「ヤンキー娘と魔法少女」(ハイライトサンプル)


 喧嘩慣れしているヤンキー娘の怒った顔は、それはそれは迫力があって恐ろしいものだった。しかも、圧倒的な大きさと来ている。
 察するに、怒った巨大ヤンキー娘の切る啖呵は、小さな井土にとって髪の毛が真っ白になるくらいビリビリと威圧的で恐ろしいものに思えた事だろう。

「ご、ご、ごめんなさひぃ……」
「井土……てめぇの事は、前からムカついてたんだよ。顔も気持ち悪いし、このブサイク野郎があっ! てめぇは女作んなかったんじゃなくて、作れなかっただけなんだよ。ばぁ~か!」

 サディスティックな美少女の残酷な言葉が、小さな井土の胸をグサグサと突っつきまくる!

「てめぇ、いい大学行きてぇんだろ? その為に、必死こいて勉強してきたんだもんな。でも、残念だったな。いまからてめぇは虫けらみたいに、あたしの足で踏み潰されて死ぬんだよ」

 赤は、摘まんでいる井土に“ぷっ!” と屈辱的な唾を吐きかけた!

「死ぬ前に、あたしの唾液飲ませてやるよ。てめえブサイクだから、女とキスしたこともねえだろ? だから、飲ませてやるぜ。たっぷり味わえよ。遠慮しなくていいぜ」
「うう……」

♀♂

 確かにそれは、見た目にも履き古され悪臭が漂っていそうに思える。かかと部分はぺったんこに履き潰され、足の裏が触れる場所には汗や汚れがしみ込んで真っ黒く変色している。
 赤はその上履きを、足元に佇む樺山と早山のすぐそばに置いた。樺山と早山は、まるでスフィンクスのような大きさで聳える履き古された上履きを側面から見上げた!

「すごい大きさだ……これが、上履き?」
「上履き以外に、何に見えるんだよ? 樺山」
「早山……よくさ、スリッパで叩き潰される虫っているじゃん……」
「いや、あまり見たことないけど」
「今ならわかるよ。その虫の気持ちが……」
「へえ。虫の気持ちまでわかるんだ。すごいな樺山は」

 巨大な上履きの赤いゴムの部分からは強烈なゴム臭が漂っていて、噛み合わない会話をしている彼らの小さな鼻をつんと刺激したっ!

「井土、おめえはこん中に入れてやるよ。へっ。あたしのくっせえ足の臭い、たっぷり嗅がせてやるから窒息でもしてろよ。はははっ」

 赤は井土を摘まむと、上空からゆっくりと上履きの黒ずんだインソールが見えるトップラインぎりぎりの所まで降下させた。

「ほぉ~ら、臭えだろ? あたしの上履き」

♀♂

「ほらよ。せっかくだから、たっぷり見ろよ」

 今まで美人美人と思いながらも、怖そうなので声をかけられずにいた同級生のヤンキー娘。そんな彼女が、いま自分たちの上空であられもない姿であられもない場所を見せてくれている。目の前に起こっているこの現実が、小さな彼らには嬉しすぎて受け入れられない気分だった。

「はあっ! はあっ! 金沢さんの、くっ、黒い、大人ぱんつ……」
「はぁ! はぁ! め、女神さま! 女神さまのっ!」

 小さな彼らの頭の上一帯を覆い尽くしている、巨大なる女子の股間。そのスカートの中を覗き込むような彼らの視線の先には、高校生らしからぬ大人びた黒いショーツが陰部を覆い隠し、尻の割れ目がうっすらと透けて見えている。
 こんな絶景、世界中どこへ行っても見る事など出来はしないだろう。
 初心な童貞の彼らにとって、追い打ちをかける様に漂ってくる蒸れた女の股間の臭いに耐える事など到底無理な話だった。

「はあっ! はあっ! 金沢さんっ! 金沢さんっ!」
「はあっ! はあっ! 女神様っ! 女神様っ!」

 小さな童貞優等生たちは、しゃがみ込むヤンキー娘の尻の真下で天を仰ぎながら激しくマスターベーションを始めたっ!

「おまえら……」

 彼らの背後で井土が、そんな友人たちの様子を呆然と見つめて切なそうに呟く。そしてふと、その視線をあげると、巨大な赤の鋭い視線が井土を見下ろしていた。

「井土、おめえもあたしのパンツ覗きに来ていいんだぜ」


♀♂


と、ここまでが新作「ヤンキー娘と魔法少女」のハイライトサンプルになります。
今回は初のコラボ作品と致しまして、新参者さん(@5nbe)の描かれたキャラクターである金沢 赤さんをモデルに作品を書かせて頂きました。
とても魅力的な彼女に私が心酔してしまった事が、本作を書くきっかけとなりました。
この素晴らしいキャラクター金沢 赤と出会わせてくれた新参者さんに心より深く感謝致します。


なお本編にご興味を持って頂けた読者の方は、

ファンティア「主李主李的世界」https://fantia.jp/fanclubs/130246

の無料プランに、2021年4月11日(日)までにご登録頂きますと、その後も本作を無料で閲覧できます。
仮名のご登録で問題ないので、どうぞよろしくお願い致します。

ちなみに、前作「エイダとヴァイオレット」の登録期限は2021年3月31日までとなっております。

※この期間内にご登録して下さった方にのみ、
 新参者さんよりお借りした画像をイメージとして作中に使用させて頂いているものを閲覧して頂けます。

※無料公開期限を過ぎてからの登録ですと、本作は閲覧できなくなりますのでご注意ください。

※期限を過ぎた後、いずれ販売という形をとるかも知れませんが、その際には文章のみの販売となります。



さて、相変わらずの遅筆にて、一本書き上げるのにヒィヒィ言っており「スーパーシュリンカー」を含め、他の続編作品などにも手を出せていない有様です。

頭では書かなきゃと思いつつも、なかなか手を付けられないままで、とにかく少しずつ進めて行こうと思っております。

こんな筆者ですが、どうぞ長い目で見て頂けると幸いです。