【注意】某お船ゲーの二次創作です

【釈明】艦娘が抜錨状態だと大きくなる世界です。ゴツゴウシュギ!

【警報】激甘です

【注釈】拙作『五月雨に履かれる』と世界観を共有しています。
読まなくてもわかる話にはなっているはず……ですがよろしければ先にそちらを読んでいただけるとすっと入れるかなと思います。
https://gs-uploader.jinja-modoki.com/upld-view-document.php?file=/documents/revarie/samidare.htm



「駆逐艦五月雨、ただいま帰還しました!」
 夕暮れ時の執務室。窓から差し込む夕日を受けて、部屋の中に細い影を落とす少女が一人。駆逐艦五月雨。この鎮守府の指揮を執る提督の秘書艦で、誰よりもその提督に愛されている少女です。
「ただいま帰還しましたよ〜? 誰かいませんか〜?」
ブーツ型の艤装をコツコツと鳴らし、部屋の中を一通り見て回る彼女。足元まで伸びた彼女の蒼い長髪が、西日に焦げた埃っぽい空気の中をキラキラと泳ぎます。
「よし、誰もいない……」
 耳を澄まして周囲の気配を探り、本当に近くに誰もいないことを確かめた五月雨。提督の作業机に歩み寄る足取りが、先ほどまでとはうって変わってなんだか楽しげに思えました。彼女は提督の椅子にその華奢な身体を預け、そしてブーツ型の艤装から足を抜いて。
「提督、今出してあげますね」
 ブーツの中を覗き込み、囁くように語りかけました。入渠を終えたばかりで、石鹸の匂いが香る中。五月雨がブーツを傾けると、その暗がりの中から一人の人間が転がり出ます。数多の空母、戦艦を擁する鎮守府の提督その人……そう、あなたが。



 この掌編を、五月雨好きのあなたへ捧ぐ。



 あなたは五月雨のしなやかな手から、そっと執務机に降ろされました。今のあなたの大きさはおよそ2センチと少し。普通の人間の70分の1で、いつも作業し慣れている机が、まるで校庭のようです。
 そんな広々とした机の果てに、五月雨の体が壁のようにそそり立っています。落ちれば命はない遥かな床から、首が痛くなるほど見上げなければならない頭上まで。身長150センチ。2センチ弱の今のあなたから見れば、山のようです。とても大きく、そしてとても愛おしい。見惚れるあなたと視線が交わると、彼女は頬を染めてはにかんだように笑いました。窓から差し込む黄金色の逆光に縁取られたその笑みは、愛らしく、神々しくさえありました。幸せで、でもどこか切ない初恋を思い出すような笑み。その眩しさに耐えかねて、あなたは視線を逸らします。
 その視線を受け止めたのはほんのわずかに服を押し上げるだけの五月雨の胸。まだ、そしておそらく彼女が艦娘である以上はずっと、育成途中のままの優しい膨らみ。
「ふふ、提督……そんなにここが気になるんですか?」
 暫しの後、五月雨はあなたの視線に気がついたようでした。上品な手袋に覆われたしなやかな指先が、誘うように、甘やかに、ツゥと胸をなぞります。彼女にしては少し背伸びした感じの誘惑に、おもわずごくりと喉がなりました。
 当の彼女は、言ってからなんだか恥ずかしくなったのでしょう。頬を染め、困惑に目を細め。口元に手を当ててうろたえる姿は、やはり初々しく可愛らしい五月雨でした。
「え、えっと……待ってください、その……外しますね」
 五月雨は服の中に手を入れ、いそいそとブラのホックを外します。これは彼女があなたとの行為に及ぶ時に、いつも最初にすることでした。ブラのワイヤーですら、今のあなたには鉄パイプのようなもの。いえ、ブラに編み込まれたレースですら、五月雨があなたを胸に押し当てれば凶器となってしまう。今のあなたはそれほどまでに小さく、脆く、そして儚いのです。五月雨がその気になれば、指先一つで屈服させ、好きなように犯し、命を奪うことさえもできてしまう。だから、このブラを外すという行為は彼女の、あなたへの愛と思いやりの証なのです。
 肩をすぼめてブラ紐から腕を抜き、服の下からするすると器用にブラを抜き取る彼女。風を孕んだ薄手のセーラー服がふわりとかぶさると、夕日に彩られオレンジ色に染まった純白に、ほんの僅か、肌色が透けます。
 ちらり、五月雨の視線が部屋の中をもう一度確認しました。これからする行為は、見られちゃいけない。女の子としての、秘密の行為なんだと、そうはっきりと自覚しているようです。
 息を潜めて耳を澄まして、気配も確認。静かにたゆたう波の音、遠く聞こえるカモメの鳴き声。それ以外は……五月雨の、心音。
 とっ、とっ、とっ、とっ……。
 早く浅い鼓動。それを直に感じたくて、あなたは思わずふらふらと、五月雨に吸い寄せられるように歩いていきます。
 あなたがどうしたいのか、五月雨にもきっとわかったのでしょう。机の上のあなたに、五月雨のほっそりとした、しかし大きな体が覆いかぶさりました。その体を支えるために、手が机につかれ。
 ズズン。
 あなたから見れば校庭のように広大な机が、震えました。普段であれば抱き上げても、まるで重さを感じないほどの少女が手をついただけで……。
 自分の小ささ、五月雨の大きさを改めて感じたあなたの上に、五月雨の服がのしかかりました。薄手の布ですが、しかしこの大きさでは、分厚い布団のようです。
「さ……触れますか? まだ……届きませんか?」
 五月雨の温もりが移った布に抱かれて状況はよくわかりませんが、どうやら五月雨はさらに胸を下ろしていっているようです。
 しばらくもしないうちに、布の重さに押されていたあなたにずっしりと、柔らかで膨大な質量を持ったものがのしかかりました。
「あっ……! 提督、そこにいるんですね……」
 あなたを包むやわらかなそれが、ぐりぐりと左右に動き、あなたは激しく揉まれます。五月雨にしてみれば、胸に感じたあなたの感触を確かめたに過ぎないのでしょう。けれど、今のあなたは彼女のそんな小さな動きにすら激しく翻弄されるほどに小さくか弱い。
 小さいなりに、あなたはどうにか五月雨の胸を布越しに両腕で、抱きしめるように揉んでみます。等身大で見ているときはあんなに薄く小さく見えたその胸は、どんなに抱きしめても押しても、その全てを受け入れてしまうほど深く大きく柔らかでした。
「んっ……んんっ……」
 五月雨の方も、しっかりその感触を感じているようです。胸から直接伝わる心音は速く、漏れ出る喘ぎは全身を心地よく震わせて……。

 溶けていく。
 理性が。
 黄昏に染まる、二人だけの世界に。

 上体を起こした五月雨は、完全に出来上がっていました。顔は耳まで赤く、目は夢見心地。
「提督……さわってください……服越しじゃなくて……わたしの、その、お、お、お……」
 おっぱい。
 精一杯の思いで、桜色の唇が結んだ言葉。それは恥じらいに吹き消されて、声にはなりませんでした。その掠れて消えた声の中に感じる危ういほどの純真さに、ぞくりと背徳感が駆け登ります。無垢で、ウブで。汚してしまったら、壊れてしまいそうなほど。
 言わせないで。そんな想いのこもった、半ば助けを求めるような眼差しに、あなたは頷きました。
 ずずん。五月雨が膝立ちになる、その振動が心地よく机から伝います。ちょうど、机の高さに胸が来るように。あなたの手が、届く場所に。
 そして、指をかけます。セーラー服の、その裾に。あなたと五月雨を隔てていた、最後の壁。恐る恐る、もったいぶるように、戸惑うように、愉しむように、惜しむように、その幕が上がっていきます。
 そしてあなたの目の前に広がるのは。
 
 白。
 純粋で、純真で、汚れのない白。
 夕日を捉えてきらきらと輝く、雪原のような。
 
 滑らかで、美しく、愛しく、そしてかわいらしい五月雨の胸が、あなたの視界の全てを奪いました。
「提督……」
 来て。
 その眼はあなたに、確かにそう語りかけていました。愛する人を前にした女の眼。初心でありながらも、五月雨を一人の女性なのだと意識させるほどの。
 とっ、とっ、とっ、とっ、とっ、とっ、とっ、とっ……。
 早くなる鼓動。浅くなる吐息。
 あなたも、五月雨も、もう限界でした。
 引き寄せられるように、吸い寄せられるように。あなたは五月雨の、おっぱいにむけてふらふらと歩き出します。けれど、遠い。五月雨が手を伸ばせば届く距離なのに、あなたにとっては。

 次第に歩みがはやくなる。
 駆け出す、走り出す、飛び込む。
 机の向こうに聳える、愛しい女性に向かって。
 
 金色の夕日に縁取られた二つの影が、一つに混ざり合う。


「あ……!」
 あなたの体を受け止めた五月雨は、小さくあえぎ声をもらしました。2センチほどしかないあなたのことを、確かに感じて。
 信じられないほどきめ細やかで、滑らかで、そしてやわらかい五月雨のおっぱい。体を預ければ、あなたを優しく抱きしめてくれる。あの薄い胸を、こんなにも大きく感じられる。その幸せに、身を沈めていきます。
 どくん、どくん。あなたを包み込む、激しく力強い鼓動。こうしてピタリと密着すると、それは音だけではなく全身で感じることができました。その暖かさ、その生命を。なんだかとても安心します。
 そうして、五月雨の小さくも大きなおっぱいに甘えるあなたの上から、五月雨の手がそっと重なりました。夜色の手袋に覆われた華奢で、しかし巨大な手が焼きつく夕日からあなたを覆い隠します。
 しばらくの間、あなたは五月雨の鼓動と暖かさに身を委ねていました。きっと、胎内とはこんな感じなのだろうなと。
 
 そう。胎内。
 
 彼女を、女性たらしめる本質の部分はここではないことは、あなたも五月雨もよくわかっていました。まだ、一度も入ったことがない場所。五月雨の、女性器。
 そこに行きたい。
 とろとろに溶けきった理性は、本能に突き動かされるがままに。
 あなたは背伸びをして、五月雨の乳首にぎゅっと抱きつきました。
「ひゃう!?」
 びくり、五月雨が身を竦めたようでした。その動きは強烈な振動となってあなたを翻弄します。ピンと勃起したピンク色の乳首を抱きしめて、振り落とされないようにするので精一杯。
「て、提督……! だめ、それ、気持ちよすぎて……!!」
愛する人が、自分の乳首に抱きついている。その事実だけで、五月雨には十分すぎました。もう、我慢できない。
 突然光が差し込み、視界が白みます。五月雨があなたを覆っていた手を離したようでした。そうしないと、あなたごと胸を揉んで、揉み潰してしまうかもしれないから。
 ようやく光に目が慣れてくると、五月雨の左手が右の胸を揉んでいるところでした。あなたが全身をつかってもほとんど変形させられない胸を、ぎゅうぎゅうと揉みしだき、全力で抱きしめてようやっと快感を与えられる乳首をたった2本の指でこりこりといじくりまわし。
 そして右手は……意識しているかいないのか、スカートをめくりあげて、下着越しに股間を弄っていました。もうすでに出来上がっているらしく、湿っぽい音が混ざっています。
「提督、提督、提督っ……!!」
 五月雨の指が、下着をずらしてそこに滑り込みます。性に関する知識はほとんどないはずの五月雨ですが、どうしたら気持ちよくなれるかは身体が、本能が知っているよいうでした。そして、多分これがとてもイケないことであることも、そんなイケない遊びに提督を付き合わせていることも。
「提督……いいですか? しても……」
 自分の一番気持ちいいところに、提督を挿れたい。そんな確認でした。もちろん、あなたがそれを拒むことはありません。彼女の指が、優しくあなたをつまみ上げ……そして誘います。艦娘が少女であることの、本質へと。あなたがどんなに頑張っても動かすことすらできないであろう下着をこじ開けて。
 あなたは彼女の下着のクロッチの上に、そっと降ろされました。優しく、そして恐る恐る。けれど五月雨は、そしてあなたは、もう止まれません。
 お風呂上がりの石鹸の香り。その中に混じって、五月雨の匂いがかすかに感じられます。頭上の割れ目から漂うそれを、あなたは決して嫌な匂いとは思いませんでした。五月雨の秘所。整った、可愛らしい、まだ何も知らないそこ。何もかもが愛しくて、何一つだって汚くない。
 だから、そう思うからこそ。五月雨がおっかなびっくりパンツを上げ始め、愛液にぬれた割れ目が近づいてきてもあなたは躊躇しませんでした。スカートが作り出す暗がりの中、股と下着の間の隙間からほんの僅かに差し込む夕日を捕まえてぬらぬらと光るその唇に、あなたは手を掛け。


「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
 あなたを、大切なところで感じた最愛の艦娘の、言葉にならない喘ぎ。
 そして。


 破砕音。
 ガラスが割れ、壁が崩れ、煙が舞う。
 後に残った地鳴りから、あなたは下着の中からでも何が起こったかを知ることができました。

 抜錨。
 この世界の艦娘は、本来とてつもなく巨大なのです。その体を、錨によって係留することによって人の大きさを保っています。
 だから、何かの拍子にその錨が抜かれてしまうと……あるいはその鎖が切れてしまうと。
 駆逐艦五月雨は、もとの大きさにもどってしまう。身長111メートルの、巨体に。
「…………」
 五月雨は、火照った頭で暫し周囲を見下ろしていました。ずいぶんと小さくなった鎮守府に、夕日が投げかける長い影を落として。
 そして。
「提督……続き……」
 もう、何もかも壊れたっていい。
 この人さえいれば、この人と愛し合えるのならば何もいらない。
 愛にうかされて盲目となった彼女の、そんな想いがこもった一言でした。
 ならば、あなたもそれに応えないわけにはいかない。幸い、五月雨がもとの大きさに戻ったことであなたも元の大きさに戻っていました。これならば、彼女を愛することはできます。あなたはまだ幼さの残る五月雨の割れ目を両の腕で押し広げ、その中に眠る花びらに手を掛けました。
「ひゃうっ!!」
五月雨の体が大きく動き、あなたは激しく揺られます。荒波に揉まれる船よりもずっと激しく。その揺れに耐えるためにも、それがさらなる快感を与えてしまうと知りながらもあなたは精一杯五月雨の花びらにしがみつくよりほかありませんでした。
「んっ、んぅ……っ! 提督、提督……っ!!」
ずぅん、ずぅん!! とっくの昔に膝など崩れた五月雨が、快楽に悶えて巻き起こす災害が鎮守府を襲います。投げ出された脚は倉庫を押しつぶし、そして苦し紛れに伸ばされた手は警備員の詰所を握りつぶし。快楽に溺れる怪獣と成り果てた彼女は、よろめくほどの地震を巻き起こしながら腰を振り、お尻を何度もなんども地面に打ち付けます。さきほどまでは校庭のように思えたあの机も、夕日に焦げた執務室も、きっと今は彼女のお尻に砕かれて跡形もないことでしょう。
 この惨状、他の艦娘が抜錨して止めに来てもおかしくはないのですが……しかし彼女らは見て見ぬ振りをしてくれているようでした。
「はぁ……はぁ……」
 どうせこうなってしまっては、もはや手遅れ。楽しめるだけ楽しむよりほかありません。どうにか五月雨が落ち着いてきて、自由に動けるようになったあなたは、いよいよ五月雨の膣口に手を突っ込みました。
「ひぅ!?」
 ひと段落、と思った五月雨を貫く、突然の快感。あなたの腕に一瞬ギュゥと圧力がかかり、そしてすぐに緩まります。けれどその一瞬で、あなたは血圧計なんか比ではないほどの圧迫を受けました。骨ごと押しつぶされるかと思うほどに。これは、中に入ったら死ぬな。そんなことを考えていると。
「提督……提督がそこに入ったら、私提督を潰しちゃうかもしれません……」
五月雨も同じことを考えているようでした。人間の80倍近い大きさの五月雨。その膣圧は人一人を絞め殺すことなど簡単……むしろ、殺さないようにすることが難しいほどのものです。だから。
「ここに、入ってくれませんか……?」
あなたを下着から取り出すと、彼女が持ってきたのは自動車でした。鎮守府内で艦娘を送迎するために使われる、そこそこに高級な車。そのドアを、五月雨は羽でもむしるかのように引き千切ります。
「ふふ……いつもお世話になってる車さんですけど……こうしてみるとおもちゃみたいですね……」
完全に怪獣と成り果てたようなセリフ。その口調はふにゃふにゃと幸せそうでした。もう、あなたのことしか頭にない。そんな状態でしょう。
 乗り込んだ車にキーは刺さっておらず、それはあなたを収容するためのカプセルとしての役割しか果たしそうにありませんでした。けれど、それで十分です。ここから先は、五月雨が運転手ですから。
「ん……」
 下着を脱ぎ捨てた五月雨は股を大きく開いて、いよいよあなたがのった車を挿入しはじめました。膣口を押し広げて入っていく車。フロントガラスをぴったりとピンク色の肉が覆い尽くします。ところどころに気泡が見て取れるあたり、だいぶ濡れているようでした。
「いっ……」
 車高が最も高くなるあたりで、五月雨が小さく悲鳴を漏らします。まだ経験のない膣の入り口は、車を入れるには少し小さかったようです。けれど、その程度で艦娘の強靭な体組織が破れるようなことはありませんでした。柔軟に広がったそれは、なんとか車を飲み込みます。
「その……動かしますね。しっかり掴まっててくださいね?」
言われるがまま、あなたはロックされたハンドルにつかまります。直後、ぐいと後ろに引っ張られる車。ゆっくりと、おそるおそる引き出され、そしてもう一度挿し込まれる。その度に、五月雨の色っぽい吐息が膣壁を通して全身に響き渡ります。
 やがて、出し入れは次第に早くなっていきます。五月雨の喘ぎ声、そしてくちゅくちゅといういやらしい音。あなたの全身を震わせるそれらは、きっと鎮守府全体に轟渡っていることでしょう。
「んっ、んっ、あっ、あっ、あぁっ……!!」
 真っ暗闇の中、激しく前後にゆすられます。わかってはいても、これはなかなかに堪えるものでした。それも、剥がされたドアの部分から五月雨の愛液が流れ込んできて掴まっていることですら精一杯です。このままだと愛液で溺れてしまうかも、とすら思うほどでした。
「提督、提督っ……!」
うわごとのようにあなたを呼ぶ五月雨。あなたを膣内に挿れている。あなたとエッチをしている。あなたでエッチをしている。その事実が、ただそれだけで五月雨を限界まで昂らせていきます。
「もう……ダメぇ……っ!!」
 みしり、と車体が歪みます。ガラスが砕け、そして天井が低く、車幅が狭く。人間では変形させることも難しい鉄の車体を、五月雨の膣圧はついにくしゃりと押しつぶしてしまいました。あなたがその中でどうにか潰されずにすむだけの空間が残ったのは、五月雨の手心かそれとも運が良かっただけかはわかりません。
 けれど、少なくともこれ以上は潰されなくて済みそうでした。ずずん、と突き上げるような衝撃のあとは、余韻に浸る静かな息遣いだけが聞こえてきます。きっと、絶頂を迎えたのでしょう。おそらく、鎮守府になんの遠慮もなくその愛液をばらまいて。
「提督……大好きですよ……」
 心地よい余韻の中、とろけるように呟く五月雨。それに答えるように、あなたはかろうじて開いている隙間から手を伸ばし、五月雨の膣壁を優しく撫でました。五月雨の膣が、今度は優しくきゅうと締まり、そんなあなたを抱きしめます。
 めちゃくちゃに壊れた鎮守府の一角。すでに日は暮れ、宵の入り。天高く昇った上弦の月に照らされて、あなたたちはその余韻が続く限り互いの愛を確かめ合っていました。
 


 翌日、二人の愛の現場になった鎮守府は再興の真っ只中にありました。
「私の寮舎が……あぁ、不幸だわ……」
「五月雨ちゃん、やっちゃったっぽい?」
「アイツのことだから、寝ぼけて抜錨でもやらかしたんじゃねーか?」
「五月雨ちゃんならね〜」
 あれだけのことをやっておきながら、割と皆いつも通りでした。なにせちょっとしたことで抜錨して建物が壊れる世界ですから。
「ごめんなさい、ごめんなさい……!」
当の五月雨はというと、鎮守府の台所役、鳳翔さんに何度もなんども頭を下げているところでした。あの後冷静になってきて、そこから一転パニックに陥り自分の艤装で自害しようとしているところを止められたようです。万一があっては困るからと、それから朝までずっと五月雨につきっきりでした。
「大丈夫ですよ、艦娘なら誰もが一度は通る道ですから……」
「そうダヨー! 私なんて提督のことを考えてシてたらつい」
「私も前の配属先であったなぁ……そんなに悩まなくて大丈夫だよ。女の子だってしたくなっちゃう時はあるんだからさ」
「え、北上さんが……そんなことを」
 現場を目撃していた艦娘達が総出で励まさなければいけない程度には、五月雨は落ち込んでいるようでした。
「うう……みなさん……」
 とはいえ、恥ずかしいところを全力で見せつけて、挙句の果てに寮舎に潮まで浴びせたとあっては。本来とてもいい子である五月雨にとっては、自決レベルの案件でしかありません。もちろん、この鎮守府で類似の事案がないではないことは知っていたようですが。
「ほら、みんな経験があるから大丈夫ですよ。するときは、被害が出ないところで……ね?」
鳳翔に肩を抱かれて、去っていく五月雨。
「五月雨ちゃんもそういうトシですか……。今夜はお赤飯でも炊いてお祝いしません?」
「私にもああいう時期ありましたね……」
その背中を、戦艦や空母のお姉さん達が生暖かい目で見送ります。


「ところで、提督どこ行ったか知らない?」
「さあ? 今回の件で本部に頭下げに行ってるんじゃない?」
「このくらいなら明石さんがすぐに直してくれるのに〜?」
「きっと提督には色々あるんですよ。幸い指示は出ていますから、大丈夫です!」
 抜錨により巨大化した明石がピンセットで修復工事をしている姿を横目に、艦娘達がこの事件の当事者について話し始めました。そろそろ丸一日立つのですが、その姿が見当たらないことに気づいたようです。

 その当事者……あなたは今、五月雨のブラの、そのカップの中にいました。なにせ、五月雨が錨を下ろして小さくなってからずっと、鳳翔さんが付きっ切りでしたから抜け出す暇がなかったのです。かろうじて着替える時に膣内からは取り出してもらえたのですが、見つからないように隠すにはここしかなかったのでした。ブーツの中だと、座敷とかに上がったらバレてしまうかもしれませんから。
「んっ……!」
 あなたの身じろぎを感じて、五月雨の口から甘い吐息が漏れます。
「……? 五月雨ちゃん、どうしました?」
「い、いえ! ちょっと……トイレに行きたくて……」
「あら、我慢なんてしなくてもいいのに……いってらっしゃい?」
「はい、すみません」
 足早に、トイレへと急ぐ五月雨。その後ろを、鳳翔さんもついてきます。どうやら厠の入り口までは同行するみたいでした。こんなことになるのなら、自殺未遂なんてするんじゃなかったと、五月雨は後悔しているかもしれません。
「提督……お願いだから、大人しくしててください……あなたがそこに触っているだけで……私、おかしくなっちゃいそうなんですから……」
個室の中で、五月雨はあなたを取り出して小さく囁きます。この調子では、鳳翔さんが離れてくれるのは……あなたを元の大きさに戻してあげられるのはしばらくかかりそうでした。そんなに長時間、あなたを胸に密着させたままなんて、今の五月雨には刺激が強すぎるのでしょう。
 けれどあなたはあえて、彼女にこのままがいいことを伝えてみます。

 
 今のこの状態が幸せなことを。
 愛する艦娘に、ずっと触れられているこの今が。


「っ……!!」
 雪のように白い肌が、みるみる間に真っ赤に茹で上がっていきます。恥ずかしさのあまり、瞳に涙を浮かべて、ぷるぷると震えながら。
 あなたの立つ地面が……五月雨の手がぐらりと傾きました。ああ、これは怒られるなぁ。あなたは覚悟を決めて身を固くします。
 けれど、あなたの予想は柔らかなものに包まれて裏切られました。暖かく、柔らかく、もっちりと湿ったそれは、五月雨の唇。全身をもってしても受け止めきれない巨大なキスがあなたを迎え入れたのです。
  不意打ちに驚くあなたを、五月雨はブラのカップに優しく戻します。どうやらこの場所で暮らす生活は、しばらく続けられそうでした。
 そっと抱きしめるように重ねられる五月雨の手が、ブラ越しに感じられました。どくん、どくん……五月雨の胸に埋もれると、落ち着いた、愛しい鼓動があなたを包み込みます。
 
 すー、はー。
 ため息のような、深い呼吸ののちに。 
 あなたの最愛の艦娘は、小さく、つぶやくようにあなたに応えました。


「………………………私も、幸せです」


おわり