第3章~ストーカー男との再会


試作段階である改良版の食用小人男の試食を終えた後、渡部由美、南澤美穂は是非とも見せたい物があり、その「見せたい物」を入れているケースを高梨紀子の前へ差し出した。

由美:「紀子、これよ。どう?見覚えないかしら?」

紀子はそのケースの中を覗き込んだ。そこには1人の小さな男が入れられており、じっくり眺めているとフッと思い出した。

紀子:「もしかして、これって・・・?」
美穂:「そう、ヤツを小さくしてここへ閉じ込めてるのよ。」

そこに閉じ込められている男は坂本匡志といい、学生の頃、紀子にしつこくつきまとっていた男であった。
高梨紀子は坂本匡志に別に興味なかったため避けていたのだが・・・それでもその男は諦めずにしつこく近づき、つきまとっていた。
卒業してからはようやく離れる事が出来たのだが、それでも学生当時の不快感はなかなか拭う事が出来なかった。
そして、その男が今、縮小された状態で自分の目の前に・・・紀子はニヤリと笑った。

紀子:「ウフフ・・・お久しぶりね、坂本くん。」


高梨紀子は学生時代から究極の美貌にスラリとした長身、抜群のスタイル、そして頭脳も明晰と誰の目から見ても完璧なほどの美女であった。
坂本匡志は大学時代、そんな高梨紀子に一目惚れし、何とか付き合いたい、近づきたいと思いアタックし続けていた。どれだけ嫌がられ、避けられても諦められず。
大学卒業後は離ればなれになってしまい、悶々とした日々をずっと過ごしていた。ずっと紀子の事を諦めきれず。
既に紀子がいない事が判っていても、卒業後も何度かふらっと大学構内をブラブラとすることもあった。まるで憧れである高梨紀子の残像を探すかのように。
しかし、紀子が学生時代からこのストーカー男につきまとわれ困っている事を知っていた由美、美穂は、常々、坂本匡志の動きに目を付けていた。

そして、男性食料化計画が施行された後、匡志は女性に見つかって縮小されないように、或いは巨大化した女性に捕まって食べられてしまわないように、必死に逃げていた。
しかし、遂に、2人の大きな女性に捕まってしまった。そう、言うまでも無く渡部由美、南澤美穂の2人である。

由美:「貴様は学生時代に紀子につきまとっていた男、坂本匡志よね!私たちに捕まった以上、もう逃げられないわよ!」
美穂:「私たちに捕まったらどうなるか?判ってるわね!覚悟しなさい!」

坂本匡志は見上げるほどに大きな渡部由美、南澤美穂の巨体に怯え、そして、2人の威嚇の言葉に恐怖を感じた。

「うわぁぁぁ・・・許して下さい~」

しかし、由美、美穂は匡志を見下ろしながら念力を送り縮小して摘み上げた。

美穂:「ウフフ、小さいわねぇ・・・どう?私たちが怖いかしら?」
由美:「これからタップリと可愛がってあげるわよ、ウフフ・・・」

こうして、坂本匡志は小さくされて渡部由美、南澤美穂に拉致されて調教されていた。
彼は直ぐに食べられてしまう事はなかったが、逆に、それは日々、巨大な女性に対する恐怖心が増幅していくこととなった。
渡部由美、南澤美穂が男を食べる瞬間を見せつけられたり、また、巨大な口の中を見せつけられ食べられそうになったり・・・
やがて、匡志は女性は巨大で、男などいとも簡単に食べてしまう、絶対に逆らう事の出来ない存在である、と洗脳されていた。


そして、今、坂本匡志の目の前にはかつて憧れていた女性である高梨紀子が・・・しかし、それはこの世のものとは思えない程巨大な姿となって君臨していた。
本来、憧れである紀子と再会出来た事は至福の喜びとなるはずであるが・・・目の前の紀子は自分よりも遙かに巨大であり、巨大な女性に対する恐怖感を植え付けられている
匡志からすれば恐怖以外の何物でもなかった。
更に、高梨紀子は不敵な笑みを浮かべながら自分を見下ろしている・・・その表情にも更に恐怖心が高まっていった。

「ヒィィ・・・怖い・・・助けてくれ~」

匡志は恐怖の余り泣き叫んでいた。

紀子:「あら?お前の憧れの高梨紀子様が目の前にいるのよ?至福の喜びのはずよね~ウフフフフ・・・」

高梨紀子は坂本匡志をひょいと摘み上げて手のひらに乗せて見つめていた。匡志は紀子の巨大な顔が近くに迫って来た事によって更に恐怖感が煽られていた。

「ヒィィィィ・・・何て巨大な顔・・・恐ろしい~」

紀子:「この高梨紀子様が恐ろしい?私はお前が知っている頃よりも更に美貌に磨きが掛かっているのよ。失礼な男ね!」

その様子を見て渡部由美と南澤美穂は・・・

由美:「コイツは私たちが特別に培養してるから既に女性に対する崇拝心、恐怖心を擦り込んでるわよ。」
美穂:「さっき紹介したような味付けも済ませてるから、美味しい男に仕上がってるわよ。」

それを聞いて、紀子はニタリと笑い・・・

紀子:「フフ・・・ならばコイツをもっと恐怖と絶望の淵に追いやって処分したいわね。」

それは普段、「癒しの女神様」と称される高梨紀子からは考えられないくらい、恐ろしい言葉だった。
それだけ、この坂本匡志に対する復讐心が強い事が感じられた。

由美:「じゃあ、私たちもそれに協力するわ。」
美穂:「そうね、女性の偉大さ、恐ろしさを思い知らせてあげましょう。」

由美、美穂もニタリと笑いながら、紀子の手のひらの上で怯えている匡志を見下ろしていた。
そして、高梨紀子、渡部由美、南澤美穂の3人は坂本匡志に対して、ハァ~と甘い匂いの吐息を浴びせ、眠らせた。