俺は巨大娘の入っているカゴの側に腰掛け、育て方手引書を見ていた。
彼女も気になるのか前屈みになって俺の手元をジ〜ッと見ている。

「おい、暗くて見えないじゃねぇか?」

笑いながら頭を掻きながら彼女は元の体育座りの体勢に戻った。
微妙に内股になっている。やべ、どうしても見てしまう。
俺は理性を保ちながら手引書に目を戻した。
手引書には彼女を育てる前にやることが書かれていた。

一、彼女には名前がありません。可愛い名前を付けてあげましょう。

「名前か・・・」

再び彼女に目をやる。
相変わらずの体育座りだ。
カゴはそんなに狭くはない。彼女が立っても大丈夫なほどだ。
なぜ体育座りなのだろうか・・・
ま、それは措いといて、名前を決めよう。

「えっと・・・そうだ!!小百合なんてどうだ?」

彼女に尋ねてみる俺。しかし、彼女は首を横に振った。
気に入らなかったらしい。

「じゃあ・・・和美は?」

首を横に振る。やっぱりダメみたいだ。
以外に我が儘だな・・・

「じゃあお前は何がいいんだ?」

「私には友里香って名前があるの!!だからそれ以外の名前は嫌!!」

「そっか、じゃあ今日から俺はお前を友里香って呼ぶよ。」

「うんいいよ!!ねぇねぇ君の名前は?」

「俺か?俺は一馬だ。」

「じゃあ私君を一馬君って呼ぶ♪」

「お、おい!!君付けはやめろ!!せめて一馬って呼んでくれ!!」

「じゃあ一馬♪」

「よ〜し」

なんだかんだ言っていた俺だが、案外面白くなりそうだ。