~第5章 略奪(その1) 強制拉致~


工藤由加里は4人を処分した翌日、何事も無かったかのように出勤した。
会社では、大木昇一、池田直哉、小島浩志、沢村慎二の4人が無断欠勤していて連絡も取れない事で少々ざわついていた。
由加里はその様子を見て、心の奥でほくそ笑んでいた。そして、自身のお腹に手を当てて想像していた。

由加里:(フフ・・・4人とも私に食べられてもう身体の一部になっちゃってるわね。)

そして、今日は横山直樹を何としても自分の物にしたい、その機会を伺っていた。


この日の午後、由加里は会社のリフレッシュ室の一角で、横山直樹と尾本清佳が何やら口論しているのを見つけ、2人に見つからないように陰からこっそり見ていた。
どうやら様子を見る限り、清佳が直樹を上から見下ろし罵っているようであった。怒りの形相を見せている清佳を直樹が何とか宥めていた。
そして、遂に尾本清佳は横山直樹に張り手を浴びせた。小柄な直樹は由加里と同じくらい大きな清佳にビンタされて吹っ飛ばされてしまい、怒った清佳はそのままその場を立ち去った。
そこで、由加里は偶然を装い直樹に近づいた。

由加里:「横山くん、大丈夫・・・?」

由加里は手を差し伸べ倒れている直樹を起こした。

「あ、大丈夫です・・・由加里さん、ありがとうございます。」

彼は申し訳なさそうに彼女に軽くお礼をした。

由加里:(凄く軽くて小さい・・・)

彼女は改めて彼の小柄さを感じた。そして、自分との体格差から見て容易に包み込める、抱き締める事が出来る事を認識した。
そして、由加里は直樹の耳元で囁いた。

由加里:「ねえ、今日、仕事終わった後ちょっといい?話したい事があるの。」

こうして彼女は上手く彼を誘き寄せる事に成功し、仕事が終わった後にこの場所で待ち合わせる事を約束した。


この日の業務終了後、工藤由加里は横山直樹が来るのを待っていた。そして・・・

「由加里さん、話って何ですか?」

直樹が来ると、由加里は立ち上がり、そして上手く彼を壁側へ誘導し、更に彼女はその大きな身体で彼に迫った。
横山直樹は工藤由加里の巨体の迫力に威圧感を感じながらも平静を装った。

由加里:「実はね・・・私、横山くんの事が好きなの。」

由加里は長い腕を直樹の肩に回し、上から見下ろしながら伝えた。
彼は彼女の突然の告白に驚きながらも答えた。

「え?いや、由加里さんの気持ちは嬉しいのですけど、僕には清佳さんがいるし・・・」

その話している最中、由加里は直樹を抱き締めて、彼の顔を自分の胸に押し付けた。

(うわ・・・苦しい。しかもやっぱり由加里さん臭い・・・)

彼はそう思ったが、女性に対して失礼になると思い言葉にしなかった。しかし、この気遣いが結果的に彼女の行動をエスカレートさせてしまう・・・

由加里:「それは知ってるわ。でも、清佳とあまり上手くいってないのでしょ?今日も清佳に張り倒されてたし。」

そして、彼女は彼を持ち上げ、顔を近づけた。直樹の目の前には由加里の大きな顔、分厚い唇が迫り、更に長い髪が彼の顔を覆っていた。

由加里:「ねえ、横山くんは大きな女の人が好きでしょ?私だったら優しく包み込んであげるわよ。それに”由加里さん”って下の名前で呼んでくれる所も嬉しかったわよ。」

彼は彼女に全てを見られていた事、それから心の中まで読まれていた事に少々驚きと怖さを感じた。
横山直樹は確かに自身が小柄な事もあって、大きい女性に対して憧れがあった。そして、職場の先輩であり185cmの長身である尾本清佳に憧れ、告白して付き合う事になったのだが
気が強い彼女との喧嘩が絶えなかった。そして、小さな彼は大きな彼女にいつも力でねじ伏せられ負かされてしまっていた。

直樹は由加里の思いと優しさを感じつつも、やはり体臭のきつい彼女はタイプではないので何とか彼女から逃れようとしたが振り解こうとすればする程、由加里は直樹を強く抱き締めた。
しかも彼女に持ち上げられ宙ぶらりんになっている彼には最早彼女から逃れる術が無かった。

由加里:(ウフフ・・・もう逃がさないわよ。)

「由加里さん、苦しい~止めて下さい・・・」

彼は彼女の強烈なハグに全身を痛めつけられ、苦しくなって伝えた。しかし彼の身体の自由を奪っているという優越感を感じている彼女の行動をもう止められなかった。

由加里:「ウフフ、キスしてあげる。」

工藤由加里は上から覆い被さるようにして横山直樹にキスをした。彼の顔の下半分を埋め尽くすかの如く。そして、大きな舌を彼の口に入れて濃厚な唾液を流し込んだ。
ある思いを念じながら・・・

由加里:(・・・小さくなあれ・・・)

直樹は由加里の唾液を多量に飲まされて気を失ってしまった。そして、彼の身体はみるみるうちに小さくなっていった。
そして、工藤由加里は約100分の1サイズの1.5cm程度に小さくした横山直樹を手のひらに乗せて呟いた。

由加里:「フフ・・・これで横山くん、いや、直樹はもう私の物。二度と離さないわ。」

由加里はニヤリと不敵な笑みを浮かべながら、直樹を自身の胸ポケットに閉じ込め、自宅へ帰宅した。