「まもなく、重井沢のパーキングエリアです。生徒の皆さんは、降車の準備をしてください。」



雄太「おい、聡史、PAだぞ。起きろ。」
聡史「ん?あぁ…」

眠い。修学旅行の前日に楽しみすぎて眠れなかったなんて、友人たちには言えない。
ずっと布団の中で今日のことを考えていた。
確か山登りをしたり遊園地に行ったり…あ、遊園地は最終日か。
で。PAに着いたって?

聡史「今何時?」
雄太「12時。ここで昼休憩らしいぜ。しおりに書いてあるよ」
聡史「昼休憩か…」

実のところ、金はあまり使いたくない。
田舎出身の俺が折角、修学旅行で都会に出るんだから、そこでいいものを買いたい。



翔子「あれ?聡史、ごはん食べないの?」
聡史「あぁ、食わない。」
翔子「どうして?」
聡史「あんまり食欲がねーんだよ。」
雄太「大丈夫か?現地に着いたら山登りをするらしいじゃないか。途中でばてないか?」
聡史「まぁ。陸上部で体力は鍛えてるし、何とかなるでしょ。」

PAの食堂で、いつものメンバーと席を囲む。
翔子は幼稚園来の友人だ。
小3で身長が155センチあって、クラスでは目立っていたが、
それ以降全く成長せず、今ではクラスでは低いほう。
雄太は小学校からの付き合い。簡単に言うと悪友で、小さい頃は蛙のケツの穴に爆竹をつめて、
職員室に投げ込んだりしたっけな。親を呼ばれたけど。
さて、実際のところ腹は減ってるが金は使いたくない。
晩飯は確か旅館で焼肉だったはず。それまでの辛抱だ。



先生「それでは今から、班に分かれて、山頂を目指していただきます!」

山に着いた。銀崋山とか言うらしい。
田舎の山はただ悪戯に木々がおいしげていて鬱陶しいのだが、ここは登山用なのだろうか。
山頂からは都会の景色が良く見え、夜になると100万ドルの夜景だとか何とか。
100万ドルは日本円に換算すると、8500万円くらい?「8500万円の夜景」というとしょぼく感じられるな。

春海「では、私たちの班が山頂1番乗りになるよう、頑張りますわよ!」
このお嬢様口調(?)な娘は春海。一部の奴からは「エド」とか呼ばれている。
お嬢様口調はキャラづくりらしいが、顔も整っており、体系も悪くないので、
口調を改めた方がお嬢様っぽく見える。

聡史「大丈夫か?お嬢様に山を登る体力があるのかね。」
春海「失礼な!こう見えても私、毎日ジムに通ってますのよ。」
雄太「ま、しんどくなったら言えよ。聡史も。昼食ってないんだし。」
聡史「あぁ、大丈夫。スポドリあるし。」
春海「スポドリ!私としたことが忘れていましたわ。水分補給は大事ですわね。買ってきますわ。」
聡史「マイペースだなぁ、相変わらず。」

春海が自販機から帰ってくる。

翔子「あの、みんなもう行ったみたいなんだけど…」
春海「何ですって!完全に置いてけぼりをくらいましたわ!行きますわよ!」

かくして、俺たち四人の登山は始まった。



しんどいです。
バスの中で少し寝ただけだし、お腹もすいたし。
聡史「なぁ、今どのあたりだ?」
雄太「地図によると、やっと1/3ってとこかな。」
春海「えええ!?まだ1/3ですの!?」
雄太「あぁ…。てかめっちゃスポドリ飲んでるな。お腹大丈夫か?」
春海「え?あ、だ、大丈夫ですわオホホホホ。」

大丈夫そうじゃない。でもここで気を使うと、プライドを傷つけちゃうんだよなぁ。
しっかし山登りってこんなに大変だったのか…。翔子もしんどそうだ。

聡史「なぁ、いったん休憩しない?」
雄太「そうだな、まだ時間はあるし。」
春海「あら、もうばてたのかしら?」
翔子「春海ちゃんも疲れてるんじゃないの?」
春海「オホホホホ。どうしても休憩したいなら、してあげないこともないですわ!」

春海はどこかへ歩いて行った。

聡史「俺もその辺で休憩してくる。」
雄太「いってら。」

やれやれ。PAで翔子か雄太に昼飯分けてもらえばよかった。
どこかに食えそーな木の実とかないかなぁ。…あ。
キノコだ。
いや、こういう場所に生えているきのこは食べちゃだめだってどこかに書いてあった。
ぐぅぅぅぅ〜
うっ…しかし腹がへっては…。幸い、下痢止め持ってるし、アタっても何とかなるだろう。
と、言うわけでキノコを食べてみる。
あれ、うまいじゃん。
生のままでも普通に食べられた。
てかしまった!空腹のあまりに火を通さずに食べてしまった!
が、別に何ともないので夢中で食べる。



生えていたキノコを全て食べてしまった…。
さて、戻ろうか。
と、思った時。

「ジョボボボボボ」

いきなり頭上から何か降ってきた。
熱い、いや、ぬるい?
滝のような勢いだが温度的に滝ではない。少し流され、上を見ると、どこかのエロサイトで見たような割れ目!
そしてその周りを黒色のジャングル。それを支える2本の白い柱と、その麓にある黒いスニーカー。

春海「ふぅ…一件落着ですわね。」
聡史「は、春海…?」
春海「あら?今一瞬、聡史の声が聞こえた気がしましたが。気のせいですわね。」

何が何だか分からない。目の前に巨大化した春海がいる。
ドシーン、ドシーン
春海はパンツをずらしたまま、身を屈めたまま歩きだした。
踏まれないよう、葉っぱの陰に隠れる。

春海「あら、ちょうどいい大きさの葉っぱがありますわ。」
聡史「え、ちょっと!」

春海は俺ごと葉っぱを持ち上げ、自分の秘部を拭き始めた。

春海「葉っぱだとちょっと、変な感じですわね。。。」
聡史「おーい、春海ー!気付けー!」

俺は春海のあそこにくっついたままだ。生臭い。

春海「よいしょ。」

春海はパンツを上げた。俺の体はパンツとアソコにしっかり挟まれていて、動くことができない。」

春海「では、山登り再開ですわよ!」
聡史「ふがふがふがー(ちょっと待てー!!!)」


つづく。