Title: ハーフインチ・ハイ
*このファイルはUnited Giants(TW:@labbaart)さんの作品"Half Inch High"(http://labbacomics.com/comics-and-art/)の翻訳です.

<Chap.1:ケアレス・クラスメート>

「ちょ、ちょっと!」
「見て、誰かいるわよ。うちの学校の生徒かな? ねえあなた! これから家に帰るの?」

「お、おねがい。早く戻りましょう! ここはうちらの学校じゃないし・・・ここで巨人に近付くのは危険すぎるわ!」
「な、なによ。ビビってんじゃないわよ!」

「見てごらんなさい、あの子はまだ・・・」

「ん? 動いた?」
「ちょ、ちょっと。私たちはあなたのクラスメートよ! 何をして・・・」

「ス、ストップ! やめて! ねえ見えないの? 聞こえないの?」
「痛い、やめて!」

「もしもし、どうしたの?」
「ねえ、今日の夕方くらいに会えない? クラスメートの小人の女の子2人を見せたいの!」
プチ

「ん? なに今の音?」
「えーと、虫か何か踏んだみたい。なんか面白そう、見てみたい!」


<chap.2:小さな彼氏>

「初めまして、私の名前はバニー」
「私にはなんと・・・小人の彼氏がいるんです!」

「こんな小っちゃいなんて信じらんなーい! アリよりちょっと大きいくらいじゃん!」
「えへへ・・・あんまり近づかないでね」

「ねえ、バニーは彼ともっとイチャイチャしないの? うち、2人の写真撮りたい!」
「え?」
「あー、うん。いいけど・・・」

「う、うーん・・・」

「な、何なのこのポーズ・・・?」
「オッケー! ねえインスタってやってる? 身長差がヤバすぎるカップル激写!」

「あ、いたいた!」

「バニー! なんで教室にいなかったのー? 何やってんの?」
「いたっ!」

「バ、バニー!」
「ちょ・・・」

グチャッ!!

「じゃ」
「も、もう行かないと」
「ば、バニー・・・」

ワアアアアアアアアア!!
「私の名前はバニー」
「・・・もう、小人の彼氏を作る気はありません」


<chap.3:残虐非道な元カノ>

「この世界では、小人と人間が共に暮らしています」

ドーン!

「なんかいるわねー」
「ふーん・・・」

「だ、誰なのこの人」
「私のクラスメート」
「そして、私の彼氏の[thick:元カノ]・・・」

「そのとおりよアリンコちゃん! チッ、アイツはこんな[thick:虫けら]の何がよかったのかしら」
「ちょ、ちょっと! 何すんの・・・?」

「アイツはただ、[thick:ペット]が欲しかったんでしょうね。まあ何がともあれ、あんたと学校の外で会えてよかったわ。ここなら[thick:誰も]、あなたを守ってはくれないから」
「彼氏の悪口は言わないで!」

「はあ・・・仲間と一緒だったのは痛いわね。一緒に処理しないと、警察呼ばれちゃうわ」

「そうだ! 猫の餌にしましょう!」
「いやー!」
white cat「ニャー!」
black cat「ニャー?」

「あんたはアリンコみたいに足で踏みつぶしてあげるわ。でもそれじゃあ、すぐに終わっちゃう」
「私はの程度じゃ満足できない・・・そうだいいこと思いついたわ!」
イヤアアアアアア!

翌日
「昨日、身長1センチほどの小人の少女が禁止区域に迷い込みました」
「不幸にも彼女は猫に引っ掻かれ、死んでしまいました。こんなことが、信じられますか?」
BLAH --> 「くっだんねー」「つまんな」「バカじゃん」
poor girl --> 「かわいそう・・・」
「しかも、彼女はうちらと同い年です」

「ね、ねえ。アキの彼女って見てない? なんか昨日から行方不明らしくて」
「んんー?」

「あんなにちっちゃいんだし、誰かに踏ん付けられちゃってたりして[heart]」
「そ、そんなこと言わないでよ・・・」


<chap.4:新しい理科の先生>

「ねえ! 今日新しい理科の先生来るんだって!」
「ほんと?」

「どんな感じの先生なんだろう・・・」
「ここが新しい教室ですか。すいません、下ろしてください」

「皆さんこんにちは。既にご存知かもしれませんが、今日から一年間、理科を担当します。どうぞよろしくお願いします」
「き、気を付けてください・・・」

「私には先生なんて見えないけどねー」

「私の目に見えるのは、小さな靴磨き職人ね。ほら、ここにナプキンがあるわ。ナプキンを持ちあげる力があるんなら、私の靴を磨いてちょうだい。さあ!」
「怖がってるよ」
「またやってるよ」
「アハハ!」

バン
「やめなさい、アリス!」

「先生には敬意を持って接しなさい! あなたのオモチャじゃないのよ!」
「うるさい!」

「ふ、ふたりとも。ケンカはやめなさい」

ダーン
「うわあ!」

「もう、どっか行っててください! 踏みつぶしちゃいますよ」
「へヘへ!」

「わかったわ、なら先生と一緒に遊びましょう。おいで、アリさん。絶対に忘れられない、初回の授業にしてあげるわ」

「・・・で、先生は風邪を引いて家に帰ったと・・・」
「私に何も言わずに・・・」

「はあ、私が授業するしかないわね・・・はい、じゃあ教科書43ページを開いて」
「はーい」
ANF -->「はあ」「はあ」

「あんたサイテーね」
「そーお? じゃああんた、私の[thick:左の上履き]の中を見たら、なんて言うのかしら」

「え?」
「ふふ、冗談よ(多分、ね)」


<chap.5:小人の生徒会長>

「当初より主張していることであるが、[thick:我々は一切の権利を要求する!]」
「虫けらのごとく扱われることに、我々はもう耐えられない! アリのように踏み潰される現状に、我慢ならない!」

「なぜ、新しい制服すら未だ届いていないのか? 他の生徒はみな夏服を着ているというのに、私はこの1着でここ[thick:数週間]を過ごしている!」
「裸で学校に来いと言っているのか? ならばやって見せよう! 繰り返す、[thick:我々は一切の権利を要求する!]」
「そ、それはちょっと・・・」

ぬうっ
「・・・?」

「おい小っこいの、こっちおいで。ちょっと話したいことがあるの」
「ふふふ、ちょっと、叫ぶのやめてくれない?」
small girl:「や、やめろ!」「離せ!」「この鬼畜め!」

「[thick:オガサキマイ]、あんたそれでも小人生徒の会長なの? 毎朝毎朝ギャーギャー騒いで、こっちはうんざりしてるの。虫けらには文句垂れるだけの脳みそしかないっての?」
「な、なにを・・・」

「第一、そんなに制服が嫌ならなんで今も着てんのよ」
「脱げばいいだけじゃない」
「や、やめろ! 不当な弾圧だ!」

「あら! あんたうちより[thick:デカい]のね! まあ、実際はうちの爪の方が大きいけどね[heart]」
「お、おねがい・・・」
「やめて・・・」

「あら、あんたのお友達、逃げ出しちゃった」
「でもここはうちら普通サイズの生徒の居場所。メガフォンも持ってないし、すぐに誰かに踏み潰されちゃうでしょうね」

「今すぐにでも処分したいところだけど、生徒会長を踏み潰すのは後々面倒くさそうだし・・・あんたに2つの選択肢を出すわ。どっちか選びなさい」

「[thick:選択肢A]:あんたのブラ、スカート、下着を脱がせて、校内中を歩かせるの。そう、[thick:虫っけら]みたいにね」

「[thick:選択肢B]:そのメガフォンで・・・」
「・・・」

「お、おはようございます、皆様・・・」
「小人生徒の生徒会長です・・・」

「今日、私は皆様に、我々が[thick:生きる価値のない虫けら]であるということをここに明言したいと思います! 故意であれ無意識であれ、皆様は我々を簡単に踏み潰せます。これは正しい事なのです。[thick:我々は一切の権利を要求しません]、これが本来あるべき姿なのですから!」
「え・・・今日のオガサキのスピーチ、どうしちゃったの?」
「さあ? つか気にも留めてなかったわ。なんか違うの?」
「そ、それより。[thick:なんでその子裸なのよ!]」


<chap.6:探偵少女>

この世界にはサイズの異なる2種類の人間が平和に共存している。しかし数週間前・・・

・・・私の知人がとある『事件』によって亡くなった。事件発生時に彼女と共にいた友人も、その後行方不明となっている。

しかし・・・

私はアリスというクラスメートが主犯ではないかと予想している。
そこで我々は彼女の罪を暴くべく立ち上がった!

「よし。みんな、誰にも見つからないようにね」

ここから床に降りて・・・
それと、男子には私のスカートの中見たら殺すって言っておいて。

私は、アリスは靴の底に行方不明になった小人の子を隠していると思うの。
くれぐれも慎重にね。彼女に接近して、真実を暴いて頂戴!
「あの子はちょっと心配しすぎよ。これは[thick:時間]との戦いよ」
「確かに」

「そ、それでさ・・・僕が靴の中に入るんじゃだめかな?」
「ん?」

「あ、あの・・・」
「やっぱりこういうのって、男の仕事じゃん・・・」
「そんなこと言って! ホントは女の子の足に触れたいだけなんでしょ!」

「まったくもう! 彼女と一緒だっていうのに」
「ち、違うよ。本当に、友達を助けたいだけで・・・」
「いいえ。あんたの変な性癖でしょ。さあ、一旦戻るわよ!」
「も、もう引きかえせないよ・・・」

「何をだらだら話してるのかしら?」
「靴の周りに2人の姿は見えない。私の助けが必要なのかしら?」

「信じてくれよー。僕は君ひとすじだって・・・」
「ふん!」
「どうせあの子みたいのででてきたら、あんたはそっちになびくんでしょ」

「足でふんづけてくれるような」
「そんな子がでてきたら・・・」
ゴゴゴゴ

「おかしい、2人はの姿が見えないわ」
「もう、靴の中に入ったのかしら?」

「2人がうまくやってくれたら、あの事件が殺人だったってことが証明できる・・・」
「ブチ」

「な、[thick:なに]? なんでそんな所にいたの? もしかして・・・[thick:踏ん付けちゃった?]」

「そこ! なぜ立っているの? 席につきなさい」
「は、はい・・・」

「くっそー・・・アリス、あんたのせいで[thick:私の友達]が2人死んだのよ。この罪、いつか償ってもらわないと!」
「ねえ、なんか[thick:血]が付いてるよ」
「うわ、きったな」

<chap.7:転校生>

私はロミ。すでに私のことをご存知の方もいらっしゃることでしょう。
特に、むかし私をいじめていた奴らとか。

そういえば・・・

奴らと一緒に私をあざ笑っていた、一匹のアリンコがいました。
なんて下等な生き物、大きなお友達が守ってくれるからこそ、辛うじて生き永らえている存在。

・・・ごめんなさいね

今度から私、あなたのクラスメートになるみたいです・・・


「それじゃあ、後ろの方の席に座ってください。」
「はい・・・」

「かわいい子だね!」
「私と一緒で、リボン好きなのかな!」
「んー・・・」

「ま、そーかもねー」
「・・・」

「なに? サボり? 授業は始まったばかりですよ!」

「私はトイレに行くと言って、教室から抜け出しました」
「でも、そちらはもっと簡単に抜け出せたようですね[thick:ゴミムシさん]」

「どうしました? 声も出ませんか?」

「困りました、もっと大きな声で話してもらわないと・・・」
「私・・・あなたを[thick:踏みつぶした]時の叫び声が聞きたくてたまらないんです・・・」
「うーん・・・」

「ね、ねえ。もしかしてその子、殺そうとしてるの?」
「ち、違います!!!」

「アハハ、まあ落ち着いて!」
「あんたのこと、止めたいわけじゃないから」

「あんたらの話、聞いてたんだけど・・・」
「・・・そんな普通に殺すのなんて、[thick:つまらなくない?]」
ANP--> 「やめて」 「やめて」

「その子がいじめっ子とつるんでるの、うちのクラスの子ならみんな知ってるし・・・あんた、もしかしてそいつにいじめられてたの?」
「そうなら・・・もっと[thick:楽しまないと!]」
「まずは、靴と靴下を脱いでみて・・・」


「こ、こうかしら?」
「そうそう!」

「そしたら、そいつを足の下に挟んで、まずは謝罪させて・・・」
little girl-->「おねがい・・・」「放してください・・・」

「そうそう・・・ねえ、聞こえる?」
「ほら、謝りなさいよこの[thick:ゴキブリ女が!]」
little girl-->「いや」「たすけ」

「お、お願い、殺さないで・・・今までしてきたことは謝るから・・・」
「わ、私は悪くないの! 他の女の子たちなんてホント、生きてる価値ないくらいのクズで・・・」

「あら、なんて救いようのないいじめっ子なのかしら・・・そんなんで私があんたを許すとでも思ったの? 私をあんな目に合わせておいて、それに・・・」
crack->「ブチ」
「ああ!」

「親指ひとつで、[thick:跡形もなく]潰せる・・・」
「ふふ、なんてむごいのかしら・・・」


「あー! すっごく[thick:きもちい!]」
「ね、楽しいでしょ!」
「カシャ」

「ねえ、他にも復讐したいやつがいるの! もっと色んな殺し方を教えてくれない?」
「うん、いいわよ・・・」
「ピ」

「あ、まずは自己紹介を・・・」
「教室で聞いたとは思うけど、私はロミ!」
「私はアリス! 話変わるけど、今からアリバイを作らないと!」

ブーブー
「ん? メッセージ来てる」
「誰からだろ?」

「!」

message:
バニー。私、やばい事件に遭遇しちゃった!

このようにして、新たな友情が出来上がったのであった・・・

「ちょっと! なに送ってきてるのよ! 心臓とまるかと思ったじゃない!」
「えーと、こういうの好きかなって思って・・・」
「それに、どうして何もしなかったわけ? 踏みつぶしたのは誰?」
「顔はあまり覚えてなくて・・・ともかく、これは事故! 今回のは、私のせいじゃなくて・・・」
「『今回のは』ってどういう意味よ!?」
「ハハハ・・・」
「別に何も・・・」


<chap.8: お兄さんはどちらへ?>

「はー、助かったあ! みんな、宿題手伝ってくれて、本当に有難う!」
「いいって、いいって!」

「ねえ、帰る前に[thick:お兄さん]に挨拶したいんだけど、今いる?」
「うん! 多分、妹の部屋の[thick:ドールハウス[thick:にいると思う。」

「お兄ちゃんいないよ!」
「え?」

「お兄ちゃんに、お姉ちゃんのお友達が来るよって言ったら・・・」
「俺をこの部屋に入れろって言って・・・」

「だから、みんなが来る前にお兄ちゃんを[thick:床に置いといた]の!」
「な、なにやってんのよ!」

「ゆ、床を探さないと・・・」
「ちょい待ち、友達に聞いてから」

「はい、もしもし?」
「[thick:ナナー!] ちょっと大変なことになってて・・・今、友達の部屋にいるんだけどさ」

「はあ!? お兄さんを失くした? あんた不注意にも程があるわ!」
「う、うん・・・」

「とにかく、まずはスリッパを脱いで。まだ[thick:踏みつぶして]ないといいんだけど」
「く、靴下に血は付いてないよ。たぶん、大丈夫だと思うんだけど・・・」
「男ってホント馬鹿ね」

「ちょっと! 中にいるかもしれないでしょ!」
「うぷっ!」
「まだ生きているとして、どこにいるんだろう・・・?」

「ベッドに戻りなさいよ! あんた、踏み潰すかもしれないでしょ!」
「か、仮にコップにいたとして、一体何をするつもりだったんだろうね・・・?」

「あら、面白い質問ね」
「え?」
「どうしてお兄さんは、バニーたちが来る部屋に入りたがったのか・・・」

「普通なら、危険なところには近づかない」
「にも関わらず・・・」

「他の子にも話を聞きたいわ」
「あ、うん」
「んん?」

「ねえ、お兄さんはいくつ?」
「17だけど・・・」

「今、[thick:スカート]を穿いている子はいるかしら?」
「はあ? なんでそんなこと聞くのよ!」
「わ、わたし穿いてるけど・・・」

「まだ分からないの? 男の子なら誰しもが夢見ること・・・」
「それは小人であろうと、例外ではない」

「バニー、お兄さんは多分、床にはいないと思うわ」

「あなたは今、お兄さんを踏み潰なさいようにとベッドにいるのかしら。それならお兄さんはたぶん、[thick:あなたの近くにいるわよ]」

「ち、ちがう・・・」
「俺はただ・・・」

「ちょっと!」
「わ、悪かった! 許してくれ!」

「『悪かった』ですって? 全くどんな変態さんなんですか!」
「こんなことのために命の危険まで犯して! 正気ですか?」
brother:「ちがう」「ご、誤解だ」
lil sister:「へへ」

「ふうん、弁解の余地はないみたいね」

「兄さん、もういいわ・・・やることはすでに決まってるから!」

「バニー?」
「もしもーし!」

「お、おーい」
「お前、こんなことするやつだったか?」

「はあ?」
「私は至って普通ですけど?」

「兄さんは女の子の体が大好きみたいなので・・・」

「脚に行くよりも、私の[thick:足の周り]で探検する方が楽しいと思いますよ」
「言い訳は聞きたくないです、さもないと[thick:友達の足]で探検する事になりますよ。先に言っておきますけど、そちらの方が[thick:もっと]辛いと思います」
「い、息ができない」

-----I do not finish proofreading below-----

<chap.8:4年前のこと>

「ハハハ、待ってよー!」
「こんにちは、オカザキマイと申します」
「私は小人生徒の生徒会長を務めています・・・いえいえ、隣で走っている少女ではなくて、この[thick:ほこり]みたいなのが私です」

「また、血痕がある・・・」

「この学校って、最初からこんなんだったかしら? 私が1年生の時は・・・」

「4年前」
「・・・それで、来年から大学への入学を認めてもらおうと」
「私の夢は化学者になること。大学は必須だわ」

「ところで、あなたはどう? この学校には慣れた?」
「ま、まあ・・・ミックス・サイズスクールに来る気はあまりなかったんですけど、私も大学に行きたくて。この辺には、ここしかなかったので・・・」

「ふふ」
「怖がりすぎよ」
「大丈夫! この学校は安全だから・・・」

「そう、ここは小人の学校でもあるの!」
「ねえ、一緒に遊ばない?」

「ちょ、ちょっと何を・・・」
「やめて! 離して!」

「アハハ!」
「う・・・」
「ああ・・・」

「んんー! は、剥がれない・・・」
「無理みたいね・・・先生を探して、助けを求めましょう」
「で、でも・・・」

「大丈夫・・・
私はここで3年過ごしてるんだから」

「1年生のいたずらに、私が怖がっていると思うの? 平気よ!」
「先輩・・・」

「わかりました、探してきます! 必ず戻ってきますから!」

「ちょっと・・・」
「い、いや・・・」

「ブチッ」

「うわ見てよ」
「きっしょ」
「なに踏んだの?」

「小人の女の子みたい。テープで貼り付けられて、なんかゴキブリホイホイみたい」

「止まない雨はないっていうけれど・・・」

「・・・本当に、そうなのかしら」


<chap.8: サヤの小さな大冒険>
「よし・・・」
「準備万端!」

「私はサヤ」
「ミドルスクールの最上級生です」

「来年はお姉ちゃんと同じ高校に行きたいんですけど、お姉ちゃんはミックススクールは危険だって、認めてくれないんです!」

「でも、私はそんなこと信じません・・・」

「今日はお姉ちゃんのスカートに隠れて、自分の目で真実を確かめてみようと思います!」

「え、ええ!? あんたの妹、来年うちに来たいって言ってんの?」
「そうなのよ・・・」

「でも、確か・・・」
「こ、小人の・・・」
「そうよ! それが問題なのよ!」

「サヤには悪いけど、ホームスクールにするつもりよ。もう決めたわ、あの子が何を言おうと、これは決定よ!」

「うう、この高さを飛び降りないと・・・」

left word:「イタッ!」
right word:「トン」

「やった! 靴の上に降りれた!」
「踏み潰されちゃう前に、逃げないと!」

「はあ」
「はあ」

「よし・・・」
「完璧ね!」

「ふふ!」
「これがミックススクールね。いいとこじゃない! お姉ちゃんは何を心配してるのかしら・・・」

バアン
「ぎゃあ!」

「じっとしていなさいよハエさん」
「ちょこまか動かれると潰せないじゃない」

「え?」

「ちょ、ちょっと」
「触らないで・・・」

「その制服はうちにじゃないわね」
「あなた、誰?」

「そういえば近くに小人用のミドルスクールがあったわね。
そこから来たのかしら?」

「ね、ねえ」
「なにするの・・・」

「それなら、私が今からあんたを学校まで返してやろうじゃない!」
「バイバイ、小人さーん!」

「や、やめて! 私を投げないで!」

「ちょっと! そこで何やってんの!」

「また小人生徒の子をいじめてるのかしら・・・」
「もうすぐ授業が始まるわよ」

「小人?
アハハ! 誰もいじめてなんてないわよ!」

「私はただ、邪魔なハエを潰そうとしてただけ」
「もういないみたいだし、仕事は終わりね」

その日の夕方・・・
「何あの学校! 何あの女の子!」
「もう二度と、絶対にあんなところ行かないから!」
「あんな気違い学校! クレイジー、マッドハウス!」

「そうなの・・・
なんか知らないけど、急に気を変えたらしくて・・・」


<chap.10: 目撃者を殺せ>