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ピクシブ百科事典 八雲藍http://dic.pixiv.net/a/八雲藍




「え、私……ですか?」

ピコピコと狐耳を揺らし、九尾の少女は振り返った。聞き間違えかもしれないと、首を傾げて一応確認の
体を取る。

「そう、あなたよ」

不意を打たれ、面食らっている九尾の少女の顔を愉しそうに覗き込んで、九尾の主人……八雲紫は答え
た。

「だってあなた、まだ外の世界で暴れてないものね」

どうやら、聞き違いではなかったらしい。

「そ、それっていうのは今まで天子さんや早苗さんがやってきたみたいなことをやって良いということでしょ
うか」

八雲紫の式、八雲藍。炊事掃除洗濯、八雲家の家事雑務全般を取り仕切る九尾の妖狐は、頬を染め若
干震え気味の声で確認するように言葉を紡ぐ。

「何をするもあなたの自由よ。掃除と洗濯は私がやっておくわ。たまにはあなたも羽を伸ばさないとね」

「あ……あ、ありがとうございます!」

藍が深々と頭を下げると、反対に9本の尻尾がふさぁっと持ち上がる。黄金色の、モフモフした魅惑の尻
尾。紫はそれを思わず握りたい衝動に駆られたが、そこを何とか押さえ。

「ただし、晩御飯は作ってね」

「はい、それまでには必ず帰ります!」

「そう、それじゃ行ってらっしゃい」

空間にスキマを穿ち、うれしそうに駆けていく藍の揺れる尻尾を見送った。





 空が裂けるのと同時に、街のど真ん中が爆ぜる様に吹き飛んだ。あまりに突然のことだったので、本当
に何が起きたのかすら理解できぬまま人々は衝撃で宙を舞うことになる。数瞬遅れて伝わる爆音は衝撃
波となって舞い上げられた瓦礫をさらに細かく粉砕し、その破片が地上に降り注ぐ。この瓦礫の砂塵が晴
れれば、巨大な白い柱が雲を突き破って伸びているその様を、まだ生きている人々は目にすることにな
るだろう。それが何であるかは、少なくとも初撃で被害を受けた者たちには決して分かるまい。ただ、遠巻
きにその様子を眺めていたものはそれが何であるか見ることは出来たであろう。例え理解が出来なかっ
たとしても。

「久しぶりに来たが……ふふっ、ここまで大きくなるとずいぶんと小さく見えるものだな」

それは、一人の少女の姿をしていた。それも、とびっきりの美少女の。

 道師服に包まれたその体は、見るものの目を釘付けにするに足るものだった。ロングスカートがおぼろ
げに映し出す脚線は長く細く、しかし悩殺的な色気を持っている。9本もの尻尾を携える御尻の稜線は美
しい弧を描き細く締まったウエストに繋がる。そのまま視線を上に辿れば、前には魅惑のふくらみがこれ
でもかとばかりに張り出し、姿勢正しく微かに反ったその背中には抱きしめ撫ぜたくなるような可憐さがあ
る。

 ショートボブの金髪をかきわけて尖っているのは狐の耳。幾千万物音を聞き分け拾い上げる超高感度
のレーダーであると共に、彼女のチャームポイントでもあり、また感情を忠実に伝える表情の一つでもあ
る。

 切れ長の一重は紛うことなき狐の眼。その中に輝くトパーズの瞳は、一度魅入られれば二度と逃れら
れぬ魔性の輝きを放つ。

 それらが人間の1000倍という圧倒的なスケールで、この現実世界に存在している。雲ですら、彼女の腰
にすら届かない、山脈ですら彼女の姿を隠すことが出来ない、絶対的な存在感で。

 傾国の美女。その少女を見たものは、皆同じくしてそのような感想を直感的に持った。その完璧なプロ
ポーションが、均整の取れた美しい顔が、言葉なくして語るのだ。





「くそぅ、何で幻想郷の少女はどいつもこいつも胸があるのよ。むかつく……」

 そんな彼女を、かなり至近距離から見上げ眺めていた少女、比那名居天子は不満そうに愚痴る。しか
し、それは単なる嫉妬とも少し違った。八雲藍の、その美しい姿をまじまじと見つめていると、女である自
身でさえ魅了されてしまいそうになるのだ。その眩しい幻惑から、少しでも離れようと。

「そうだな、これだけ大きくなったのだから……」

藍の巨大な独り言がはるか高空から降り注ぎ、天人である天子の鼓膜を激しく打ちのめす。周囲を見回
せば、天人よりもずっと脆く壊れやすい人間たちは耳から血を流して苦しみ悶えていた。恐ろしい破壊力
だ。

「ちょっと股を開けば、たくさんの人に見てもらえるよな……」

「……はぁ?」

美しい妖狐の口から放たれた意外な言葉に、天子は自分の耳を疑った。さっきの大爆音で耳がおかしく
なったのではないかと。この見た目でそういうキャラなんですか? と。

 だが、疑う間もなく藍の右足が瓦礫を引きずって持ち上がった。真っ黒に汚れた靴下の裏には、ぺちゃ
んこになった自動車やかつて人間だったと思われる小さなシミが情けなくへばりついているのがいくつか
見て取れた。そして躊躇うことなく住宅街一区画を踏み潰し、足を下ろして仁王立ちになる。

 すると天子のいた場所は、ロングスカートの中に納まった。薄暗い闇の中に、真っ白な巨塔が2本伸
び、それを辿れば暗がりを透いて下着が見える。ぷっくりと盛り上がった股間は既に興奮のためかひくひ
くと痙攣しているようだった。

「あぁ……たくさんの人に見られていると思うとゾクゾクする……。たまらない、やっぱりたまらないな。
皆、もっと私の下着を見てくれ……っ!」

しゅううぅん。天子の中で、何かがしぼむ音がした。なんというか、さっきまでこの狐に魅了されかけていた
自分が情けなくなってくる。

「こ、この狐、ヘンタイだーっ!!」

いや、でも。いつもは立派な従者としてやっているわけで、いろいろなフラストレーションとか溜まってたり
するのだろう。それに、自分だって大きくなったらえっちなことをするじゃないか。天子は直ぐに冷静な思
考を取り戻し、改めて狐の下着を見上げる。まぁ、確かに見られて興奮するというのは分からなくは無
い。なにせこれだけ見せつけても、男どもは決して藍を犯すことが出来ないのだから。

「さて、まずはそうだな……靴下から脱いでいこうか」

藍が左足を持ち上げると、スカートの闇に覆われた街に瓦礫の雨が降る。人々が逃げ惑い、阿鼻叫喚の
騒ぎの中で白くしなやかな足が姿を現し、そしてその騒ぎの中に下ろされた。

「なっ……何!? この感覚っ!」

藍は、足を地面につけたその瞬間、今まで感じたことの無いこそばゆさが足の裏をくすぐるのを感じた。
どうやら紫によって感覚を操作されたらしい。足の裏の感度がいつもの数倍にまで跳ね上がっている。

「ふふっ、これはいい。歩くだけで気持ちがよくなれる気がするよ」

藍は期待に目を輝かせ、右足の靴下をぽいと脱ぎ捨てると早速1歩を踏み出した。

「ひぅっ!?」

さっきと違い、そのまま直で踏み下ろしたためだろうか。足の裏で小さな家がたくさん潰れて、その刺激が
強烈な電撃となって脳へと遡る。ビクンと身をすくめ、彼女はその快楽に恍惚とした表情を浮かべた。

「ふあぁ……気持ち良い……」

さっきまでの威厳はどこへやら、藍はふにゃふにゃと呟いて自分をぎゅーっと抱きしめる。見られていると
いう興奮に物理的な刺激が加わり、もはや彼女は骨抜き状態であった。

「うわっ、あっぶなぁぁぁ!」

鉄骨が天子の目の前に深く突き刺さり、彼女の絶叫を誘う。巨大娘の足元でぼーっと立ち尽くすのはあ
まりに危険だ。なにせ彼女らは、こんなところに小さな小さな知人がいるなどとは思っていない。コビトは
みんな、快楽をもたらすための道具なのだから。

「はぁ、はぁ……そうだ、皆に裸を見せつけながら練り歩けば……もっと気持ちよくなるんじゃないかな」

じーっ。道師服に似合わない、ジッパーを下げる音。藍はふさふさの尻尾が9本も生えているため、このよ
うな形式でなければ服を着ることが出来ないのである。

「スッパ天狐か? スッパテンコー来るのか?」

逃げ惑いもせず、ただひたすら藍を見据えている男がなにやら叫んでいる。なんだろう、あいつ。と思い
つつ天子はその場を離脱した。なにせここにこのままいては……。

 ぼふっ、ずしっ……。藍の脱ぎ捨てた服が、足元の町を押しつぶして置き換わる。あぁ、南無三。さっき
のヘンタイ紳士は今ごろブラだかパンツの下に埋もれて事切れているだろう。……本望か?

「う~ん、気持ち良い~っ!」

藍はぐいと伸びを一つした。たわわに実った乳房がたゆんと揺れる。どうしてだろうか、スカートの中から
下着を覗いていた時よりも卑猥さが逆に減った気がする。なんというか、本人が隠すつもりが無いとあり
がたみが減るのかもしれない。

「ひゃんっ、っつあぁ……」

ずっしいぃぃん! その状態で踏み出せば、さっきよりも一際激しい快感。思わず足の指をぎゅーっとや
るとその間にあった家々が指の間でプチプチと潰れ、その感触に藍は思わず、ひゃうっ! と声を上げ
る。

「やだぁ……足の指で小さい家をプチプチってするの、気持ち良い……」

頬に手を当てうっとりと呟くその様は、九尾などという大仰なものではなく一人の少女のものであった。

 ずしん! ずしん! 彼女は交互に足を出し、そしてしっかりと足の指の間に入り込んだ建物もその指
で握りつぶしていく。握られた建物は本来掛かるはずの無い方向からの圧力に耐えかね、弾け飛ぶよう
にして壊れる。本当に、爆発するように。これが、巨大娘である藍にはとても心地よく感じられるのだ。も
ちろんその中に人間がいたら、押しつぶされてミンチになるか、衝撃波で弾き飛ばされてトマトになるか
のどちらかの運命を辿ることになるだろう。

「けど……なんだかさっきから見られてる気がしないなぁ……。ちょっと暴れすぎた、か」

藍は立ち止まり、足元の町をぐりぐりと踏みにじりながら考える。こんだけ大きいのが歩き回ってたら誰
だって逃げる。私も逃げる。まぁ、当たり前のことか、と。ならば、見ている余裕なんかなくても強制的に見
せてやれば良い。

 藍は唐突に地面に膝を着いた。もちろんその膝で押しつぶされた住宅がいくつもあったのは言うまでも
無いが、その様子を見ていた人々は、これからさらに恐ろしいことが起こることを予感していた。

「ふふ……視界全部を私で覆ってあ・げ・る!」

四つんばいになると、藍は自分の豊満な胸の間から見える街に微笑みかけた。丁度、体の下に十数区
画を覆いこむ形になる。

 その空間に入り込んだ天子は、それは壮絶な光景を目にすることが出来た。真上には藍の綺麗なお
腹。東にはまぶしい太腿が並び、興奮のあまり溢れたラブジュースが伝って流れ落ちぬらぬらと妖しい美
を演出する。西を向けばガスタンクなど比べ物にならない、山のような巨大な乳房が今にも町に触れそう
なぐらいの高さで視界を遮っていた。そしてその二つの山の間から藍の美しい顔が覗き、その笑顔で、そ
の瞳で男も女も呪縛する。

「どうかな? 私の体。綺麗……? 触りたい……? いいよ、私のおっぱいで貴方達を磨り潰してあげる
から」

藍はそう言うと宣告通り、尻を引いて身を低くし、胸を街に近づけていく。豊満な彼女の胸はその大きさが
故に、街に接触するまでそう時間は掛からなかった。まず最初に、鋭く勃起した乳首の先端が家を半壊さ
せて突き立ち、そして何の苦も無く地面を穿つ。

「んぁっ……やっぱり気持ち良いっ……」

そのまま胸を動かすと、舗装された地面をバリバリと砕き、邪魔になる家を全て引き裂いて乳首は地表
に線を書く。

「ふふ……怖い? けど大丈夫。貴方たちにはきっと苦しむ暇さえ与えられないと思うから」

場所を定めると、藍はゆっくりと、その体重を乳に委ねていく。むにゅーっと広がった彼女のおっぱいは、
家を次々に飲み込み文字通り磨り潰していく。バキバキ、ごぉりごぉり。金属や木材の破断する音、それ
らが磨り潰される音が混じって轟くその様は、人間の本能を逆撫でした。

「あぁ、いいよ……ちっちゃな街が私のおっぱいで潰れて本当に気持ち良い。そして何より、これを見られ
ているって言うのが恥ずかしくて、けど気持ち良いよ……」

ぐぃっ。背中をそらして胸を持ち上げると、土がついて真っ黒に汚れてしまっていた。けれど藍が身震いを
一つすると、胸がぶるるんと揺れてその汚れを全てふるい落とす。絶対の美を誇る九尾の妖狐を汚すこ
となど、出来ないのだ。

「うん、しっかり落ちたな」

ぺちっ。左の乳房に右手を当てて確かめる。手を精一杯開いてもおそらく乳肉があふれ出すほどの巨乳
なのだと、これで再認識させられる。

「くそぅ、どいつもこいつも胸使って愉しそうに破壊しやがって……」

天子の抱いた一つの感想はそれであったが、正直藍の乳は幻想郷でも格別故に天子でなくても若干の
嫉妬はしたかもしれない。これだけ立派な身体を持っていれば、それは見せびらかしたりしたくなるのも
若干は頷ける。

「そろそろ……私の一番大事なところを見てもらおうかな」

藍は身体をゆっくりと起こすと、立ち上がって街を見下ろした。この街には、役者が足りない。やはり、ナ
カを見て貰うならば高層ビルが良い。

 それに足るものが無いと見限ると、彼女は足で、砂に引かれた線を消すように街を消し去ってしまっ
た。振り返れば、この街を擁する都心のビル郡。よかった、興奮の覚めない内に次の玩具が手に入りそう
だ。

 ほんの数歩で藍はそのビル郡に歩み寄り、ビルを吟味した。

「これは……新宿かぁ。前紫様と来たことがあったな……。なかなかの人口密度。うん、ここのビルで良い
か」

むんずとビルを掴めば柔らかい手ごたえ。壊さないように、豆腐を持ち上げるように。そして中の観客が
つぶれないように、慎重に慎重に、ビルを運ぶ。もちろん、藍の一番大事なところ……股間のワレメへと。

「どう? 私のココは……。こっちの毛も綺麗な金色で綺麗じゃないか?」

膝立ちになると、ビルを右手の上に乗せてその手を後ろに回し、左手は前から秘所の扉をくぱぁと開く。
既にぐしょぐしょに濡れている藍の股間から大量の愛液が降り注ぎ、ビルの壁面を洗い流し。

「さぁ、めったに見られない私のナカ……思う存分魅せてあげるから」

いよいよビルは藍の膣内へと挿入される。中の人間が生きた状態のまま、だ。つぷ……ゆっくりゆっくり、
壊さないように、そして痛くないように差し込んでいく。

「んぁっ……くふん。今……私のナカにたくさんの人間が入っていて、私の恥ずかしいところを見てるんだ
……」

外とナカ、両方からの視線。恐怖、好奇、いろいろな視線が交じり合い、藍の興奮を高めていく。それは、
膣で感じる物理的な刺激なんかよりもずっと魅力的だった。

「もっと、もっとしっかり見て……その目で、私をっ!」

手を離して膣の力を抜けば、ゆっくり、ずるずるとビルが降りてくる。そしてまた押し込み。緩慢な動作だっ
たけれど、快感を得るにはこれで十分だった。

「あぁっ……くぅーん、きゃんっ……!」

犬だか狐だか分からない喘ぎ声と共に、ビルが上下し、みしみしと悲鳴を上げる。快楽に、膣の力の制御
がままならない。

 もしここできゅっと締めたら。この中にいる人間たちはつぶれてしまうのだろう。自分が快感のあまり思
わず占めた膣の中で、ビルが崩れて……そう想像するとさらに興奮は高まり、いよいよ自分のナカにい
る観客たちを絞め殺してしまいたくなる衝動が駆ける。

「うぅん……もう我慢できないっ!」

バリン! ビルの基底部を突き破り、藍の指が膣の中に飛び込んだ。そしてそのまま膣をきゅーっと締め
上げる。すると外壁は何の抵抗も無く崩れ去り、その中にいた人間たちが指に押し付けられてつぶれて
いくのが分かった。こいつらは、みんなどんな気持ちで最期を遂げたのだろう。藍の中の妖怪としての残
虐性が首をもたげ、加速するのは絶頂へと突き上げる快楽のマクロバースト。

「ん……っつ――」

そこまで来ていたものを解き放つと、虚脱感と開放感の中、藍は満足げに街の中へと手足を放った。








「て、天子さん……いたんですか」

本来の大きさに縮小後、廃墟と化した街の中で衝撃の事実を藍は知った。

「いたわよ。紫に、うちの子のことをよろしくって言われて」

はい、服着なさい。と天子は着替えを差し出す。これが用意されているということは、もしかすると……紫
様は私の性癖を知って……。藍は絶句する。

「あの……天子さん。一応ですけど、ココで見たことは……」

「うん、しっかり記録したわ。あとで紫が個人的に使用するって」

「……――」

藍の狐耳が力なく折れ曲がり、9本の尻尾も見事にだらんと枝垂れ下がる。何も言わなかったが、藍の胸
中を察するには余りあった。

「だ、大丈夫よ。多分外の世界ではだいぶ有名みたいだから。スッパテンコー」

「何の励ましにもなってません」

がん、がん! 倒れ掛かった電柱にひたすら頭をぶつけ、小さく力なく答える藍。

「うーん、えっと、あれよ! 逆に考えるのよ。今までは密かにスッパするしかなかったけれど、これで大
手を振ってスッパできるわ」

かなーり苦しい励ましだったが、天子のその一言で電柱に頭をぶつけていた藍の動きがぴたと止まっ
た。

「そうだ……そうじゃないか! これで何も気にせずいつでもスッパテンコーできるじゃないか! 天子さ
ん、ありがとうございます! そんなわけで、帰りましょう!」

紫にどうやって連絡を取ったのかは分からないが、藍の前の空間が裂け、そして彼女はそこに飛び込
む。

「いや、待て、考え方の問題だから今の。ちょっと、せめて服を着てから帰りなさ~い!」

天子がその後を追い。新たな希望を得た藍を見送って、スキマは閉じた。