地球が誕生が46億年。地球は太陽の周りを365日休むことなく回り続け、その間に多くの生命が誕生、絶滅を繰り返しながら消滅と誕生を繰り返し生きていた。
生命が誕生し繁栄できたのも地球という、安定環境した環境があったから、できたのであったが、それ以上に太陽の存在も大きかったと言える。
太陽の光は生命に希望を与え、そして光を受けた植物は、太陽がもたらす熱エネルギーを光合成に変え、繁栄増殖を繰り返すことができた。
ある意味、太陽という存在があったから、生命と植物は共に繁栄することができ、うまく共存出来たと言えるだろう。
しかし、そんな太陽と地球の総合関係を根本的から崩す、厄災のような存在が地球に接近していた。
それは一人の女の子であった。

「こ・・・こんにちは!」

遠慮がちに挨拶をする女の子は夏服のセーラー服にショートヘアという、どこにでもいるような普通の女子高生であった。
格好は至って普通。
顔は普通よりも整った顔立ちをしている、という点を除けば、本当にどこにでもいる普通の女子高生だった。
しかし、その女子高生は太陽や地球。ひいては宇宙全体に影響を及ぼすような凄まじい存在なのであった。
そう、この女子高生は人類の100億倍という、とんでもない存在だったのだ!

「・・・ごめんね。でもこうするしかないの」

そう言うと女子高生は長さ670万キロという、太陽の約4.7個分の腕を地球に向かって、無造作に伸ばしてきた。
彼女の格好は夏服だったため、その半袖の素肌が地球からもよく見えた。
女子高生の腕の肌は、非常にきめが細かく若さ爆発といった感じ。
若さがもたらす、きめ細やかな肌と張りに、見とれてしまうほどの美しさ。
しかしそんな若くて美しい腕も、その実態は太陽の4個分以上という怪物的な腕だった。
伸ばされた腕。その先端には手が付いている。
女子高生の手は腕同様、きめが細かく、モチモチとした肉厚の手のひらだった。
さらに手から分岐した、指先が地球を摘み上げた。
まるで浜辺に落ちてある細かい砂粒を拾い上げるように、地球という1万2千キロメートルの広大な星を拾い上げていた。

「かわいい♪ でもほんとちっちゃいんだね♪」

小動物でも見るかのように、女子高生は目を細めて、小さな地球を愛でていた。
その眼差しは熱く、思い人でも眺めるような熱い視線。
星を指先で摘まみ上げると言う、そんな強大な女子高生に地球は静かに黙り込むしかない。
女子高生に摘まみ上げられ身動きが取れなくなる地球。
46億年間。地球は休まず、ずっと太陽の周りを公転していたのだが、しかし、今日この瞬間を持って初めて公転が停止した。
女子高生に摘まみ上げられたことで、地球は上下から、木星のように巨大な彼女の指が、ギシギシと音をたてながら地球を押さえつけられ、身動きが取れないでいる。
地球はもうどこにも行くことはできなかった。太陽の周りを回ることもできず、どこか遠くの宇宙へ逃げることもできない。
人類からすれば地球という圧倒的存在も、女子高生からすれば砂粒と何ら変わりがない。
46億年続いた公転も女子高生の指先一つで止められ終わりを迎える。100億倍の女子高生はそういう存在だった。
それを、女子高生は悪気もなく無意識のうちに地球人に見せつけていた。

「ここにおいで。大丈夫。なんにも悪いことはしないから」

100億倍の女子高生は、顔を赤らめながら制服をずらし、その胸元を開いて見せた。
まるで全人類に乳房を見せつけるような素振りで、胸を張りながら乳房を振って見せている。
そしてブラを取り払うと、地球の前にはぶるんとした、一糸まとわぬ乳房が現れた。
100億倍の乳房。太陽サイズの乳房。女子高生の乳房と地球を比べると、情けないほど地球は小さかった。
女子高生の体と比べると地球は塵のように小さい。
直径1万3千キロの母なる大地、地球も女子高生の乳房を比べると圧倒的すぎる。
女子高生の乳房一つでさえ、地球の100倍にもなる。
それは太陽と地球を並べて背比べをしているようで、乳房というよりも太陽そのものだったのだ。
そんな乳房が地球に大接近すると、地球は乳房に向かって徐々に寄って行く。
乳房から発生した超重力に地球は耐えきれなくなり、地球は乳房に吸い寄せられ、最終的に張り付いてしまった。

「いやん♡」

嫌と言っているが、まんざらでもない様子の彼女。
乳首の側面に張り付いた、粒のような地球を見て、女子高生は微笑んだ。
そして太陽のような手のひらを地球に向かって振って、笑いかけていた。
そして女子高生はブラをしまいセーラー服を着直すと、彼女は去って行った。
目の前にあった、邪魔な太陽をローファーで蹴り上げ、粉々になった太陽を靴で踏みつぶし、水星金星火星など、
地球の近くに存在する星を、生太ももなどに激突させながら歩いて帰って行った。
太陽系の星々が蹴られ、踏みつぶされ消滅していっている。
太陽系のバランスがめちゃめちゃになる、その頃には、その女子高生もいなくなっていた。
太陽系から目視できないほど宇宙の彼方で地響きが鳴っている。
どうやら遠い宇宙も彼女の歩行に巻き込まれているようで、その被害は宇宙全体に広がって行くようであった。

*******

「うあー、ついにやっちゃんだー!」

それから少しの時間が経つ。
地球を誘拐した、あの女子高生が学校の校舎裏で胸元を、親友に見せていた。

「これが星なのー。すごーい」
「えへへへ。昨日ね。ちょっと行ってきたんだ」
「へー。これが星・・・それにしても小さいね。かわいい~♪」

地球が張り付いた乳首をまじまじと見る、もうひとりの女子高生。
彼女も地球を誘拐した女子高生同様、同じ制服を着ており、そして同じような背の高さを誇っていた。
二人の100億倍の女子高生は小さな小さな粒のような地球を楽しそうに、二人して眺めている。

「これが地球か。へー」

その視線には何も見えないような気がする。しかしよーく目を凝らして見てみると、右乳首の中ほどに、ゴミのような物が張り付いていた。
一見すると黒い点のような物に見えるそれ。だが、それがゴミや点でないことは彼女たちは一番よく知っている。
このゴミは知的生命が80億住まう尊い星地球。
それが乳首に張り付いていることを彼女たちは認識しており、その乳首を観察していた、もうひとりの女子高生、親友は笑っていた。

「あははは! なにこれ。可愛い。こんなちっぽけな星に80億人も住んでいるの?」
「うん。一応ね。ちゃんと数えてないけど、多分いると思う」
「へー。あんたの乳首に80億の人間かー」

女子高生の乳首は圧倒的だった。
彼女の乳首の影に地球が隠れてしまい日の光が当たっていない。地球は夜のように暗くなっている。

「これ、よくないよ。地球に光が当たってない」
「え? ああ。じゃあこう?」

女子高生は体の位置を変え、光が当たるように地球の位置を調整した。

「OK。光が当たって来たわ。それにしても・・・デッカイわね。あんたの乳首一体何キロ換算なの?」
「多分、普段が8ミリぐらいだから、地球人からすると8万キロぐらいになるのかな?」
「へー、じゃあ、あんたの乳首は地球6個分ぐらいにはなるんだー。へー、デッカイ乳首―。地球の6個分の乳首って、どういう風に見えるんだろう? 乳首を見上げている感じなのかな?」

親友は顔の位置を調整し、いろんな角度から乳首を眺めた。
地球人と同じ目線からどうしても乳首を見上げて見たかった。

「もう! あんまり見ないで。恥ずかしいよぉ!」

女子高生は後ろを向き親友から距離を取る。これ以上見られたら、流石に恥ずかし過ぎて顔から火が出そう。

「なに恥ずかしがってるのよ。80億もの人からいっつも見られているくせに。恥ずかしいも何もないじゃないの」
「あなたに見られるのは恥ずかしいの・・・でも地球は大丈夫。小さいからあんまり気にならない」
「まあ、こんな小さければいくら見られても恥ずかしくないか。気持ちは分からなくもないけど、でも実際はどうなのよ?」
「どうなのって?」
「今頃地球は新聞やテレビなんかで大騒ぎになっているんじゃない? 太陽消滅とか乳首に張り付いたとか、今後の地球の行方はどうなる! とか各地できっと特集番組が組まれているわよ。
 世界中あんたの乳首に大注目って訳ね。今後の経済はあんたの乳首一つで決まる。間違いないわ」
「・・・そうかも・・・うん」

女子高生は静かに頷いた。しかし、その顔はゆでだこみたいに真っ赤だった。

「ほらほら、だんだん恥ずかしくなってきたでしょ? 勃起なんかしたら地球は大混乱よ」
「勃起なんかしないもん・・」
「そうかしらね。それ」

ツンツンと親友は女子高生の乳首を突っついた。
たったそれだけで乳首が8万キロメートルも激しく上下し、乳首に張り付いていた地球は親友の人差し指一本に激しく翻弄されていた。

「やめてよぉ」
「あははは。ごめん。ごめん。勃起なんかさせたら大変なことになるか。ごめんね。地球さん」

親友は悪ふざけが過ぎたと女子高生の謝罪をする。

「あなたのせいで地球人が困ってるじゃないの。ほんとやめてよね。みんないい子なんだから」
「いい子? そうかしら? 今頃、あんたの乳首を見上げながら大勢の学者たちはうずうずしてると思うんだけどなあ」
「なにそれ。どういうこと?」
 近いうちにきっと探査用ロケットを打ち上げてくるわよ。そしたらあんたの乳首に降り立った学者たちが、あんたの乳首を調査するでしょうね。この乳首は一体なんだろうって」
「そんなこと・・・ない・・・」
「いやいや。そうに決まってるわ。だってあんたの乳房は太陽と同じサイズで乳首が木星なんでしょ? 
 そんなに大きいのなら誰だって気になるわよ、なんでこんなに大きな乳首が存在するのかってね」
「それは・・・」
「まだ、とぼける気? 朝も昼も夜もずーと、あんたの乳首は監視されているのよ? それも80億の人間からね。それでも恥ずかしくなって言うの?」

女子高生はついに観念をする。

「あー。わかったよ。わかった。恥ずかしいわよ。でも仕方ないでしょ。それが地球の運命なんだから」
「・・・・そうよね。運命だもんね」

運命。そう言われた親友は急に勢いが弱くなった。今まで問い詰めるように言っていた姿が嘘のように丸くなる。

「それにあなたの乳首にだってあるくせに! えい!」
「ちょ・・ちょっとなにするよ!」

親友は不意打ちを喰らった。
身構える隙もなく押し倒され、セーラー服を脱がされ、ブラも取り払われた。すると親友の乳首から5ミリほど横にズレたところに青い星が張り付いてあった。
星が親友の乳輪に張り付いてある。

「あんたの乳首にも星が張り付いているくせに、なにを言っているのかしら?」
「それは・・・その・・・で・・でもあんたと違って乳首に直接張り付いてないわ。わたしの場合乳輪に星が張り付いているの」

親友の胸にも青い星が張り付いてあった。
地球型惑星。そう呼ばれる知的生命体の星が親友の乳輪に張り付いている。

「それに、あんたと違って乳首の調査なんか許さないわよ。ほら、こうやって探査用ロケットが発射されると」

ズム! 親友は乳輪と乳首の間に爪を立てた。
まるで乳首に通せんぼするように爪の壁を作っている。

「爪でロケットを通さないようにしてるの。だから、まだ乳首は開発されていないし、乳首に到達できた人類は誰一人いないの」
「へー・・・そうなんだ」
「そうよ。乳首に行く悪い子は、このわたしが滅ぼしてやるわ」
「・・・・・こわ・・・悪魔じゃん!」

女子高生が冷たい目で、そう言った。
少ない人数とはいえ、ロケットに乗る人類を皆殺しにしている。それは彼女にとってあり得ない虐殺行為だったのである。

「怖い怖い。こんな悪魔みたいな子の胸に住まなくてよかったねー。地球さんー」
「なによ。その言い方!」

親友は文句を言った。しかし女子高生は聞く耳を持たず、一人話を続けた。

「その点。地球は恵まれているわね。あなたと違って皆殺しになんかしないからねー。可愛い。可愛い地球さん」

乳首を見下ろし微笑む女子高生。その背後にはロケットを爪で滅ぼした悪い親友の顔が映っている。

「まったく、あんたはほんと痴女よね。直接星を乳首に張り付けるなんて・・・・人類が乳首に移住しても知らないわよ」
「・・それはそれで・・ありかも・・うん」

女子高生は顔を赤らめながらそう言った。
乳首に移住してくる大量の地球人の姿。そんな妄想。
それはそれで悪くない。

「まあいいわ。あんたの星はあんたに任せるわ。それがわたしたち女神の掟だもんね」
「そうよ。わたしたち女神は知的生命体の星を保護して守ることが使命なんだから、これからも頑張って行かないと」

キーン、コーン、カーン、コーン。授業開始のチャイムが鳴る。

「あ! やば! 授業は始まる」
「次の授業は視聴覚室で惑星を守る方法についてだっけ?」
「そうそう、あの授業に遅刻すると、女神試験の点数は悪くなるから絶対に出ないと!」

そう言いながら、女子高生の女神たちは走って視聴覚室に走って行った。
立派な女神になるために勉強は欠かせない。彼女達女神は一人前の女神になるため今日も勉強を頑張っている。