この話には、取材陣を派遣して作った、世界に1つしかない、貴重なボツ作品を使っています。
--厨ポニカ學習賬



【ねこびとシリーズ】第0話 ねこびと原案



巨大な女性の姿が月と、火災によって照らされている。都市が、工場が燃えている。彼女は豆粒のような人々を冷たく、そして笑いながら見つめている。
足下にいる人々をよく見ると、猫の貌をしている。彼女は亜人の街を襲っているのだ!!
悶え、時には悦に浸っている亜人の猫たちを見ると彼女は満足そうな顔をして去っていった。


……


翌日、猫の帝国政府。早速、軍高官と政府要人を集めて会議がなされた。

会議室で内務省官僚が集まったメンツを前に報告をする。

「この度襲撃されたのは、マタタビガスの製造を行っていた工場街であります。当該地域は壊滅しており、ガス漏れの影響は近隣市街へと広がっております」
「重症者は全て速やかに病院へと搬送され大事には至っていないとの報告です」

首相、溜息を吐く。

「これでは我が国が化学兵器を保有していることが知られてしまう」

官僚はちら、と首相を見やり、報告書に目線を戻す。

「ごあんしんを。工場設備からの有毒物質によるものとすでに発表済みであります」

ぬかりはないな、と内務大臣は漏らした。
それに対して、それはそうと!軍高官が切り出してきた。

「あの巨大なニンゲンの女の対応について、と言うことで我々は参加したのですニャ!情報操作や被害報告はヨソでやってほしいニャ!」

同席した高級将校も同調する。

「そうです!攻撃なら攻撃と!早急に結論は出して欲しいのニャ!!」
「まま」

首相が激昂した軍高官をなだめる。

「陛下にお伺いを立てましょう。陛下、いかがされますか」
「……無論決まっている。攻撃には攻撃で応えよう」

その日より重工業、化学工業の工場の警備は軍を動員しての一層強化との報道がなされた。実際はマタタビガスの製造を担当する工場のみであったが。
マタタビガスとは、マタタビを濃縮したガスで敵の無力化を狙った化学兵器である。しかしまともに被曝すればマタタビ中毒に陥り廃人、最悪急性中毒により死に至る効果がある為使用を禁止されているほどの非猫道的兵器であった。


……


巨大娘が現れたのは警備強化三日後のことであった。白昼堂々、その姿を現した。
特別警備隊によれば、特別警備隊警官とオニ・ゴッコをひと通り楽しんだあと、街の中心部で突如巨大化、周囲を建物をその身体でなぎ倒しながら出現したとの事であったと言う。
その際、トーチカと化していた街のシンボルの時計塔がキレイなお尻に巻き込まれ、守備隊応戦不能の報告もオマケでついてきた。

「ついにきたか……!」

軍高官Aが呟く。司令部は、マタタビガス工場近くの高層ビルに置かれた。進撃してくる巨大娘が見える。

「よし、戦車隊出動!攻撃あるのみ!情けをかけるニャ!!」


……


「まだか!まだ味方はこないのかニャ!?」

応戦しても機関短銃では敵わず、泣き出しそうな特別警備隊隊長。

『えへへー、こびとの街よりもろいよー?つまんなーーい』

彼女はなんの躊躇いもなく、亜人たちの街を壊していく。

「ニャー!ニャーゴ!!」

キャーキャーと悲鳴をあげて逃げ惑う猫人たち!

『こねこちゃん、わたしのおっぱいでぺちゃんこにしてあげるね?』

そう言うと巨大娘はブラウスのボタンをプチプチと外し、胸をはだけさせる。ぶるん、と形の良い、大きなおっぱいを露わにさせた。
そしてそれを街へ、猫人たちに押し当てようとする!!

と、その時、高速で飛んできたものが胸に命中した。胸は、プルンと揺れただけでなんともなかった。


「弾かれたぞ!次弾装填」


ねこがぴょっこり頭だけを砲塔から出している。戦車隊だ!とにかく、まにあった。

「装填手、今何を装填した?」
「樫の木の実質弾であります!ニャー」
「よろしい、では次からはカツブシの高速弾を込めるんだ」
「了解であります、ニャー」

戦車は次々と砲弾を撃ち込み、命中させていく。しかし巨大娘には全く効かず、ニヤニヤしている。

「ニャーーー!!ガンバレ!!!ニャーーーーー!!!!!」

特別警備隊の隊員たちが必死に応援をする。砲撃は一層熾烈さを増すが、やはり効かない。胸をさらに揺らすだけであった。

『えっちーー!!けどかわいいからゆるす!!!』

そう言うと巨大娘はよつんばいで戦車隊に覆い被さると胸を左右に押し揺らし、戦車隊をなぎ払った。あわれ、戦車は全部ひっくり返ってオシャカになってしまった。

『さて、とっ……」

巨大娘は胸も隠さず、盛大にパンチラさせながら工場へと歩いていった。

「戦車って、ホントこういう目にばっか遭うんだよなあ……キュウ」

ひっくり返った戦車からやっとこさ這い出た戦車の隊長は、目を回して倒れてしまった。


……


「戦車隊全滅っ!!」

報告が入る。

「くそっ!それがなんだ、備えは出来てるぞ」

工場の守備隊は、強力な野戦重砲隊であった。巨大な大砲が首をもたげ、待ち構える。

街を靴下を履いた足で蹴り壊していく巨大娘。ひと通り壊して満足した彼女は、遠目に異質な人工物のパイプラインとタンク、煙突が建っているのを見つけた。

『たぶんあれがそうね!うふふ、またマタタビに酔うこねこちゃんが見られる……』

その声と同時に重砲隊に命令が下される!

「砲兵よ、我らの命令だ!母の為、家族の為、国の為、撃てよ!撃て!」

一斉射撃を開始する砲列。ぶどう弾、毛玉の堅徹弾を雨あられと降らす。間を置かず、次々と着弾する砲弾。さすがに遠いところから撃たれ、いらだつ巨大娘。

『なにこれ!?ちょっと、遠くからってズルくない!!!?』

暴虐極まりない巨大娘に対して巨砲一斉に火蓋を切れば一弾また一弾と命中し、爆煙天に冲(ちゅう)す!!

「重砲隊、撃ち方待て!観測所、戦果を確認せよ」

もうもうと上がる煙。姿は確認出来ない。アレだけ撃てば……?

「どうしたッ、確認できるか!?」
「いえ、姿は確認できま……」
『ばあーーーーーっ!!!』
「ギャアアアアアアアアアアア!!」
「ンニャ!?どうした!おい!!」

悲鳴で途絶える電話。必死に応答を求める。不気味に沈黙したあと、ゆっくりとした声が聞こえてきた。

『……今から、そっちに行ってあげるね……』

軍高官、汗が滝のように流れ落ちる。

『はい、ありがと♡』

震えながら受話器を両手で差し出す猫兵にそう言うと、司令部へと向き直る。

「砲弾を込めッ、撃て!撃ちまくれー!!」

重砲に、再度砲弾が込められていく。

『んー、本気出そうかな』

砲火が放たれる。巨大娘はそれを避けるように走りだす。ビルや車が蹴り上げられ、潰れる。あっという間に、重砲隊の目の前。

「に、逃げろー!」
「バカ、砲兵が砲を捨てるとは何事か!!」
「あとで回収します!」
「あ、お、おーい!待ってー!!」

すっからかんになった重砲陣地。それをひとまたぎすると逃げる猫砲兵に追いついた。

『待ちなさいよ』
「ヒッ、責任者をお呼びします、少々お待ち下さいませ!」
「なんでおれが」

渋る将校が、胴上げするように巨大娘の前に出された。

『これから、食べようかなーって思うんだけど。どうされたい?』

巨大娘がよつんばいになって、顔を近づける。

「いやです!ぜっったい!!いやです」
「うるさい!静かにしろ。ってえーと。戦時国際法に基づいて、捕虜の保護を求めます!」
『……?』

目を白黒させる巨大娘。こくさいほー?ほりょ?

「わが国は戦時国際協定に参加しております。そちらの人道的保護を求める権利がこちらにありま……」
『わかんないよそんな難しいこと!!』
「ギャーー!!」

怒る巨大娘に驚いて、蜘蛛の子を散らすように逃げ出す猫砲兵。あっという間に居なくなってしまった。

『ひどい!まあいっか。工場へはあと少し。いっぱいいじわるしてやるんだから!』


……


司令部は巨大娘の正面に晒された。守備隊は、もういない。司令部には内務大臣と軍官僚が残るのみ。

「全ては私の責任。この私、内務大臣はマタタビガスを作っていたと公表するのだ。そして、巨敵に立ち向かい、立派な最期を遂げたと報告してくれ」
「あなたはこの国に必要なのです、立って逃げ……」

ガラスが突然大きな指によって破られる。外にはふっくらとした胸と、巨大娘の顔があった。

「さあ私が相手だ!私がすべての悪!かかってこい!!」

大臣、毛皮を逆立てて仁王立ちになり、カマキリが鎌を振りかざすように立ち塞がる。

「君、マタタビガスの中和剤を飛行機から散布するようにしてくれたまえ。あと、帝国はマタタビガスを永久に放棄すると伝えてくれ」
「は、はいッ」

軍官僚が走りだす。巨大娘はつまらないような顔をして口を開く。

『茶番はおわり?じゃあ、食べてあげる』
「ああ、お粗末さまだ。その前に、同じニンゲンの兵器を喰らえ!!」

内務大臣は、大きな口を開けて嚙みつこうとする巨大娘に対して、テーブルをやおらひっくり返すと隠していた核無反動砲の「デイビー・クロケット」を口に撃ち込む。
巨大娘が「デイビー・クロケット」の弾頭を噛み砕くと、口内で大きな爆発が起きる。まさかの核攻撃に、よろめく巨大娘。しかし、倒れない!不死身か巨大娘!!!

『ウフ、ウフフ……ウフフフフフフ。すっごい痛かったぁ……じゃあ、わたしの番ね?』

そう言うと内務大臣を大きな指でつまみ上げる。

『特別。こっちの口で食べてあげるよ』

パンツをギチギチと言わせて強引に下げると、ひと息に内務大臣を第二の口の中にぶち込んでしまった。膣内で揉まれ、きつく締めあげられ、愛液まみれにされて弄ばれたあと、子宮の奥へと呑み込まれていった。
その一連の中での内務大臣のかすかな抵抗と悲鳴が、巨大娘を非常にコーフンさせた。

『ゾクゾクしちゃったわぁ……もっと破壊し尽くしてあげるぅ……♡』

巨体が更に巨大になり始める。司令部はもとより、工場の施設は脚、尻、手によって押され、潰されていく。服がついに破け始め、巨大娘は美しい裸体を現した。

『えへへ、おっぱいでみんな、みーーーんなぶっ潰す!!!』

ゆっくりと降ってくるおっぱい。煙突が最初に触れ、たやすく曲がったかと思ったら一瞬で崩れ落ちる。ガスタンクが潰れ、ガスが勢いよく噴き出ていく。司令部はとっくに下敷きになり、原型をとどめていなかった。
工場だけでなく、市街地にもそのおっぱいは覆い被さっていた。まるで隕石のようだった。

『あははぁ〜〜っ、もうおっぱい乗せるだけで癖になりそぉ……♡おっぱいメテオ、いっぱい、いーーっぱい、降らせてあげるね』

どすん、どすんと何度も、何度も、何度も、何度もおっぱいを街へ叩きつける。それだけではない。更に入念に擦りつけ、何も残らないようにすり潰す。おっぱいはぐにぐにと形を変えて獰猛に無事な建物や生物を狩っていく。街はおっぱいの形がはっきりとした、乳首の部分が一段と深く抉れたクレーターとなり、壊滅した。

『跡形もなくなったかな♡わたしのおっぱいはさいきょうね!ウフフ、おっぱいで潰れるなんて幸せなのよ?感謝してよね。感謝して、感謝しまくって、わたしを愉しませるのよ……あはは、あははははははは!!はーーっはっはっはっは!!!あんたたちは!!ずっと、ずっと、ずーーーーーーっとわたしの道具よ!!!!好きなときに!好きなようにえっちく死んで、わたしの自尊心と性欲を満たす為の使い捨てよ!!!!あーーっはっはっはっは!!!!!』


哄笑が響き渡り、夕日を彼女を照らしていた。中和剤を積んだ飛行機が、ただ虚しく空を飛び回っていた。


……


巨大娘は立ち去った。襲撃以降、帝国は大人しくなったと言う。

どこかの世界の、ベッドでスヤスヤと寝息を立てる巨大娘。身をよじらせて、寝返りをうつ。ふと脚が大きく開く。その瞬間、内務大臣が飛び出た。

「ハァ、ハァ……クソッ、いつかころしてやるニャ……」

内務大臣はどこかへと逃げ去った。




おわり