古明地さとりはこんな女の子→http://dic.pixiv.net/a/古明地さとり
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 あら、いらっしゃい。古明地さとりの部屋へようこそ。こんな時間に、何か用かしら?
 ――。
 あぁ、気にしないで。あなたならいつでも歓迎よ?
 嫌われるのが怖いとか、そんなんじゃないわ。本当に、私はいつでもいいの
……別に、強がってるわけじゃない。あなたといると、安心するの。
ただそれだけよ。
 私は人の心を読む妖怪。嫌われることには慣れているもの。
あなたも、もし私のことが嫌いになったら、すぐに離れていいから……。
 そんなことは絶対に無い、って思ってくれているわね。けれど……もし、の話よ?
 私が、あなたの心の秘密を、全部知っていたら?
 ――。
 たとえばどんな、って聞かれても……。その、たとえば……あなたの性癖を、私が知っていたら?
 そしたら、あなたは私のことを……。
 ――。
 ……え?
 どうして、あなたはいつも私の心を読めるの?
 心を読むのは私のはずなのに。
 えぇ、本当は知ってる。知ってしまって、それで苦しくてこんなことを切り出したの。
嫌われるのには慣れているけど、あなたに嫌われることだけは耐えられない。
だから……その。
 ごめんなさい、ごめんなさい……。本当は全部知ってる。あなたは、大きな女の子が好きなんでしょう? 
山のように大きな、天を突くような女の子が好きなんでしょう。
そして、そんな大きな女の子に、やさしくいじめられたい。
 ――。
 ……バカになんてしてない! 私は認めるから、そういうの……。
あなたが私を受け入れてくれるように、私もあなたを出来る限り受け入れたいと思っているもの。
 そう、それを知ったのは随分と前のことよ。あなたがよくここに来るようになってから。
何度か私の足元に、外の世界のビル街を幻視していたわね。
 ――。
 だから、バカになんてしてないって! むしろ私は……その……あなたの望むものになりたかった。
あなたに好かれたかった。
 ――。
 ……言わせたいの?
 そうよ、大きくなりたい。
 あなたの望む、山のように大きい女の子になりたい。
あなたのためなら、怪獣にだってなんだってなるわ。
 だからお願い、私を嫌いにならないで……。
 ――。
 ……ふぇ? 最初から、そんなこと言われなくても?
 ……あなたって意外といじわるさんね。
 それで、今日は何をしにきたのかしら?
 ――。
 そう、八雲さんのところから打ち出の小槌を借りてきたのね。
そうまでして私を大きく?
 逆、か。あなたが小さくなるのね。けど、いいの? 
あなたは女の子が家を踏み潰したりするのが好きなんじゃないかしら。
 ――。
 そうだけど、私がみんなの目に晒されるのが嫌なのね。
 それじゃぁ、貸して。小さくするから。
 まずは一回。ふふ、一回で結構縮むのね。御覧なさい、あなたの頭が、私の腰の前にあるわよ? 
これじゃぁ、肩を組むつもりが太股に手が掛かっちゃうわね。
けれどそう、あなたの望む大きな女の子っていうのはこんなものじゃないことくらい、私も知ってるわ。ほら。
 これで一尺くらいまで縮んだかしら。私の膝が、あなたの頭の上にあるわね。可愛いわよ。
ペットの猫達みたい。私の足に、抱きついてみてもいいのよ?
 どうかしら? 私の足は細くて華奢だったでしょう? 
けれどあなたはそれすら抱きかかえられないくらいに縮んでしまったの。
ちょっと興奮してきた?
 えいっ。さぁ、いよいよ小さくなってきたわね。もう一回くらいかしら。
 ふふっ、私だけの一寸法師の出来上がりね。そして私はあなただけの姫。
あなたの身長はたったの一寸。外の世界で言うならば、三センチくらいかしら。
そしてあなたから見れば、私はどんな城よりも大きな巨人。
 どうかしら? 私の足、家よりもずーっと大きいでしょう? 
スリッパを脱いで、よーく見せてあげる。靴下も、要らないね。
だってあなたは素足で踏まれたいんだものね。
私だって、あなたをもっと近くで感じたいから……脱ぐよ。
 ちょっと、あんまりじろじろ見ないでよ……。
それはまぁ、これだけ大きさが違うんだから、パンツくらい見えちゃうけどさ。
そんなに見つめられると恥ずかしいんだってば。
 それで、どうすればいいの? 踏めばいいの?
 ――。
 罵られたい、か。あなたって、優しいけれどもちょっと変なところがあるわよね。
 うぅん、そういうところがまた可愛いのだけれどね。
 ……へんたい。
 あ、今嬉しいって思ったわね。女の子に蔑まれて喜んじゃったのかしら? 変態さん。
 悔しくないの? 本来ならば自分よりも小柄な女の子に見下されて、こんなこと言われて。
 自分の無力さに腹が立ったりしないのかしら。
 ――。
 そう。苛め甲斐が無いわね。もっと抵抗してくれたほうが愉しいのに。
 足元を這い回る哀れな弱者を、私の力で無理やり、一方的に押さえつけるの。素敵でしょう?
 ほら、私の足を御覧なさい。
こうしてあなたの上に翳せば、あなたは本気で走ってもこの足から逃れることは出来ないでしょうね。
 そして私は足を下ろすの。ゆっくりと、押しつぶさないように……けれどあなたに伝わるようにね。
 どうかしら、私の力は。とても大きくて、重たくて、強いでしょう。
 ふふっ、みじめね。あなたは今、女の子の足の下にいるのよ。
 ――。
 さっきまでスリッパを履いていたからちょっと汗ばんでるって? そうかもしれないわね。
けれどそんなに臭いは酷くないでしょう? 
 ――。
 ちょっ……良い匂い、とか思わないで! 恥ずかしいじゃない。
……それはね、女の子は足だって入念に洗うものなのよ。そう簡単に臭くはならないわ。
 あらあら、湿気が高くてむせ返ってしまったわね。そうよね、苦しいわよね。
けれど大丈夫よ、死なせはしないわ。私だってあなたを亡くしたら、また一人に戻ってしまうもの。
 だから安心して踏まれるといいわ。
 ――。
 そう、信じてくれるのね。
 それじゃぁ、折角だからもう少し踏んでみるね。親指を曲げて……あなたを押さえつけてみたり。
 肺の中の空気が全部出てしまって、声すら出せないかしら。
けれど大丈夫よ、私は心が読めるから。本当に苦しくなったら、すぐに放してあげる。
 いいわよ、とっても可愛い。私の足の下で小さなあなたがもがいて、暴れて……。
すごくくすぐったくて、気持ちいいわよ?
 あらあら、放してあげたからってそんなに慌てて息を吸ったら汗の蒸気でむせてしまうわ。
ゆっくり、落ち着いて。
 どう? もう辛くなってきた? そろそろ終わりにする?
 ――。
 そんな……あんな事をされても、嬉しいなんてね。
 ――。
 えっ!? その、やめてよ、そういうのは。
キミにされるから嬉しい、なんて……こんな状況で口説くなんて、ずるいわ。
 ねぇ、見てみて。指を開いたら、あなたの体を丸ごと挟み込めそうじゃない? お仕置きにぴったり。
 ちょっと挟んであげる。親指と、人差し指の間にね。
 どうぉ? ここなら力加減も思いのままよ。ほら、きゅってしてあげるわね?
 苦しそうだけど、なんだかとても愉しそうね。
息さえ出来ないのに、体全部が私の足指に包まれているというだけで、幸せだなんて。
 ――。
 あまり卑屈にならないで。
あなたは確かにどうしようもない変態だけれど、そんなところも全部ひっくるめてあなたのことが好き。
 それに、こういうのも悪くないかな。
今までは私があなたに抱きしめて貰う側だったけれども、今はこうしてあなたの全てを抱きしめることが出来るのよ。
それも、足の指だけでね。
 ――。
 はいはい、分かったわ。ロールを果たせばいいのでしょう? うん、再開するわ。
 ……クスッ。可愛い。私の指の間でもがいてる。
 どう? 女の子の足の指の間に挟まれちゃってるのよ? 
私がその気になればあなたは簡単に潰れてしまう。
一方であなたはこの指の間から抜け出すことすら出来ない。私は何の力も入れていないのにね。
 分かるかしら? あなたは私に生殺与奪の一切を握られているのよ。文字通りね。
 だから私の命令は、絶対。もしも逆らったら……こうだからね?
 ふふっ、いい顔よ。なんだかとっても嗜虐心を刺激されるわ。ねぇ、もっとその顔を見せて? 
 ――。
 あはははっ、いいよ、凄くいい。ぞくぞくしちゃう。
私は足の指を、グー、パーってしているだけなのに。
その中で、その度に、あなたが生死の境を彷徨っている。凄く面白いわ。
 苦しい? やめてほしい? あらあら、あなたが先にこうして欲しいって言ったのにね。
 けどまだまだこんなのは序の口なのよ? 本当はね、もっと激しくしてあげたい。
 私の愛をあなたに刻んであげたい。
 私だけのあなたに。一生忘れられないようなトラウマをね。
 ――。
 冗談よ。
 ちょっぴり、本気にしちゃった?
 ――。
 どこまでが演技でどこからが本気なのかって? それはあなたの想像にお任せするわ。
 女っていうのはね、好いた男によって如何様にでもかわるものなのよ。
私は心を読む妖怪だから、特にね。あなたの理想の女性に少しでも近づこうとするでしょう。
あなたに愛されたいがためにね。
 あなたが望みさえすれば、私は怪獣にだってなる。そう言ったでしょう? 私を変えるのは、あなた。
 だから、言って御覧なさい。あなたの望みを。
 ――。
 えっ? ちょっと、それは……!!
 う~っ、ハードルが高いわね。私はほら、あまり自分の体に自信があるほうではないから……。
 こんな、中途半端な胸に押し付けて欲しいなんて……つくづく奇特な人よね、あなた。
 ――。
 今のは少しだけ本心。けれど、できないことは無いわ。
服の上からでいいなら、触らせてあげる。ほら、手の上に乗って。
そう、それでしっかり指を抱きしめて。
 指、曲げるわよ? ゆっくり、掌のほうにいらっしゃい?
 ふふっ、身長わずか一寸のあなたからすれば、きっと私の手は4畳くらいの広さがあるのよね。どうお? ごろごろしてみてもいいわよ?
 本当に、可愛らしい。
 ……っちゅ。
 等身大だと照れてしまってできないから、今。けれど、唇同士はちょっと無理だったかしら。全身キッスね。
 ごめんなさい、少しびっくりしたかしら? 食べられちゃうかと思ったでしょう。私も一応妖怪だものね。
 ――。
 キミになら食べられてもいい、か。私も食べちゃいたいくらい好きよ。
 んっ、ちゅっ。
 けれど、ダメ。あなたは私の数少ない理解者の一人なの。
あなたを失ってしまったら、私、どうなっちゃうか分からない。
 何があっても私はあなたに手を出すことは無い。そして、何を犠牲にしてでもあなたを守る。
 だから、お願い。私から逃げないで。離れないで。嫌いにならないで!
 どこにも行かないで! ずっと私だけを……!!
 ――。
 ……ありがとう。取り乱してしまってごめんなさい。
 ――。
 え? 苦しい? 
 あっ! ごめんなさい! 私ったら、つい興奮してしまって……! 
あなたを胸に……その、抱きしめて? 違うわね、押し付けてしまっていて……。
大丈夫? 骨とか折れてない?
 ――。
 苦しいけど幸せ……? 本当に大丈夫? 
 あっ、こら! そんなところにしがみ付かないでっ……! 
 嫌じゃないけど、その……恥ずかしいんだってば!!
 そんなにがっつかなくても、私はあなただけのものよ。どこにも行かない。ほら、手を放して。
 そう、いい子よ。
 今度はそーっと押し当ててあげるから。
 ほら。どうかしら?
 ――。
 満足してくれているみたいで何よりよ。暖かくて、柔らかくて、気持ちいいって思ってくれているのね。
 私の心臓の鼓動も、気に入ってくれているようね。その大きさで胸に埋もれたら、いったいどんな風に聞こえるのかしら。
私には想像もつかないけれど……。
 ――。
 あら? 眠くなっちゃった、かしら?
 いいわよ? 私の胸でお眠りなさい。ずっとこのまま抱きしめていてあげる。
寒くないように、暖めていてあげるから。
 ――。
 えぇ、おやすみなさい。
 
 あらあら、相当疲れていたのかしら。あっという間に夢の中。
 ……本当に、安心してくれているのね。私は心を読む、嫌われ者の妖怪だというのに。
 いつかあなたも、私のことを嫌いになってしまうのかしら……。
誰にだって触れられたくない心の闇はあるものね。
 ……いいえ、やめておきましょう。私が信じなくてどうするの。
 それに今は、あなたが私の元にいる幸せを精一杯噛み締めることにするわ。
 少なくとも私は……あなたのことが大好きよ。