20XX年、東京上空に全長15キロにも及ぶ宇宙船が現れた。
突然の出来事に東京にいた人々はもちろんのこと、宇宙船の姿を確認できる関東一帯の人々の目が釘付けになり、地域全体が言い様の無い不安感に包まれる。
それを打ち破るように、宇宙船の中から地球人の1,000倍の大きさはありそうな異星の女の子、エリーが地上に降り立ち200メートル近い両足がビル群を踏み潰したことで、一瞬で大量の犠牲者が発生してしまった。

「ここがガイドナビが案内した面白そうな遊び場の星ねー。凄く小さな人間が暮らしてるってあったけど、本当に街がちっちゃーい!」

人々は宇宙船から降りて来たのが、見た目小学校に上がりたてくらいの巨大な女の子であったことにさらに驚くが、何の遠慮も無しにその巨大な足でビル群を踏み潰してしまったこと、面白そうな遊び場などと言う台詞に益々不安感を強めていた。

「全部ちっちゃいけど、小さい人間が作った割には大きいビルもいっぱいあるね!めちゃめちゃにしたらすっごく面白そー!」

女の子の言動が明らかに友好的ではないことに人々の焦りは最高潮に達し、皆が女の子とは逆方向に走り出す。そのような動きなど気にも留めない少女エリーは東京駅周辺の超高層ビル街へ、足元のビル群と大勢の地球人を踏み潰しながら近寄ると、しゃがみこんでそれらをニヤニヤと眺めた後、両手でかき回すようにして超高層ビルを一気に10棟、20棟とぐちゃぐちゃに破壊してしまう。各ビルにはまだ全然避難できていない人々が大勢おり、路上も逃げ惑う人々で溢れかえっていたが、ほんの一瞬で10万人以上が犠牲となってしまった。

「アハハハハハ!!なにこれ!おっきなビルなのにすっごく弱いの!!お砂場触ってるみたい!」

実に容易く地球人の発展の象徴である超高層ビル街の破壊を楽しんだエリーは、まだ残っていた超高層ビルを次々握り潰していた。

「あ!なんかちっちゃい人間が必死で逃げてるみたい!!アハハ!頑張れ頑張れ!」

周辺にいてまだ何とか生き延びていた人々が必死で走っていたが、声援とは裏腹にエリーは人々の真上に握った超高層ビルを持ってくると、握り潰してガレキの豪雨を叩き付けてしまう。超高層ビル内で何とか生き延びていた人々がエリーにビルごと握られて皆殺しになった後、ビルの残骸が降り注いだ地域でも多くの犠牲者が発生していた。

「なんかキャーキャー叫んでるし!そんなに助かりたいのかな。じゃあ殺しちゃお!」

今度は別の超高層ビルに大きく開いた手のひらを側面から叩き付け、隣接していた通りを倒壊したビルで埋め尽くし、逃げていた人々をまたもや超高層ビル内の人々諸共全滅させてしまったエリー。東京駅周辺の超高層ビルが早くも無くなってしまったため、次のオモチャを求めて周辺を見渡すと打って付けの建物を発見し、目を輝かせた。

「あ!今壊したビルの3倍くらい大きそうなのがある!あれで遊ぼう!!」

最後にまだ残っていた東京駅をしっかりと踏み躙ってたくさんの電車を大勢の乗客ごと潰してから、スカイツリーへ向けて駆け寄るエリー。間にある高層ビル街をお構いなしに踏み潰し、途中にあった両国国技館も大勢の観客諸共潰されてしまい、スカイツリーへの移動だけで数万人が犠牲になったがエリーに意識されることすらなく、ただそこに居たというだけで大勢の人生がそこで絶たれてしまっていた。

「ちっちゃい人間から見たら、すっごく大きそうなタワーなんて生意気ー。あ、そうだ!これ使ってちっちゃい人間のおうちを壊しちゃおう!」

スカイツリーを引き抜いたエリーは、それを片手で握ったまま隅田川を挟んだ月島のタワーマンション群の手前まで、またもや途中に広がる街をめちゃめちゃに踏み荒らして移動すると、タワーマンション群へ向けて声をかける。

「この辺りの大き目のおうちはみんな壊してあげるね!」

スカイツリーで観光を楽しんでいた人々は、突然少女によって東京が破壊される様子を見せ付けられたのも束の間、中に居た人々のことなど全く考えないエリーがスカイツリーを握った腕を大きく振りながら移動したことで、内部の壁や天井に激しく叩き付けられて無残な死骸と化していた。そんなことなど意識もしていないエリーはスカイツリーを両手で持ち直すと横向きにして、前方の月島と晴海のタワーマンション群がスカイツリーの幅に収まる様な位置取りから、勢いよく転がる様に投げつけてしまう。

「アハハハハ!!行け行けー!おうちをぜ~んぶ壊しちゃえー!!」

転がって来たスカイツリーによってタワーマンション群が20棟以上薙ぎ倒され、一帯はめちゃめちゃになり、またもや数万人が犠牲になったが、それでもほんの一瞬エリーを笑わせるだけの役割しか果たせなかった。

「この辺は他にも大き目のおうちがいっぱいがあるね!タワーはおうちを壊して折れ曲がっちゃったから、私が直接全部壊してあげるよ!!」

スカイツリーによって月島と晴海のタワーマンション群は壊滅したが、まだ目の前に残っていた勝どき、豊洲、東雲、有明のタワーマンションを足で薙ぎ払ったりキックしたりで徹底的に壊滅させていくエリー。一連の破壊活動で数十棟のタワーマンションをめちゃめちゃにし、数十万人を犠牲にしたことでエリーのニヤニヤは最高潮に達していたが、まだまだ無傷の超高層ビルを擁する地域も多い東京を湾岸から見渡したことで、もっともっと遊びたいという衝動が湧きだしていた。

「この街の大きなビルはみんな壊してあげるね!まだいっぱいあるし、どんどん使ってあげる!」

眼前の超高層ビル群を捉えたエリーは、湾岸地域から港区の超高層ビル街へ向けて走り出し、隅田川を超えて東京の中心部の破壊を続けていく。まず汐留の立派な超高層ビル群が駆け抜けるエリーによって蹴散らされ、美しかったビル街が見るも無残な惨状をさらけ出してしまう。そのままエリーが虎ノ門や赤坂の超高層ビル街を走り抜けていったことで、東京一の高さを誇る虎ノ門ヒルズも他の超高層ビルや高層ビルと区別なく踏み潰され、直接は潰されなかった超高層ビルもまだ子どもの体型、と言っても2,400万トン程の重量が勢いよく駆け抜ける衝撃には到底耐え切れず、周辺地域も含めて超高層ビルが何十棟も無残に崩壊してしまう。
そのまま国立競技場も中心を踏み抜いて崩壊させたエリーは、新宿の超高層ビル街へ突入するとここも走り抜けて踏み潰し、都庁舎なども衝撃で崩壊させていった。

「アハハハハハハ!!いい感じだった街がめちゃめちゃだ!あっと言う間にこんなにされて、ちっちゃい人間達どう思ってるのかな!」

湾岸地区から新宿までの間のビル群がめちゃめちゃに崩壊してしまったのを振り返って確認したエリーは、地球人達にとって経済的にも、何より尊い人命もとてつもない被害を出しながらそれをただ笑い飛ばしていた。

「大きなビルまだ残ってるから、どんどんいくよ~!」

あっと言う間に東京の街並みがズタズタにされていくがエリーは少し休憩することすらせず、特に発展している地域を狙って走り抜けを再開する。渋谷や恵比寿、大崎といった超高層ビルを多数擁する地域が既に壊滅済みの地域と同様にされてゆき、品川のオフィスビル街を捉えたエリーは、その中心に向けて思い切りジャンプをしてしまう。

「み~んな潰れて吹き飛んじゃえ~!!」

エリーが両足で品川に着地した瞬間、ちょうど足元にあった超高層ビルが一瞬で踏み潰されたのは勿論のこと、今日のこれまでの破壊で最大の振動が半径数キロの街並みに襲い掛かり、雑多なビル街は同心円状に吹き飛び、超高層ビルも範囲内にあった物は全てが崩れ去っていた。

「ついさっきまで大きなビルがいっぱいあった街だったのに、もうすっかりめちゃめちゃになっちゃった!!すっごい楽しい!!」

わずかな時間で東京都心をあらかた壊滅させたエリーは、自分がめちゃめちゃに破壊した大都市を眺めてとてつもない満足感を堪能していた。
そんなエリーの背中で突然爆発が起こり、何事かと振り向いたエリーに向けてミサイルが飛来しており、続いて胸に命中してまたもや爆発が発生する。

「これって、この星の軍隊の攻撃ってこと?アハハ!もしそうならしょっぼ!!ぜ~んぜん効いてないよ?」

<目標の身体に対地ミサイルの命中を確認。だが、効果が上がっていないようだ。>
<クソ!1,000ポンドのミサイルを食らって笑ってやがる!>

東京都心が身長1,200メートルはありそうな女の子によって突如破壊されているという緊急事態に対応するため、横須賀に停泊していた米海軍の空母が政府間の連携等を後回しにして艦載機を出撃させたが、最初に攻撃位置に到達したスーパーホーネットからは非常に芳しくない報告が寄せられていた。

<目標が東京湾の方向を向いた。後続機には顔面など少しでも効きそうな箇所へ攻撃させろ。>

東京がどんどん破壊されており、空母に搭載している数十機で編隊を揃えての一斉攻撃などしている余裕が無いとの判断から、発艦させた機体から順に五月雨での攻撃となっており、次にやって来た4機は露出しているエリーの顔面へ向け集中的に攻撃をかける。

「うわ、なに!女の子の顔に向けて攻撃してる!こんなの効かないけど最悪!」

顔面へのミサイル攻撃を受けたエリーは、やはりダメージこそ全く無いものの、鬱陶しさに気分を害してしまう。

「墜としてやりたいけど、こっちが届かないような位置なんか飛んじゃって!って、よく見たらこいつら、あっちの海の方から飛んで来てるんだ。じゃあ元を潰してあげる。」

さらにやって来る後続機の方向から出撃位置を予測したエリーは、東京湾沿いに南下して空母の方向へ向かって行った。

<目標に母艦の位置が気付かれたようだ。後続機の発艦を急がせろ。>
<護衛の艦からもミサイル攻撃をさせろ!>

空母を中心とした艦隊の方向へエリーが向かってくるのを確認した将兵達は必至の抵抗を行うが、やはり効果が上がらずエリーとの距離ばかりが詰まっていく。

「あの大きな船から来てたんだ!だったら遊んであげる!!」

品川から南下し、大田区と川崎市にいくつも足跡を刻み付け東京湾に出たエリーは、艦隊を捉えると足早に近づいていった。

「周りの小さい船は邪魔ね。捨てちゃお!」

まず空母を取り囲む戦闘艦の内、巡洋艦1隻を掴み取ったエリー。掴み上げられてなお20ミリバルカンでの抵抗を行っていたが、気にもしないエリーは沿岸部を見渡してゴミの捨て場所を探す。

「あのタンクがいっぱいある辺りが面白そう!あそこに投げちゃえ!!」

石油・ガスタンクが多数設置された工業地帯に向けて、エリーが思い切り巡洋艦を投げ付ける。激しく叩き付けられグチャグチャに潰れた巡洋艦搭載の弾薬が爆発を起こし、連鎖的に石油・ガスタンクが次々と爆発してしまう。周辺にいた作業員や住民も多数巻き込まれていたが、爆発に目がいっているエリーには気付かれることもなかった。

「アハハハ!み~んな爆発しちゃってる!じゃあもっと投げてあげる!」

別のタンク地帯にも巡洋艦や駆逐艦を次々と投げ付け沿岸部を爆炎で包み込ませたエリー。目ぼしいタンクが見当たらなくなると、まだ残っていた艦は適当に住宅街へ向けて投げ付けてやった。空から突然150メートルを超える船体が降って来たことで1戸建てやマンションが多数破壊され、やはり弾薬が爆発したことで周囲に大きな被害をもたらしていた。

「残りはこの大きな船ね。私に逆らうなんてどうなるか、わからせてあげるからね!」

エリーは300メートル超の空母の船体を両手でしっかりと掴み上げると、事前に見付けておいた空母と同じくらいの大きさの超高層ビルのある方角へ向かって行く。
進路上にあった高速道路を避難しようとしている車列ごと蹴散らし、横浜スタジアムもスタンド席の半分を踏み潰してみなとみらい地区へ接近するエリー。手前に存在した150メートルはある横浜市庁舎、200メートル近いタワーマンション、超高層ホテルといった近年建設されたばかりの超高層ビル群を邪魔と言わんばかりに足の側面で薙ぎ払って一気に破壊すると、目標としていたランドマークタワーのすぐ前でしゃがみ込む。

「大きな船で、大きなビルを壊してあげるよ!」

エリーはランドマークタワーの中に居た人々に片手で握った空母の船体を見せ付けた後、飛行甲板をランドマークタワーの側面から押し付け地上から最上階まで押し流して破壊してしまう。

「今日見た中で一番大きなビルだったけど、ちょっとも耐えられないなんて情けな~い!」

ランドマークタワーをもあっさりと破壊したエリーは、目の前に広がるみなとみらいの立派なビル群を見つめ、意地の悪い笑顔を浮かべていた。

「他にも大き目のビルがあるけど、こんなザコビルならみんな壊しておいてあげるね!」

エリーは、右手で握っていた空母がランドマークタワーを破壊した後もある程度原型を留めて残っていることに気付き、それを握ったままハイハイの姿勢になった。

「弱かったけど、この船は軍隊の船だから頑丈みたい。ならこの辺のお掃除道具にして使ってあげる!」

空母を握ったままの状態で這いつくばったエリーは、飛行甲板を地面に押し付けるとその状態で腕を左右に振って、みなとみらいの超高層ビルを空母の船体で次々と破壊していった。

「弱い軍隊の船だったけど、ぞうきんにするくらいの価値はあったみたい!」

地球上でも最強クラスの戦闘力を誇り、街1つ爆弾の雨で壊滅させることもできる空母を、本来とは全く異なる使い方で街の破壊に活用するエリー。みなとみらいと横浜駅周辺の目に付く超高層ビルを全て破壊し終えた時には、頑丈な空母の船体も流石にぐちゃぐちゃに拉げていた。

「うわ、きったないボロぞうきんになっちゃった!あ、そうだ。さっき飛んでたやつらまだいるかな?」

邪魔者の元を断ったエリーは上空を見渡すと、弾薬が尽き元の帰還場所も失い監視を続けるしかなくなったため、安全な高度を周回しているパイロット達へ向けてぐちゃぐちゃになった空母の船体を見せ付けてやった。

「君たちのおうちもこの辺りの街も、み~んな無くなっちゃったよ?軍隊のくせにザコ過ぎて恥ずかしくないの?アハハ!」

攻撃して来たパイロット達の機体を墜とせないものの、それ以上に屈辱的な気分を味わわせたことで大分気の済んだエリー。最早役に立たなくなった空母の残骸を地面に落とすと、パイロット達に見せ付ける様に足で踏み躙って見せた。
それから周囲の街を見渡してみるが、周辺には超高層ビルはほとんど見つけることが出来なかった。

「なんか残ってるのは、すっごく小さいおうちばっかりって感じ~。」

この辺一帯にはまだまだ地球人達の街がどこまでも広がっているものの、面白みのある大きなビルはポツポツと点在している状態であったため、一旦破壊の手を止めることにした。

「とりあえずこの辺はこのくらいでいっか。小さい人間も私には全然敵わなかったし。」

大都市を壊滅させ軍隊も余裕であしらったエリーは、見下すようなニヤニヤ顔をしながら周囲の地球人達へ向かって呼びかける。

「この星、地球って呼べばいいらしいけど、これでわかったでしょ?もうこの星は私の物になったから、今日からは私の好きにしちゃうんだからね!」

さらっと支配宣言をしたエリー。周囲で被害を免れていた地球人達はたった1人の少女が相手でありながら、最早どうしようも無いという現実をこれでもかと思い知らされていた。

「街壊してお腹空いちゃったし、一回船に戻ろっと。」

地球人達へこれまでの歴史を一変させるもの凄い通告をしておきながら、完全に自分の都合で宇宙船へ戻っていったエリー。数百万人の犠牲が出て地球人達の間に絶望が広がる中、新たな地球の支配者はのんびりとランチタイムを楽しんでいた。

それから30分後、世界中が大騒ぎになっている中、突如エリーが戻っていった宇宙船が移動を始め、あっという間に大阪上空に姿を現した。ちょうど大阪城を真下に捉えた状態で先ほど東京を壊滅させたばかりのエリーが降り立ち、立派な城が一瞬でぐちゃぐちゃに踏み潰されるのを見せ付けられた大阪府民へ向けてエリーが呼びかける。

「じゃあさっき言った通り、ここも好き放題にめちゃめちゃにしちゃうからね?」