男子の平均身長が60cmの世界。
このぐらいの身長だと、小人というわけでもない。だから女子に負けるときは屈辱も大きい。この世界の男子は女子に勝つことを諦めない。どんなに差を見せつけられても立ち向かっていく。女子はそんな彼らが可愛くて仕方がなくついつい意地悪をしてしまう。
赤ちゃんと同じくらいの大きさなので男子の抵抗を退けることはまさに赤子の手をひねるようなもの。
そんな世界でも、野球は男子の憧れ。
高校にも野球部はあり、球児は一生懸命練習して互いを競い合っている。幼稚園年少の女子より小さい体でも夢は大きく、女子に勝つことだ。
だが、そんな小さな体だから高校生の4番バッターよりも小学生の女子のほうが圧倒的に力が強い。一番小さい女の子と一番大きい男子を比べても男子は女の子の腰にも届かない。どんなに練習しても女子に勝てることはない。
野球をしていく中で男子の中では強くなれるが、練習を頑張れば頑張るほど女よりも下という自覚が芽生えてくる。自分がバットで素振りをしている一方それの二倍はあるバッドを小学校の女子が軽々と振っている。どんなに力が強くても自分の身長よりも長いバットは持てない。女には勝てないのだ。
小学一年生くらいの身長で一生懸命頑張ってるその姿は女子にとってはただ可愛いだけなのだ。(あんなにちっちゃなバットを重そうに振って.....弱すぎ!)(短くてかわいいベースを一生懸命走ってる......)練習を見て女性たちはくすくす笑いながら彼らを応援?している。女なら赤ちゃんでも持てるようなおもちゃみたいなバット、女子の速歩きよりも遅い走りすべてがただただ可愛いペットの芸ぐらいにしかおもわれていない。一生懸命やっても本気を出してない小学校一年生の女の子にも勝つことはできない。
女子の膝くらいしかない小さな男子にとって、球場はとてつもなく大きい。ボールも手が小さすぎて握ることができないし、マウンドからキャッチャーまでボールを届けることができない。ゲームにならないので、規模を小さくした男子用の野球場をつかっている。
ベースもボールも小さい。ベースはふつうの 27.44m間隔ではなく9m間隔。女子なら10歩くらいであるけてしまう距離だ。でも、男子にとってはこれが遠い。
ボールも二回り以上小さくなった可愛いボールを使っている。もちろん男子にとってはこれがちょうどいい大きさなのだ。

本人たちは真剣だが女子にとってはこんなに滑稽なものはないのだ。


一方女子の身長は平均160cm程度。野球は普通のグラウンドを使っている。
キホは女子野球部に入ったばかりの小学五年生。身長は164cm。
「アウト!」キホは向こうから掛け声を聞いた。そういえば、ここの近くで高校の男子が野球部の練習をしているのだった。同じ野球をしている身としてちょっと気になったキホは声のする方に行ってみた。そこでは小さな男たちが一生懸命小さなバットやボールを持って野球をやっているではないか。(あんなにちっちゃいバットを重そうに振ってる...)キホは何だがおかしくなった。この野球部員たちはみんな高校生なのだ。それなのにこんなに小さくて、子供が遊ぶ公園くらいの大きさのグラウンドで野球をしてるんだから。
「お兄さんたち、野球楽しい?」キホはしゃがみながらみんなに声をかけた。
部員たちは驚いてみんな彼女を見た。
そこには膝を曲げてしゃがんでいる大きな女の子がいた。
大きな太ももがスカートに隠されている。彼女を見て部員はキホの大きさに驚いた顔をしている。(うわ、ビックリしてる......ちっちゃいのは君たちなんだけどね☆)
部員たちは彼女の顔を見るためにはしゃがんでもらっているにも関わらずまだ見上げなければいけない。
彼らの目線はちょうど発育中の少しふくらんだ胸と同じ高さだ。
「君たちは毎日練習してるの?えらいね」
しゃがんでるあたしより小さいって...
「ボールもバットもグローブも野球場も全部女子の幼稚園の野球のお遊具よりちっちゃいよ。
やっぱり男の子ってよわっちいんだね☆」
よし、普段筋トレしてる成果を試してやろう。
人差し指で男の子の頭をチョンと押す。
するとすぐに尻餅をついてしまった。
「小学校の下級生に尻もちつかされてるようじゃいつまでも女子には勝てまちぇんね。
幼稚園年少よりちっちゃな可愛いボールで野球頑張ってくだちゃいね」
でもホントのことだもんね。なんでこんなにちっちゃいんだろ。
くやしがってる。でもね、悔しかったらあたしたちより大きくなって見返さなきゃ。
フフ、難しいだろうけどね。 
でもまずそんなにちっちゃい体のままじゃ女には一生勝てないね。
あたしたちが大きいと思ったら大間違いだよ。男は、あたしの大好きな可愛いチワワよりもちっちゃいんだよ?あたしが大きいんじゃなくて男子がちびでよわっちいの。
でもそれでいいのよ。弱くて情けないとこがたまらないの。チワワが吠えたら恐がって、小学生が歩いてきたら隠れてあたしたちの所に守ってもらいに来るなんて可愛すぎだよ。
どうしようもなく弱くてちっちゃいから守ってあげたくなるの。
男が縮小したのってある意味進化だよね。
きっとちっちゃくなって女の子に守ってもらおうって脳が指令を出してるんだよ。
小さくなったら可愛いペットも脅威になるけど、もっと可愛く見えるんだから守ってもらえるんだよ。
しかも最近おっぱいが大きい子増えてきたよね。
これもちっちゃな男の子を挟んで守るためにあたしたちが進化してるんだよ。
だからわざわざ逆らう必要はないのよ?
むしろお姉さんに甘えていいのよ。
弱くてちっちゃいと仕事もしなくていいし
ご飯ももらえるし寝るとこもちっちゃいからいくらでも分けてあげられるよ。
甘えるだけ甘えてもっとちっちゃく弱くなればいいのよ。
そしたら私達ももっと可愛がってあげる。

逆に生意気な男の子は嫌い。おっきい男の子もね。男のくせに女に逆らうような子は素直になるまで容赦なくお仕置きする。
自分の立場が身に沁みると怯えた顔で謝ってくるの。あんなに女なんて簡単にやっつけられるとか生意気言ってた子が服従するのって本当にたまんない!
ごめんね、痛かったよね、ちょっとやりすぎた。大丈夫?
ってあえて優しい言葉をかけてあげるとおいおい泣いちゃう。
そこで頭をなでなでしてあげて女の子に守られることの心地よさと逆らうことの恐ろしさが分かればもう刃向かうことはできないよね。

でもそれは好みの子だったらの話で可愛くない子はそのまま女の子に保護されないでホームレスになるしかない。
猫よりもちっちゃいんだから外は男の子にとっては危険ばかり。外敵から身を守れないほど弱いから夏はともかく脂肪も少ない男子は冬は本当に凍死しちゃう。

もうわかったけと思うけどこの世界は女に
気に入られて飼ってもらわなないといきていくことができない。






女子は男子をからかったら試合を持ちかけられた。

女子と男子では使ってる野球場が違うのでどっちに合わせるか話し合って決めた。
「あたしたちのでやるとちっちゃな君たちは苦労すると思うよ?うふふ、君たちの幼稚園のお砂場みたいな可愛い野球場でやったらあたしたちが圧勝しちゃうと思うけどね」
男子は馬鹿にされたのがしゃくで、女子の野球場でやることにした。


女子の野球場に来た男子たちはその大きさに驚いた。いつもの距離の2倍はある!
というより男子が使っている野球場が小さいのだ。身体が小さいので力も弱く、ボールを遠くに飛ばせないので球場は女子にとって公園くらいの大きさだった。