朝8時。
家には健太1人。
現在夏休み。いつもは妹の真由美もいるのだが、
今日は大学の集中講義とやらがあるとかないとかで不在。
健太も大学生だがそんなものには行かなかった。
チャンス!
健太は早起きして、妹の部屋に忍び込んだ。
「小さい頃は一緒に遊んだのに、最近は全く構ってくれないからなぁ。」
妹の部屋に入るのなんて何年振りだろう。
というか、彼女のいない健太は女性の部屋に入ること自体、何年ぶりだという話であった。
「うわ、いい匂い…。」
常々思うことだが、女の子って何であんなにいい匂いがするのだろうか。
シャンプー?香水?食べ物?男にはわからない問題である。
「これが、タンス。この中に…。」
タンスを開くとまたいい匂いがした。
「誰も見てねえな!よし!」
健太は妹のパンツを手にり、クンカクンカした。
「やべぇ、これはやべぇ!」
女物の下着に興奮していた健太であったが、いきなり、目の前がまっくらになった。
「あ、あれ…?」
あたりが暗い。正確に言うと、薄暗い。
そしてやたら暑い。
「お兄ちゃーん」
突然、妹の声が聞こえた。
(え、今の声、真由美…?)
「聞こえてるよね?お兄ちゃん、真由美の部屋に入ったでしょー」
(な、何故ばれてる。ていうか、ここどこだよ!)
健太のいる空間はせまく、足を置いているところは布のようなものだった。
「私の部屋には入らないでって言ったのに、入っちゃったんだねー。」
「おい、真由美、どこにいるんだよ!」
「そんなお兄ちゃんには、罰を与えます。」
真由美がそう言った瞬間、
ぶぅぅぅぅぅぅぅ!
強烈な音と温風が目の前から噴き出してきた。
「うぇ!ゲホっ、くさっ!なんだこれ!」
「お兄ちゃんは今、真由美のパンツの中にいるんだよぉ。」
「な、なんだって…?」
だとしたら今の風は、おなら…?
いや、それ以前に、ここがもし真由美のパンツの中だとしたら、真由美が巨大化したか、
俺が小さくなってるってことじゃねえか!
「お兄ちゃんが私のパンツを触ったら、私のパンツの中にワープするように、魔法をかけておいたの。」
魔法って。アニメや小説じゃあるまいし!
「ちょっと疲れた。座るね。」
真由美がそう言うと、俺の体はパンツや尻と一緒に下に移動し、まず真由美のスカートが椅子につき、
そして俺も着地し、目の前にはブラックホールがあった。
「待て!それ以上座ると潰れる!」
聞こえているのかは分からないが叫んだ。
「大丈夫。さすがに殺したりはしないよ。」
真由美は健太を押しつぶすギリギリのところで尻を止めた。
軽く腰掛けている、といった感じだろう。
しかし健太の体はパンツとブラックホールにきっかり挟まれている。
汗で濡れたブラックホールは、異様な臭気を醸し出していた。
(く、臭い…。女でもやっぱここは臭いのか…。)
「んっ…」
真由美が下っぱらに力を入れる。
ブリィィィィィィィィィ!
おならによって生み出された肛門の振動が、体全身に伝わる。そして臭い。
「うぇ、ゲホッゲホッ」
「どう?お兄ちゃん。私のパンツの中に入れて嬉しいでしょう?」
「辞めてくれ!もう出してくれ!」
「ダメだよー。もうちょっと、ここにいてね。」
妹はまたガスを出そうとしている。
俺は頑張ってもがいてみた。
すると、運が悪いのかいいのか、肛門が開いた瞬間に、足を肛門に突っ込んでしまい、
そのままガスを出し終えた肛門は閉じてしまった。
「い、いてててて!」
「お兄ちゃん?何したの!」
思わず立ち上がる真由美。立ちあがった時に尻の割れ目が閉じ、健太は尻に挟まれてしまった。
「あ、今のでお兄ちゃん、死んだかも。」
とりあえず、トイレで気張ってみた。
ブぉ!ぽちゃん。
「あ、出てきた。」
健太は気絶していたようだが、便器に溜まっている水につかったことで意識を取り戻した。
「ぶはっ!真由美!助けてくれ!」
「やーだ。しばらくそのままでいなさい。」
そう言うと、1人の女性がトイレに入ってきた。
女「あら、真由美ちゃん」
真由美「あ、城崎先輩。」
健太「城崎!?城崎ってあの…。」
城崎は健太の同級生であり、真由美とはテニスサークルの先輩後輩の関係だった。
健太「城崎ー気付いてくれー!」
真由美「先輩、今、そこの個室の便器の中にお兄ちゃんがいるんです。」
城崎「あら、どうして?」
真由美「あたしの部屋に勝手に入って、パンツを触ってたから罰を与えてるんです」
城崎「あらそう、じゃあ、あたしからも罰を与えましょうかね。」
健太「は!?」
城崎は便器に座った。健太からは割れ目も肛門も何もかもが丸見えだ。
城崎「健太君、女の子の部屋に勝手に入っちゃだめよ。んっ。」
ぶぶぅ〜〜〜〜〜
健太「うわあああああああ!」
この世のものとは思えないような異臭。健太は目の前が真っ黄色になった。
…
健太「はっ!」
気がつくと健太はベッドの上にいた。
時計の針は朝8時を指している。
(夢…?夢か!なんだ夢かぁ!)
今日は妹は集中講義でいないはず。健太は妹の部屋に、足を進めた…。