気がついたら、遺書を書いていた。辛くて、苦しくて、もうこれ以上生きていら
れないと思ったから。

 冬の窓辺、冷気に冷え切った手。忘れ得ぬ死の感触。水底に引きずり込まれてい
く身体は、信じられないくらい硬くて、重くて……冷たくって。

 窓から差し込む水銀灯の蒼い明かりに浮かぶ遺書に、ぽつぽつと落ちる涙が滲ん
だしみを作る。

 何人見送っただろうか。もう、分からない。忘れたい、覚えていたくない。けれ
ど、真っ黒な海に呑まれていく仲間たちの最期の言葉が、その表情が、脳裏に焼き
付いて離れない。

 駆逐艦五月雨。この鎮守府の第一艦隊旗艦にして、今となっては唯一の艦だっ
た。

 埃のかぶった錠を上げて、窓を開ける。冬の冷たい空気が頬を切り、潮の香りが
鼻をついた。夜風が、五月雨の蒼く美しい髪をさらりと撫ぜて通り抜けていく。

 鎮守府の窓から差し込む青白い光に縁取られた彼女の後姿は、悲しみに満ちてい
て。そのまま光の中に融けてしまいそうな儚さを纏っていた。

 本当に融けるように消えていなくなれたら、楽なのに。五月雨は窓の縁に手をか
けて、重く深いため息をついた。

 安楽な死など幻想。死ぬからには、死ぬほど苦しいのだ。

 何人も何人も看取ってきた五月雨には、それが痛いほど分かる。沈んでいった仲
間たちは皆、決して安らかな死に様などではなかった。皆死から逃れようと必死で
もがいて、もがいて……どうしても生きていたくて死にたくなくて、それでも息が
出来なくて、苦しみの中で死んでいったのだ。

 それでも、生きている事すら死ぬほど辛くて、苦しくって。窓の縁に、死の淵に
立つしかなかった。

 振り返る、執務室。かつて活気に溢れていた思い出の部屋。あの頃の、優しかっ
た提督はもういない。だから、未練なんてないはずだった。

 なのに、涙が溢れて、溢れて。悔しさに噛み締めた奥歯がギリと鳴く。

 何故あの人は、鬼と成り果ててしまったのか。どうして、自分が傍にいながらそ
れを止められなかったのか。

 思えば思うほどに、五月雨の胸は酷く締め付けられる。まるで水の中にいるみた
いに、息さえ出来ない錯覚に囚われる。

 だから、もう終わりにしよう。

 手を離して、後ろに向かって倒れこむ。冷たい風が、髪を裂いて首筋に刺さる。

 あぁ、これでようやっと。皆のところにいけるのかな……。

 





 けれど、落下の感覚すら得ないままに、五月雨の身体は地に着いた。砕けるはず
の身体は、ほとんど何の痛みも感じずに。

 何が起きたのかは、なんとなく分かった。

 死の危機に瀕して、本能が勝手に”抜錨”してしまったのだ。

 手を突いて身体を起こすと、五月雨の予想した通りの光景が広がっていた。活気
のない、点のような明かりがまばらに見える夜景。その中にある、不釣合いなほど
に大きな自分の体。全長111メートル、紛いもない、駆逐艦娘としての五月雨の身体
だった。

 それを辿れば、上品なオーバーニーソックスに覆われた足は先ほどまで彼女自身
が身を投げた艦隊司令部の最上階を押し潰し、二等分するように貫いている。五月
雨が膝を立てれば、その上に乗っかっていた瓦礫ががらりと崩れて盛大な砂埃を立
てた。

「……なんで。どうして!!」

 拳を振り上げ、そして憤りの矛先も定まらずにドッグのクレーンを叩き潰す。頑
丈なはずのクレーンはその怒りを受け止める事もできずにひしゃげ、五月雨の手袋
に覆われた拳の下で無残な押し花と成り果てた。

「私たちの命は、私たち自身が使う! 死ぬときだって、死ぬ場所だって自分で決
める権利くらいあってもいいじゃないですか!!」

 思えば、艦娘には人間として認められるべき尊厳がない。戦争に生き、戦争に死
ぬ。そういう役割を持って作られた兵器だから。

 そんなことは五月雨本人もよく分かっていた。だが、分かっているからこそ、今
はそれが余計に許せないのだ。

 戦争のための使い捨ての駒。けれど、泣くし笑うし怒りもする。死ぬときは死ぬ
ほど苦しい。人間と何も変わらないはずなのに……人間達は艦娘の苦しみなど知る
事もなく、勝つためならば決死の特攻を命じるのだ。駒だから、道具だから、兵器
だから、ただそれだけがために。

「貴方たちに私たちの苦痛なんてわからない……」

 立ち上がる、五月雨。砕け散ったコンクリ片が彼女の身体からぱらぱらと落ち、
地に落ちて煙を巻く。夜の港に立つ、ほっそりとした少女の、あまりにも大きな
影。月明かりに照らされた白磁の頬には、もう涙は流れていなかった。

 どの道一度、死ぬ覚悟で身を投げたのだ。引き返すつもりは微塵もなかった。

「そう……だから、貴方たちに教えてあげます……死の苦しみを」

 桜色の唇に笑みを乗せて、五月雨はそう言い放った。人間達への布告文。そう、
ただでは死ぬまい。抜錨してしまった以上、最後の最後に、人間達に一矢報いてや
ろうと決めたのだ。

 言うが早いが、五月雨はそのほっそりとした美しい足を持ち上げ、既に大破した
艦隊司令部に踏み入れた。

 黒いニーソックスに覆われた柔らかそうな足が、屋根に圧し掛かる。司令部はそ
の足を受け止める事すらできず、なだれるようにして司令部の右翼が崩れ去ってし
まった。

「ふふっ……脆いんですね。陸上で大きくなるのはこれが初めてだから、ちょっと
意外です」

 五月雨はその結果に満足そうな笑みを浮かべて、かつて司令部だった建物の半身
を靴下でぐりぐりと踏みにじった。この瓦礫の中に、どれほどの人間がいただろう
か、そう思うと五月雨の脳に裏返った快楽が満ちる。

 お菓子を踏み潰したみたいな軽い感触も癖になりそうで、五月雨は右足を持ち上
げて向かい合った艦隊司令部左翼に踏み込もうとした。

 だが、そこで五月雨は気がつく。先の右翼崩落によって、慌てた人間達が司令部
の外に飛び出してきたのだ。これは見逃すわけにはいかない。

「私から逃げようっていうんですか? 私たちを今までずっと苦しめてきた貴方た
ちが?」

 ドシン!! 五月雨が彼らの前に思いっきり踏み込むと、コンクリートが爆ぜて
爆風を生む。全身を打ち据える散弾のような石礫、駆け抜ける衝撃に小さな人間達
は吹き飛ばされて地面に転がってうめき声を上げた。

 彼らの動きが止まったと見ると、五月雨はその上に足を翳し、ゆっくりと下ろし
ていった。けれど直ぐには楽にはしない。精一杯の屈辱を、彼らに与えてやらなけ
れば気が済まないのだ。

「戦争の道具に踏みつけられる気持ちはどうですか? 将校さん」

 残酷な快楽、嗜虐に満ちた満面の笑みで五月雨は問う。月を背負い、銀の光に縁
取られた彼女はとても美しく、それでいて恐ろしく、そして楽しそうだった。

 冷たい汗の湿気を含んだ五月雨の靴下。少女の足の下で将校はもがく。まるで水
の中にいるかのように、息が出来ない。体重の何倍もの圧が肺を締め付け、どうに
か吸い込む空気は少女の足の臭気と湿気に満ちて、せっかく吸ったのにむせ返って
しまう。

「貴方たちが沈めてきた船は……もっと酷い苦しみを味わったんですよ? こんな
もので済むんですから、私の優しさに感謝してください、ね?」

 クスクス、噛み締めるような笑いと共にだんだんと足に体重をかけていく。ミシ
ミシと軋む人間の身体の感触。骨が折れていく手ごたえが、足の裏にいくつも感じ
られた。肋骨が折れて肺に刺さったのだろう。もう息はできていないはずだ。

 ……そろそろ、いいかな。

 五月雨はそう判断し、一思いに彼らを踏み潰した。ぷちゅっ、というあっけない
感触に続いて、じわりと滲む汚らわしい血が靴下に染み込む。

「あははは! 潰れちゃいましたね。人間様が、こんなにも簡単に!」

 ぐりぐりと踏みにじると、彼らの身体は摩り下ろされて完全に地面と靴下にこび
りついたシミになってしまった。足を上げると、コンクリートに穿たれた五月雨の
足型の中に赤い線がいくつも走っているのみだ。

 と、それを確認した五月雨の目に、眩しい光が差し込んだ。振り向いてみれば、
港のあちこちから探照灯が照射されているのがわかった。

「へぇ……私と戦おうっていうんですか? 戦争は私たちにまかせっきりで、自分
たちじゃほとんど何も出来ないくせに」

 五月雨は司令部に背を向け、そしてストンと腰を落とした。白いセーラー服のス
カートが風を孕んでめくれ上がり、そして同じく純白の下着に覆われた可愛らしく
も巨大な尻が、司令部の残りを押し潰して代わりにそこに鎮座する。

「ほら、どうぞ? 女の子が股を広げて誘っているんですから」

 目を細めて、嘲るように笑う五月雨。腰を動かしてその下に敷いた艦隊司令部の
残骸をさらに細かく磨り潰し、彼らを挑発する。

 探照灯の光が、五月雨の装甲が最も薄い部分……即ちスカートの中、太股から下
着へと至る眩しい白を照らし出した。そして一斉に放たれる火砲。

「あははっ、くすぐったい! くすぐったいですよぉ!」

 パン、パパンと弾ける対空砲の火花。その何れも、五月雨にとってみればせいぜ
い爆竹程度にしか感じられないものだった。時は大艦巨砲主義、駆逐艦の主砲です
ら12.5センチもあるのだ。そんな中でドンパチやっていた五月雨にしてみれば、対
空砲の榴弾など火の粉程度にも感じられない。

 そもそもが適正距離での射撃ではないため最大の効果も見込めないのだ。

 五月雨はこそばゆさに負けて、つい脚を動かしてしまった。ガリガリ、とあらゆ
る施設設備を削り取って、五月雨の脚が閉じる。すると、彼女を照らし出していた
光のいくつかはそのふくらはぎに押し潰されて消えてしまった。

「あーあ、ちょっとは気持ちよくしてくれるかと思ったのに、残念ですね」

 砲火はまだ止まないものの、五月雨はそんなものはどこ吹く風といった様子で立
ち上がる。

 この鎮守府に配備されている対空砲陣の配置は五月雨も知っている。つまり、火
元は明確。

 立ち上がってもしつこくスカートの中を狙ってくる対空砲に歩み寄る。

 砲があるということは、即ちそこには人間がいるということなのだから、これを
楽しまないわけにはいかないだろう。

「五月雨は、そんなオモチャなんかじゃなくって、貴方たち自身に気持ちよくして
もらいです」

 歩み寄っても果敢に砲撃を続ける砲撃手たちを見下ろし、手を伸ばす。煩い対空
砲を払って倒し、それでようやく逃げ出す愚かな人間達をその手に握り捕まえる。

 このまま握りつぶしてしまおうか、そう思わなくもなかったのだが、しかしそん
なものでは満足できない。

 五月雨は次の対空砲陣に向き直り、そして同じように兵士をその手に捕まえて少
し強く握り、大人しくさせた。

 暫くもしないうちに、砲撃は止む事になった。結局、対空砲などでは五月雨に傷
を負わせる事すら叶わず、果敢に戦った兵たちは皆五月雨の両手に収まってしまっ
たのだ。

「特別に、私の中を直接攻められるようにしてあげますね? これなら、チビでグ
ズな貴方たちにも出来るでしょう?」

 やや頬を紅潮させて、五月雨はスカートを自らめくり上げた。月明かりに映え
る、純白の下着が露出する。

 五月雨がその後何をするつもりであるかは明白であった。パンツのゴムに指をか
け、そしてその手に握り締めた20名ほどの人間達をその中に放り込んだのだ。

 左手は、服の下にもぐりこんでブラを引っ張り、そのカップの中に10人ずつ。

「さぁ、みなさん私を気持ちよくしてください。そうじゃないと潰してしまいます
よ?」

 五月雨は下着の中に押し込まれた40人にそう命じた。だが、男としてのプライド
か、軍人としての意地かが邪魔しているのだろう、いっこうに動きはない。

 けれど五月雨にとってはそれがとても面白くてならない。なにせ、彼らに最大限
与え得る屈辱を与えていると言う事なのだから。

「ふふっ……屈辱ですか? 女の子の、こんなところに入れられて、奉仕しろだな
んて」

 五月雨は股間を下着の上から、その巨大な指でなぞった。人間を自分の秘所に
ぎゅーっと押し当てて、そして押し込む。バキバキと嫌な音がし、そして必死でも
がく感触。

「あぁっ、いい、いいですよ……!! 暴れてください! もっと、私の中で苦し
んでください……!」

 人間を、秘所に押し込む。その中で窒息し、或いは五月雨の膣圧だけで押し潰さ
れて事切れていく人間達。なんと滑稽な事か。

 それが楽しくて楽しくて、気持ちよくて気持ちよくってたまらない。今までたま
りに溜まった恨みを晴らすがごとく、激しく、鮮烈に、残酷に、一人の巨大少女の
自慰は鎮守府を壊滅に追いやっていく。

 快楽に膝をつき、寝転び、ごろりと転がれば幾多もの資材を押し潰し、逃げまわ
る人間達を、上品な黒の手袋に覆われた可愛らしい指で突き刺して、塗りつけるよ
うに引きずる。

 決して大きくはない胸、そこに囚われた兵士たちをめちゃくちゃにこね回し、胸
ごと揉みしだけば、彼らの手はあり得ない方向に曲がり、或いは首や背骨を折って
絶命した。

 投げ出した足は可愛らしく美麗でありながら、倉庫や宿舎を蹴倒し、押し崩して
朦々たる砂煙を巻き上げ、破城槌を遥かに超える破壊兵器と化して暴れまわる。

 荒い息遣いが港に幾重にも木霊し、そしてそれに応えるものはもはや何もなくな
りつつある中。五月雨の下着にじわりとシミが浮かび上がった。

「んっ……はぁ、はぁ……」

 絶頂に達し、下着から染み出す愛液の感触に、五月雨はふと我に返った。自分の
周囲は、まるで嵐が去った後のよう……いや、もっと酷かった。動くものは一つも
なく、建造物は先ほどまで機能を果たしていたようには見えない。どれも廃墟同然
の……それ以上の荒廃ぶりであった。

 もちろん、後悔などはしない。人間が憎い気持ちも変わらない。

 けれど、先ほどまでの感情だけではない何かが、そこにはあった。

「あの人を、探さないと……」

 一番許せない、あの人を。そして、誰よりも愛し愛されたあの人を。

 瓦礫の山の中、五月雨はゆらりと立ち上がって、この天災の後に唯一残された建
物へと歩き出した。

 探すまでもなく、その人は直ぐに見つかった。

「提督……」

 宿舎の屋上に立ったその人は、何も答えない。白い軍服に、数多の勲章。その多
くが、多大な犠牲を払いながらも勝利した証。

「こうなってしまう前に、私が貴方を止めるべきでした」

 五月雨の言葉に、彼は頷くでもなく、否定するでもなく。ゆっくりと、厳かに、
そして僅かに震えるその左手で、敬礼をした。

 これ以上、何も語る必要はない。やる事は、やった。

「……あなたにも、貴方にこそ。私たちの苦しみを知ってほしい。だから……」

 五月雨も、同じように左手で返す敬礼。

「共に逝きましょう」

 そして彼をその手に掴み、口を開け……。提督をその中へ放り込んだ。

 提督は暴れる事などせず、ただ五月雨の舌のするがまま、口の奥へと運ばれてい
く。

 楽しかった思い出、共に困難を乗り越えてきた思い出。様々な思いが、あふれ出
そうとするのをどうにかこらえて。

 ――ごくん。

 五月雨の喉が、動いた。

 喉を下る、人の感触。それが確かに胃の中に落ちたのを、感じた。

「うぅ……うわああああぁぁん!!」

 堰を切ったように、泣き出す五月雨。誰もいない港に響き渡る、からっぽの嗚
咽。その姿は兵器でも、駆逐艦でも、人類の敵でもなく、大切な人を、大切なもの
を失ったただ一人の少女だった。

「うわあぁぁん! うぅ、うぇえええん!!」

 胃の中で、溶けて消えていくあの人。仲間の仇を、そして最愛の人でもある彼を
食べてしまった喪失感。様々な想いに突き刺され、五月雨は崩れ地に伏した。

 けれど、これでもう未練はない。

 想い渦巻く中、五月雨の意識は闇に溶けて……。







「おはよう、五月雨」

 瞼を刺す、眩しい光。うっすらと開いた目に、白い軍服が映る。

「ふぇっ!? あ、おはようございま……あれ!? ていとく……」

 びくん、と跳ね起きると、そこはいつもと変わらぬ執務室の光景だった。

「……夢かぁ」

 執務室の机に突っ伏して、そのまま眠っていたらしい。古ぼけた樫の机に、小さ
な水溜りがいくつもある。たぶん、寝よだれだと思う、思いたい。

「随分とうなされていたな。悪い夢でも見たのか?」

 寝覚めの意識の中、未だ夢と現実の境界をさまよってぼーっとしている五月雨の
頬に、あてがわれるハンカチ。提督が、五月雨の涙をそっと拭う。

「って……あの、もしかして私、泣いてました!?」

 慌ててポケットから手鏡を取り出し、覗き込む五月雨。その頬にはくっきりはっ
きりと、涙の痕がついている。

「あぁ、私がここにきたときからずっと……」

「私、何か言ってましたか!?」

「いや、その……あまりよく分からなかったな」

 五月雨のあまりの剣幕に、言葉を飲む提督。聞き取れないわけでもなかったけれ
ど、聞こえなかった事にしておこう。

「そう……よかったぁ……」

 本当に、よかった。夢で。心の中に満ちる、暖かい安心感。それが再び、目頭か
らぽろぽろと溢れ出して来る。

「提督……もう少しだけ、泣いてもいいですか」

 提督の返事を待つまでもなく、五月雨は彼の懐に飛び込んだ。そのまま胸に顔を
うずめて、よかった、よかったー、と大泣きする。

「五月雨」

 そんな彼女の肩をそっと押して、少しばかりの距離を離す提督。そして真っ直ぐ
に目を見つめ。

「私が鬼と成り果てるような事があれば……その時は貴官が私を処断してくれ。貴
官の見た夢のようになる前に」

 泣き顔に、精一杯の笑みを浮かべて頷く五月雨。そして、その顔がだんだんと
真っ赤に茹で上がっていく。まさに、湯気でも出しそうなくらいに。

「あの……やっぱり私の寝言、聞こえてたんじゃないですかああぁぁ!!」


the 夢オチ