「あ~っ!こんなとこにいたぁ~っ!」
探していた友達を見つけた安心感からか、アヤノはその場にペタンと座り込んでしまった。
学校に行ったらもぬけの殻だったので、また置いてきぼりにされたと思い、ウロウロと辺りを探し回っていたのだ。
「もーっ!ひどいよ~・・・いつもはぶるんだもん・・・って、あれ?どしたの?しーちゃん。」
しーちゃんと呼ばれたアヤノの親友は、その場で盛大に尻餅をついていたのだ。いや、しーちゃんだけじゃない。その場にいた同級生の全員が尻餅をついたり倒れこんだり、
果ては近くのビルに頭から突っ込んで、盛大に崩壊させている子までいる始末だ。

しーちゃんは、片手で中層のビルを3つほどまとめて掴んで、地面からむしりながら起き上った。そう、しーちゃんを含めた4人は常人の1000倍もある大巨人なのだ。
他の十数人のクラスメートも100~200倍クラスの巨人である。
「何が『ひどいよ~』よ!アヤノの方がよっぽどひどいじゃん!」
右手に持っていたビルをクシャリと握り潰し、左手でスカートを払って、こびりついた瓦礫や車両を叩き落とす。そして、立ち上がったしーちゃんの目の前に連なる1000m級の山々の
向こうにまるで壁のように鎮座しているふたつの巨大な膝頭を見上げていた。
膝頭の向こうにはとんでもないサイズの太股の稜線が伸び、超巨大なミニスカートに包まれた恐ろしく巨大なヒップがその向こうにドン!と居座っている。
そして、しーちゃん達でさえ首が痛くなるほど上を向かなければその顔が見えないほどのアヤノの上半身が聳えていた。
アヤノの身長は約160km!常人のおよそ10万倍、しーちゃん達大巨人のおよそ100倍というとんでもない超巨人なのだ。

「もうっ!アヤノのせいで、街がめちゃめちゃだよ!」
10km四方にもおよぶ広大なアヤノの掌に乗せられて、しーちゃんのお説教が始まっていた。
「ごめんなさ~い・・・」
途方もなく巨大な身体を精一杯ちぢこませて反省するアヤノ。
「だいたいね~、アヤノがちょっと座るだけで大変なことになっちゃうんだから、わかるでしょ?」
そうなのだ。アヤノがペタンと座っただけで、周りの山々は根こそぎ崩れ、しーちゃん達が遊んでいた数百万人が居住していたであろう大都市も壊滅状態になってしまったのだ。
超巨大地震に襲われた街のあちこちに幅数百mの巨大な亀裂が走り、多くの建物や車、そして数万人レベルの人までがあっさりと呑み込まれていた。
もちろん、それ以外の建物もほとんどが崩れ落ち、あちこちで火の手が上がるありさまだ。100倍クラスの同級生たちは、亀裂から身を守るのに必死で、街で遊ぶどころではない。
「だってぇ・・・みんないないんだもん。寂しくっていろいろ探したんだよ~。。。」
「だってじゃない!」
アヤノは自分のせいじゃないもん!とばかりに言い訳してみたがしーちゃんに一喝されてしまった。

散々説教をしたしーちゃんは、街の中に降ろされていた。
「いつも思うんだけど、よくアヤノにあんな上から言えるよね。」
「そぉ?ま、幼馴染だからかな。」
「それにしても、ねぇ・・・」
という会話を遮るように、アヤノの声が轟き渡る。
「ねえ、寝そべっていいの?」
全員が見上げると、スタンバイオッケーとばかりに膝立ちになって街を見下ろしているアヤノの姿がある。
「いいよ~っ!」
しーちゃんが精一杯の大声を張り上げたのを合図に、まずアヤノの両手が街の外側に落下してきた。

ズッドォォォンッ!!!ズッドォォォンッ!!!

アヤノにしてみればそっと手をついただけなのだが、その衝撃は数秒遅れてしーちゃん達に襲い掛かった。
肩幅、といっても50km近くはある幅に両手をついたアヤノは、グイッとヒップを持ち上げて四つん這いの態勢だ。上半身が空全体を覆い隠し、身体の大きさと比べても
相対的に爆乳といえる二つの山がユサユサとブラウスを揺らしていた。
「この山でいいんだよね。」
今まで膝の前にあった小さな山脈を見下ろしてゆっくりと上半身を下げ始めるアヤノ。その姿をじっと見つめる同級生たち。
真っ白なブラウスに包まれた爆乳がターゲットの山岳地帯の山頂付近に触れたかと思うと、次の瞬間にはもう山脈に変わってふたつの鏡餅のようなおっぱい山が鎮座していた。
当然、その重量が発する衝撃も凄まじく、両手を突いたとき以上の大地震が同級生たちに襲い掛かったのは言うまでもない。
さらには、その膨大な重量に地面までもが数千m陥没し、その圧力が地殻変動を引き起こしておっぱい山の周辺をグイッと1000m以上も盛り上げて新たな山脈を作り上げる。
元は平地だったその場所には数えきれないほどの建造物が建っているのだが、その基礎となる地面が突然隆起して急斜面と化すのだからその上に乗っているものは根こそぎ
崩れ落ち、急坂を転がり落ちていく羽目になるのだ。
その後アヤノが盛大に地響きを起こしながら少し態勢を変えて、頬杖をついて街を見下ろすまで、地殻変動とそれに伴う大破壊はとめどもなく続いていった。

「いつ見ても凄いよね~、アヤノのおっぱいプレス!」
「そうかなぁ、簡単だよ。」
同級生の誰かの声に笑顔で答えるアヤノ。どうやら機嫌は直ったようだ。
アヤノにとっては簡単なことだろう。何しろ世界最大級の山脈でさえ標高15000mを軽く超えるアヤノのおっぱい山の半分にようやく届くかという程度なのだ。
「あとはおとなしく見てるからね~。」
さっき、しーちゃんに散々説教されたので、これ以上叱られたくないアヤノはしばらくの間おとなしく街を眺めていた。

とある軍基地は、アヤノの今までの行動に翻弄され続けていたが、運がいいのか悪いのか直接の打撃は受けないでいた。なぜならば広大なこの基地の全てが暗闇の中にあったのだ。
とんでもない大災害を起こしながら平然とこの基地を跨ぎ越していった超巨大女子高生が、突然座り込み、さらには脚をこちらに伸ばしてきて寝そべったのだ。
恐ろしく巨大な足裏が基地からそれぞれ10数km離れた場所を抉りながら通り過ぎていき、上空を下半身が占めたかと思うとそのまま蓋をされるように両足をぴったりと閉じられてしまったのだ。
それでも、幅20kmはありそうなあの太股に圧し潰されなかっただけ奇跡と言えるだろう。
ありったけの投光器を用意して辺りを照射すると、次第に絶望的な状況がわかってきた。基地の真上は白地に水色の水玉が散りばめられた天井が覆いかぶさっていたのだ。
「あ、あれって・・・」
「パ・・・ン・・・ツ?」
間違いない。片足の太股は基地の少し向こうに横たわりそこにあった全てを押し潰しているのだ。その近くに存在する、しかも、女子高生が身に着けているものと言えば
もう答えは明らかだ。恐らくミニスカートが少しめくれ上がったのだろう。
しかし、その正体がわかったからといって、自分たちに何ができるのだろう?だが、あるひとりの一言が全てを決してしまう。
「あれがパンツだったら、あの中は・・・だよね。」
つまり想像もできないほどの巨大な女性器だ。サイズはともかく、刺激を与えればひょっとしたら・・・何人かがそう思ったのも無理はない。
しかも、超巨大パンツは彼らの上空数百mのところまで降りてきていたのだ。彼女にしてみればもう地面スレスレである。この高さなら自分たちの攻撃も十分届く。
かくして、パンツ攻撃大作戦が決行されようとしていた。

「ん?なんかこそばゆい・・・」
アヤノが無意識に身体を少しだけ動かすと、その衝撃が街全体に伝わっていた。
「どしたの?アヤノ。」
地震に気が付いたひとりが、いくつかの中層ビルを掌に乗せながらアヤノに声をかける。
「うん、なんかくすぐったいんだ。」
「なんか変なもん、入っちゃったんじゃないの?」
こんな感じでさ、と笑いながらビルを股間に押し当ててすり潰す女の子に、ポッと顔を赤らめるアヤノ。
「そんなんじゃないよぉ。でも、何かいるみたい。」
気になって仕方がないアヤノは、少し腰を浮かせてみた。

基地に存在する稼働可能なすべての兵器が動員されていた。全く距離の届かない自動小銃まで用意するありさまだ。それほど彼らは必死だったのだろう。
女性士官の指示で攻撃目標に選ばれたのは、クリトリスがありそうな付近。ここに一点集中攻撃をかければ、さすがの超巨人でも気が付くだろう。うまくいけば、
少し感じてくれて腰を浮かせてくれるかも知れない。彼らはそれをこそ期待していたのだ。
攻撃が始まった。戦車砲も対空砲も全てが上空のある一点を狙って攻撃していた。何とか飛べる攻撃ヘリも飛び立っていく。文字通り総力戦だ。
最初の変化は数分後に訪れた。突然基地全体が揺り動かされたのだ。震源地は間違いなく彼女だ。ひょっとして攻撃が効いているのか?何人かがそう思ったのも無理はない。
2回目の変化はより直接的に表れた。片方向からだけだが、急に基地全体に光が差し込んできたのだ。間違いなく自分たちの攻撃に気が付いている。
攻撃はより激しくなった。彼らにとって一番うれしいのは、彼女が立ち上がって、この基地に気付くことなく立ち去ってくれることだ。だが、彼らは少しやり過ぎたのかも知れない。
3回目の変化、それはあまりにも急激だった。攻撃目標のパンツが突然いずこかへ消え去り、上空には青空が広がっていたのだ。
何が起きたというのか?やがて、上空の一点を震えながら指さす兵士が現れた。その場にいた全員がその方向を見て息を呑む。
そこには、あの超巨大女子高生が膝立ちで聳え立っていたのだ。ブラウスに張り付いていた色々なものがバラバラと落下している。特にふたつの山の下側からは夥しい量の土砂が降り注いでいる。
あまりの高空に霞んで顔がよくわからないが、拳を握りしめて震わせているようだ。つまり、バレタ?
彼女にとってこの基地は中途半端に広かった。もし、1km四方程度だったらあまりにも小さくて気づかれなかったかもしれない。だが、10km四方ではちょうど
手のひらサイズなのだ。少し注意深く観察すれば、簡単に基地だとばれてしまう。しかも、自分の股間に何をしたかも少し想像すればわかってしまうだろう。
「や、やばくない?」
誰かがそう呟いたときには既に遅かった。はるか上空から振り下ろされる腕。彼らが最後に見たものはこの基地全体を呑み込んでも余りある掌で、最後に聞いた言葉は
「こんのっ!えっち~っ!」だった。

何かくすぐったいので、アヤノは一度身体を起こしてみることにした。膝立ちになって今まで寝そべっていた場所を見下ろしてみると、跡がくっきりと残っているのを見て
いつもながら自分の途方もない体重に呆れてしまう。特に胸と太股の破壊力は凄まじく、綺麗な曲面を地面に作り上げるほどに圧縮していた。
その太股の付け根の辺りを重点的に見つめると、少し広い場所があった。広いといっても10km四方程度だろうか。アヤノの掌で楽にすくい上げられる程度でしかない。
「これって、軍隊?」
アヤノの視力はいい方なので、その中にある滑走路や設備を見て軍の基地だと直感したのだ。
「ふ~ん、そういうこと・・・」
彼らが何をしたのか想像できたアヤノにメラエラと怒りがこみ上げ、拳を震わせていた。
「こんのっ!えっち~っ!」
大きく掌を広げて基地に叩き付ける。

ズッドォォォンッ!!!
基地はたったの一撃で消滅した。アヤノは「フンッ!」と鼻を鳴らすと、パンパンと両手を叩いて掌にこびり付いたものを払い落とした。
そして、またみんなを観察しようと街に目を向けた時だった。
「ゲッ・・・」
基地から向こう側にはアヤノでもわかるくらいの巨大な亀裂が寝そべっていた場所に沿って走り、その先の大都市を真っ二つに分断していたのだ。
そして、その亀裂の脇で仁王立ちになってこちらを睨み付けているしーちゃんの姿。。。
「ア、ヤ、ノ~・・・」
やば、怒ってる、絶対怒ってるよ。。。アヤノはその場でペタンと座り込んで、巨大な身体をさっきよりもさらに縮ませて、来るべきお説教を想像して小刻みに震えていた。