縮小師 第二部 1章


凪と慎太郎は近くの公園に来ていた。
辺りは暗い。
街灯の明かりがともっている。

慎太郎「なぁ、変なこと聞いていい?」
凪「何?」
慎太郎「俺たちの姿、ひょっとして周りの人に見えてない?」
凪「えぇ。正確に言うとあなただけだけど。」
慎太郎「やっぱり。さっき知り合いにすれ違ったのに何の反応もなかったから。…何でおれだけ?」
凪「あたしは見えていないと、こうやってベンチに座ってても気づかれないから誰かが座ってしまうでしょ。」
慎太郎「なるほど。これも呪術?」
凪「えぇ。反射術。光も音も反射する。だからこの会話は誰にも聞こえてないから、あたしも独り言を言ってるようには思われないわけ。」

古代の日本。
ヒミコとトヨの子孫。
この子孫同士は対立している、冷戦状態らしいが。
凪はトヨの子孫らしい。見た目は中学生ぐらいだがしっかりしている。

慎太郎「今からやるべきことは、蘇生術を持ってる人を見つけることだよな。」
凪「えぇ。一応、末裔のリストは本部にあるから、明日にでも本部に行くわよ。」
慎太郎「一応、身の無事を親に知らせたいんだけど。」
凪「ダメよ。そんなことしたら、家から出られなくなるでしょ。親御さんには悪いけど、友達を生き返らせるために我慢して。」
慎太郎「…わかった。」

そこに、2人の若い男がやってきた。

タカシ「ねぇねぇ、君、1人?」
慎太郎「俺の学校の制服だ。」
凪「何ですか?私いま、忙しいんです。」
ヒロシ「そう言うなよ。今からカラオケにでも行かない?おごるからさ。」
凪「結構です。大体、この時間から行っても未成年だと長く遊べないし。」
タカシ「はあ、うち来ない?親は旅行でいないんだ。」
凪「(行くわよ。)」
慎太郎「(あ、あぁ。)」
タカシ「おい、待てよ。」

タカシは凪の肩をつかんだ。

タカシ「いいから、ほらおいで。」
凪「辞めてください、叫びますよ。」

ヒロシは凪の口を手で覆った。

ヒロシ「ん?なんか言った?」
凪「(あー、これなら正当防衛で処理できるかしら。)」

凪は術を使った。ヒロシとタカシの体は3cmにまで縮んだ。

ヒロシ「え?な、何が起こったんだ?」
タカシ「おいヒロシ、上…。」
ヒロシ「上?」
凪「知らない人に話しかけるのは、よくないわよ?怪我するわよ?」
2人「ひ、ひぃぃぃ!」
慎太郎「おい、凪!」
凪「(いいの、黙って見てて。)」

凪は右足をゆっくりとあげた。

凪「10秒あげるわ。その間に私が見えないところに逃げなさい。」
2人「うわあああ!」

2人は走った。しかし体が縮んでしまっているため、10秒間の内に走れた距離は1mにも満たない。

凪「どん臭いわねぇ。」

凪は一歩歩みを進めた。そして足を地面につけた時、タカシとヒロシは靴の下に消えていった。

タカシ「ぎゃっ!た、助け…。」
ヒロシ「痛いっ!重いっ!」
凪「ナンパなんてしたらダメよ、高校生のお兄さん。」

凪はつま先をグリグリとして、2人を痛めつけた。

タカシ「い、いや!ちぎれる!」
ヒロシ「た、助けてください!」

ザンッ!!!!!

凪はつま先を地面に突き刺した。砂利の破片が2人に当たる。

凪「行きなさい。もう私には話しかけないこと。」
2人「ご、ごめんなさいでした!」

凪は2人を元の大きさに戻してやった。2人は逃げて行った。

慎太郎「やるな、お前。」
凪「自分の身ぐらい自分で守れないと。」
慎太郎「でもいいのか?一般人の前で術を使って。」
凪「大丈夫。1分たったら忘れるわ。そういう術をかけたから。さて、次は…。」

凪は人通りの多い道へと歩み始めた。慎太郎も着いていく。

凪「あのーすみません。川崎さんですか?」
男「あ、ナギサちゃん?」
凪「はい、お待ちしてました。」
男「ぐふふふ、行こうか。」
慎太郎「(誰?知り合い?)」
凪「(寝場所確保のためにサイトで引っかけた。)」
慎太郎「(え!あの男と寝るの?)」
凪「(んなわけ無いでしょ。どうせヤリ目的だから、正当防衛で小さくして部屋の隅にでもいてもらうわ。)」

男の家に着いた。

男「じゃ、まずは一緒にお風呂に入ろうか。」
凪「えっ…あたしまだ中学生…。」
男「ぐひひひ、いいじゃない。」
凪「(めんどくさいしもう小さくしちゃえ)」
男「え!?なんだぁぁぁ!?」

男は小さくなっていた。

凪「ま、可哀想だし、足ぐらい嗅がせてあげるわ。」

凪は足を男に突き付けた。
通りからこのアパートまで歩いてきたのでホカホカのムレムレである。

男「う、スイート…。すっぱ。」

凪は男を戸棚の引き出しに入れた。
その後は風呂に入り、就寝。凪はベッドで、俺は床で…。
これ、犯罪者俺じゃないのかなぁ。と慎太郎は思った。

翌朝、男の記憶を消して元の大きさに戻し、慎太郎と凪は出発する。
その本部だが、普通に街中にある、普通の建物であった。

慎太郎「ここ?えらく狭いような…。」
凪「入ればわかるわ。」

中に入る2人。

慎太郎「え、ひ、広い…?」

中に入ると、まず先が見えない廊下があった。そして両サイドには扉がいくつもあり、壁に何段もの階段が取り付けられていた。

ズシーン。ズシーン。
地響きが前方から近づいてきた。

慎太郎「な、何の音?」
三笠「あら、凪お帰り。」
凪「ただ今。」

頭上から声がしたかと思うと、超巨大メイドが目の前に立っている。

三笠「あたし今からメイド喫茶でバイトなの。急いでいるから!」

そう言うとメイドは小さくなって外へ出て行った。

慎太郎「今のは?」
凪「三笠ちゃん。高校生よ。」
慎太郎「あの子は巨大化できるの?」
凪「へ?違う違う。あたし達が小さくなってるのよ。この家には術がかかっていて、入ると小さくなるの。そうすれば狭い家を広く使えるでしょう?ただし、急いでいるときは小さいまま端から端まで移動するのが面倒だから、元の大きさになるわけ。今の三笠ちゃんはバイトに遅れそうだったからそうしてたわけね。」

この建物には縮小術を使った、いや、呪術を使ったトヨの子孫、その中でもとりわけ血が濃くて術が使える人間が立ち寄るらしい。普段は普通の人間として生活しているが、壱日一度はここに顔を出さないといけないらしいのだ。血が濃いというのは直系、あるいはそれに近い血筋。ちなみに凪は実際は慎太郎より年上のフリーターとのことだった。帰る家もないからこの建物が家のようなものらしい。

凪「ここがあたしの部屋。」

部屋はカップめんのごみや雑誌が散乱していた。

慎太郎「汚い。。。」
凪「アンタも独り暮らしするようになったらこうなるわよ。」
慎太郎「あ、トイレどこ?」
凪「共用のが部屋を出て右に曲がったところにあるわ。」
慎太郎「すまん、漏れそうなんだ。行ってくる。」
凪「はいはい。」

慎太郎は部屋を出てトイレに向かった。その時、青髪の少女とすれ違った。

七瀬「ん、ちょっと待った。」
慎太郎「え?」
七瀬「おかしいな。何でセキュリティが作動していないんだ?まぁいいこっちへこい。」
慎太郎「いや、俺トイレに…。」
七瀬「いいから来い!」

その少女に、半強制的に慎太郎は連れて行かれた。
そしてここはその少女、七瀬の部屋。
壁には制服がかかっている。慎太郎の通っているのとは違う高校の制服だ。

七瀬「いくら女性が出入りしてるからって、勝手に侵入しちゃあいけないよお兄さん。」
慎太郎「いや、俺は勝手に入ってはいません。」
七瀬「はいはい、そこで素直に認める人がいないのが現代人。ま、セキュリティが作動しなかったこっちの責任もあるけど、不法侵入のあなたにも責任があるわね。」

そう言うと、七瀬はズボンを脱ぎ始めた。

慎太郎「おいっ!何してるんだよ!」
七瀬「準備よ。」
慎太郎「な、なんの!?」
七瀬「あなたを懲らしめる…。」

そう言うと七瀬は慎太郎を3cmの大きさにした。

慎太郎「げっ!な、なんで!」
七瀬「うふふ、びっくりしたぁ?さぁて、どう料理してやろうかしら。」

パンツとブラジャー姿になった七瀬が慎太郎の前に立ちはだかる。
慎太郎は机のいすの上で驚いている。

慎太郎「待ってくれ!誤解なんだって!」
七瀬「言い訳すると罪は重くなるわよ!」

そう言うと七瀬は右足を大きく上げて慎太郎を踏みつけた。そして膝の上から顔をのぞかせた。

七瀬「どうかしら?」
慎太郎「お、重い…。」
七瀬「重いだけ?」

七瀬は臭えと言わんばかりに鼻のあたりを足の指でくすぐってきた。

慎太郎「おえぶっ!!!くさっ!」
七瀬「あっははははは!これが目的で入ってきたんでしょう?」
慎太郎「ち、ちがっ!助け…!」

次に、七瀬は椅子の両手を付け、足を大きく開いて両手の力だけで体を宙に浮かせた。
手の力を緩めれば、ちょうど椅子に座るような体勢である。

七瀬「どう?お空の色は?」
慎太郎「ピンク…。」
七瀬「うふふっ。落雷!」

ブブブッ、ブーーー!!!

慎太郎「ぎゃああ!」
七瀬「あははは!気持ちいい〜」

七瀬は尻の下にいる慎太郎にめがけ放屁した。臭いと風圧は雷のように慎太郎に突き刺さった。

七瀬「あ〜腕が疲れてきちゃったなぁ。」
慎太郎「おい、やめろよ!」
七瀬「あ、だめ、10秒持たない。9,8…」

七瀬はカウントダウンを始めた。このままでは尻の下敷きになる。
慎太郎は何とか安全な所へと、走りだそうとした。

七瀬「んっ!」

ぶっ!!!

慎太郎「ぐぁっ!」

背後に放屁を喰らい、慎太郎はこけてしまった。
腐乱臭に全身が包まれる。

七瀬「2,1,0!」

ズウウウゥゥゥン…

七瀬は尻を椅子につけた。
慎太郎をちょうどつぶさないように、肛門の隙間に入れて。

七瀬「怖かったぁ?」
慎太郎「むしろ臭いよ…。もうやめて…。」
七瀬「ダメよ。不法侵入の罪は重い。」

ブッ!!!

パンツと椅子の密閉空間に、おならの臭いが溜まる。

慎太郎「ゲホッ!違う!俺は凪って女の子に連れられて!」
七瀬「え、凪…?嘘。」
慎太郎「嘘じゃない。本当だ!」
七瀬「や、やだ!あたしったら…!」

七瀬は慎太郎を解放し、元の大きさに戻した。
そして、2人で凪の部屋に向かった。

凪「遅いよ。…って、あれ。どうしたの七瀬。」
七瀬「ごめんなさい、あなたのお客様だとは知らなくて…。」
慎太郎「ひどい目にあった…。」
凪「…。その様子だと、術を使ったのね。正当な理由もないのに術を使うのは規則違反。この建物内だったからいいものの、外でやってたらあちら側に知られていたかもしれないわよ。」
七瀬「うぅ、ごめんなさい!」
凪「友達とはいえ、規則違反者には罰を与えないといけない。慎太郎、見てなさい。規則違反をすると、こうなるから。」

凪は七瀬を5cmにした。

凪「これくらいがいいわね。上に言わないでおいてあげるから、少し我慢なさい」
七瀬「あぁ、あたしのバカ…。」

凪は履いていたソックスを脱ぐと、その中に七瀬を放り込んだ。
ホカホカと湯気が立っている。

凪「うあ、汗で先っちょが湿っぽい…。七瀬、大丈夫—?」
七瀬「なんか、湿度がやばい…。」
凪「あー、でも規則だからね。じゃ、履くよ。」

凪は脱いだソックスを再び履き始めた。
小さな白い足が、七瀬にどんどん近付いてきて、最終的に足の裏とソックスで七瀬を挟む。七瀬はうつぶせ状態である。

凪「靴下の縫い目から息はできるよね?」
七瀬「う、うぶっ…」

縫い目から空気は入ってくるとはいえ、圧迫されたソックスからしみ込んでいた、いつ書いたかわからない汗がにじみ出ていて七瀬の鼻を襲う。

凪「後はこの状態で靴を履くだけ…。」

凪は靴に足を戻した。
靴下の中に七瀬を閉じ込めて。

慎太郎「それが、罰なのか?」
凪「えぇ。ちょっと変わってるでしょ?でも、流石に禁固刑とかはないから、こういうことになってんのよ。」

七瀬は凪の靴下の中に禁固刑、ということになっているが…。
もう靴下には凪の汗と七瀬の涙、その他皮脂などが混ざってよくわからない匂いと温度になっていた。

凪「はい、終わり。」
七瀬「はー…はー…苦しかった…。」
凪「次から気をつけてよね。」
七瀬「うん。ごめんなさいね、慎太郎さん。」
慎太郎「あ、あぁ。もういいよ。」

七瀬は部屋を出て行った。

凪「さて、じゃあやっと本題ね。これが縮小師のリスト。特に血が濃い人はこのページ。」
慎太郎「凪も載ってるじゃないか。」
凪「あたしは直系だから。血が薄い人はトヨの兄弟の子孫だったり、イトコ、マタイトコの子孫だったりするのよね。…この人、行けそうね。」
慎太郎「蒼風蘭…?何て読むんだ??」
凪「そぷらん。中学一年生だって。若い子らしい名前だわ。」
慎太郎「中学生か…。大丈夫なのか?」
凪「術の能力は確かだと思うわよ。あたしはこの子のことよく知らないからさっきのメイドにでも聞いてみるね。三笠。」
慎太郎「わかった。」

2人は三笠の帰りを待った。
夜。

三笠「ごめんねー、お客さん中々帰ってくれなくて。で、用事って?」
凪「この子、知ってる?」
三笠「ん、そぷらん。。。あぁ…そぷらちゃんね。私の部屋の上の子だわ。どうして?」
凪「実はかくかくしかじか。」
三笠「なるほど…。この子、わがままで有名だよ。学校から帰ってここによって、夜遅くになってから家に帰ってるような子。すんなり聞いてくれるかなぁ。」
凪「まぁ、年頃だしね。」
三笠「事前準備が必要かも。」
凪「そうね、お願いするわ。」
慎太郎「準備?」
三笠「はい。失礼しますよ。」
慎太郎「え?」

三笠は慎太郎を4cmぐらいにした。

慎太郎「えええ?なんで!?」
三笠「きっとこの子は慎太郎さんを試してきます。だから、その準備です。覚悟はいいですか?」
慎太郎「え?それと俺が小さくなったのと関係があるの!?」
三笠「何をされても耐え抜く精神が必要なんです。では、行きますよ。」

そう言うと三笠は慎太郎の上に腰かけようとした。
慎太郎の目からはガーターベルトに白い太もも、メイドスカートに灰色の毛糸のパンツが見える…。

続く。