自由時間は特に何もなかった。
と、いうか俺が小さくなってしまっている以上、翔子も自由には動けない。
千陽は友達と遊びに行ってしまったが、翔子はお腹が痛いと言って、部屋に待機していた。

聡史「わりいな、こんなことになっちまって」
翔子「いいって。困った時はお互い様。それより、体は大丈夫?」
聡史「大丈夫って?」
翔子「小さくなった以外に、不都合なことはないの?」
聡史「んー、特にはないかな。」
翔子「ならいいのよ。」



千陽「おーい、風呂だってー。」
翔子「えっ、もう?」
千陽「中学生も泊まってるって、先生言ってたでしょ?それの兼ね合いだとか何とか」

千陽はテキパキと入浴の準備をしている。

千陽「どした?まだ具合悪い?」
翔子「ううん、そんなことはないけど。」

俺を連れて風呂に行くわけにはいかない。
翔子はそれで迷っているんだろう。

聡史「あ、じゃあ俺はこの部屋で待ってるから。」
翔子「大丈夫?」
聡史「あぁ。行ってら。」
翔子「ありがとう。」
千陽「え?あたし何か感謝されることした?」
翔子「ううん、何でもない。じゃ、お風呂いこっか。」
千陽「おう!」

2人は風呂場に行ってしまった。
それにしても腹減ったなぁ…。
このサイズだし、厨房に入ってもばれないかな?
ぐぅぅ〜
お腹が鳴る。
1人でいても暇だし、旅館を歩いてみるか。
と、言うわけで、俺は部屋から脱出した。
廊下が異様に長い。
改めて自分の小ささを感じる。
木目の入った床の隙間に落ちてしまうと誰にも気づかれずに死んでしまいそうだな。
とりあえず、厨房がどこにあるかは分からないが歩き出した。



どれぐらい歩いたのだろうか。
結構疲れてきた。
てか、これ部屋まで戻れるのか?
そんなことを考えながら歩いていると、人の雰囲気を感じた。

琴葉「何こいつ」
聡史「へ?」

俺は何か巨大なものに体を挟まれ、高々と上げられてしまった。

琴葉「新種の虫…?」
聡史「(え、誰この子?ってか、やばい…っ)」
琴葉「部屋で調べてみよう。」
聡史「(おいおいおいおいおいーーー!!!)」



俺を捕まえたのは少女の様だ。
セーラー服を着ているがうちの高校の制服じゃない。
と、いうか修学旅行はみんな私服で来ている。
ってことは、中学生?

琴葉「あなた、何者?」

彼女の部屋の机の上に置かれ、問いかけられる。
しかしここは言葉を発しないほうがいいとは思う。

琴葉「どっかの映画であったよねー。小さな女の子が、人間に見つかっちゃいけない暮らしをしている話。」
聡史「(あぁ、ジ○リね。)」
琴葉「喋らないのー?」
聡史「少女は顔を近づけてくる。吐息が顔にかかる。甘い香りだ。」
琴葉「どうしても喋らないのなら…。んぐっ」
聡史「!?」

少女は突然、唾液の塊を俺の頭上に落としてきた。
逃れることも出来ず、唾液の海につかまる俺。

聡史「ぷはっ」
琴葉「お、しゃべった」
聡史「なんてことするんだよ!」
琴葉「すごい…。」
聡史「は?」
琴葉「すごい、小人って本当にいるんだ!ねぇねぇ、あなた、名前、何ていうの?」
聡史「…」
琴葉「ねぇ?」

嬉々として聞いてくるが俺は答える気はない。
答えたところでこちらにメリットはないのだから。

琴葉「答えてくれないんだ?」

少女は二本の太い指で俺をつまむと、強く力を入れた。いや、彼女にとっては軽くつまんだだけなのだろうが。

聡史「いっ…ぎぎぎ。」
琴葉「答えてくれないと、このまま潰しちゃうよ?」
聡史「あっ、わかった!答える!答えるから放してくれ!」

彼女の指から解放される。

聡史「俺の名前は聡史だ!聡史。分かった?」
琴葉「聡史?普通な名前ね。〜〜〜ッティじゃないんだ。」
聡史「(それは映画の世界だろ…)」
琴葉「まぁいいわ。あたしは琴葉よ。見ての通り、修学旅行中の中学生」
聡史「そう…か。琴葉は何をしてるんだ?」
琴葉「何って?」
聡史「この部屋に君一人だろ?他の友達を差し置いて、何をしてるんだって聞いてるんだよ」
琴葉「あぁ、みんな今、銀崋山で飯盒炊爨やってるわ。でもあたしはそんな野性的なことをしたくないから、仮病を使ってここに残ってるの」
聡史「(何だこの子不良か…。確かに、髪も染めてるし爪はネイルで長いし。)」
琴葉「あなた、何歳?」
聡史「俺か?君より二つぐらい年上だと思うよ。」
琴葉「へぇ、年上なんだ。こんなに小さいのに!」
聡史「…まぁ、な。」
琴葉「ふふ〜ん」
聡史「何だよ?」
琴葉「ねぇ、Hしない?」
聡史「は?」
琴葉「ここにいてもつまんないの!じゃんけんで勝った方が上で、負けた方が下ね。」
聡史「何言ってんだよ!」
琴葉「出さなきゃ負けよ、じゃーんけーんほーい」
聡史「くっ…」

思わず出してしまった。
結果は俺の負け。…ってことは俺が下!?
いやいやいや待て!相手は俺の、100倍ぐらいのサイズがあるんだぞ!いくらなんでも無理だろ!

琴葉「じゃ、潰されないように頑張ってね。」

琴葉はもう服を脱いでいた。シーツの上に俺を置くと、俺にめがけて巨大なアソコを下してくる。
春海のアソコも見させてもらったが、同じようにピンク色でふさふさと毛が生えている。

聡史「んぶぅ」

琴葉のあそこにつぶされる俺。
琴葉が腰を前後に動かす。
そのたびに堅いものが俺の体に当たる。
それが何であるのか、性にういとい俺には分からないのだが、少しでも抵抗しようと、その硬いものを蹴ってみる。

琴葉「うっ」
聡史「(何?効いたの?)」
琴葉「やるじゃない、アンタ。じゃあ、中に入れてあげるね。」
聡史「(中って!おい冗談じゃねえぞ!)」

抵抗するもむなしく、巨大な琴葉に敵うわけもなく、あそこの中に入れられてしまう。
そこはまるで温水プールの様。
彼女の愛液で溢れかえっていて息もできない。
しかもやったら狭くて締め付けられる。

聡史「(あれ、俺、死ぬ?)」

死ぬのはさすがに嫌なので、暴れてみる。
もう我武者羅に。

琴葉「ああああ!」

俺は思いっきり外に出された。
助かった…。
いや、まだ助かってはないか。とりあえずさっさと逃げなければ。

琴葉「あれ、聡史、どこぉ?」

琴葉は俺を探しているようだがそんなのお構いなしに逃げる。
また捕まったら何をされるかわからない。
ドアまで走るがドアまでが遠い。
もう少しでドアかという時。

どんっ!

思いっきりドアに叩きつけられた。
痛くて息ができない。
後ろを見ると、琴葉が立っていた。
どうやら俺は蹴られたようだ。

琴葉「聡史、逃げようとしたの?」
聡史「…」
琴葉「ダメよ逃げちゃ。こっちに来なさい。」

もう少しのところで琴葉につかまってしまった。

琴葉「逃げた聡史には、お仕置きが必要ね。」
聡史「!?」
琴葉「まずはこれから。」

琴葉はこちらに尻を向けてきた。
この展開はもしや…

ぶっぶぶおおお!!!

聡史「ぐえ!」

やはり火炎放射だった。いや、火炎ではないけど。
中学生でも臭いものはやっぱり臭い。
オナラで机の上から下に落とされてしまった。
そして上を見上げると平らなものが目前まで迫っていた。

ずしん!

聡史「うっ」

大きな足が覆いかぶさる。

琴葉「逃げられないように、足の一本でも折っておこうかしら?」
聡史「(な、なんだんだこの子!?頭おかしいんじゃないか!?)」

琴葉は踏む力をさらに強める。
素足で踏まれているので足の強烈な匂いが直に伝わる。
酸っぱい。

琴葉「あ、そーだ。」

琴葉は何かを思いついたのであろうか、空のペットボトルを持ってきた。
そして俺をその中に入れた。

聡史「おい、何をするんだよ!出してくれ!」

俺の言葉には耳を貸さず、琴葉はペットボトルの口の部分に、肛門を押し付けるようにして座った。
そして、少し力んだかと思うと、

ぶぉっぷぷおぷおぶぶぅ〜〜〜

ペットボトルが共鳴してすごい音のガスが出た。
中は当然密閉空間だ。
ガスが充満し、息が苦しくなる。臭い。

聡史「(やばい、これはマジで死ぬ。)」

一瞬、新鮮な空気が入ってきた。と思うと、再び琴葉はペットボトルに座った。座り方を変えたようだが。

琴葉「シャワー、浴びせてあげる」
聡史「(おいおいおいおい!)」

琴葉がそう言うと、上から金色のシャワーが降り注いできた。
水の太さは俺の体と大差ない。鉄砲水だ。
鈍器で殴られたような感じでクラっときたかと思うと、いつの間にか水位はどんどん上昇していた。
暖かいアンモニアとまだ残るガスの臭いで今にも失神してしまいそうになる。
しかしそうなると俺は中学生の尿で溺れて死ぬという情けないことになってしまう。
シャワーはペットボトルの8分目ぐらいまでで止まった。
人間の排尿量って意外とあるもんだ。
琴葉はペットボトルにふたをする。

琴葉「じゃ、シェイキングタイムね。」

琴葉はペットボトルを振りだした。
中に入っている俺は尿の海にのみ込まれて当然、身動きが取れない。
冗談じゃない、本当に死んでしまう。
息が持たなくなり、尿を飲んでしまう。
塩辛いような苦いようなよくわからない味。
なぜ女子中学生の尿なぞ飲まなければならないのだ。
意識が遠くなりかけた、その時。

先生「小早川さん、入りますよ。具合はどう…って何してるのあなた!」
琴葉「せせせ、先生!」

入ってきたのは琴葉の担任の様だった。
まぁ体調が悪いと言っている生徒の様子を見に来ることは当然であろう。

先生「小早川さん、なんで裸なのあなた!ひょっとしてまた仮病なのかしら?それと、その黄色い飲みものはジュース?みんな今、飯盒炊爨でお茶しか飲んでないのに。没収です。」

先生はペットボトルを取り上げ、洗面所に流し始めた。

先生「何か、変な匂いがするわね。」

俺は先生が後ろを向いた瞬間を見計らい、渾身のジャンプで先生の服にしがみつく。
これで、うまいこと部屋に戻れたらいいのだが…。

先生「さぁ、さっさと着替えて、行くわよ!」
琴葉「はい…。」



俺はロビーで飛び降りた。
ここで待っていれば風呂上がりの翔子が通るはず
とりあえず、助かるだろう…。


続く。