20xx年。世界の男はみんなちいさくなっていた。それは神の思し召しかもしれない。人間は同じ過ちを繰り返すというが、核戦争や地球温暖化、冷戦など今までの戦いが起きた時の指導者は不思議と全員男だった。犯罪も多くが犯人は男性である。一方女性は卑弥呼に代表されるように、平和な世の中をつくりだしていた。
そう、すべての厄介ごとは男がリーダーになるから起こるのであった。では何故リーダーは男なのか。それは一般的に男のほうが女より背が高く力が強いのである。もしこれが逆転したら?男が力が弱くなったら?仮設では平和な世界が実現されるだろうということだった。その仮説を証明する間もなくオトコの縮小化が進んだ。
そして縮小の影響で男性の知能も低下し小学生高学年同等程度にまでなってしまった。高度な思考ができなくなり、これにより図らずとも男性を指導者の座から引きずり下ろすことができた。



身長も男性平均身長が120cm程度となり小学三年生の女子の身長にも満たなくなった。男性による性犯罪は一切途絶えた。
しかし男性の縮小化は加速し、2013年には平均身長が40cmにまで縮んでいた。知能も低下し小学生低学年程度にまでなってしまい体格的にも幼稚園児の女子に勝てなくなってしまった。それどころか、チワワや猫、ダックスフンドなどの一般的に愛玩動物とされているものまで男性には天敵となってしまった。
「あたしのねこがにゃん!ってなくだけで怖がってあたしのカバンに潜り込むのよ。ほんと情けないよね男って。」
と20才の男を「飼育」している小学六年生の女子はいう。
この女の子は男性が自ら飼われることを望んだと話す。
「女の子と喧嘩して捨てられたんだって。バカだよね、頭も悪いしちっちゃいんだから男子は私達の言うことおとなしくく聞いてればいいのに。」自分より何歳も年下の女子に抱っこをされ軽々と持ち上げられてしまう屈辱を味わうことになっていた。

一方女子はそれが嬉しくて楽しくてたまらないようだ。
「バイトで託夫所いくんだけど、よくそこでOLがあずける男をあやして遊んでるの。抱っこされると足とかをバタバタさせてすごいもがくんだけどあれって先輩にきいたら抵抗してるんだってね!おっかしくで笑っちゃった。もうちっちゃいし弱いし女にかわいがってもらうくらいしか男って生きていけないよね」
高校一年生の恵は笑いながら言っていた。小さいならば頭を活かせばいいのだがそれも不可能なのだった。
縮小に伴い知能も下がってきて高度な仕事ができなくなりその上小さいので、やれることと言ったらお茶くみくらいしかなかった。といってもいてもいなくてもいいようなもので、
女性は男性に赤ちゃんの服を着せたり、昔のメイドの女装をさせてからかっていた。
「お茶くみなんていうのは建前。
男の子をからかって可愛がってるだけ。あんな小さい体でよちよちと熱いお茶を運ばせたらあの子たちには重いからこぼしてやけどしちゃうでしょ?でもお茶くみで雇ってるのはそうしないと会社から経費でないから(笑)でも会社の上層部もこのことは知ってるんだけどね(笑)」

しかし現在はもっとひどい。昔はまだ雑用の仕事があったのだが最近は縮小が進みお茶の湯のみさえ持てなくなってしまいやれることは靴磨きくらいになってしまった。職場では男性を何人か靴磨きに雇っているところが何個かある。女性によると小さな男が相対的に大きなヒールを必死に磨いているのを見ると滑稽で可愛いらしい。
「22cmしかないあたしのヒールにににのっかってあたしの人差し指の先ぐらいのちっちゃなティッシュの切れみたいな布で必死に拭いてるの。
もうおっかしくて。ちゃんと水拭きしてくれるんだけどその水を組むバケツもおちょこをつかってるの(笑)水はどこからくんでるかって?あたしたちの持ってるミネラルウォーターのペットボトルをあげてるよ。
だって、水道なんて蛇口をひねる力あの子たちにないもん(笑)こんなのあたしなら布でサッとふけるのに30分もかかるんだよ!
あんな必死になってやってるといたずらしてあげたくなっちゃってたまにヒールの上に男子が乗ってる時にわざと足を揺らしてみるの。
そしたらあたしの足に必死にしがみつくんだよ!ほんと可愛いよね!」
もちろん時給は600円とかなり低い。
しかし法律で男性の最低賃金は現在300円と定められているのでこれでも高水準のほうなのである。

街では男たちが靴磨きを一回百円という最低賃金以下ででやらせてくださいと何人もが集まっている。
ところどころで靴を磨いてもらっている女性が見える。なので雇われる方が賃金は高いのである。
なので男性は女性と結婚することが不可欠となり、女性が職場で働き男性が家事を...小さすぎてすることさえできないのでやはり妻が夫を職場に持っていくか託夫所という女子高生、大学生のバイトで運営されているところに預けてもらい過ごすことになっている。

ちなみに知能が低くなったので選挙権もなく法律では家族の責任の大きさは妻>娘>夫>息子と定められている。
娘は生まれた時からすでに男性の身長より大きい上知能も小学一年生になったらこされてしまう。今の男性は小さい上に知能も低いのであらゆる面で女性に劣り庇護を求めるしかなかった。しかし、男性の指導者がいなくなった途端世界では一切争いが起きなくなり平和になっていた。「パパってほんとにちっちゃいんだよ。
掛け算もくくもあたしよりダメだしこの前尻ずもうしたんだけどあたしのおしりと高さが合わなすぎて勝負になんなかったもん」
小学二年の娘はいっていた。法律上、夫の保護者は妻となるがその補助的保護者は娘である。年端も行かない娘に力で負けてしまう屈辱は計り知れないが、娘はたまらなく嬉しいらしい。平和が実現された社会とはいえ、問題がないわけではない。

最近では男性が小さくなりすぎたことによる女性の不注意が原因の事故が多発している。
例えば、町中を歩いていると小さすぎて存在に気が付かずに男を蹴ってしまう小学生や電車で満員の中、女性のカバンから落ちてしまった男性が踏まれて死亡したり挙句の果てには、
カバンの中から可愛い男がさらわれてしまう事件まで起こってしまった。3日前にお気に入りの男の子をさらわれてしまった高校二年生の未沙は
「せっかくピカチュウのきぐるみ着せて遊ぼうと思ったのに!    
怖いのが来たら胸につけた防犯ブザー押しなよって言ったんだけど...
こんなちっちゃくて弱いんなら取り上げられちゃうから意味ないよね。男って女の慈悲のもとで生きてるんだなって実感しました」と悲しそうに語っていた。要は弱くなりすぎた男子は女性に保護してもらわないと死んでしまう可能性があるのだ。