もうおならをやめてください!」
法子「じゃああなた達もタバコ吸うのやめる?」
のどか「はい、やめます!」
法子「ゆづきちゃんは?」
ゆづき「ゲホッ!ゴホッ…!や、やえまふ…」
法子「え?聞こえないよ?」

ブッ!

ゆづき「お…おごっ!」
のどか「もうやめろって言ってるだろうがクソヤロー!」
法子「先輩に向かってその口のきき方は何だ!?」

いったんお尻をあげ、思いっきりのどかちゃんの上にのしかかる。
ドスン!

のどか「うげぇっ…あっ…」
ゆづき「の、どか…」
法子「ふぅ…仕方ないわね。もう吸わないって約束するのよ。」
のどか「はい、します…。」
ゆづき「ゲホッ。します…。」
法子「よし、じゃああとは香織ちゃん次第ね。もうすぐ早百合からメールが来ると思うから、それまではこのままね。」
のどか「そんな!ゆづきが死んじゃう!」
法子「おならなんかで死ぬわけ無いでしょう。」
のどか「そんなぁ!誰か…助けて。パパ…ママ…。」

ブブッ!

のどか「うぁぁ!」
ゆづき「うっ!うぐぷっ…」



法子からメールが返ってこない。
香織ちゃんはぐったりしてるし…。
法子、メールに気づいてないんじゃないの?電話してみるか。



早百合「もしもし?」
法子「ごめん、メール、気付かなかった。」
早百合「でしょうね。こっちはもう終わったけど、そっちはどう?」
法子「うん、もうタバコ吸わないってさ。」
早百合「え?あ、あぁ。そういう趣旨だったわねこれ。」
法子「早百合ちゃん?」
早百合「ごめんごめん!おい、お友達はもうタバコ吸わないってさ。あんたは?」
香織「吸いません…」
早百合「吸わないって。」
法子「じゃあ、今から向かうね、今どこ?」
早百合「C棟の2階の空き教室よ。」
法子「わかった。じゃ、行くね。」
早百合「ワープしないの?」
法子「自分には使えないのよ。5分ぐらいで行くから。」
早百合「わかったよ。」




どこにもいない。
今日はもう帰ったのかなー?
この新聞部の目を欺いて学校から抜け出すとは。
これでA棟、B棟は調べ終わった。
あとはC棟だけ。
ん…?

法子「あっ」
まどか「あら、指宿さん…。」
法子「お疲れさま。」
まどか「待って。」
法子「えっ?」
まどか「もう6時半よ。何してるのこんなところで?」
法子「それを言うなら北村さんだって。」
まどか「あたしは、新聞部の記事ネタを探しているの。」
法子「あたしなんかじゃ記事にならないよ。じゃあね。」
まどか「待ってって言ってるじゃない!」
法子「離して!」
まどか「どうしたの?やましいことでもあるの!?」
法子「ないけど、そんなもの。」
まどか「じゃあいいじゃない。ちょっと話そうよ。」
法子「友達を待たせてるから。」
まどか「山崎さん?」
法子「えぇ。いつも一緒に帰ってるから。」
まどか「山崎さんは1人でこんな時間まで何をしてたのかしら。」
法子「さぁ。」
まどか「友達なのにわからないの?」
法子「親しき仲にも礼儀あり。何をしてるか知られたくないことかもしれないでしょ?」
まどか「それは何かやましいことをしてるから?」
法子「北村さん、失礼だよそういうの!」
まどか「失礼でも何でもいいわ!あたしはあなた達が何でこんな時間まで残ってるかを知りたいの!」
法子「…ワープ!」
まどか「は?」
法子「あれ?移動しなさい!」
まどか「何言ってるの?」
法子「あれ、何で…?」
紳士「ううーん、153cmってとこか。」
法子「何のことですか?」
紳士「彼女の身長だよ。目測で君より3mmぐらい高いな。」
法子「それが何か?」
まどか「指宿さん?」
紳士「物体移動の魔法は通常、自分より小さいものにしか使えないんですよ。」
法子「え、でも早百合を移動させましたけど。」
紳士「それは魔力が強かったから。今はだいぶ消費しているから、無理なんだよ。」
法子「そんな。」
まどか「指宿さん?誰と話してるの!?」
法子「あっ」
紳士「しーらない。」
法子「北村さん、一緒に来て。」
まどか「…えぇ。」

隼人に聞いたことがある。
魔法使いは魔法を使えるようになった時、魔法と一緒に付き人を生み出すと。
そしてそれは一般人には見えない。これで指宿さんが魔法を使うのが確定になった。
ワープとか言ってたけど、何?何かをどこかにワープさせる魔法?
それで私をワープさせようとした?
けど失敗した。多分、もう魔力が残ってないんだ。これはチャンスかもしれない。



早百合「法子、遅かったじゃない。…北村さん。」
まどか「こんばんは。」
早百合「どうしてあなたが?」
まどか「たまたま指宿さんに会ってね。何をしてるか気になったから着いてきたの。」
早百合「法子、そうなの?」
法子「うん。」
早百合「…」
まどか「取材させてよ。何してたのこんな時間まで。」
早百合「取材するなら、言葉で話すより実演した方が早いわね。」
まどか「え?」
早百合「もう逃げられない。小さくなりなさい!」
まどか「うそっ…!」

しまった!山崎さんの魔力はまだ残ってたのか!指宿さんの顔がどんどん遠く…。

早百合「どう?北村さん。」
まどか「なんてことをしてくれるのよ…。」
早百合「あまり驚いてないわね。ひょっとして、2限前に見てたのはあなたかしら?」
まどか「まぁね。」
早百合「偉く余裕ぶってるけど、これを見たらどうかしら?」
まどか「!!。これは、1年生?」
早百合「この子たち、校舎裏でタバコを吸っててね、行っても聞かないから体で教えてあげたのよ。」
まどか「ぐったりしてる。この子なんて、ちょっと、過呼吸起こしてるじゃない!」
ゆづき「はぁっ!はぁっ!」
早百合「それぐらい痛い目にあわさないと、分からないんじゃない?ねぇ法子。」
法子「えぇ。」
早百合「で。どうするの?これを新聞の記事に書くの?書けるの?その体で。」
まどか「くっ…」
早百合「いずれにせよ、魔法を知られたからにはただでは帰せないわ。」
まどか「新聞部の脚力、なめんじゃないわよ!」

走って逃げた。
1年生の子たちには悪いけどまずは自分の身の安全。
特ダネを誰より早く仕入れるために鍛えたこの脚力。
ゴキブリだって小さいけど足は速い。
指宿さんはワープの魔法が使えないし、逃げ切れる!

まどか「はぁっ、はぁっ。」

あれ、今どこ走ってるんだろうあたし。
学校にこんな場所あったっけ?

まどか「何よこの穴…。まさか別の誰かの魔法?2人以外にも誰かいたの!?」
法子「やぁ。」
まどか「え…。」

頭上から指宿さんの声がした。
見上げたら指宿さんがしゃがんでこちらを見下ろしている。

まどか「な、なんで…。」
法子「あたしの魔法はね、通常は自分より小さな物体にしか使えないらしいのよ。あなたの方が3mmぐらい高いみたいだけど、今はあなたの方が…えーっと、150cmぐらい小さいのかな?うふふ。」

何笑ってんのよこいつ…。
じゃあここはどこ?地面は柔らかい。そしてこの二つに割れた山と穴…。

まどか「お尻!?」
早百合「正解♪」

ぷぅ!!!

まどか「きゃああ!」

山は勢いよく噴火した。
噴出したガスにより、上空に飛ばされる私。

まどか「う、うわあああああ!」

落下。しかしお尻の上だから痛くはない。

早百合「じゃ、お休み〜」
法子「お休み〜」

お休みって。と、とりあえずここから降りないと。
…高い。ここは山崎さんのお尻の上のはず。でも何これ、下まで明らかに10m以上はある。

法子「どうしたの?降りられないのぉ?」
まどか「…。」
法子「えー、暴風警報発令。暴風警報発令。」

そう言うと、指宿さんはお尻をむき出し、こちらに向けてきた。

法子「台風が通過します。」

ブゥゥゥゥゥぅ!

まどか「う、うわあああ!」

臭い突風が吹いてきた。
また投げ飛ばされる。そして、お尻の山のクレバスに落ちかける。

まどか「やばいっ…」

なんとかお尻にしがみつき、落ちることはなかった。
しかし今、私はお尻の山の間にしがみついているだけ。山崎さんが少しでもお尻に力を入れれば、私は挟まれて全身を粉々にされてしまうだろう。

まどか「くっ…何とかしないと…。」
法子「台風の眼が接近中。接近中。」

指宿さんは山崎さんのお尻にまたがった。
そして、お尻の上にお尻を合わせるように座った。

まどか「そんな…!暗い!臭い!」

2人のお尻の割れ目だけでできた空間。
その中に閉じ込められてしまった。上を見ても下を見てもお尻の穴がある。

法子「突風が吹きます。」
まどか「ちょっ…」

ププゥ!

まどか「きゃあああああああ!」

私は指宿さんのおならに飛ばされ、お尻の穴に着地してしまった。
肛門のしわに足を取られ、うまく立てない。

まどか「(臭い…。)」

お尻の穴の空間は臭い。
肛門はうねうね動き、しわが私の足の自由を奪う。
そして温度があがり、汗が溜まって湿度も上がり、臭いはどんどん増していく。

まどか「はぁ、はぁ…」

少しずつ息が苦しくなってきた。深呼吸するとお尻の穴と汗のにおいが全身をかけずり回り、気分が悪くなる。

まどか「負けるもんですか…。」

何とか脱出を試みようとお尻の壁を登ろうとする。しかし汗に滑ってうまく登れない。

まどか「くそっ…!」

いや、諦めちゃだめだ。何とか脱出して、隼人と亜美に知らせるんだ。

法子「早百合、準備はいい〜?」
早百合「むにゃむにゃ、いいよぉ〜」
まどか「え…?」
法子「ではっ、合体奥義!オナラ旋風(センセーション)!」

ブブウウウ〜〜〜〜
ビビチ!ビビィィィ!

まどか「うあああああああああ!」

上空と、地下から竜巻が起こった。
上からはよく響く腐乱臭の軽やかなおならが、
下からは水っぽい、嫌なにおいのおならが。
上下からの風圧で体中が痛い。

まどか「うぇえええ!ゲホッ」
法子「うふふ〜大成功♪」

しかも密閉された空間でおならの逃げ場がない。
臭いが消えることがない。私の小さな体では臭いガスを吸いきることはできない。

まどか「あっ…息がっ…。」

いくら吸っても酸素が入ってくる気がしなかった。
鼻に入ってくるのはメタンと硫黄化合物。
頭が痛くなってきた。

法子「もう一発行くよぉ〜」
まどか「やめ…」

プゥゥゥゥ!
ブビィ〜〜〜!ブッ!

まどか「がはぁ!」

今度は下からのおならの勢いが強かった。
上空に巻き上げられ、どこかに挟まった。

法子「あれ、お尻の穴がムズムズする。」

どうやら指宿さんの肛門に挟まってしまったようだ。
ここも湿っている。そして異様な臭いを放っている。

まどか「う…くそっ!」

挟まれた体をどうにもできない。

法子「ねぇ早百合、北村さんはどうするの?」
早百合「北村さんは口が軽いからねぇ〜、新聞部だし。口は封じた方がいいかもね。」
法子「だよね…。」

2人の声が低くなった。
まさか、本気で私を殺す気なの?
やだ、こんなところで死にたくない。こんな死に方したくない!

法子「北村さん、素直に帰ればこんなことにはならなかったのにね。」
まどか「や、やめてよ!殺す気なの私を!?」
法子「えー?なんか言ったぁ?」
まどか「くっ…」

空気を吸えないから声も出ない。
視界がぼやけてきた。
嘘だ。本当に死ぬの?こんな場所で。
嫌だ。まだ16だよあたし!これからじゃない人生!

法子「キャッ!ねずみ!」
早百合「え!?ねずみ!?」
まどか「???」

2人が突然飛びあがった。私はその拍子に地面に落ちた。

法子「ね、ねずみねずみ!ほら!」
早百合「いや!ばっちぃ!」

パクっ!

法子「あ!」

ネズミが教室に潜り込んできた。そしてそのネズミは私を、咥えた。

法子「どどど、どうしよう。」
早百合「落ち着いて。いいわ。形がどうあれ北村さんはネズミの餌になる。」
法子「こっちこないでー!」
ネズミ「チュウチュウ」

ネズミは私をくわえたまま走り去った。



早百合「はぁ、なんでネズミが。」
法子「怖かったぁ…。」
早百合「ま、これで口封じはできたでしょう。」
男「あちゃー。」
早百合「何があちゃーなのよ。」
男「あれ?言いませんでしたっけ。魔法には範囲があるって。」
早百合「範囲?」
男「そうです。一定の距離を取ると、魔法が解けちゃいますよ。」
早百合「ってことは、元の大きさに戻っちゃうわけ?」
男「そうなりますね。」
早百合「法子、すぐにワープでここへ!」
法子「ごめんなさい、もう魔力が…。」
早百合「そんな!」
男「まぁ、かなり衰弱してましたし、途中で息切れるかもしれませんけどね」
早百合「まぁいいわ。ばれたところで誰も信じないでしょうし。明日にでもまた。」
法子「そうね。」
早百合「忘れてた。あなた達、元に戻してあげる。」

ボンっ

香織「あ、戻った…。」
のどか「助かったの…?」
早百合「早く帰りなさい。もう悪さするんじゃないよ。次見かけたら、分かってるだろうね。」
香織「は、はい。」
のどか「すみませんでした…。」
早百合「分かったら早く帰りなさい。」
香織「はい!」
のどか「かおちゃん、肩かして。」
香織「うん、大丈夫?ゆづき?」
ゆづき「はぁ、はぁ…。」



早百合「こうなるんだったらさっさと始末するんだったわ。」
法子「ごめんね、遊び過ぎたね。」
早百合「いいわ、また明日。昼休みにでもすぐに。」
法子「えぇ。」



ネズミは私をくわえたまま走る。
ネズミの餌になって死ぬのか…。
どっちにしろ死ぬ運命だったんだな。
ごめんね隼人、亜美。
あれ、体がなんか変…。

ボンっ

まどか「あいたっ!…あれ?戻った?戻ってる!ネズミは?」
ネズミ「チュチュチュ…」

ネズミは私のお尻の下敷きになっていた。

まどか「あっ!ごめんなさい!」


ボンっ!

まどか「え?」
隼人「いってー。お前、太ったか?」
まどか「はや、と…?」
隼人「おう。」
まどか「なんで、あ、まさかさっきのネズミ!」
隼人「そうだ、俺の変身だ。」
まどか「バイトはどうしたのよ?」
隼人「客が少ないから亜美に任せた。学校の方から強い魔力を感じて来てみたらあんなことになっていた。」
まどか「そうだったんだ。…来るの遅いよ。」
隼人「来てやっただけ感謝しろ。死ぬところだったんだろ。」
まどか「うん、ありがとう、グスッ。」
隼人「泣くな、お前らしくない。…いや、泣いてもいいか。」
まどか「う、うぇっ…怖かったよぉ。」
隼人「…」



さて、指宿と山崎が犯人だと確証はつかめた。
おそらく明日、無事だったまどかを見て奴らは動くだろう。
そこを押さえて食いとめる。
問題はどうやって食いとめるかだな。
とりあえずまどかを家に送って、バイト先に戻って亜美と相談だ。


続く。