休日、山田に遊びに行こうと新宿アルタ前広場に呼び出された後藤と喜多。

「あっ、あの今日は誘ってくれてありがとうございます。」
「ぼっちが来ないと意味ないから。」
(え、えええ!私遊びに行くのに必要とされてる!!)
「大変!後藤さんの顔が福笑いみたいに!」
「いつものことでしょ。それより郁代はこれ着てくれる?」
「ってこれ後藤さんのクラスの模擬店で使ったメイド服じゃないですか!」
「ぼっちに借りて来てもらった。郁代の今日の服だとスカートがちょっと短いし、これくらいなら丁度いい。」
「え?どういうことですかリョウ先輩。」
「この間虹夏と郁代ぼっちの家行ったんでしょ?で、ぼっちが用意した縮小都市蹂躙して遊んだって虹夏から聞いて。世の中にはサイズフェチってのがあって、巨大化したJKが都市破壊するのを生配信したら絶対稼げる。で、郁代には巨大化して新宿を破壊して貰いたい。うちらの中で一番ウケがいいのは郁代だろうから。」
「あんまりわかりませんけど、先輩が私を頼ってくれてるのはわかったので私やります!」
「話早くて助かる。じゃあぼっち郁代を巨大化させてあげて。そのために呼んだから。」
「あっ、私巨大化アイテムみたいな扱いってことなんですね…」
「あと、配信で稼ぐのってどうやるの?アカウントは作ったけどぼっちはそういうのも詳しいんでしょ?それも教えて。」
「あっ、はい。えっと口座登録して、投げ銭機能をONにしてですね…」

・・・

「じゃあ早速郁代を巨大化させて配信始めよう。巨大化は1000倍サイズとか1万倍サイズとかもあるみたいだけど、あんまり巨大化させると撮るの大変だからとりあえず100倍で。」
「先輩が用意してくれたメイド服ですけど、どこか着替える場所がないと…」
「じゃあそこのルミネで。ついでにルミネの中から巨大化してルミネを中からぶっ壊しながら登場する感じで。」
「ビルの中で巨大化するんですか!?」
「サイズフェチ的には商業施設の中から巨大化するのがいいらしい。」
「わかりました!じゃあ着替え終わったらLINEしますね!」

その後喜多から準備できました!との通知が

「私撮影してるから、ぼっち巨大化よろしく。」
「あっ、はい。」

後藤が巨大化能力を使ったことで、ルミネエスト内でメイド服に着替えた喜多がどんどん巨大化し、店内の様々なファッションアイテムもコスメも全て巻き込んでぐちゃぐちゃなゴミに変えていく。やがてどんどん増していく喜多の質量が8階建ての店舗そのものを軋ませ、耐えられなくなった各フロアが一斉に崩壊。巨大化が完了した頃には周囲のビルが膝の高さくらいとなったメイド服姿の喜多が新宿駅前に聳え立っていた。

「いいなこれ結構映えるぞ。」
「うわぁ…前に後藤さん家で伊地知先輩と縮小都市でツイスターゲームもしたけど、私自身が巨大化するのって凄く気持ちいいかも!」
「郁代、とりあえず電車踏み潰したりしてみて。あ、でも京王線は残しといて、下北まで帰るの面倒になるのイヤだし。」
「わかりました!メイドさんがこの街をお掃除してあげますね!」
(流石喜多さん…メイド服で巨大化してもノリノリとか私絶対ムリだ…)
「ああいうのはぼっちにはムリだろうから、やっぱり巨大化して都市破壊する役は郁代に頼んで正解だったな。」
「え!私、心読まれてます!?」
「え、ぼっちなんの話?それより、これ配信できてるよね?あんまり稼げてないみたいなんだけど。」
「あっ、まだ配信始まったばっかりですし、あとは投げ銭でリクエスト聞くとか?」
「なんかコメントで巨大メイドさんのパンツ見たいとか来てんだけど、郁代いくらならいい?」
「先輩!下着見えないようにロングスカートに着替えたのにお金貰ってもそれはダメですよ!」

新宿駅のホームに止まっていた何十両もの電車を踏み潰し尽くした超高層ビルサイズの喜多が、アルタ前広場の山田と後藤を覗き込みながら注意してくる。

「じゃあ『投げ銭5万で巨大メイドさんがお好みの方法で駅前の超高層ビルを破壊します』っと。」
「超高層ビルって1000億円くらいしそうなのに、リョウ先輩のお小遣い5万のために喜多さんに破壊されるんですね…」
「お、投げ銭来た。『メイドさんらしい呪文とポーズをしながら超高層ビルをぶっ壊してください』だって。」
「ぴゅあぴゅあみらくる~きゅんッ☆超高層ビルさん、リョウ先輩のために壊れちゃってください♡」

超高層ビルサイズに巨大化した喜多に、呪文を唱えながら両手で作ったハートマークを中層フロアに勢いよくぶち込まれたことで、JR新宿ミライナタワーは真ん中からへし折れるように上層フロアが崩れ落ち、背後にあったタカシマヤタイムズスクエアを圧し潰すように倒壊させてしまった。

「私自身が巨大化して超高層ビルを破壊するのって、縮小都市で遊んだ時よりもずっと気持ちいいわ!」
「喜多さん何のためらいもなくリクエスト聞くの凄い…あんなにおっきなデパートまで壊したら、2000億円くらい被害出てそう…」
「しまった、5万じゃ安かったか。『巨大メイドさんがサービスでデパートもぶっ壊したので、もっと投げ銭弾んでください』っと。」

その後、投げ銭のリクエストに応じて新宿の超高層ビル群を巨大化した喜多が破壊し尽くしたところで配信は終了し、きっちり残しておいた京王線で下北へ帰る3人。(後藤はJRが喜多に踏み潰されて運休したため、下北経由で帰宅することに。)

「ぼっち今日はありがとう。結構稼げたし、入金されたら借りてたお金返すね。」
(配信の収入私にもくれるんじゃないんですね…)
「後藤さん!巨大化するのとっても気持ち良かったわ!また今日みたいに遊びに行きましょうね!」
「あっ、はい。(その分都市破壊されちゃうけど、喜多さんもリョウ先輩も喜んでくれてるからいいか…)」