○穹彩 紫珠(そらい しず)
年齢:10歳(小5)
身長:127 cm
体重:27 kg
趣味:コスプレ、自撮り
好きなもの:アヤお姉ちゃん、スポーツ、困っている人
苦手なもの:お姉ちゃん
登場話:1、2、3、4

 クリクリとした大きな黒目が特徴的な、小動物のような小柄な少女。姉とお揃いの美しい黒髪を気に入っており、伸ばしている。
 両親が仕事で家を空けることが多いため、気立てがよく、自立しており、歳不相応に大人びた面がある。同級生にも男女問わず友人がおり、頼りにされている。
 高校生2年生の姉から、物心つく前より狂気的なまでの歪な愛情を注がれていた。紫珠の気遣い上手な性格は、自分が至らないばかりに姉に心労を与えてしまっているという罪悪感から培われたものでもある。姉のことを恐れているが、半ば贖罪のような感情で、慕っているかのように接している。
 本人は自覚していない(したくない)が、生き物を惨殺することや血を見ることを好む残虐な性分を持っている。かわいい、愛おしいと感じた人や動物が惨たらしく損壊し、グロテスクな様相を晒すことに美的感覚を刺激される。また、自分のそのような性分を親しい人たちが知ったら、どのような目で自分を見るのか気になっており、非難や暴力を受けることを想像して興奮する露悪的な性癖も持ち合わせている。
 非道な性分を生まれ持ちながら真っ当な感性を培っているため、板挟みに苦しんでいるが、それにすらも興奮を覚えている。困っている人が好きなのは、その人を助けようとする一方で、その人が苦しむ様を愉しんでいる外道な自分に酔っているため。
 真莉の実験で、1/100の異世界に飛ばされてしまい、そこで突如襲ってきた兵器を踏み潰す最中、本性を曝け出し始める。異世界でアリスに出会い、追い詰められた様子の彼に惹かれた紫珠は、彼を助けるために虐殺を繰り広げた。その後、元の世界に連れ帰り、真莉の発明品で彼の過去を知ることになった。



○美原 真莉
年齢:10歳(小5)
身長:142 cm
体重:30 kg
趣味:秘密道具の発明
好きなもの:秘密道具のテスト
苦手なもの:子供っぽい人、紫珠の姉
登場話:1(セリフのみ)、2、4

 気怠げな表情を浮かべていることが多い紫珠のクラスメイト。ドリルのような巻き毛のツインテールは一見派手だが、髪色は色素が抜けて白金色になっており、瞳も色の薄い水色。なにを考えているのかわからない、どこか虚ろな雰囲気の漂う少女。
 紫珠のクラスに春から転校してきた帰国子女。家は大豪邸で、地下にはさらに大規模な研究施設が建造されている。10歳でありながら、物理法則を捻じ曲げる様々な発明品を開発しているが、それらはすべて遊び(紫珠を実験台にしたテスト)に使われるため世に出ることはない。
 転校してきたときに初めて声をかけてきた紫珠ぐらいとしか積極的に関わろうとしない。紫珠の紹介で、綾を雑用として雇っている。紫珠の姉とも面識はあるが、紫珠に向けられた歪な愛情の巻き添えを食らっており、苦手としている。
 紫珠が異世界に飛ばされる原因を作った張本人。紫珠がアリスを連れ帰ったあとも、言語翻訳の装置を作ったり、彼の記憶を調べたりと、色々している。



○鷹田 綾(たかだ あや)
年齢:20歳(大学2年生)
身長:188 cm
体重:71 kg
趣味:身体を動かすこと
好きなもの:かわいいもの、おもしろそうなもの
苦手なもの:特になし
登場話:4

 穹彩家の近所に住んでいる大学生。紫珠が物心ついた頃からの付き合いで、両親が不在がちな穹彩家で家事を手伝ったり、家に泊まったりすることもよくあった。運動神経抜群且つ、体格に恵まれており、バレーボール部に所属。サッカーも好み、格闘技の心得も多少ある。紫珠の紹介により、コスプレのようなメイド服を着て真莉の家で雑用諸々のバイトをしている。
 茶髪の髪をサイドテールに括っている。また、いつも目を見開いて好奇心旺盛な猫のような表情を浮かべている一方で、感情の起伏が全く感じられず、フレンドリーな態度とは裏腹にある種の不気味さを感じさせる。
 紫珠からは実の姉のように慕われ、綾も紫珠のことを妹のようにかわいがっている。一方で紫珠の実姉からは殺意を込めた嫉妬を向けられているが、本人は全く気にしておらず、彼女のことを“ちょっとかまってちゃんな妹”くらいにしか認識していない。それが紫珠の姉の怒りに拍車をかけていると気づいているにもかかわらず。
 おもしろそう、の概念がややずれている。彼女が穹彩姉妹と親しいのは、紫珠の残虐な本性と、その姉の狂気に興味を持っているからである。



紫珠が訪れた異世界の住人
 男性も女性も皆、女の姿をしており、生殖器以外の性差がほとんど存在しない。また、肉体の成長も20前後で止まる。実は、人や物の大きさは紫珠の世界と同じなのだが、真莉の調整不足により転移時に位相のずれが生じており、100倍の補正が掛かってしまっている。

●アリス
年齢:23歳
身長:164 cm
体重:50 kg
登場話:1、2、3、4、5、8

 大陸の東の大国ワンダの王子。陽光のような金髪と、ドールアイのような鮮やかな蒼い瞳の美貌の持ち主。
 良くも悪くも凡人。兄妹のように育ったチェルシーとシャーロットを大切に思っており、彼らのためを思って勇敢な行動に出ることもあるが、無謀。ワンダでは軍の指揮系統の最高位に位置する官職に添えられていたが、家柄による特権階級であり、実務はほとんど副官のリデルに投げっぱなしだった。
 リデルの企てに気づくことなく、クーデターを起こされて両親も地位も失い、シャーロットを操るために人質として軟禁されていた。敵襲で周囲が混乱した隙を突き、脱出したところで、紫珠と出会う。自分一人でなんとかすると言いつつ、内心死んでも構わないと思っていたが、それが紫珠の嗜虐的な本能をくすぐり、介入を許してしまった。



●シャーロット
年齢:17歳
身長:152 cm
体重:47 kg
巨人兵時×50
身長:76 m
体重:5900 t
登場話:2、4、5、6、7、8

 亜麻色の髪をポニーテールに括った、ツリ目気味の少女。身体はやや未発達で、スレンダー。
 アリスの幼馴染の少女で、兄共々、アリスとは兄妹同然に育ってきた。その過程でアリスに恋心を抱いている。巨人兵化時はライトグリーンのインナー、黒いレオタードとロンググローブ、モスグリーンのサイハイソックスやプロテクターを着用する。
 アリスの側仕えとして働きつつ、軍人になった兄と比較して、自分はアリスのために何の役にも立ってあげられないという劣等感を抱いていた。後に、巨人兵化の適性があると判断され、最初の被検体となった。強気な態度に出ることもあるが、それは自信のなさの裏返し。本来は臆病な性格で、それゆえに軍隊にも入れなかった。巨人兵化後も情緒不安定で、西の大国に侵攻した際はほとんど暴走状態だった。
 リデルのクーデターの際に兄を殺され、その後はアリスを人質に取られたまま、精神的にも肉体的にも限界を越えながら最前線で戦わされていた。アリスが脱出したあとは、彼と共に紫珠の世界へ持ち帰られてしまった。



●チェルシー
年齢:22歳
身長:168 cm
体重:59 kg
巨人兵時×50
身長:84 m
体重:7400 t
登場話:5、6、7、8

 亜麻色の髪を三つ編みに括った、温和な顔立ちの青年。健康的に鍛えられた身体、形の良い美乳と美尻の持ち主。
 アリスの幼馴染の少年で、妹共々、アリスとは兄弟同然に育ってきた。アリスの事を慕っていたが、シャーロットが巨人兵になることを止めなかった(そもそも関与していなかった)ことについては恨めしくも思っている。巨人兵化時はすみれ色のインナー、黒いレオタードとロンググローブ、紫色のサイハイソックスとプロテクターを着用する。
 軍には元から所属しており、巨人兵の適性を見出された際は、先に巨人兵となった妹を守るために巨人となる。兵士として命懸けで戦ってきた経験がある分、巨人兵の暴虐的な力で人や兵器や街を踏み躙ることには抵抗があった。しかし巨人兵化の副作用による精神汚染が進むにつれて、今まで敵わなかった敵の要塞を身体一つで解体することや、敵国を蹂躙することに快感を覚え始める。
 リデルのクーデターの際、アリスを守ろうとしたシャーロットを守るため、全力で戦ったのだが、100倍体巨人兵のイーディスに心臓と股間を踏み潰され、絶命した。



●リデル
年齢:28歳
身長:150 cm
体重:47 kg
登場話:5、6(セリフのみ)、8

 金属質な長い銀髪、人工物のような白い肌、警告灯のような赤い瞳が見る者に不安を刻む、冷徹な雰囲気の男。ただし肉体的には10代半ばの幼女。軍服のような黒いブレザー服、ミニスカート、官帽を着用し、白いニーソックスと黒いエナメルロングブーツを履いている。
 アリスの副官として軍務の大部分を引き受け、巨人兵の製造や部隊の運用も取り仕切っていた。
 アリスの父(ワンダの国王)と妾の間に生まれた子で、本来は生まれたばかりの妹共々、人知れず始末されるはずだった。しかし始末を命じられた者は情けをかけ、母だけを始末して兄妹を逃がした(兄妹の顔を知る者が王も含めてほとんどいなかったというのも理由の一つ)。
 身分を隠して軍に入ったあとは実力で昇進し、巨人兵の指揮権を得るまでに至る。その後は、適性のある自らの妹イーディスと友人のロリーナを秘密裏に巨人化させ、クーデターを起こした。



●リズ
年齢:18歳
身長:170 cm
体重:54 kg
巨人兵時×50
身長:85 m
体重:6750 t
登場話:6、7、8

 ウエーブのかかった金髪が美しい、凛々しい顔立ちの少女。巨人兵化時の装備が非常に多い。グレーのインナー、黒いレースのパンツとガーターストッキング、その上からグレーのハイソックスを重ね履き。パンツが丸見えになるような前開きの黒いドレスを着て、さらに胸当て、腰回りのトンレット、すねのクリーブ、顔のバイザー、そして鋭利なガントレットを身につけている。
 財閥の令嬢だったが、関連会社が開発した油田を西の大国が襲撃した際、父を失う。巨人兵の適性を見出され、復讐に燃える彼女は躊躇なく承諾。学校を退学して巨人兵となった。
 シャーロット、チェルシー、ミコトと共に西の大国を滅ぼした。クーデターの際にはリデルの尖兵として官邸を踏み潰し、王族を襲った。最後は母校を蹂躙しながらシャーロットと取っ組み合い、チェルシーに絞め落とされた。死んではいない。



●ミコト
年齢:?
身長:167 cm
体重:49 kg
巨人兵時×50
身長:84 m
体重:6125 t
登場話:6、7、8

 大陸の人種ではないと思われる黒髪の少女。巨人兵化時は、黒い羽織り、紫のミニ袴、紫のリボンをあしらった黒いニー足袋を身につけている。出自、経歴共に謎多き少女。
 人間も含む、生き物を踏み潰すことに何の抵抗も持たない。そのような行為を心から愉しんでいる残虐な性格。
 シャーロットたちと共に西の大国を滅ぼした。クーデターの際はリデルの側に付き、チェルシーと戦った。その際、自らを神様と自称し、“面白そう”という言葉を残して突如姿を消した。
 後に、世界のどこにも存在しない空間で“神様”と対峙しながら“この世界の続きが楽しみだ”という旨の発言をしていた。



●イーディス
年齢:25歳
身長:145 cm
体重:44 kg
巨人兵時×100
身長:145 m
体重:44000 t
登場話:8

 片目隠れの銀髪ショートヘアで表情を隠した、ミステリアスな雰囲気の少女。リデルの実妹。兄と同じく未発達低身長なつるぺたボディ。巨人兵化時はラベンダー色のインナー、蒼いレオタードとロンググローブとサイハイソックスと着用する。
 言葉遣いは丁寧だが、慇懃無礼。それは王の妾の子として生まれ、命まで脅かされたことによる、身分の高い者への皮肉が込められている。
 兄の友人であり、彼ら兄妹を逃がした者の息子であるロリーナから、一目惚れされる。彼の家柄を利用しようとしたイーディスは、その身を捧げてロリーナを篭絡した。リデルの昇進に少なからず影響している。
 リデルによって秘密裏に巨人化されていた。小柄かつ細身で、身体能力は低いほうだが、100倍体という、巨人兵として最高のポテンシャルを誇る。クーデターの際には父親に復讐を果たした後、チェルシーを圧倒して息の根を止めた。



●ロリーナ
年齢:20歳
身長:198 cm
体重:80 kg
巨人兵時×50
身長:99 m
体重:10000 t
登場話:8

 燃えるような橙色のセミロングヘアが目を惹く、妖艶な美貌の持ち主。見上げるような長身と、鍛え上げられた肉体、艶めかしい胸から尻にかけてのダイナミックな曲線、男と女の肉体美を一つにしたかのようなボディの男性。巨人兵化時はオレンジ色のインナー、紅いユニタードとロンググローブとハイソックスを着用する。
 男性に対しても女性に対しても相手を誘惑するかのような言動を取り、精神的優位に立つ高圧的な人物。自身の肉体が相手に威圧感を与えることを自覚しており、他者を痛めつけたり、恐れられたりすることを快楽としている。また生粋のペドフィリア。しかし、力づくで打ち負かされたリデルには比較的従順であり、べた惚れしているイーディスの前ではドMになる。
 リデルとシャーロットを逃がした王族に使える家の息子であり、始めは正体を知らずに軍でリデルと知り合った。彼とはライバル関係でありつつ交友を深め、その妹のイーディスと知り合い一目惚れした。彼女に篭絡されていくうちに、リデルの復讐の手駒に加えられる。
 イーディスと共に秘密裏に巨人化されていた。元の身体能力や体格ゆえに、戦闘能力は極めて高く、クーデターではシャーロットを圧倒した。






●イヴ/神様(仮称)
年齢:?
身長:推定168 m
体重:推定6100 t
登場話:5、8

 ワンダの領土内で発掘された巨大な繭。それは、ウェディングドレスのような純白の衣装を身にまとう巨大な女を包み込んでいた。黄金のような金属光沢のある髪と、石膏像のような白い肌、そのなかに鮮血を込めたような紅い瞳が映える。身体に密着するドレスの上半身や、ロンググローブはサテン生地のような光沢を放ち、脚に履いた白タイツには金糸で薔薇の刺繍が施されているなど、身につけた衣装からは気品が漂っている。
 イヴと名付けられた彼女の体液を注入された人間は、適性があれば巨人兵となる。心臓が永久機関と化しているため、食事も排泄も必要ない。ゆえに、巨人兵には心臓と生殖器以外の内臓が存在しない。首を切断されて脳へのエネルギー供給が止まるか、頭と心臓のどちらかを破壊されない限り、決して死ぬことはない。肉体の欠損すらもまたたく間に再生してしまう。
 シャーロットを始めとする巨人兵たちが初めて巨大化した際、夢の中にイヴそっくりの女が現れていた。自身を神様と称し、今あるこの世界を創ったのは自分で、巨人兵たちが人類を滅ぼすのを楽しみにしていると語った。