〇穹彩 蒼乃(そらい あおの)
年齢:17才(高2)
身長:160 cm
体重:52 kg
趣味:小動物を殺すこと、紫珠を可愛がること
好きなもの:自分より弱いもの、小さくて幼い女の子
苦手なもの:綾、大人、男性
登場話:9、10

 背に掛かる滑らかな黒髪が目を惹く絵にかいたような大和撫子。ただし胸はかなり大きい方。そのため、異性の目を気にしており、肌の露出を極端に嫌っている。夏でも赤いラインが入った長袖の黒セーラー、80デニールの黒タイツを着用しており、黒いリブハイソックスを重ね履きしている。家でもそのまま制服姿でいることが多い。休日は長袖のブラウスやカーディガン、膝丈スカート、黒タイツという地味な格好をしている。
 端正な顔立ちと落ち着いた服装から、清楚な印象を受ける少女。学区内一の進学校に通っており、成績も優秀。穏やかで物腰も柔らかく、異性からの評価も高い。が、それらは社会のコミュニティで生きていくための化けの皮。謙虚な姿勢や気が利く振る舞い、物静かな様子は全て、スクールカースト上位に位置する強者からターゲットにされないための防衛手段に過ぎない。
 自分より大きい者、強い者に対して、恐怖と嫌悪感を抱き、暴れ出したくなる衝動を必死に押さえつけながら媚びへつらって生きる日々に疲れ果てている。
 一方、自分より弱いものに対しては残虐な本性を剥き出しにする。日々、小動物や昆虫を嬲り殺したり、妹の紫珠に虐待を加えたりすることで、精神的安定を保っている。特に弱い人間を嬲ることは、小動物や昆虫を殺すのとは全く異なる快感が得られるため、罪悪感に付け込んで自分に逆らわない紫珠のことは“慰み者”として大切に思っている。
 紫珠と親しい、近所に住む綾のことは、大切なおもちゃ(=紫珠)を取り上げようとする敵として認識しており、事あるごとに煽ってくるその態度に殺意すら抱いている。しかし、恵まれた体格と運動能力の綾に対して恐怖も抱いており、普段は必死に怒りを抑え込んで接している。
 帰りが遅くなった紫珠を、心配させた罰として強姦していた際、アリアによって異世界に引き摺り込まれた。一度はリズに踏み潰されて命を落としたものの、“力”に目覚めた紫珠によって蘇生、そして巨大化。小さな人間とその街を蹂躙する快感を覚えていく。本性を曝け出した紫珠と共に、イーディス、ロリーナ、その子供たちを食い殺した。その後、“力”に目覚めたことで蒼乃の本性や、平行世界での自分に対する所業を知り、激昂した紫珠によって惨殺された。後に紫珠に“力”によって再構築されている。



○鷹田 綾(たかだ あや)
年齢:20歳(大学2年生)
身長:188 cm
体重:71 kg
趣味:身体を動かすこと
好きなもの:かわいいもの、おもしろそうなもの
苦手なもの:特になし
登場話:4、9、10

 穹彩家の近所に住んでいる大学生。紫珠が物心ついた頃からの付き合いで、両親が不在がちな穹彩家で家事を手伝ったり、家に泊まったりすることもよくあった。運動神経抜群且つ、体格に恵まれており、バレーボール部に所属。サッカーも好み、格闘技の心得も多少ある。紫珠の紹介により、コスプレのようなメイド服を着て真莉の家で雑用諸々のバイトをしている。
 茶髪の髪をサイドテールに括っている。また、いつも目を見開いて好奇心旺盛な猫のような表情を浮かべている一方で、感情の起伏が全く感じられず、フレンドリーな態度とは裏腹にある種の不気味さを感じさせる。
 紫珠からは実の姉のように慕われ、綾も紫珠のことを妹のようにかわいがっている。一方で蒼乃からは殺意を込めた嫉妬を向けられているが、本人は全く気にしておらず、彼女のことを“ちょっとかまってちゃんな妹”くらいにしか認識していない。ちなみに、それが蒼乃の怒りに拍車をかけていることには気づいている。
 倫理観が少しずれている節もあり、必要となれば人を傷つけることにためらいがない。しかし穹彩姉妹のことは本当に大切に思っている。
 バレー部の朝練中、アリアによって異世界に引き摺り込まれた。紫珠を助けるため、丸腰でワンダの兵士たちに立ち向かったが、何発もの銃弾を浴びて死亡。しかし“力”に目覚めた紫珠によって蘇生、巨大化する。その後は、自分を射殺した兵士たちを片っ端から踏み潰し、蒼乃たちを探して街中を歩き回る。人を踏み潰すことになんの感情も抱いておらず、平然と大量虐殺を繰り広げていたが、紫珠の再巨大化に巻き込まれて再び死亡。後に紫珠の“力”で再構築されている。






“力”に目覚めた少女たち
 世界の過去と未来、あらゆる世界線に存在する全ての情報を観測し、自由自在に干渉、改変することができる、神の如き力を得た少女たち。新たな世界を創造することも可能。他の少女が創った世界に干渉することもできるが、2者以上の少女の力が干渉、競合すると、世界が不安定化し、異常な現象が多発する。
 より上位の領域の存在に選ばれ、その分身である“白い少女”と接触することによって“力”を得る。上位存在には、人の理解が及ぶような自我も意志も目的もなく、少女の選択の基準も不明。
 “力”を大規模に解放する際は、自分が想像する神のイメージに近い姿に変化する。



○穹彩 紫珠(そらい しず)
年齢:10歳(小5)
身長:127 cm
体重:27 kg
趣味:コスプレ、自撮り
好きなもの:アヤお姉ちゃん、スポーツ、困っている人
苦手なもの:お姉ちゃん
登場話:1、2、3、4、9、10

 クリクリとした大きな黒目が特徴的な、小動物のような小柄な少女。姉とお揃いの美しい黒髪を気に入っており、伸ばしている。
 “力”を使用する際は蒼乃そっくりの姿になるが、目つきが鋭く、体型も引き締まっている。これは、紫珠がイメージする自分の成長した姿が、おおよそ蒼乃の姿であるため。
 両親が仕事で家を空けることが多いため、気立てがよく、自立しており、歳不相応に大人びた面がある。同級生にも男女問わず友人がおり、頼りにされている。
 蒼乃から、物心つく前より歪な愛情を注がれていた。紫珠の気遣い上手な性格は、自分が至らないばかりに蒼乃に心労を与えてしまっているという罪悪感から培われたものでもある。蒼乃のことを恐れてはいるが、半ば贖罪のような感情で、慕っているかのように接している。ただし、蒼乃はその感情に付け込む形で虐待じみたスキンシップを行っている。
 友人が多く、周囲から慕われる人懐っこい少女だが、生き物を惨殺することや血を見ることを好む残虐な性分を生まれながらにして持っている。それはいけないことだと理性では理解しているため、板挟みに苦しんでいる。
 また、自分のそのような性分を親しい人たちが知ったら、自分をどのような目で見るのか興味を抱いており、自分が今まで築いてきた信頼や人間関係が破壊されるのを想像して興奮するという、破滅願望的な嗜好も持ち合わせている。困っている人が好きなのは、その人を助けようとする一方で、その人が苦しむ様を愉しんでいる外道な自分に酔っているため。
 今は、学校生活の中で真っ当な感性を身につけたため集団に溶け込んでいるが、生来の残虐性は変わらない。無意識のうちに、己の欲望を解放する機会を窺っている。
 異世界でアリスと共に捕まり、処刑されたが、真莉と接触していたため“力”に目覚めた。その後は蒼乃、綾、アリスを巨大化させ、一国を蹂躙。本格的に“力”に目覚めた後は、アリアやミコトと共に星を破壊しながら仲間に誘われるが、真莉によって引き離されてしまった。
 その後は、蒼乃、綾、真莉との4人で元の世界に帰った。紫珠の手の内に収まってしまった世界の運命は……。



●アリア
年齢:23歳(“力”に目覚めた時の年齢)
身長:168 cm
体重:56 kg
趣味:人類を滅ぼすこと
好きなもの:破壊、殺戮、友達
嫌いなもの:自分の思い通りにならないもの、“白い少女”
登場話:5、8、9、10

 ワンダの領土内で発掘された巨大な繭。それは、ウェディングドレスのような純白の衣装を身にまとう巨大な女を包み込んでいた。黄金のような金属光沢のある髪と、石膏像のような白い肌、そのなかに鮮血を込めたような紅い瞳が映える。身体に密着するドレスの上半身や、ロンググローブはサテン生地のような光沢を放ち、脚に履いた白タイツには金糸で薔薇の刺繍が施されているなど、身につけた衣装からは気品が漂っている。
 イヴと名付けられた彼女の体液を注入された人間は、適性があれば巨人兵となる。心臓が永久機関と化しているため、食事も排泄も必要ない。ゆえに、巨人兵には心臓と生殖器以外の内臓が存在しない。首を切断されて脳へのエネルギー供給が止まるか、頭と心臓のどちらかを破壊されない限り、決して死ぬことはない。肉体の欠損すらもまたたく間に再生してしまう。
 その正体は、アリスたちの異世界を管理している少女。かつて人だった頃の経験で、人間に対して激しい憎悪を抱いており、何度も世界を創っては滅ぼしていた。今回は、自分の力の一部を人間たちに与えて巨人兵を造らせ、その力を持て余して人類が滅亡する様を見物するつもりだった。
 自分のことを神と自負しており、自分の創造物である世界の住民たちの命などなんとも思っていない。常に自分が女神としてイメージする神々しい姿をしている。
 “力”を得たことによって、世界のすべてを知ることができ、世界のすべてを思うがままにできる。それゆえに、存在することに飽きてしまい、時間の概念が消えた無限の時の中で、精神が朽ち果てる寸前だった。そんなときにミコトと出会い、自分の観測や干渉が通じないミコトの管理下の世界で過ごしながら、自我を取り戻した経験がある。そのため、同じ“力”を持つ少女には強い仲間意識を抱いている。加えて執念深い性格もあり、友人になる誘いを突っぱねた紫珠には恨みを抱いている。



●ミコト
年齢:15歳(“力”に目覚めた時の年齢)
身長:167 cm
体重:49 kg
趣味:街や星や世界を破壊しながらのオナニー
好きなもの:別の少女が創った世界
嫌いなもの:人間だった頃の記憶
登場話:6、7、8、10

 大陸の人種ではないと思われる黒髪の少女。巨人兵化時は、黒い羽織り、紫のミニ袴、紫のリボンをあしらった黒いニー足袋を身につけている。出自、経歴共に謎多き少女。
 人間も含む、生き物を踏み潰すことに何の抵抗も持たない。そのような行為を心から愉しんでいる残虐な性格。
 その正体は“力”を得た少女。“力”を得た後は自分が生まれた世界を滅ぼし、世界の外側の領域を彷徨っていた。その際にアリアと出会い、友人になった。その後はアリアが創った世界で、周囲の人々の認識を操作しながら、様々な人物を演じて過ごしている。
 誘いを突っ撥ねた紫珠を恨むアリアと違い、特に気にしてはいない。アリアの目を盗んで、紫珠の世界に遊びに行こうかとも思っている。
 “力”を使用する際は、髪が青白く輝いて揺らめき、肌から血の気が失せ、爪と牙と2本の角が生え、鬼のような姿に変わる。それがミコトのイメージする破壊神の姿である。
 ちなみに、ふたなり。



○美原 真莉
年齢:10歳(小5)
身長:142 cm
体重:30 kg
趣味:秘密道具の発明
好きなもの:秘密道具のテスト
苦手なもの:子供っぽい人、紫珠の姉
登場話:1(セリフのみ)、2、4、9、10

 気怠げな表情を浮かべていることが多い紫珠のクラスメイト。ドリルのような巻き毛のツインテールは一見派手だが、髪色は色素が抜けて白金色になっており、瞳も色の薄い水色。なにを考えているのかわからない、どこか虚ろな雰囲気の漂う少女。
 紫珠のクラスに春から転校してきた帰国子女。家は大豪邸で、地下にはさらに大規模な研究施設が建造されている。10歳でありながら、物理法則を捻じ曲げる様々な発明品を開発しているが、それらはすべて遊び(紫珠を実験台にしたテスト)に使われるため世に出ることはない。
 転校してきたときに初めて声をかけてきた紫珠ぐらいとしか積極的に関わろうとしない。紫珠の紹介で、綾を雑用として雇っている。紫珠の姉とも面識はあるが、紫珠に向けられた歪な愛情の巻き添えを食らっており、苦手としている。
 あらゆる世界の少女の前に現れ、超常の“力”を与える存在。ただし本人にその自覚はなく、あくまで異能の力を持ちつつもその世界の住人として存在している。現れるマリはすべて別人。ただし、年齢差はあるものの、外見はおおよそ酷似している。
 紫珠を選択し、力を与えた。少女に力を与えた後は、役目を終えて消滅するはずの存在なのだが、紫珠が拒んだため、未だ存在し続けている。






紫珠が異世界を再構築したあとの後日談

●アリス
年齢:23歳
身長:164 cm
体重:50 kg
登場話:1、2、3、4、5、8、9、10

 父の死後、国王の座を正式に引継いだ。巨人兵による圧倒的軍事力を恐れた各国の連合軍から、リデルと共に祖国を守っている。



●シャーロット
年齢:17歳
身長:152 cm
体重:47 kg
登場話:2、4、5、6、7、8、9

●チェルシー
年齢:22歳
身長:168 cm
体重:59 kg
登場話:5、6、7、8

 巨人兵になっていない。兄妹揃って、アリスに秘書官として仕えている。



●リデル
年齢:28歳
身長:150 cm
体重:47 kg
登場話:5、6(セリフのみ)、8、9、10

 軍の最高指揮官として、アリスと共に祖国を守っている。自身も巨人兵になっているが、ロリーナとイーディスに対する抑止力としての面が強く、前線に立つことは少ない。



●ロリーナ
年齢:20歳
身長:198 cm
体重:80 kg
登場話:8、9、10

●イーディス
年齢:25歳
身長:145 cm
体重:44 kg
登場話:8、10

 リデルの指揮の下、連合軍相手にほぼ2人だけで互角以上に渡り合い、様々な国を壊滅させている。また、巨大化の倍率が自由自在になったため、人としての生活も送ることができ、精神状態もかなり安定している。結婚しており、子を作るつもりもある。



●リズ
年齢:18歳
身長:170 cm
体重:54 kg
巨人兵時×50
身長:85 m
体重:6750 t
登場話:6、7、8、9、10

巨人兵になっていない。国内最高峰の学園に通い、勉学に励んでいる。父を連合軍の攻撃で失ったが、後にその国を壊滅させた巨人兵を英雄視している。