たせのTRPGレポート1

どーもーwbgたせです。平成14年10月27日、栃木県の某所で行われ
たTRPGコンベンションにおいて、飛び入りでマスター参加しました。し
かもネタはGTS!セッション始まるまで内緒だったけど……。
システム:ワースブレイド(改)
剣と巨大ロボット(操兵)が織り成す異色SFファンタジー
シナリオタイトル [姫と鉄巨人の輪舞曲]
(プレイヤーからはジャイアントプリンセスメーカーと呼ばれたw)
登場人物 (PC)
騎士ジェレイド・レノック 男 18才
 没落貴族の息子。操兵ラグ・ルーダを駆る。真の騎士道を目ざす熱血漢の
若者

戦士ジェイナス・シュレイディンガー 男 20前半(?)
従者を勤める。実は某国の王子。身分を隠して英雄となるものを導く。
操兵技師ナノハ・ユーレル 女 14才
操兵整備、改造を担当。根っからの技術屋。機械オタクの少女。

紋章官イゴール・ゴンザレス・デ=ガルデアーノ 男
チームの知恵袋。さまざまな遍歴の持ち主で、表裏問わず頼りになる。

物語の概要。
旅の騎士レノック卿とその一行はシュレール地方の領主ローゼン伯からそ
の騎士道精神を認められ、とある依頼を受けた。それは、一人娘プリシア姫
の護衛兼家庭教師を勤める、というのだ。期限は王を招いてのトーナメント
が始まるまでの一週間。
ところが、プリシア姫は普通の少女とは[ほんのちょっとだけ]違ってい
た。といってもまぁ、せいぜいが髪の色が異様に赤いこと、頭に小さな[角]
が三本ほど生えていること、そして、その身長が操兵並み(7メートル弱)
であることぐらいか(笑)………。
実はこのプリシア姫、人間ではない(当然か)。彼女は樹界に住む御仁(お
に)と呼ばれる種族で、町外れで記憶を失ってさまよっているところを伯爵
が保護し、そのまま養子にしたのだという。
ところがこの御仁という種族は(言い伝えをそのまま信じるなら)、とてつ
もなく狂暴な存在で、もし記憶を取り戻したら本能のままに暴れるかもしれ
ないというのだ。しかもそうなってしまったら、操兵をもってしても止めら
れないといわれている(あとで知った話だが、それは全部人間側の勝手な言
い伝えだった)。
だが、それでも伯爵は家臣の反対を押し切って養子に迎えた。それは彼女
が三年前に死別した娘プリシアと(上記の点を除いて)瓜二つだったからで
ある。
かくして、四人の[教師]による社交会デビューのための修行が始まった。
宮勤めの経験のあるジェイナスは淑女としての礼儀作法を教える。
「淑女の作法はまず、歩き方から。頭に本……はないから、板を乗せて落と
さないように歩いてみましょうか」
が……
「……板が角の間に挟まって取れませぇ〜ん(涙」
…………
ダンスのパートナーも務めることになった騎士ジェレイドは、早速姫にダ
ンスを教えようとするが……
「……よく考えたら、私も踊れないのだ(汗」
…………
結局、ダンスを教えるのはイゴールの仕事となった。
「……1、2、3、4、はいっそこはテンポ良くっ!、1、2、3、4……」
「……夢に出そうだ(涙」
…………
そしてナノハは一人工房にこもった。
「……全く操兵に踊らせようってんだから、無茶いうわね……ま、やりがい
はあるし、まずは間接の可動幅の拡張と、仮面回りの調整、それから疑似技
能回路も専用のものを作らなきゃ……それから……あぁっ!部品が足りない
っ!!」」
…………
ともかく、なんだかんだでプリシア姫の教育(およびジェレイドとのロマ
ンス)は順調に進み、ライバル騎士アザマー(以前ジェレイド一行と同様の
依頼を受け、姫を見て腰を抜かして逃げ出した)の妨害も何とか切り抜け、
無事にトーナメント当日を迎えた。
そして昼間の予選を終え、いよいよ晩餐会。操兵ラグ・ルーダの舞踏仕様
も何とか完成、いよいよ姫の社交デビューのためのダンスパーティーが始ま
った。そのダンスは最初こそずっこけたけど、あとは順調に進み、アザマー
の執拗な妨害もイゴール、ジェイナス、ナノハのフォローもあって無事に乗
り切り、王族含め観客からの拍手喝采を浴び、めでたく姫はサイズ差を乗り
越え、人々に淑女として迎え入れられた。
これを面白く思わないアザマーは(王の御前にもかかわらず)実力行使に
出ようと自ら操兵に乗り込んで暴れ出す。だが、馬脚を現した彼にもとより
勝ち目はなく、ジェイナスのはったりとイゴールの演説による時間稼ぎの間
にナノハによって戦闘仕様に換装されたジェレイドのラグ・ルーダによって
一太刀のうちに倒された……。
戦いを終えたジェレイドはプリシアに向き直り、操兵の腕の上で跪く。
姫は騎士ジェレイドに大きな顔を近づける。
「……こういうとき、普通は姫の口づけで祝福するものなのですが……私な
どでよろしいのでしょうか……」
「……どうぞ」
その言葉のあと、プリシアはためらいながらもジェレイドの顔に唇を寄せ、
そっと触れ、包み込んだ……。 翌日。実は記憶を取り戻していたプリシア
(本名はコハク。わが子のようにかわいがってくれた伯爵に気を使っていた)
はようやく向かえに来た父親(ほとんどナマハゲ)に連れられ、樹界の集落
に帰っていった。
そして一行もそれぞれの道へと進んでいった。自分の仕事は終わった、と
ばかりに別れを告げるイゴール、正体を明かし、新たな英雄を捜すジェイナ
ス、そしてナノハはこのまま伯爵の城の工房にとどまり、ジェレイドは伯爵
の勧めで自分が養子となり、シュレール領次期領主となった。 彼らの今後
の行く末に幸あらんことを……。


解説
どーもー。いやー、その日に限って卓数が多く、一時は成立そのものが危
ぶまれたのですが、何とか制限時間ぎりぎりでプレイヤー四人何とか集まり、
無事にセッションが始められました。 まぁ、主なストーリーは上記の通り
なのですが、ここは小説と違って、ほとんどがプレイヤーの方々のプレイに
よってスムーズに進行、マスター(このゲームではワースメーカー=WM)
はそれに対してリアクションを返す程度にとどまりました。
姫がGTSということで、果たしてプレイヤーは乗って来れるのか、引い
てしまわないかが心配でしたが、結構みんな乗りがよく、何の心配もなくプ
レイは進行、ジェレイドも顔面キス(!)にも怯む事なく見事騎士を演じ切
ってくれました。
実際上の文はだいぶ簡略化してあるので、このセッション本来の魅力は半
減しております。当初このシナリオはただ単に[巨大な姫を社交界デビュー
させる]というただそれだけをネタにして作った、いわゆる[マイフェアレ
ディ]みたいなものをコメディーとして作ろうか、というところから始まり
ました。ところが、ここで[ロック・ユー]という映画を見たことからだい
ぶ変わり、結局(意外と)スタンダードな騎士物語となってしまいました。
ちなみに「ヒロインが巨大であることはどう感じましたか?」という質問
を参加プレイヤーに聞いてみましたところ、こんな意見が返ってきました。
「……とてもいい娘であるがゆえに、ちょっと[悔しい]かな……」
そう、そのサイズ差ゆえに「自分のものにならない」ということがはっき
りと感じられ、とても「悔しかった」そうです。そういえば、プレイ中も呟
いていたような……。
あとは、[ネタ]としてならGTSヒロインというのもそれほど抵抗なく受
け止められることも分かりました。ま、[コメディー]というオブラートをか
けることである種の[警戒]を解く必要もあるでしょうが。
ちなみにこの物語は時間をかけて小説にでもしてみたいな、と思いました
(身内のリプレイもあるので、いつになるかはわかりませんが)。でも、この
まま文にすると、GTS小説というより、唯の[ファンタジー風ロボットア
クション]になってしまうのでちょっとこことの趣旨が合わないような……。
でも、たまには[守られる巨大娘]というのもいいかな、と思ったこの頃で
した……。
今回はこの辺で。それでは。