今回の成分表
前半(1話当り)
比較的残酷描写
性的描写
ご都合主義
作者の自己満足(遺伝子組換えではない)
エネルギー 0kcal
脂質 0g
炭水化物 0g
たんぱく質 0g


えー、いくら寝ても寝足りない今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
なんだ生きてたのかよ、なんか上がってると思ったらお前かよ…というみなさま!その通りでございまーす!!反省はしても!次には活かしませーん!!ヒャッハー!

あっ…はい…はい……はい。申し訳ありません。はい…。調子こきました。はい…。

ま、まあそれはさておき本編、どうぞ。







…どこかの館。それは山中深くに、しかも唐突に存在しているが、不思議なほど山林と調和していた。

その館の中で、巨メイドは働いていた。汗をかき、洗い物で手は荒れがちで、埃まみれすすまみれになって掃除をして、一生懸命頑張っていた。
私って働けてる。メイドは、そう思っていた。



ねこびとシリーズ 【怒られた!】(ムカつく!編)


「そこの貴女。ちょっと来なさい」

うわ、いやな予感。手を止め、声の主の元へ行く。

「ここの食器棚。食器と敷物どかして埃を取ってるのかしら?引き出しは中の物を取り出してちゃんと拭いてる?ここもよ。目に見えるところしか掃除出来てないわよ。意識が足りないんじゃなくて?」
「はっ、はい…」
「ねえ、最近よくこういうこと指摘してるような気がするんだけど。後輩のメイドたちに示しがつかないのじゃなくて?」
「はい…」
「あなたがそんなことして後輩に『ここが汚い』なんて言える?『だって先輩は手を抜いてたじゃないですか』なんて言われたらどうするの?」
「すみません…」
「すみませんすみませんって、何回目かしら?いい加減説得力がないの。わかる?謝るぐらいだったら最初からおやりなさい。掃除したけどここが抜けてました、じゃ意味ないの。貴女は自分の部屋を綺麗にする時、適当に済ましているのかしら?」
「…」
「違うわよね。自分の部屋はくまなく掃除してるのに、なんで他のところは手を抜けるかしらね」

うぅ、と苦しげな声を出すメイド。正論だからこそ、キツい。わかってるはいるんだけど、だけど…。



「むー…むー。むー!!」

自室に戻り、真っ先にベッドへ飛び込んだメイド。ぼふん、といろんなものが宙に舞う。

「わかってるわよ!わかってるわよ…。うー!不甲斐ないわ…。でも!あそこまで言わなくても!!」

ボフボフ枕を叩く。枕は埃や毛くずを出すだけだった。メイドは、しばらく枕を叩いていたが、やがて手を止め、ぎゅっと握りしめた。

「ぐすっ…。厨尉さんから依頼ないけど、行ってあげるわ…。ふふ、ふふふ…」




ー早送りパートー


隈なく晴れた青空。乾いた銃声と喊声がそこここで上がっていた。
どすどすと、兵隊たちが緑色のまぶしい野原いっぱいに広がって走りまわる。家猫帝國陸軍第四師団隷下第二十五連隊、春季演習である。

「軽機、撃てーッ!」

軽機関銃の連続した銃声が高らかに鳴りわたる。銃手は茶色いねこびと、ひたき二等卒。入営より幾月、成長した証として特別善行章もつけ、立派に訓練をしていた…らよかったのだが…。

「軽機射撃やめ!やめーッ!!バカ!!やめろって言ってるんだよ!!」

軍曹が青い顔をしてすっ飛んできて、シャベルでひたきの鉄帽(ヘルメット)をひっぱたく。

「銃手が目をつぶるニャ!味方を撃ってんだニャ!おまけに耳まで倒して!そんニャンでどうして戦争ができるんだよ!!」
「だって、軍曹…。軽機関銃ったらババババヅヅヅウウン!なんて音立てるからうるさくてたまらニャて…。耳が痛くて痛くて目も開けられニャいよ…」
「バッカァ!!俺たちを殺すつもりか!さっきなんか麦缶(ばっかん。ご飯を入れて運ぶ、給食のアレ)ひっくり返すし、お前は全然ダメだな!!ガッカリだよ!!」
「だって機関銃やれったって、鉄砲とは全然違う動かし方だし、うるさいし…」
「言いわけするな!最近のお前はたるんでるぞ!立てーッ!!足を開け、歯を食いしばれ!」
「はっ、ハイッ!」

言われるがまま、すっくと立ち上がる。

「キサマぁ!!」

ばちん、とビンタが飛ぶ。したたかに倒れるひたき。
ビンタ…!ほのぼの至上主義のねこびとシリーズで、鉄拳制裁なんて…!
はじめての出来事で、周りの兵隊が凍りつく。

「これから陸軍精神のなんたるかをおまえに教えてやる…!みっちり仕込んでやるからそのつもりでいろ。以前のように生易しいものではないぞ…!わかったか!」

息も荒く、軍曹は倒れ伏したひたきに言い放ったあと、走り去った。
ひたきの泣きベソと、周りの兵隊たちの戸惑いの声は、大砲や銃声で聞こえなかった。





赤い夕日が落ちて、連隊は晩ごはんの準備中である。野外炊飯で、あちこちから白い煙といい匂いが立ち上っていた。

「軍曹ッ、こっちへ来い」

サーベルをさげた毛並みのいい猫が、軍曹を呼び出す。いつもより低い声音で、まるでそれだけで怒られているように聞こえる。

「はいっ、中隊長殿」
「先ほどのことだがな、私の見えるところで私的制裁とは一体どういうことだ。わけを聞かせてもらおうか」
「はっ。ひたき二等卒が、最近不始末をしでかしてばかりでありまして…。さっきなんかは自分たちが撃ち殺されそうになりました。必要な処置であったと思います」
「馬鹿者!その不始末、どうしてあいつが起こすのか考えたことがあるか。その原因はわかっているのか。なにがわからないのか、あいつと意思の疎通を取っているのか。急き立て責めるだけでは下は育たないのだぞ」
「はっ、しかしあいつにはほとほと手を焼いております。言って聞く相手では」
「うるさい!それは言い訳だ!例え手の焼く奴だろうが見捨てないのが内務班長ないしは分隊長である貴様の任務であり、そして中隊長の私の任務である!いいか、私の目が黒いうちは粗暴な真似は許さん。わかったか!わかったなら、二度とそのようなことはするな!!」
「はい、わかりました…」
「他にも言うことはあるが、今日はこれまでにしておく。明日は大変に厳しい訓練になる。よく休むように!」
「…ありがとうございます」

中隊長、やれやれと思った時。


「おい、第二中隊長」

連隊長の声。いつもはカール君などと呼ぶが、説教のときはいつも堅苦しく呼ぶのが連隊長の癖である。

「ハッ。お呼びですか」
「お呼びですか、ではない。今日の大尉の麾下は無様な動きだったぞ。おまけに観閲官である師団長閣下以下、師団司令部幕僚の見てる所での私的制裁。部下の掌握がまるでなっとらん!それでも陸軍大学校を出た将校か!恥を知れ!」
「申し訳ありません。完全に私の力不足でありました」
「情けない。貴官は兵卒でも下士官でもない。中尉でもない。大尉だ!中隊長だ!貴官は中隊長という役割をなんだと思っているのだ。言ってみろ!」
「ハッ!中隊長は、中隊の士気結合の核心であり、軍人精神の涵養の為に、特に軍人勅諭を肝を銘じさせ、強固な団結を完成させる事が第一の任務であります!さらに部下に統御及び教育訓練の要領を会得させ、その威厳を保たせる為に注意するのが中隊長の役割であります!」
「よろしい!しかし貴官はその自らが考えることと真逆の事をしているのではないのかね?」
「ハッ…!私の過失で、返す言葉もありません」
「申し訳ありませんだの、過失だの、ただ言ってるだけでは全く進歩しないぞ、第二中隊長。貴官は何をしているのだ?その役割を果たす為に何をしている?言ってみろ!」
「ハッ……。」
「なにも出てこないということは、何もしていないということだ!貴官は自分のことしか考えていないのではないか!?そんなんでは大尉は務まらんぞ!わかっているのか!!」
「…ハッ…」
「そんなことでは中隊は任せられないぞ。いいか、次このような事を起こせば容赦なく学校の配属将校だ!わかったな!」
「肝に銘じます…!」





きん、と冷える秋の夜。野営である。天幕(テント)を屋根に広げ、背嚢(リュックサック)を枕にして、寒さにしかめっ面をしながら兵隊たちは眠っていた。
それぞれはきっと今日したこと、言われたことを、思い返しながら眠りについたことだろう。




「非常呼集!あつまれーッ!!」

突如とかかる非常呼集。眠たい目をこすりながら、兵隊たちはあわてて集まる。

「街に巨人が現れた!わが連隊はこれより街へとって返して攻撃を開始する」
「練習でしょこれ」
「迫真の演技はわかったよ…眠たいから早く終わらないかな」
「あくしろよ…」
「これは訓練、はっきしわかんだね」
「ふざけるな!これは演習ではない!戦争だ!急いで準備を完了させて列車に乗り込め!!」


連隊長の命令一下、武力行使も辞さない構えだ。急遽、迎えに来た臨時列車にぞろぞろと乗り込む。兵隊たちで列車の中はいっぱいになり、満員御礼のおしくらまんじゅう状態である。
最後の兵隊が乗り込んだ瞬間、がこん、と動き出す列車。それと一緒にねこまんじゅうは悲鳴を上げながらぐらんと揺れて、元に戻る。

「もぐもぐもぐもぐ」
「痛い痛い、おい、押すなよ…。お前、こんな狭いのによく食べてられるな…なに食ってんだ」
「…草w」
「…くさ?草!?バカ!!こんなところで毛玉なんか吐くんじゃニャい!」
「だって、もうお腹が苦しくて…うっぷ」
「ニャんで走り出す前に出さなかったんだニャ!」
「非常呼集に急いで列車に乗り込んで…暇がニャかったんだよ…げふ…それにいつ出すかって。今でしょ」

「列車から叩き出すニャ!」


くだらない会話をしながら、いつもの敵といつものように戦って、いつものように終わる。列車の中の兵隊たちはそう思っていた。



ー早送りおしまい(今回も前置きは長い!)ー





『あはははははっ!こわれろこわれろこわれろこわれろこわれろこわれろぉ!あはははは!!』

眉を釣り上げ、「ヒステリック」な高笑いをしながら巨メイドは破壊の限りを尽くしていた。既に静かな夜の街は火の海と化しており、悲惨な状態だった。
巨メイドが足を振り上げるたびに、磨かれた革靴が炎にテラテラと光り、逃げ惑う群衆に下ろされる。
くしゃ、パキパキ、とまるでパンずを踏むような感触が、足裏に伝わってくすぐったい。血しぶきが、靴の間から噴き出ていた。ふふっ。私って、残酷もイケる。
巨メイドはそう思っていた。

『私はこんなにすごいのよ…。その気になればこんなにころせちゃうのよ…。ははっ…。私が本気になれば!世界なんてっ!思うがままよ!!あはははっ!滅ぼすのも、なにもかも!!』

スカートをたくし上げ、巨人襲撃からの復興の象徴である大型デパートを跨ぎ、思い切り股を叩きつけた。
避難していた人々は天井が割れ、巨大な純白の塊が姿を現した瞬間が、最後に見た光景となった。
すなわち、巨メイドの「攻撃」になす術なく大型デパートは崩れ去ったのだ。口を歪ませながら、腰をずりずりと前後に動かし、すり潰す。熱い吐息を発し、淫らな水音が辺りに響く。やめられない、気持ちいい…。腰が…止まんないっ!

『あ、あっ!ああっ、あああっ!」

性器から愛液がしどとに流れ、純白のパンツに大きな染みを作る。
「攻撃」によってデパートの原形が無くなる頃、彼女は一際大きく身をよじらせ、熱い吐息を吐いた。
そして、そのとろけた目をぎょろ、とパニック状態の群衆に向ける。ニイッ、と笑いかけ、立ち上がる。
もっと、もっと怖がればいいわ…私は、なんでもできるのよ。仕事だって、生かすのだって、殺すのだってなんだって!
群衆の行く手を数歩で先回りして、立ちふさがる。その姿は傲慢、という言葉がぴったりだった。

『気晴らしになるぐらい、愉しませてよね』

巨体がしなり、淫らに群衆に襲いかかった。身体を地に伏し、圧倒的重量で人々を押し潰す。特に胸の辺りにいた者は悲惨だった。全身を柔肉で余すところなく圧迫され、まるで風船のごとく破裂して息絶えたのである。
更に前後に身体を動かして、わずかな生存者にとどめを刺す。身体の下にいた生物は全てズタズタにされ、えぐれた地面とまじってよくわからなくなった。

『少し痩せてきて、スタイルに自信がついてきたんですよ?よかったですねー、綺麗な女の子の身体にさわれて』

間一髪、巨躯の攻撃から逃れることが出来たねこびとがひとり。必死に駆け出す。しかし、それを見逃すわけがない。巨メイドは手を伸ばして、捕まえる。起き上がり、顔の目の前までねこびとを運ぶ。

『なに私から逃げてるのよ?ひどーい。私に魅力ないって言ってるの?そんな子はこうよ』

指につままれたねこびとが運ばれた先は、ぐっしょりと濡れた股間だった。まばゆいばかりの、純白のパンツは今や色々なものでくすんでしまっていた。
そのパンツに、押しつけられる。ねっとりしたものが全身にまとわりつく。それだけでも窒息寸前だった。ねこびとの身体ほどの太さがある指が、容赦無く押さえつけてくる。その苦痛や、声も出なかった。

『気持ちいい?私は気持ちいいよ!ほら…もっと感じさせてよ!!』

巨メイドは嫐っていたねこびとを思い切り自らの陰核に押し付けた。
ぷちっ、という弾けるような感触。小さな、小さな感触だった。そのわずかなそれが、巨メイドを極度に興奮させ、絶頂に招き、自我を崩壊させた。その時の嬌声は、まさに咆哮だった。人間から獣になった瞬間。
ゆらあ、と立ち上がる巨メイド。エプロンを乱暴にほどいて投げ捨て、ワンピースドレスに手をかけ無理やりブチブチと脱ぎ捨てる。その際に、吹き飛んだボタンが長屋風の家屋に、そして流行りの和洋折衷の住宅に直撃し全壊させた。
下着は、うってかわってゆっくり、まるでストリップショーのごとく、艶かしく、ゆっくりと脱ぎ、鉄道の高架に、陸橋に引っ掛けた。

『あふ…っ、ぁ…』

荒い息で顔を紅潮させ、うつろな目で街を見やる。
派手な轟音を立てて尻餅をつくと、脚を大きく開く。その様子はまるで巨大な肉食獣が口を開けるようだった。そして近くにあった家屋、自動車その他諸々、あらゆるものを鷲掴みにすると、先ほど開いた「口」の奥、「第二の口」へあてがい、こすりつける。
全てのものが巨大な手指に、陰核に、陰唇にすり潰され、愛液とともに尻を伝い、地面に落下していく。自らを貪る手が、バキバキと言った乾いた崩壊音や湿っぽい水音など様々な大音響を響かせながら動きを加速させる。
手持ち無沙汰の片手は、快感のため地面に大きな手形を深く穿ち、大量の土砂諸共手に収まったあらゆるものを握り潰した。


『んんっ…あッ、ひゃぁぁぁーーッッッ』

再度絶頂の咆哮を発する。その咆哮の威力たるや、崩れ残っていた家屋にとどめを刺し、周囲の硝子という硝子を砕き、近辺に隠れていたねこびとたちを失神させたほどだった。
それでも、彼女は満足しなかった。
また新たに家屋などを鷲掴みにして、「第二の口」にこすりつける。自身の指の挿入感の他に、ガリガリ、じゃりじゃり、つんつんという普段は味わえない感触がとても心地よく、彼女の性欲をさらに高めていった。
幾度となく絶頂を迎えて尚、自身の性欲に身を任せ、街を徘徊する。ふらつく身体、脚を伝い流れる白いもの。色欲、それが今の彼女にぴったりだった。

ふとサイレンと鐘の音が近づいてくる。内務消防最新鋭の水槽付消防自動車が燃え盛る炎を消し止めるべく大群でやってきたのである。巨メイドに気がついていないのか、消防車たちは迂闊にも近くを通り過ぎようとする。

『お水…』

虚ろな目で、こうこうと前照灯を輝かせた車列に襲いかかる。消防車から見れば驚天動地、巨大で、しかも裸の人間が目の前に現れたのである。車列はパニックに陥り、どんどん渋滞を起こし、ついには立ち往生を起こしてしまった。
巨メイドは、先頭車両から「水分補給」をしていった。消防車を口の上まで持って行き、握り潰す。指の隙間から水が流れ出し、暗黒が広がる口の中へと消えていった。鉄くずを放り投げ、次の消防車に手を伸ばす。また、握り潰す。そして、放り投げる。
いくつかの消防車が握り潰されたあと、ようやく我に返った消防士は脱兎のごとく逃げ出す。と、何匹かのねこびと消防士は短剣を抜いてわずかな抵抗を試みた。が、歯が立つはずがなかった。傷一つも、切っ先も突き立たないのである。

『…?なにしてるの?』

巨メイドは、足元の消防士たちを惚けた表情でしばらく眺めていたが飽きたらしく、一人残らず彼らを捕まえると口の中へ放り込んでしまった。そして迷うことなく噛み潰した。消防士たちは暗黒の中でぼんやりと見える、大きな白い断頭台が自分たちに襲いかかる瞬間、恐怖の叫び声を上げた。それは彼女が咀嚼するうちに次第に小さくなり、そして聞こえなくなった。
消防士だったものを嚥下すると、舌なめずりをしてニーッ、とうすら笑いを浮かべる。

『…ごちそうさま』

巨大な身体が立ち上がる。どよめきが上がり、また街は混乱に陥る。もっと、壊したい。もっと、気持ちよくなりたい。もっと…もっと!

殺戮は、まだまだ続くようだった。





後半へ続く!