「はい、こんにちは! 皆のアイドル、八雲紫です! 私は今、海に来ていま~す!」
白い砂浜、青い海。晴れ渡った空に輝く真夏の太陽。それはまさしく、幻想郷には無いはずの海。デ
ジカメを自分の方に向けて微笑む黒ビキニの彼女。
「ねぇゆかり、それ、何?」
不思議そうにそのレンズをのぞきこむのは、桃色の髪の少女。紫とは対照的な白いビキニを纏って
いる。
「そうね……天狗が使っている写真機の強化版よ」
紫はそう言ってそれを、近くにいた別の少女に投げ渡す。
「じゃ、よろしくね。てんこちゃん! 私、今日はカメラにまわれないから」
赤い眼をした碧い髪の少女がそのカメラを受け取った。
「あいさ。任せなさいな!」
少女の名は比名那居天子。いつの間に紫専属のカメラマンになったのか。潮風にその青い髪をたな
びかせる少女はそれだけで被写体としての価値があるのに。
「じゃ、にとりさんは水中及び水上をお願いね」
紫が、何もいないように見える空間に向かって言う。するとそこから返事が聞こえた。
「はぁい……今回は前みたいに危険じゃないんですよね……?」
光学迷彩スーツに身を包んだ、河童の少女だ。彼女の名を、河城にとり。人呼んで超妖怪弾頭。
「とらえ方によってはね。幽々子や私が意識して貴方を捕獲したり踏みつぶしたりすることはないと思
うわ」
「無いと思うわ~」
幽々子が紫の真似をする。今まで現代入りした妖怪や人間の中では最もほっこりした性格の持ち主
だろう。そんな幽々子を見て、にとりは安心した。
「そして……空中では霧雨魔理沙がスタンバイ。今回はこの配置で行かせてもらうわ。あの子った
ら、前回私たちがカメラで撮ってたことを知ったら、逆に紫を盗撮してやる―! って意気込んじゃっ
てね」
「盗撮って、宣言しちゃったらダメじゃない」
幽々子が扇子を口元にあててくすくすと笑った。白いビキニに覆われた胸がたぷんたぷんと揺れる。
「さて、では巨大化を開始するわ。各自何か危険なことがあったら弾幕を打ち上げて知らせるように。
以上!」
紫が言うのと同時に、天子とにとりが地を蹴った。巨大化に巻き込まれないようにするためだ。彼女
らが何倍の大きさになるのかは知らされていない。すなわち紫の気分次第。けれど、今までの経験
からするに……。
「もう始まったわね」
ある程度距離を離して、天子は振り返った。その距離実に300メートル。普通の人間ならどう頑張って
も40秒以上かかる距離だ。
「あ~あ、焼き蕎麦屋さんが潰れちゃった(物理的に)。なかなか美味しかったんだけど。やれやれ、
盛大に巻き込むねぃ」
そこにいた人々や、駐車場に止めてある車を押しのけ押しつぶし、2人は巨大化する。可愛い白い足
が、次々と人や物を巻き込みながら砂塵を立てて巨大化する様は、何とも言い難いものであった。
「あ……止まった。う~ん、前回のマリアリで50倍だから……これは大体200倍ってところかしらね?」
天子は2人を見上げる。しかし、なにせ周りに対比できるほど大きなものがないのだ。遠くに見える灯
台ですら、2人の膝に届かないのではないかと思われた。
「さ、幽々子。せっかく海に来たんだから海に入って遊びましょう」
人間を何人もその巨大化に巻き込んだというのに、特に気にする様子もなく幽々子と紫が海に一歩、
踏み出した。
「のわあぁぁ!?」
天子は慌ててカメラを腹側に庇い、海に背を向ける。そしてやや遅れて叩きつける塩水の壁。それも
並大抵の威力ではない。普通の人間なら気絶してしまいそうな一撃だ。
 遠ざかる2歩目の水撃はちょっと強い嵐程度に留まり、そして3歩目は足元を掬う水流になった。
「ゆかり~、全然海って気がしないよ。これじゃ水たまりだよ」
幽々子が、その巨大な足で水をぴちゃぴちゃやる。彼女にしてみれば、水に小さな波紋を生んだだけ
なのだが……。
「うわあぁぁあっ! なんで私は今回もこんなにひどい役回りなのおぉぉっ!?」
水中で待機していたにとりのほうはひとたまりもない。50メートルもある幽々子の足が、水をかき乱し
たのだから大災害である。激しい水流に身を引き裂かれそうになりながら、海面と海中を波間に抱か
れぐるぐると回ることになる。
「仕方がないわよ、ここは遠浅の海なんだから。私たちがたってる場所は今水深4メートルぐらいかし
ら」
つまり、彼女らにとっては2センチにも満たないという事である。足の指すら、完全に水に浸りきらな
い。
「へぇ……じゃぁもう少し歩けば一気に深くなるって言う事?」
幽々子が足を踏み出すと……そこにあるはずの砂底は一段と深くなっており、彼女は足を踏み外す
ことになった。
「わ、わわわっ!!」
ばっしゃあぁぁぁん! 高さ100メートルを超える水しぶきを盛大に跳ね上げ倒れ込む幽々子。しかし
水は思ったより深く、底に顔を打ち付けるようなことにはならずにすんだ。
「うわ……幽々子やっちゃったか……って、ぼーっとしてる場合じゃないって!」
天子は慌てて地を蹴り、そして高さ6メートルぐらいのマツの木の枝に着地する。彼女がそうするの
と、幽々子によって発生した津波が浜辺一帯を襲うのとがほぼ同時だった。津波の高さは3メートル
前後。物凄い破壊力である。海の家を押し流し、そして逃げ惑う人々を次々に呑みこむ。
「紫の嘘つき~! 遠浅だって言ったじゃない!」
「よく考えなさい、今の私たちは普通の人間の200倍の大きさなのよ?」
幽々子が立ち上がると、海は彼女の胸のあたりまであった。水深200メートル、と言ったところか。
「この切り立った水中の断崖絶壁のお陰で、海流が乱されて豊かな海が生まれるのよ」
断崖絶壁。その言葉に多少反応したのは天子だけでいい。
 よいしょ、と紫が深い海に入る。
「あぁ、嫌な予感しかしないわ」
にとりがややあきらめ気味で溜息をつく。そして彼女の予感は現実のものに。
「えい!」
紫が、その手で水を掬い、幽々子にかけたのである。幽々子は突然のことに対応しきれず、それをも
ろに受ける。
「あ~! やったわね!」
幽々子がお返しにと、紫に水をかけ返す。遠目に見れば少女達の微笑ましい姿なのだが……。
「ちょ……ま……おい馬鹿やめろ、早くも私の出番は終了ですね」
にとりはもう、笑うしかなかった。海が、宙を舞っている。それほどの水量が、彼女の頭上を通りすぎ
る。今にとりは、2人の少女のちょうど真ん中にいた。来たかったわけではない。けれど2人の巻き起
こす潮の流れに運ばれての不可抗力だった。けれど、そんな彼女のもとに一隻の船が。
「こちらは海上保安庁! 頑張れ、もう少しで救出できる!! あきらめるな!!」
荒波を乗り越え、やってくる船はどうやら波にもまれるにとりを助けようとしているらしい。漁船よりも
一回り大きい中型の船だ。
「あ……私は大丈夫です~! 溺れないんで! 死にたくなかったら来ちゃダメ~っ!!」
にとりは船に叫びかえしたが、当然聞こえるはずもなく。また、聞こえていたとしてもそれが功を奏し
てた訳もなく。
「あら。可愛い訪問者」
幽々子に捕まってしまった。それも、荒波にコントロールを失い胸の谷間に座礁して、である。
「ふふ……こんなに大きい私たちに向かってくるなんて勇敢な子ね……。それとも、そんなに私の
おっぱいが魅力的だったのかしら?」
幽々子はそう言って胸を両側から押す。すると、ただでさえ立派な谷間が強調され、そしてその谷間
の中に海上保安庁の救助艇は消えてしまった。
「あぁ……南無三」
にとりは少しばかり罪悪感を感じ、手を合わせる。金属の軋む悲鳴が漏れ聞こえてくる。それはそれ
は恐ろしい断末魔が。それだけに飽き足らず、紫が幽々子の胸を両側から押さえ、そしてすり合わせ
る。
「あら……紫ったら、そんなにしたら跡形もなくなっちゃうわよ?」
幽々子が紫の手を外し、そして胸の谷間を覗き込む。するとそこには、もととなった鉄鋼と樹脂に姿
を変えた船が。
「一応船だったらしいことは分かるじゃない」
紫がそれをつまみだして、そしてぽいと放り投げる。たった一枚の鉄板となったそれは、水しぶきをあ
げて海の底へと姿を消した。
「うん、まぁね。それとさ、ゆかり。こうして海につかってるとね……いまいち大きくなった実感がないの
よね~」
幽々子が水をパシャパシャやって紫に言う。
「え? 大きくなった実感がない……分かったわ。今の私たちが小人に見えるぐらい大きくなりましょ
う」
紫はその言葉を、多少わざと曲解した。幽々子の突っ込みが入る前に、2人の体が巨大化していく。
海を押しのけ、大波を立てて。
「あらら……これは大変なことになるわね。あの大きさは……2000倍と言ったところかしら。まさかあ
れで上陸しようなんて……」
その様子を浜辺のアカマツの上から眺めていた天子が呟く。が、どう考えてもそれしかない。
「ですよね……」
幽々子と紫が、その巨大すぎる胸をたゆんと揺らして一歩踏み出す。陸地に踏み込むのには、それ
だけで良かった。
「逃げないと……潰されるっ!?」
天子はそこで気が付いた。自分を覆い尽くす……いや、ここら一帯を全て覆い尽くす影に。その時に
は、もう既に手遅れ。
「しまっ……」
天子は上を見上げたまま固まった。視界を覆い尽くす西行寺幽々子の足の裏。そして。


ずっしぃぃぃん! 超巨大少女二人が、陸に上がる。膨大な量の海水を、水着から滝のようにしたた
らせて。それだけで、道路は冠水し、そして降り注ぐ水圧でアスファルトは砕ける。
「あら、もしかしたら今私、天子さんをふんだかも……」
幽々子が、そうと解っていてか言う。
「大丈夫よ、彼女は。天人はそれぐらいでは死なないわ」
紫が幽々子の手を引いて街の中に一歩踏み込んだ。すると、踏み下ろされた足の周りにあった住宅
が、その衝撃で吹き飛んだ。なにせその足の大きさは実に500メートル以上。身長3キロメートルの彼
女にとっては住宅などゴミみたいなもの。
「ほら幽々子、気持ちいいわよ? やってごらんなさい」
紫に言われて、今しがた天子を踏みつけた足を、住宅地へと踏み下ろす。足の裏をくすぐる繊細な感
触。




「……しゃっきーん! 完全復活パーフェクト天子様っ!! って、あら。ひどいことになってるね」
天子が謎の効果音付きで跳ね起きると、そこには荒れ地が広がっていた。いや、幽々子の残した足
跡なのだが。
「……飛翔しないと出られない」
実に、幽々子に踏まれた場所は地面が軟らかかったのもあってか10メートル近い陥没の底になって
いたのだった。
「いやぁ……この間の私も似たようなもんだったんだろうけど、その二倍の大きさのが2人だからね」
足跡の外に降り立つと、2人を見上げた。距離的に言えば1キロは離れているのだろうが、それでも首
が痛くなるほど見上げなくてはならない。
 紫、そして幽々子。どちらか片方でも、足を動かせば立っていられないほどの地震が発生して足元
を掬う。何といっても、山が動いているようなものだから。いや、山だって3000メートル級のものでなけ
れば彼女らよりも小さいのだ。





「と、ここで私の出番だぜ!」
箒に乗った魔法使いの少女が、2人の股の間を潜り抜ける。股の間とはいっても、実に上空1キロ
メートルなのだが。
「元、幻想郷最速を見せてやるんだぜ」
箒を垂直に、魔理沙は幽々子の体に沿って上昇する。が、胸のあたりまで来たとき幽々子がふいに
向きを変えたのだ。魔理沙は乳房の大体の未来位置を予測しそれをかわせるだろうと、そう思った。
けれど。
「ゆっか~りん!」
幽々子が突然紫に抱きついたのだ。ちょうど、魔理沙が右胸の前を通り過ぎようとした時に、である。
「のおぉぉ!?」
魔理沙は何の抵抗も出来ずに、紫幽々子の乳に挟まれて身動きが取れなくなった。当然普通の人
間なら即座にミンチになっているところではあるが……魔理沙はどうにか持ちこたえた。
「く……くるじ……死ぬ……!」
圧力にどうにか耐え、魔理沙は懐からミニ八卦炉を取り出して思いっきり魔力を集中する。
「ふぁ……ファイナルスパークッ!!」
八卦炉から、天に向かって膨大なエネルギーが放出される。しかし、紫と幽々子は気が付かない。2
人の間で、胸は押されてむにむにと形を変える。
「あら幽々子、積極的ね」
紫はそう言ってさらに幽々子の背中に手を回す。このまま二人が抱き合えば……。
「まずい……このままだと魔理沙……本当に潰されるかも」
そのファイナルスパークに気が付いた天子が、慌てて武器を……緋想の剣を取り出し構える。
「まったく、2人の世界に入っちゃうと人間何も見えなくなるんだから……喰らいなさい! 『全人類の
緋想天』っ!!」
緋想の剣から、天子の体の何倍もある極太レーザーが放たれ、周囲の景色を緋色に染め上げる。そ
の威力や実に、天を貫き地を割くほど。そのレーザーが紫の……水着の紐を直撃した。
「あら? 今何か当たったような……。あ、水着が……」
一瞬2人が離れ紫のビキニが地に落ちて轟音を上げる。
「あ~、死ぬかと思った」
魔理沙は空中で体制を立て直し、そして2人の間から抜けだした。もう二度とあの空間には飛び込む
まいと決心する。
「でも私のだけってのは理不尽よね。幽々子」
紫がそう言った時にはもう既に、幽々子の水着の紐が解かれていた。紫が右手をスキマに突っ込
み、そして幽々子の後ろのスキマから手を出して紐を解いたのだ。
「きゃん! ゆかりんのえっち!」
「何言ってるのよ、大きくなってあんなことやこんなことをするために現代入りしたんだから……」
紫がそう言いつつ、今度はボトムを……斬った。彼女の境界を操る能力で。見事に再装着不能であ
る。引くに引けない、引く気がない。
 と、まぁほんの一瞬で幽々子は一糸まとわぬあられもない姿にされてしまったわけだが。
「よく考えたらさ、私たちZUN帽なかったら普通のお姉さんだよね。つまりスッパだともはや……」
「それは言わない。はい、いいから寝る!」
紫に大外刈りをかけられ、幽々子は海辺の町に倒れ込んだ。身長3キロ超の少女が倒れ込んだのだ
から当然その衝撃はあり得ないほどのものとなった。遠くにあるはずの山が崩れ、そして海がかき乱
される。空を飛んでいた魔理沙や、地上に突っ立っていた天子などはその衝撃と風圧に吹き飛ばさ
れ、数キロ先の海面に叩きつけられることとなった。それも、大荒れの海面に。
「のわぁぁ! これじゃカメラとしての役割すら果たせてないわ!」
天子はその波をうまくとらえて飛翔する。同じく魔理沙も体勢を立て直してターンするところであった。
「私はあぁぁっ! 2人のエッチを盗撮し返すまで死ねないんだぜ!」
音速に迫ろうかという勢いで魔理沙が飛び去り、そしてその後ろを天子が追う。っていうかにとりどこ
いった。






「ゆかりん……私たち、大きすぎて使うものが無いよ……」
「そう思うかしら? いいえ、この私にぬかりはないわ」
紫がスキマに手を突っ込むと、そこから何かを取り出した。あれは……池袋サンシャインだ。コミック
マーケットに並ぶあのイベントの開催場所でもある。
「さぁ幽々子! まずは私のターン!」
紫が幽々子の秘所を指で開き、そしてその中にビルを突っ込む。
「あんっ! つめたい……」
幽々子の膣は敏感に反応し、それをきゅっと締めつける。
「ルールは簡単。ビルを壊した方が負けよ。あと、先にイッたほう。ワンセット10回でターン制よ!」
紫はそう言ってサンシャインビルを右手で、そして幽々子の乳を左手で弄ぶ。
「あん! あーん! 先行が勝手に決まってるのなんてずるいわよ! あん!」
幽々子がその山のような乳を揺らして喘ぐ。そのたびに大きな地震が発生し、街の残骸を舞いあげ
る。
「もっと……! もっと……私の、おっぱい、揉んで……気持ちよくし……あれ? もうおしまい?」
幽々子は紫の手が止まったことに気がつき、抗議する。
「私のターンは終了。さぁ、貴方のターンよ!」
紫が、ぬぷっとサンシャインビルを抜き、幽々子に手渡す。そして自分も水着を脱ぎ捨て、街の残骸
の上に寝転んだ。
「……いくよ、ゆかりん」
幽々子がビルをそっと、紫の秘部に押し込んだ。そしてただ出し入れするのではなく……少々横に力
を入れて入れたり出したりを繰り返す。
「あっ、あん! ゆ……幽々子、上手いじゃないの!!」
いつもは冷静な紫が、快感に目をとろりとさせて喘ぐ。本能がままに、自分の手で自分の乳を揉む。
「……私のターンも終了よ。エンドフェイズね」
幽々子は紫の中からサンシャインビルを引っ張り出す。窓は砕け、フレームは曲がりひしゃげてい
る。紫の膣内でいかに大きな力が掛ったかの証明だった。それでも彼女は、なるべく締め付けないよ
うに気をつけていたのに。
「さ、次は紫の番……」






「うおぉう、すごい光景だぜ」
魔理沙は再び、2人のもとに舞い戻っていた。ちょうど幽々子の股間のあたりに、自分はいる。そこ
に、信じられないほど巨大な手が、やはり幻想郷ではありえないほど巨大な建造物を持って迫る。慌
てて上方に回避すると、自分の眼下をビルが通り抜けて行くところであった。その様は何にも形容し
がたいもので、魔理沙の知識の中にはそれに相当する言葉はなかった。
 そして、その巨大な建造物がさらに巨大な幽々子のあそこに呑みこまれる。ひくひくと蠢くそれは、
とても人や妖怪のものとは思えない……まるで異世界への入り口を思わせた。
「ああぁぁん!」
幽々子の声が頭にぐわんぐわん響く。
「っ……はぁ、はぁ」
荒い息使いに見上げてみれば、そこには空を覆い尽くすほどの紫の顔。あまりの大きさに、遠近を計
り間違える。
「あん、あーん、もっと、もっとあぁっ!!」
幽々子のあそこにビルが出入りする、そのたびに発生する空気の振動に煽られ、空中での姿勢が安
定しない。魔理沙はいたしかたなく撮影場所を変えることにした。そして彼女が振り返ったその時
……ある事実に気が付く。
「さっきより大きくなってないか?」
そう、幽々子はもちろん、紫の体もだんだんと、周囲のものを押しつぶしながら巨大化しているのだ。
「おいおい、大丈夫かこれ……」
魔理沙の不安を余所に、バトンが……一回り小さくなったサンシャインビルが幽々子の手に渡り。
「あん、イィ! やっぱり幽々子はっ……はぁはぁ、上手いわっ……んっ!」
紫が快楽を感じると、やはりと言ったところかその巨大化は加速していく。おそらく興奮と快楽で能力
がうまく制御できなくなっているのだろう。
「あん……もう、じれったいわ! 指でやっちゃってちょうだい!」
紫が、さっきの5分の1ほどの大きさになったサンシャインを膣内で押しつぶす。そして片手をスキマ
のに突っ込んで、幽々子の膣の中に。
「あん! ああぁっ!」
2人が同時に、互いの膣を攻め合う。そうしているうちにも巨大化は進んでいき、もはや2人はそこに
寝ているだけでも雲の高さを超越するほどの巨人になっていた。幽々子の胸が、山脈に当たる。そし
て瞬く間にその山々よりも大きくなって、その下に押しつぶす。
「あぁん、紫……私のおっぱい、山よりおっきいよ……! あん!」
「私のおっぱいだって……富士山より……おっきいもん!」
紫が身をよじると、大地が抉れてその下の溶岩が露出する。彼女らの大きさ、実に10万倍。
「紫……わた……もう……らめぇ!」
幽々子が先ず盛大に潮を吹いた。うつ伏せになっていた彼女の膣から大量の愛液が流れ出し、山を
押し流す。彼女らにとって、数センチしかない山を。
「かっ……たあぁぁぁん!」
それにつられて、今まで我慢をしていた紫の膣が愛液を噴出した。どんな雲よりも高く、気象現象の
枠を超越して降り注ぐ大雨。大地を穿ち、湖を作る。
「はぁ……はぁ……幽々子……」
「ゆかり……」
幽々子が紫の上に乗り上げ、10万倍の少女二人が抱き合う。その様は遥か宇宙からでもはっきりと
見えた。
「……大きくなりすぎちゃったね」
「いいんじゃないかしら。てんこちゃんは地球を胸の谷間で潰せるぐらいにまで巨大化したしね」
「快感で?」
「まさか~。私がやってあげたのよ」
ふぅ……、と紫は大きくため息をついて伸びた。体の半分は、水たまりみたいな海に投げ出されてい
る。
「さて……次の予定は。あの子ね」
「あら、浮気?」
「まさか。リクエストが入ってるのよ。私がその子の相手をするわけじゃないし」
10万倍の少女紫はそう言って笑い、そして幽々子を手で押しやった。
「さ、全て元通りにしましょう」
紫は立ち上がった。一糸まとわぬ少女が日本の屋根たる山脈を跨いで仁王立ちする。
「そう。それじゃ、まずは私が帰らないとね」
幽々子は紫が作ったスキマの中に姿を消した。
「……さて。ゆかりんまじ~っく! 全部無かったことにな~れっ!」
ほとばしる少女臭。そして若干の華麗臭。世の中が、平穏に戻った時、既に妖怪の賢者は姿を消し
ていた。