第四話 真敵

今日は朝6時に起きる。
クラスの女子を始末するのは気が引けるが仕方ない。



A棟3Fの空き教室。
離れているので誰も来ないような部屋。
昼休み、この部屋に小さくした北村さんを連れてきた。

まどか「どうするつもりよ!こんなことしていいと思ってるの!?」
早百合「いいと思ってるからやってるのよ。」
法子「あなたこそ、あたし達のしたことを盗み見ていいと思ってるの?」
まどか「それが新聞部の仕事だからね。」
早百合「喋らなくていいわよ。」
まどか「うぐっ」

北村さんを踏みつける。
声も出ないのか。ま、肺を押さえつけてるから声は出ないだろう。

まどか「ぐ…見てなさい、すぐに助けが来るから。」
早百合「あらそう、そろそろ踏みつぶそうかしら。」
法子「もう?」
早百合「助けが来て邪魔が入ってもいやだしね。ふふ、来ないだろうけど」
小泉「邪魔するよ。」
早百合「!………。えっと、どなた?」
小泉「あたしは1年3組の担任の小泉優子。まだ2年目だからわかんなくても無理はないか。それと、あなたと同じクラスの本郷君と北村さん。」



北村…考えたな。
学級委員の本郷君と、まったく関係のない小泉先生を連れてくるなんて。

早百合「えっと、何の用でしょう?」

先生は魔法の説明をした。
先生が使える魔法はとりあえず物体縮小と物体移動。
これは山崎と指宿も使う魔法だ。
何故なら、この二人の魔法は小泉先生が2人に送ったものだからだ。
小泉先生の魔法使い歴は長い。
複数の魔法が使えるだなんて。



隼人「なんでこの2人に魔法を?」
小泉「あたし、生徒指導やってるでしょ?でもこの学校、めんどくさくてねー。不良が多いのよ。それでストレス溜まっちゃって、悩んでたらその思いが通じたのか、魔法渡しが出来るようになってね。あなた達は魔法反射ぐらいできるのかしら?ま、それは置いといて。それで大鳥先生と飲んでる時にたまたま指宿さんと山崎さんっていう、暗い女の子がいるってのを聞いて、じゃあその子たちが恐ろしい魔法に目覚めたらどうだろうって思って、魔法渡ししたわけ。」
隼人「あなた、その後どうなるかとか予想しなかったんですか!?」
小泉「不良はね、死んだ方がいいのよ。鑑別所や少年院に行っても懲りない子だっているじゃない。そういう子は死刑にした方がいいのよ。」
隼人「その判断をこの2人に任せたってことですか!」
小泉「だって、学生の視点から見た方がわかりやすいでしょぉ?」
隼人「アンタそれでも教育者かよ!」
小泉「そんなに怒鳴らないで。ま、あなた達の存在は誤算だったかな。学生のくせにけっこー強い魔力持ってるんだもの。流石に私の魔法をあげたとはいえ、敵わないわよねぇ。」
法子「あの、あたし達、先生に利用されたってことですか?」
小泉「ええ。でも役立たずだった。もういいわ。」
法子「役立たずだなんて…。」
早百合「あたし、自分が正しいって思ってたのに。」
小泉「まぁ間違ってはないわよ。ただ、それも今日で終わりね…。」
早百合「え?」
小泉「3日間だけだったけど楽しかったでしょう?もうこれ以上学内で面倒はいらないわ。あなた達をここで処刑します。北村さんも」
早百合「な…。」
まどか「えっ、あたしも…?」
小泉「北村さんは災難だったわね。魔法が使えないのにクビ突っ込んだりするから。恨むなら自分の好奇心を恨みなさい。」
まどか「そんな…。は、隼人!」
隼人「先生、何を言ったらいいかわからない。ただ、あなたが間違った人間だってことははっきりと言える。」
小泉「そう。じゃあ、皆、覚悟はできてるわね?」

先生が縮小魔法をかけた。
そしてもう一つ

早百合「い、いや!あたしだけ小さくなって!?」
亜美「浮いた…!」
隼人「これは…重力操作か!」

部屋の中の人間にかかる重力が変わった。
全員、宙に浮く。

亜美「隼人、例の作戦で!」
隼人「あぁ、通用するかわからないが…!」

例の作戦とは、この空間内にいる人間から俺の存在を消す。
そして小泉の不意を突く作戦だ。
本来はVS山崎・指宿用だったんだが。

隼人「変身!ラジコンロケット!」

ラジコンロケットに変身する。

亜美「意識破壊!行け!隼人!」

ロケットで小泉のみぞおちに突っ込む。

小泉「アンタねぇ〜、あたしが二階堂さんの魔法にかかると思ってんの?」

小泉はくるりと回転した。
無重力下で勢いの止まらない俺はそのまま小泉のスカートに突っ込む。

隼人「くっ!失敗か!」
小泉「魔法解除、そして縮小。」

小泉に元の姿に戻され、さらに10cmにされてしまう。

小泉「重力、下に参ります。」
隼人「なんだとぉ!」

ずしぃぃぃぃぃ!

小泉にかかる重力が一気に増した。
俺は小泉のお尻の下敷きになる。
上から大きな尻で全身をつつまれ、押さえつけられる。

隼人「あがっは!」
小泉「なぁに?そんな苦しい顔して。重い?あたしのお尻が。」

ブプっ…プピィ…

隼人「うぇっ」
小泉「ガスの重力も、操作する。」

小泉はオナラの重力を高め、ガスが俺の鼻に入ってくるようにした。

隼人「うおおおおお!」
小泉「あなたは私の尻の下でもがいてなさい。…山崎さ〜ん」
早百合「はっ、はい!」
小泉「ごめんね、小さくしたまま放置して。」



本郷君と二階堂の連係プレーはあっさり破られた。
私はそれを見ていることしかできなかった。そして、私に声がかかる。
私は法子の真下にワープさせられた。

小泉「山崎さんもたまには、のしかかられる気分を味わいなさい。」
早百合「まさかっ、法子!」
法子「早百合!ごめん!」

法子と私の重力は一気に強くなった。
私は法子の尻の下敷きになる。

早百合「うげぷっ!」
小泉「指宿さん、おならしなさい。」
法子「絶対にいやです!早百合、大丈夫!?」
早百合「う、うぐっ。」
小泉「じゃあ、あなたの腸の中にあるガスの重力を強めるだけね。」
法子「何ですって!?あ、やだ…!出ちゃう!」
早百合「いいよ、出して!」
法子「そんなことしたら早百合が!」
早百合「我慢は体によくないの!」
法子「あああああ!ごめんなさい!」

ブブブブウウウウ!!!!!

重力によって今まで経験したことのないガスが顔に直撃した。
いままで食べた物すべてが腐った様な臭い。

法子「げっげほっ!」
小泉「出した本人までむせてるなんて…。確かにすごい臭いね。」
法子「さ、早百合ぃ」
早百合「大丈夫…。」
法子「今ので全部出たはずなのに、まだ出そうだよ…」
早百合「え、なんで!?」
小泉「物質転移。指宿さんの移動魔法の高度魔法よ。あたしのお腹のガスを、指宿さんのお腹に移動させたの。」
早百合「何ですって。」
法子「あ、肛門が、限界!」

ドバフ!ブババババババ!

法子「ああああ!止まらないよおおおおおおおおお!」

ブバババババババッバババババッ!

法子「痔になりそうだよぉ!」
早百合「うゲッ!ゲホッ!うぐぁぁぁあ!」
法子「早百合!」
亜美「なんてことを…!でもどうにもできない!」

小泉「さて、本郷君は元気かしらぁ?…あれ。いない。」
早百合「(あれ、息ができる…?何これ?ガスマスク?)」
隼人「(俺だ。蝿になって抜け出し、ガスマスクに今は変身している。これなら呼吸できるだろう。)」
早百合「(あたしを助けるの?)」
隼人「(今の敵は小泉だ。お前はその後。)」

小泉「本郷君がいないならぁ、二階堂さんで遊ぼうかしら。」
亜美「い、いやっ!」
小泉「あなた、この髪はどこで巻いてもらったの?」
亜美「駅前の美容室で。」
小泉「そう、立派な校則違反ね。そんな子は、小さくしてお口もぐもぐの刑よ。」
亜美「いやああああ!」



私は小さくされて、小泉の口に中に入れられた。

小泉「モグモグ…」

舌を使い、口の中でかき回される。

小泉「どう?あたしの唾液、おいしい?」
亜美「んぐっ、ばぼ…。」
小泉「唾液よりおしっこの方が好みかしらぁ?」
隼人「や、やめろ!」
小泉「あら、本郷クンそんな所にいたの。知ってたけどね♪」
隼人「山崎すまん!耐えてくれ!」
早百合「ええ…ごほっ」
小泉「本郷君、ほら。」
隼人「!!!」

小泉は私を歯で挟んだ。そして少し力を入れる。
骨がきしむ。

亜美「あ…うぁ…」
隼人「亜美!」
小泉「本郷君、二階堂さんをかみ砕かれたくなかったら、フラスコになりなさい。」
隼人「何だって・・・?」
小泉「理科で使うやつよ。早く。」
隼人「くそっ…」

隼人はフラスコになった。
そして小泉はそれにまたぐ。

小泉「さぁーて、放尿放尿♪」

シャアアアア…



小泉は放尿する。
亜美は小泉の口から顔だけ出され、これから自分が放られるであろう尿の海が溜まっていくのを見せつけられていた。

隼人「うぁぁあぁぁ…」
小泉「魔法解除なんてしちゃダメよぉ…?」

ジョボボボボ…ぴちょん。
尿の海が出来上がる。

小泉「ふぅ。じゃ、二階堂さん、たんまり味わってね。ペッ!」
亜美「いやっ!」

ドボン!



私は黄色い尿の海にはきだされた。

亜美「いや、う、うぐっ」

臭すぎる。臭すぎて頭が痛くなる。

亜美「あ、ガボ…」

私は気を失って尿の海に沈んでしまった。

小泉「二階堂さん、終了ね。本郷君、魔法解除しちゃぁダメよ…?」
隼人「亜美ー!」



亜美は完全に気を失ったようだ。
確かに、この湯気に出る尿の海はこの世の終わりの匂いを放っている。
俺も、意識が遠くなりそうだ。

小泉「山崎さんもしぶといわね。そろそろガス欠かしら…。」

何でこの先生は腸の中にこんなガスをためられるんだ。魔法か?
そんなこと今はどうでもいいが…。



そんな。皆どんどんやられていく。
あたしはどうすればいいの?
ここでぷかぷか浮かんでいるしかないの?
何であたしには魔法が使えないの!

小泉「北村さんは魔法が使えないのよね。」
まどか「えっ・・・はい。」

ついにあたしの番か…。

小泉「北村さんは山崎さん達にひどい目にあわされたでしょう?仕返しをしたくない?」
まどか「いいです!したくないです!」
小泉「遠慮はいらないわ。」

小泉は指宿さんと山崎さんを小さくした。
そして、重力を使い私の尻の下敷きにした。

早百合「ぐぇっ!」
法子「あぅぅ…」

まどか「せ、先生!やめてください!」
小泉「あなたもやられてことよ。仕返しはしなくちゃだめじゃない。」
まどか「しかえしなんかしたくない!…あ。」

ぷすぅ〜〜〜

気がつくと、おならが出ていた。

まどか「そんな…」
早百合「うっ!ゲホッ!」
法子「がふっ!うぅ…」
まどか「やめてよ!やめてよぉ!ひぁっ!…」
小泉「おしっこは我慢できないでしょう?」
まどか「先生…何でこんなことするんですか…。」
小泉「我慢は体に悪いのよ。」
まどか「ひっく…やだ…。」

ジョオオオオ…

山崎さんと指宿さんを股間の下に敷いたまま、私は失禁してしまった。
足の周りがおしっこのプールになっている。

まどか「ダメ!2人ともおぼれちゃう!」
小泉「いいじゃない。恨みがはらせて。」
まどか「こんな形で晴らしたくない!」
小泉「でも、おしっこは止められないでしょ?」
まどか「ううぅ…」
小泉「あなたって実は泣き虫なのね。」

小泉のなすがまま。
おしっこは出続けた。
水たまりになり、山崎さんと指宿さんの呼吸器官をふさいでいる。
両手の重力も強く、動けない。

小泉「おならも出しておきなさい。」

ぶりゅりゅ…ぱりゅ、ごぼっ

おしっこの上で放屁したから気泡となり、嫌な音で出る。
指宿さんや山崎さんの顔の前でおならの泡がはじける。

小泉「お漏らししたみたい。アハハハハハ!」
まどか「うっ…ひっく…もうやだ…。」
小泉「さーて、もうすぐ授業が始まるし、そろそろフィニッシュかしらね。」




山上美咲は隼人たちと同じクラスの剣道部員。
可愛く、明るい子ではあるが、三上達には雌ゴリラなどと言われていた。
法子とは友人である。

あれ、気付いたらもう授業開始5分前じゃん。
法子ちゃんと山崎さんのリコーダーはまだ机の中だ。
そう言えば本郷君のも。
学級委員で真面目だからいつもはもう授業の教室にいるのに。

斎藤「美咲ー、次音楽室だよー。リコーダー、忘れんなよー。」
山上「あ、うん。先行ってて。」

昼休みに、2人が渡来君、真辺君と一緒に歩いているのを見た。
それも人気のないA棟で。
その2人もまだ教室には戻ってないようだし…。
あの2人、暗い性格だから目をつけられた!?
だとしたら危ない!
A棟に向かってみよう。

2人のリコーダーを持ち、A棟に走った。



小泉「じゃ、皆まだ死んでないと思うから。全員しゅくしょーう。」

小泉は俺たち全員を1cmにした。

小泉「ふふん、女王様の気分ね。」

小泉は高さ170cmから俺たちを見下ろす。
それはまるで人間が蟻を見下ろすのと同じ。
見上げるとスカートの中が見えるが何も嬉しくない。

小泉「やっぱり学生は魔法を持つべきではないのよね。」

そう言うと、ゆっくりと尻を降ろし始めた。

亜美「隼人…。」
隼人「俺はまだあきらめてはいない」
亜美「だったらどうするのよ!」
隼人「…」
亜美「何か言ってよぉ!」

小泉「ほーらほぉ〜ら。」

ブブゥ!!!

小泉は余裕を浮かべながら腰を回し、大きな尻をアピールしてくる。
そしてガスを噴き出してきた。

まどか「げほっげほっ。あたし、魔法使いじゃないのに!うっ。お母さん…。」
早百合「こんなことになるなんて。ごめんね、法子。」
法子「ううん、あたし達友達だもの。あの世へ行っても、仲良くしてね。」

小泉「死ぬ前にもう一発♪」

ぷぅぅぅ〜〜ぴぴっ

亜美「あぐっ!」

俺たちをあざ笑うかのような、間抜けな音だ。
しかし臭いだけは卵の腐ったにおいだった。

隼人「(あいつの言ったことが正しいなら、ここで終わらないはず。誰だ。まどかか?しかし魔法に目覚める気配はない。だが誰か救世主が来るはずなんだ!)」



どこだー?
A棟にはやっぱり誰もいない。
もう場所を移してしまったのだろうか。

ブブゥ!!!

ん?なんか階上で変な音が。
法子達かしら?行ってみよう。



小泉「みんな、死ぬ準備はできたぁ?…返事はぁ?」
隼人「先生。あなたは必ず倒す。だから俺はここでは死なない。俺だけじゃない。この4人もだ。」
小泉「あら、若いっていいわね。何を言っても自由なんだから。じゃ、あなた達5人でこのお尻を受け止めてみなさい!死ねっ!!!」

ガラっ!

小泉「え?」
山上「こ、小泉先生?何やってんですかそんな変なポーズで。てか、臭くないですかここ。なんか水こぼれてるし。」
小泉「随分と使われてない部屋だからね。何か腐ってるんじゃないかしら。雨漏りとか。」
山上「はぁ。あ、山崎さんと指宿さんってわかります?去年、1度だけ文化祭であってると思うんですけど。」
小泉「え、あぁ、あぁ〜山崎さんと指宿さんね。覚えてるわよ。」
山上「見てませんか?この辺りに来たと思うんですけど。」
小泉「さぁ、見てないわねぇ。」
山上「そうですか。じゃ、失礼します。」
小泉「ええ。授業、頑張ってね。」



小泉「ふぅ。関係のない生徒には手は出さない!さて、あれ、指宿さんと山崎さんは?」



美咲!待って!行かないで!誰か助けを呼んで!
私たち2人は美咲に駆け寄った。

山上「じゃ、失礼します。」
小泉「えぇ、授業、頑張ってね。」

待って…

ピシャン。

行ってしまった…。最後の希望が…。

小泉「何してるの?」
早百合・法子「!!!」
小泉「皆一緒にあの世へ送ってあげようと思ったのに。先に行きたいようね。」
法子「さ、早百合ぃぃぃぃぃぃぃ!」
早百合「法子ぉぉぉぉぉぉぉ!」
小泉「死ね!」

がらっ

山上「せんせー、なぜか廊下に鍋が落ちてたんで、これ雨漏りにどうですかって…。何してるんですか足をあげて。」
小泉「あなたこそ!早く授業に行きなさい!もう2分前よ!」
山上「あ、はい、すみません。ん?なんですかその足元の。それを踏みつぶそうとしたんですか?」
小泉「あ、こらっ!」
山上「何これ人形?ん?これ、法子と山崎さんにそっくり…」
法子「そっくりなんじゃない!本人なのよ!」
山上「しゃべったぁ!?」



人形が、喋った?指の爪サイズの人形が!

早百合「私たち、先生に魔法をかけられて小さくされたの!」
山上「え?え?先生、これどういう仕掛けですか?こんな小さいのに喋ってる。」
小泉「よくできてるでしょ。オホホホホ。」

ぶぅ〜ん

小泉「やだ。蜂!?…いや、違う!」
山上「きゃあ蜂!」

ボンっ!

隼人「見ろ、これが魔法だ!」
山上「ほ、本郷君?」
隼人「今俺は蜂の姿から人間に戻った。だが小泉に魔法をかけられてこんな大きさになっている。指宿も山崎もだ。」
小泉「本郷君、そんなこと言ったら、山上さんが迷惑するんだよぉ?」
山上「先生?」
小泉「仕方ないわ。山上さん、ここに来たが運のつき。可哀想だけど、あなたにも死んでもらう」
山上「何を言ってるんですか先生。」
小泉「かせっ!」
山上「きゃっ!」
小泉「ほら、まずはお前の友人である指宿法子から。じわじわ握りつぶしてやるよ。」
指宿「いっ。いがっ・・・」
山上「うそよ、これ本当に法子なの!?」
早百合「本当よ!助けて!法子が死んじゃう!」
小泉「うるせえよ!踏みつぶすぞ!」

ダン!

早百合「きゃあ!」
山上「何やってんだよセンコー!」

私はかっとなり、思わずリコーダーで小泉先生を叩いてしまった。

小泉「リコーダーは叩くものじゃない!吹くものだ。指宿…死ね。」

ボキボキ…

法子「うごっ…あ…」

法子が血を吐いた。私はもう、この後のことは覚えていない。

山上「小泉いいいいいいいいいいいいいい!」
隼人「来た!」
小泉「何!?」



バキぃ!!!!!
山上のリコーダーが小泉の右腕に炸裂した。
骨が砕けるような音がして、小泉は手を緩め、指宿は地面に落ちた。

小泉「いってええええええええ!何でリコーダーにそんな威力があんだよぉ!…あ!?まさかお前…。」
ゴーレム「お前の魔法は物質硬化の魔法だ。」
山上「ん?アンタ誰?」
ゴーレム「私はお前の仲間を思う気持ちが作り出した者。そして物質硬化の魔法をお前に伝えよう。」
山上「このリコーダー、入れ物ごとカッチカチ。」
ゴーレム「注意しろよ、1度硬くしたものは元に戻せない。」
山上「魔法か…。なんか信じられないけど、とりあえず、小泉は許さない。」
小泉「くそっ。何でこんなことに…。魔法解除!」
山上「おらぁ!」
小泉「ぎゃあああああああああ!硬い!何で解除されないの!?魔力は私の方が各段に上なはず…。」
貴族「お主、物質硬化の魔法は初めてか?」
小泉「なんだ?どういうことだ。」
貴族「物質硬化の魔法は、それが発動した瞬間でないと解除できないのだよ。」
小泉「なんだと…あっ」

隼人「魔法が解けた!」
亜美「やった!」
早百合「法子、大丈夫!?」
まどか「気を失ってるだけみたい。」
早百合「よかった…。」
隼人「変身!ガムテープ!」

ガムテープに変身し、山上が持っていたリコーダー三つをつなげる。

隼人「山上、お前剣道部だろう?これの方が扱いやすいだろう!」
山上「ありがとう、本郷君。小泉、覚悟。」
小泉「くっそーーー!もう魔力残ってねえええええええ!」

バキッ!ゴスッ!

小泉「救急車…呼んでください…」
山上「はぁ、はぁ…。」
隼人「何とか倒したな。」



ピーポーピーポー

指宿と小泉先生は救急車で病院に運ばれた。
山上には魔法の説明をした。
学校関係者やPTAからは、この学校は呪われているのか、という声も聞こえた。

隼人「さて、山崎をどうするかだな。」
早百合「ごめんなさい。謝っても許してもらえないのはわかってるけど、それしか出てこない。」
山上「本郷君、山崎さんがやったことはいいことではない。でもそれで救われた人もいるの。だから、助けてあげて。」
隼人「…結論から言うと、法的にはお前は裁けない。魔法なんて法律にはないからな。それに、小泉に襲われたはお前たちのおかげで助かった感もある。それに、実はこれからお前には協力してもらわないといけない。」
早百合「協力?」
隼人「そうだ。おとつい、魔法の気配を感じた時、俺は万が一に備え従妹に連絡を取った。そいつも魔法使いなんだが、その通っている高校でも気になることが起こっているらしい」
亜美「え、聞いてない」
隼人「言ってないからな。お前も一緒に、明日からの3連休を利用して、その高校へ向かう。」
早百合「どこなの?それは。」
隼人「ヘリス女学院高校。」
亜美「うあ、あたしそこ落ちたんだよね…」
隼人「受かってもあそこは授業料が馬鹿にならない。」
早百合「ヘリスって、あのヘリス?」
隼人「あぁ。医者や社長の娘ばかり通う金持ちお嬢様女子校だ。」
山上「あの、私も行くの?」
隼人「問題あるか?」
山上「剣道の試合があって。法子も気になるし。」
隼人「分かった。じゃあ俺たち3人で行く。」
山上「ありがとう。」
隼人「従妹に聞いた話だと明後日から文化祭があるらしい。だから俺達でも簡単に乗り込める。」
亜美「オッケー。じゃあ、また明日。」



凪「ほら、もっと上手に舐めなさいよ。」
女子「んぐっ。ううう…。」
凪「そうそう、いい子ねぇ。」
智里「凪ー。チョコ持ってきたよ〜。」
凪「ありがと。ふふふ…ほら、また振り出しに戻っちゃった。全部舐め終わるまで、帰さないからね。」
女子「うっ、ううう…ペロペロ」
智里「これ楽しいのー?足指チョコフォンデュ。」
凪「あら、この子がチョコレートを食べたいって言ったから、叶えてあげただけよ。」
女子「ぶはっ!ゲホッゲホッ!」
凪「何吐き出してんのよぉ。」
女子「もう無理です!なめきれません!」
凪「まだ板チョコ2枚目よぉ?パキッ…ポリポリ…。簡単に食べられるじゃない。」
女子「もう、無理…。」
凪「水気が足りないのかしらぁ?仕方ないわねぇ。」

シャアアアア…

凪「ほら、チョコにおしっこ混ぜてあげたから。これを足の裏につけて…。ふふ。さぁ、舐めるのよ。」
女子「ぐぷぅ…。ペロペロ…。おぇっ。げっ。」
凪「あんた、あたしをおちょくってんの…?」
女子「なんでおしっこ入りのチョコなんて舐めなきゃ…。あっ、ごめんなさい!そう言うつもりで言ったんじゃない!ごめんなさい!踏まないで!いや!いやああああ!」

ずん!ぷちゅ

凪「ふん。こんな女がいるからヘリスのレベルが下がったって言われるのよ。」
美琴「凪、智里、今いい?」
凪「いいわよ。今ちょうどバカを1人踏みつぶしたとこ。」
智里「どうしたの?」
美琴「生徒会長から連絡があった。今から「闘人」をやると。」
智里「あら、文化祭前のリハーサルかしら。」
凪「いいわね。じゃあ2年の小室さんと下野さんにしようかしら。」
美琴「その2人は超仲が良かったはず。」
智里「仲がいいからこそ楽しいのよ。」
美琴「ふっ…そうね。」
凪「生徒会室に行くわよ。」

凪は重量感のある箱を手に取り、3人で生徒会室に向かった。


隼人たちは女子高の敵に勝てるのであろうか…。
終了。




あとがき

すいません、読んでの通り、打ち切りという形で終了してしまいました。
元々は第4話と第5話だったのですが、無理やり繋げました。
山上さんは元あった第4話で登場していたので「誰やねんこれ」と感じられた方も多いと思います…。申しわけないです。
打ち切りの理由ですが、第7話中盤まで書いたところで、完全なバトル漫画になってしまい、これではサイトの趣旨に合わないんじゃないかと思ったので完結させていただきました。
楽しみにされていた方には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
次回作に期待していただけると幸いです。

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