「気がつかれましたか? おはようございます」
 寝覚めの意識にかけられた柔らかい声。あなたの記憶の糸を辿れば、きっと
その声には思い当たる人がいますね。
 ……そうです、守矢神社の巫女。東風谷早苗。
 眠い目を擦り擦りうっすらとあけると、やはりそこには早苗の顔があります。
あなたが気がついたことを確かめると、彼女は琥珀色の瞳を細めてにっこりと笑いました。
 あいも変わらず、いい笑顔。17という年にしては童顔の、けれどとても
可愛らしく美しい顔です。白磁の肌に花の唇。
 彼女が顔を傾げれば、胸の辺りまである翠の長髪がきらきらと零れ落ちます。
「ふふっ、どうやらまだ状況がよく分かっていらっしゃらないようですね」
 早苗はあなたを見て愉しそうに笑いました。嫌な感じの笑みではありませんが、
しかしなにやら含みがあるような気がします。
 あなたはとりあえず体を起こしてみることにしました。
 早苗の顔が視界から消えて、そして一面に白い壁が広がります。けれど、
それは壁と言うか……布に覆われた半球のようでした。その中央には青いライン。
別の布が当てられて重ねられているようです。
 こうあっては状況がますます飲み込めなくなりました。とりあえず早苗を探しますが、
さっきまであなたを覗き込んでいた少女はどこにも見当たりません。
結構近くで覗かれていたと思ったはずでしょう。けれどいないんです。
 早苗はどこだろう。とりあえず立ち上がって、今見えている壁に向かって歩いてみることにしました。
布が重なっている、と言うことはきっとアレは出入り口か何かでしょう。
 けれどその青いラインに手をかけてみると、その当ては外れでした。
信じられないほど厚手の布で、押しても引っ張ってもめくり上げようとしてもびくともしません。
 仕方が無いので諦めて壁に手をつくと、こちらは柔らかく手触りのいいものでした。
 果たしてこの壁の向こうには何があるのでしょう。なんだかとても気持ちのいいさわり心地で、
ずっと触っていたいと思います。
 けれど、それは叶いませんでした。
「あらあら、許可もなく女の子の胸を触るなんて、失礼ですよ? めっ! ですよ!」
 その壁が突然動いたのです。あなたはびっくりして尻餅をついてしまいました。
無理もありません。なんせ高さ10メートルはあろうかと言うその巨大な物体が突然
持ちあがったのですから。普通ならそんな大きな物が動くなんて、ありえませんからね。
 けれど、尻餅をついて上を向いたあなたはもっと驚くべき事実を目の当たりにします。
 その巨大な球体のはるか上に、先ほど見た早苗の顔があるのです。さっき見たときは
一切の比較対象がなかったため分からなかったのですが、今見ると。これはありえない。
ありえないけれど、それでも目の前にある事実は否定できません。
 彼女が体を前に傾げると、さっきまであなたが触っていたそれは早苗の一部
であることが分かってしまいました。胸板から飛び出して、重くたわわに実った
それは紛いもなく彼女の乳でした。
 まさしく、山のような。
「ようやっと分かりました? あなたは私に縮められちゃったんです。丁度一寸くらいでしょうか。
あぁ、あなたには3センチって言っても伝わりますね。私と同じ外来人ですもんね、
幻想郷では」
 よいしょっ、と。
 早苗はどうやら椅子に座りなおしたようでした。とすればここは彼女の机の上か
どこかでしょう。
 ずっしん!
 彼女の重たげな胸が、あなたの目の前に再び鎮座します。あなたなんて、簡単に
押しつぶしてシミにできてしまうであろう巨乳が。
 あなたはとりあえず早苗の真意を問い質す事にしました。
「え? なんでそんなことをしたのかって? それは……あなたが欲しかったからです」
 早苗は頬を赤らめて、僅かに身じろぎした。ずずず、ずずずず……。
山のような胸がそれに合わせて動き、机に押し付けられて地鳴りを起こします。
「私はここに来てからずーっと、孤独でしたから。価値観や死生観が全く違うんですよ、
参拝者の方々は。妖怪もそうですし、人里の人間も。
 けど、最近外から流れ着いたあなたは特別でした。話が通じるんですよね。
一緒にいるととっても楽しかった。
 あなたが来るのがいつもいつも待ち遠しくって……。あなたのことを考えると、
胸がきゅうってなるんです。もう我慢できなかった」
 ぐわっ!
 早苗の手が突然、あなたを横ざまに掻っ攫います。もちろん、その巨大な手に圧倒されて
あなたは動くことすら出来ず、成すすべなく早苗の手につかまってしまいました。
 本来華奢なはずの、少女の白くほっそりとした指があなたの臓腑をぎゅうぎゅうと締め付けます。
 そしてそのまま、あなたは早苗の顔の前まで持ってこられました。とても大きいです。
その口はちょっと開いただけであなたを簡単に飲み込めてしまえそうですし、
その奥に並ぶ白い歯はまるで大理石の彫刻のよう。
 けれどその顔は相変わらず綺麗で、浮かべる笑みは慈しみと愛らしさに溢れています。
 だから、早苗があなたを口元へと運んでも、不思議と恐怖はありませんでした。
「大好き、ですよ」
 ちゅっ。
 柔らかい唇に全身を埋めて、あなたは早苗のキッスを受け止めます。
まるでふかふかのベッドのよう。しかし瑞々しさと弾力を兼ね備えていて、
離れたくなくなるような魅力があります。
「強引だって、思いました? けれど、私は知っていますよ。あなたが私に会うために
わざわざこんなところまで、危険を冒してでもいらして下さっていたこと。
 妖怪の山は文字通り妖怪の山。本来人間が立ち入れる場所でありません。
守矢神社への参拝であれば特別に通行を許可する、とされていますがその安全は
保障されていませんからね。このままではいずれ妖怪に食べられてしまっていたことでしょう」
 早苗の顔が遠ざかり、そして胸の前へと持っていかれます。腕に応じて
持ちあがっていた右胸が下がり、ずしっ、という重々しい音とともに机に接地しました。
 本当に17の少女かと疑うほどに立派で、それでいて均整の取れた乳房。
その乳房はあなたが弄ぶにはあまりに巨大だけれど、しかしそれでも魅力的。
むしろその乳房に弄ばれたい、そうとすら思ってしまうほど。
「だからそうなる前に。あなたを私のものにしてしまおうと思いまして……ね?」
 早苗はあなたをその巨大な乳房にぎゅーっと押し付けて抱きしめます。
柔らかな乳房はむにと形を変えてあなたを迎え、そしてあなたの体をぴったりと包み込みます。
若々しい張りと弾力を兼ね備えたそれはあなたの体を心地よい程度に押し返し、
その心地よさにあなたは恍惚すら覚えます。
「もうあなたは私のもの。絶対に放しません」
 早苗のものになる。それは別に悪いことではないように思えました。以前早苗はあなたに、
外の世界で着ていたという制服を見せてくれたことがありました。もうそれを
着なくなってから3年ほど経つのだそうですが、とてもそうは見えませんでした。
防虫剤もないこの幻想郷で、虫食いひとつない、日焼けもしていない。定期的に
しっかり手入れされているらしいことがはっきりと伺えます。
 それだけではありません。髪留めから何から彼女の身の回りのものは全て、
とても大切にされていました。愛されている、と言っても過言ではないくらいに。
 そんな彼女の愛を受けられるのであれば。小さくなって彼女に飼われるのもいいかな、
と思ってしまいます。
 あなたは早苗の羽根布団のような柔らかな乳房を、精一杯抱き返しました。
「受け入れてくれるんですね? ありがとうございます!」
 ぎゅーっ。早苗があなたを抱きしめる力が一層強くなります。これでもまだ
早苗としては加減をしているのでしょうが、早苗のしなやかな手に押される力と
乳に押し返される力で少し苦しいです。
「大切にします。何があっても私があなたを守ります」
 早苗の胸から直接伝わってくる声が、あなたの全身を心地よく震わせます。
ドクン、ドクン、低く緩やかな心臓の鼓動がそれに重なり、なんだかとても安心します。
今の彼女はとても大きくて強くて、あなたの全てを投げ打ってもしっかりと受け止めてくれる。
そんな安心感。
「だから、ちょっとだけ……あなたのことを好きにしても、いいですか? もう、我慢できなくって」
 早苗は乳房からあなたを離し、そして再び顔の前まで持ってきました。
頬を桃色に染め上げて、目は恥ずかしそうに宙を泳いでいます。
 もう、彼女のものになったあなたに、それを拒む理由はありませんでした。
「で、ではっ……その~、えっと。ふ、服を……脱いでいただけますか?」
 早苗は大きな手のひらの上にあなたを下ろし、そして目を逸らしながら
恥ずかしそうにそう頼みました。
 その気になれば、あなたの着ている服なんて簡単に破り捨てることができるはずです。
あなたの意思を尊重したかったから、かもしれません。
 手のひらの上で服を脱いでいくあなたを、恥ずかしそうに目を逸らして……
けれどやっぱり興味があるのかちらちらと見る早苗。そんな初々しい仕草がとても
可愛らしいです。
「えっと……その、もし嫌だったら言ってくださいね。私も無理やりっていうのは嫌なので」
 目を伏して、なるべくあなたの裸体を直視しないように勤める早苗。
けれどその顔はもう茹で上がったみたいに真っ赤です。
「あの、本当にいいですか? ちょっと怖いかもしれませんよ?」
 開いていた早苗の手が、あなたを包み込むようにそーっと、ゆっくりと閉じていきます。
そして早苗の顔がどんどん近づいてきました。早苗の浅く早い、興奮した息遣いが
感じられるくらい近づいてもまだまだ近くなります。
 早苗の口が開かれました。可愛く、軽く開けただけであなたを飲み込むことが
できるその口が。おそらく、あなたを飲み込むために。
 ここにきてあなたはようやく、恐怖を感じました。もしかするとこのまま食べられて
しまうのではないか、と。
 けれど早苗の手から逃れようとしたところで既に手遅れ。あなたはそのまま、
早苗の口の中に放り込まれてしまったのです。
 早苗の口内は唾液でぬらぬらと滑って力が入らず、じたばたと暴れるうちに早苗の
口は閉じていきます。丸く切り取られ、口内の闇とのコントラストで白く見える
外界がどんどん狭まり、やがてぴったりと閉じて深い闇に覆われました。
 そして早苗の舌があなたを乗せたまま持ち上がります。身長3センチのあなたからすれば、
それは大きなマットのよう。あなたの全身を絡めとり、じっとりと蒸し暑い口内を転がします。
 あなたは必死で早苗の舌にしがみ付きますが、なにせ筋肉の塊ですから変幻自在に
形を変えてうまく力が入りません。そんなことをしている間に。

 ごっくん。

 早苗の喉が鳴りました。
 飲み込まれた……わけではなさそうです。あなたはまだしっかりと早苗の舌の
上にいます。暗くて見えないのですが、ざらざらとした、けれどやわらかいその感触は
間違いなく舌のそれ。
 どうやら彼女はあなたが溺れてしまわないように、唾液を飲み込んだだけのようです。
ほっと胸を撫で下ろすと、そんな間もなく早苗の舌が再び動き始めました。
 舌はあなたをぐっと持ち上げて、口蓋に優しく押し当てました。背中にその僅かな凸凹を感じます。
腹側では柔らかな舌が形を変えてあなたの全身を包み込み、とても暖かいです。
 まるで愛しく抱きしめるように、少しばかり力を込めているのが解ります。
 暫くすると気が済んだのか、早苗はあなたを解放しました。舌に包まれていたため、
自身の体温と早苗の舌の熱さで体がすごく火照っています。
 けれど休む間もなく、あなたを乗せている舌は動きます。今度はあなたの体を
味わうように転がし、舌の先をあなたの体に這わせます。まるで飴玉みたいに
舐めまわされるあなたの体。けれど、それはなんだかとても心地がいいものでした。
早苗のしっとりと濡れた暖かい舌があなたの体をまさぐる、それはこんな状況下にあって、
性的な興奮を呼び起こすものでした。
 早苗の口の中で、早苗の舌に全身を嘗め回され、くすぐられ攻められる。
倒錯的な興奮に、あなたの股間の物は既に勃ち上がっていました。そこに、早苗の
舌がたどり着き戸惑うようにその動きを止めます。
 けれどすぐに、早苗の舌先はあなたのそれをまさぐり始めました。巨大な暖かい舌が、
あなたのモノを上へ下へとしごきます。
 その動きはとても気持ちよく、暖かくぬらぬらと湿った舌の感触にあなたは早くも
絶頂を迎えそうになりました。
 しかしそこであなたは躊躇します。早苗はわかっていてこうしているのだろうか。
このまま出してしまっていいのだろうか。この美しい少女の口の中を、自分のそれで
汚してしまっていいのかと。
 けれど、早苗の攻め手は止まりません。興味津々と言った様子であなたのそこを
まさぐり、敏感なところを容赦なく刺激します。
 暖かい快感と、自制心。暫くの間それがせめぎあっていましたが、やがて
そんなことさえどうでもよくなってしまいました。快感があなたの股間から脳天へと
駆け抜け、そして早苗の舌の上に白い粘液を吐き出します。
「!? んー!」
 早苗の驚きがややくぐもって聞こえ、そして真っ暗だった口内に目を刺すような
外の光が差し込みます。ホワイトアウトする視界。早苗の舌が動きます。
 明順応を待つまでの間に、あなたは早苗の手のひらの上にペッと吐き出されていました。
仰向けになって早苗を振り返れば、口を押さえてもごもごやっています。
「っ……はぁ。苦いんですね」
 早苗は小さな声で精一杯の感想を漏らしました。やっぱり、なんだか悪いことを
してしまったような気になります。
「いえ、いいんです。あなたのなら」
 あなたが謝ると、早苗は頬を赤らめつつもにっこりと笑ってそう答えました。
そしてハンカチを取り出し、あなたの体を優しく包みます。
 そのまま早苗の大きな胸の上に下ろされたようで、寝そべる背中にはやわらかく
心地よい感触があります。
「いえ、あなただから、でしょうか。全部全部、大好きですよ」
 その上にそっと折り重なる、彼女のとても大きく暖かい手。先ほどの疲れも相まって、
とても眠たくなります。低く遠く鳴り響く早苗の鼓動は、心地よい眠りの波音。
 静かに、緩やかになっていく呼吸を感じ、早苗はあなたの意思をすばやく汲み取ります。
「お疲れのようですね。無茶につき合わせてしまってごめんなさい」
 早苗の手が、優しくあなたを撫ぜるのが、眠る間際のぼんやりとした意識に気持
ちよく感じられます。
 暖かい、とても、満たされている。
 満足感と安心感に包まれて、あなたの意識は眠りの園へと落ちていきます。
「……おやすみなさい」