※久美子さんのスペックなどなどは、「新球場」「廃棄処分」をご参照くださいな。

三方を山に囲まれ、海に面したとある中規模都市。その一方の山の向こうから突然大きな影が現れた。
山麓近くの住宅街の上空が急に暗くなり、その暗闇がある一点を目指して収束していき、直径数十mの漆黒を作り上げていった。
漆黒を作りだした原因がどんどん地表に近づいていき、丸みを帯びた巨大な肌色の物体が数軒の戸建て住宅とアパートの屋根に接触した瞬間、バキバキッという大きな音と共に
2階部分が押し砕かれ、粉々の廃材となって辺りにまき散らされた。
それでも、その物体の降下は止まらずに、瞬く間に20軒を軽く超える住宅を押し潰し地面に軽い地響きを伴って接地した。
それだけでは終わらなかった。その巨大な物体は本体の一部分に過ぎず、接地された場所を支点としてさらに大きな影が住宅地全体を覆い隠す。その影も急激に色濃さを増していき、
ついには同色の巨大な所々丸みを帯びた長い物体が、先ほど押し潰された住宅地の数倍の範囲に覆いかぶさり、住宅も車も関係なくあっさりと押し潰した。

「久しぶりの感触だわ。やっぱり素足が一番ね。」
足首を少し超えるほどの高さしかない小山を跨ぎ越し、その先に広がる住宅街の一角に足をゆっくりと踏み下ろして、久美子は足裏で沢山の建物や車が潰れる感触を味わっていた。
普段は足元を気にしながら何もない場所しか歩かないことにしている久美子だが、今日はそんな必要は無いとばかりにたったの一歩でかなりの広範囲を踏み潰していた。
もう片足も同じように踵から着地して何棟かの住宅を潰し、小さな街を見下ろしていた。
「あら、学校かしら。中学か高校みたいだけど。フフッ、おちびちゃんの学校もペッチャンコにしちゃいましょうね。」
口元に笑みを湛えて、足裏が学校の上に来るように微調整をしてゆっくりと踏み下ろす。グシャグシャッという感覚を残して、足の幅の半分強ほどしかない学校の校舎も体育館も
回りの住宅と共に綺麗に巨足の下に隠れ去っていった。
久美子は街を無闇に破壊するような女性ではない。なのに、一体どうしたというのだろう?耕一郎が長期の海外出張に出かけてしまったから退屈になったのか?
いや、耕一郎が長期出張中なのは事実だが、それだけが原因ではなかった。その答えは海岸部近くにあったのだ。

久美子がいる場所から約30kmほど離れた埋立地の広い場所にいくつかの急ごしらえのテントやら軍用車両やらがひしめいている。
テント内にいた全員が外に出て、遥か彼方に聳える超巨大女性の姿態を眺めていた。
「おいでになったようだな。しかしまあ、何とも艶かしい・・・」
面々の中で一番上位者と思われる、軍服を纏った初老の男が嘆息する。今日の久美子は黒のニットの薄手のセーターと濃紺のデニムのホットパンツに素足という恰好だった。
しかもサイズが少々小さいのかセーターの胸元ははち切れんばかりに突き出し、ホットパンツもヒップラインがパンパンに張って見える。
年の割に若い恰好を、などという瞬殺ものの台詞を喉の奥に押しとどめ、自軍を見渡してみる。
あの巨大奥様を遠目でも見たことがある者はそれほどでもないが、初めて見る者は狼狽を隠せない様子だった。若い参謀もその一人である。
「閣下、あ・・・あれが・・・でかい!でか過ぎるっ!」
「そうだ。作戦は全軍に伝達しておるな。久美子様が駅を超えた時点で総攻撃をかける。演習だと思って気を抜くと大変なことになるからな。」
そう、これは都市をひとつ丸ごと使った空前絶後の大演習なのである。参加車両は戦車、装甲車、起動歩兵車、それに新開発の高収束レーザー砲など総数1000台以上、
加えて戦闘機と戦闘ヘリ100機以上、爆撃機20機、海上からは支援艦艇大小合わせて50隻以上と、まずあり得ない数なのだ。
「最後に念のため命令を再度全軍に伝達。死にたくなければ絶対に顔を狙うな、とな。」
「かお・・・ですか?もしや急所だからでしょうか?であれば、あのような危険な存在は排除するために攻撃した方がよろしいかと思いますが。」
「お前はまだ若いな。あの方に急所などない。5年前になるか、今日より小規模だったが演習に参加した部隊が全滅した件を知っているか?」
「はい。小官はまだ入隊したての頃でしたので統合作戦本部におりました。本部も何故かパニックになったのを記憶しております。」
「あの時の演習も久美子様がお相手をしてくださったのだ。だが、若い指揮官があの方の破壊力のあまりの凄まじさに動転して顔面への総攻撃を命じてしまってな、
頬に何発か当たっているうちはよかったのだが、眼球に砲弾が飛び込んでしまった・・・」
「眼球?急所ではないですか。」
「あの方にとっては目にゴミが入ったほどにしか感じなかったようだ。だが、その行為自体が許せなかったのだろう。5分も経たないうちに地上部隊と海上部隊は全滅、
航空部隊も8割の損失を受けてしまい、9割以上の将兵が犠牲になった。。。今日、同じことがあったら10分持つかな・・・」
「たった、5分で・・・」
視線の先の超巨大女性はゆっくりと膝を突き四つん這いになるところだった。山のような胸が大きく揺れ、Vネックのセーターからはここからでも谷間がくっきりと見える。
ただそれだけの動作で大地は大きく揺さぶられ、立っていられなくなった。
「わかったらさっさと伝達せい!」
若い参謀は脱兎のごとく駆け出していた。

四つん這いになった久美子は念のために真下を見下ろしてみる。両手は数区画をひとまとめにして押し潰し、ちょうど片側3車線の広い道路に乗り捨てられた車が何台か見えた。
「おちびちゃんたちはみんな避難したみたいね。」
人影が全くないことを確認していると、駐車場が目に止まった。何か閃いたのだろうか?久美子は近くにある車を摘まんでは駐車場にポイポイと放り投げる。
あまり力を気にしなくていいので、摘まんだ時に捻り潰してしまった車もあった。乗用車など久美子から見ればたったの3mm程度でしかないのだ。ダンプカーやバスでさえ
せいぜい5mm程度しかない。普段どれだけ気を使っているかがこれを見ただけでわかるというものだった。
あらかた放り込んだ後、おもむろに右手を振り上げて、元々止まっていた車の上に放り込んだ車などが無造作に積み上げられた駐車場に狙いを定め手を開いたまま一気に振り下ろした。
ズッバァァァァンッ!!!
爆風で回りの建物が鉄筋コンクリートのビルも木造の家屋も関係なく、瞬時にバラバラに砕けて飛び散っていく。開いていた指の間にたまたまあったビルは、左右の膨大な圧力の前に
縦に押し潰される。手を退けるとそこには恐ろしく巨大な手形が刻印され、その中央の掌の中心部に折り重なった状態で置かれていた車は、完全に平面と化していた。
久美子はその一片をつまむと、目の前まで上げてみた。それは何重にも重ねられペシャンコになった数十台の車が織りなす一枚の板のようだ。
「ふふっ、車でたたみイワシを作っちゃったわ。」
久美子は満足そうにそれをホットパンツの尻のポケットに差し込んで、四つん這いのままゆっくりと前進を始めた。
「今日はこのまま行こうかしら。大怪獣クミゴン現るっていうのも面白いわね。」
笑顔で進みながら少し大きめのビルを指先で弾き飛ばして粉々にし、はたまた片手で軽く街並みを薙ぎ払って数百mの更地を簡単に作り上げながら、久美子は駅に近づいていった。

「でも、どこにもいないわねぇ。やる気あるのかしら?」
四つん這いにも関わらず、あっという間に10km以上を移動してきた久美子の眼下には片手で簡単にすくい上げられるほどの小さな駅があった。小さいといっても人口数十万の都市の
中心駅である。立派な駅ビルもあるし、回りのバスターミナルもなかなかのものだ。しかし、久美子から見れば、それは片手で消滅させられるほど小さなものでしかない。
「もう、全部潰しちゃうわよ。」
駅の上空数百mに逆さまに鎮座し、ユラユラ揺れていたふたつの山がゆっくりと降りていく。右胸の真下がちょうど駅の真上になるが、もう駅ビルの屋上まで少ししかない。
全く速度を緩めない胸はついに駅ビルに接触した。その瞬間、ビルが大きく歪んだかと思うと、全ての窓ガラスが爆発したように吹き飛び、ビル全体に無数のひび割れが入る。
さらに膨大な重量をかけられたビルは全体が一気に崩壊し、そのまま乳首付近に押し潰されて駅全体も見えなくなった。
「あらあら、おっぱいで駅を潰しちゃったわ。」
久美子はそのまま寝そべると、駅を中心とした半径300m以上を、片乳の下に覆い隠してしまった。さらに隣の同じ面積の区画も建物の大小に関係なくもう片方の胸の下に隠れている。
「ふふっ、潰れてるのがわかるわ〜。クミゴンのおっぱいもなかなかの破壊力ね。」
久美子は、時折胸を左右に少し動かして、セーター越しにではあるが街をすり潰している感触を楽しんでいた。
その時、500mほど先から、一斉攻撃が始まった。

砲弾やミサイル、機銃などのあらゆる火器が巨大な胸の近くに降り注がれている。しかも、最新鋭の破壊力を大幅にアップした弾も使用しているのだ。
しかし、そのはるか上空の顔は相変わらず笑顔のままだった。
「これは、また弄ばれて終わるパターンかな。」
わかってはいるが、たまには驚かせたいと思って投入した最新兵器でさえ全く歯が立たない。司令官の顔に悔しさがにじみ出ていた。
その時、ひとりの通信兵が司令官に駆け寄って耳打ちした。彼の顔色がみるみる赤く上気していく。
「そ・・・それは本当か?」
「は、前線から複数の通信で報告されていますので間違いないかと・・・」
通信兵の顔は違う意味で赤くなっていた。
「の、ノーブラだというのか?あのドーム球場にも使っている巨ブラをつけていないというのか?」
隠れ久美子ファンの司令官は完全に興奮していた。実はこっそりとあのドームのチケットを買って巨ブラ、いや、野球観戦に行ったことが一度や二度ではなかったのだ。
「よし!左右の乳首に集中砲火を浴びせるのだっ!急げッ!!!」
通信兵は鼻血を出しながら、通信司令所に駆け戻っていった。

「うふふ、やっと始まったわ。がんばってね!」
雨あられの弾幕のほとんどをその胸元で受けながら、久美子は嬉しそうに少し先に展開されている大軍を見下ろしていた。時折り軽く胸をゆすっては近くのビルを倒壊させている。
しばらく軍隊の攻撃を受け続けた後、右手を少し上げて戦車部隊の端に伸ばしていった。500mの距離など少し手を出せば届いてしまう。
少し飽きてきたので、久美子は手のひらを大きく広げて狙いを定めてゆっくりと降ろしていった。
「ほら、怪獣クミゴンの反撃よ!」
人差し指から小指までが十両以上の戦車部隊の回りを取り囲み、親指が8階建てのビルを粉砕しながら突き刺さると、5本の指が地面を巻き込んでゆっくりと閉じていき、
戦車部隊を土砂と建物にまみれた中に閉じ込めて、まるでクレーンゲームのように地面ごとえぐり取り上空に持ち去ってしまった。
左手の上に乗せられた土砂から1cmにも満たない小さな戦車をひとつずつ摘まみだして掌の端に置いて、邪魔な土砂を払い落す。大量の土とビルと車の雨が地面に降り注いで、
辺り一面を破壊しつくしていく。
久美子に捕まった戦車は12両。それを眼前に持ち上げて観察してみると、中から何人かの兵士が降り立っていた。
「誰も乗ってない戦車はないかしら?」
そう言うと、端の一両の戦車から何人かが飛び出して来た。
「素直なのね。じゃあ、君たちは他の戦車に乗せてもらいなさい。外に出てると危ないわよ。」
空の戦車がその数倍の指先にあっさりと挟み上げられ、指の間に消え去る。金属の悲鳴がくぐもって兵士たちにも届いていた。指先が少し広げられると、親指の腹の上に、
鉄板に近い状態にまで潰された戦車が張り付いていた。
「おちびの戦車じゃ大怪獣クミゴンには敵わないわね。」
久美子はフッとそれを吹き飛ばすと、残った戦車をそのまま胸の谷間に放り込んだ。
「頑張ったご褒美よ。もうちょっと頑張って脱出しなさいね。」
転がり落ちていく戦車を見送り前を向くと、今度は戦闘機群と攻撃ヘリがミサイル攻撃をかけているのが見える。胸元から鎖骨にかけて数百発のミサイルの雨が降り注いでいた。
「少しは学習したのかしら。」
実は久美子も5年前の出来事は少し反省していたのだ。だから今日は顔に弾が当たっても怒らないようにしようと決めていたのだが。
一撃離脱を繰り返す戦闘機群に軽く息を吹きかけると、隊列は簡単に乱れほとんどが操縦不能に陥ったのかおかしな飛び方に変わっていた。コクピットから次々と小さなものが
飛び出していき、黒いセーターに包まれた壁の前をひらひらと漂っている。墜落しかけたヘリを何機か空中で掬って全てを胸の谷間に転がり落としながら、少しの間パラシュートの
花びらを眺めていた。そのうちいくつかがセーターの胸元に引っかかっていく。
「あら、エッチね!でもいいわ。許してあげる。ん?」
残るは地上部隊と遠く海上にある艦船だけになったのだが、攻撃パターンが変わったことに久美子は気がついた。左右の乳首に集中砲火を浴びているのだ。
「やだ!気付かれちゃったのかしら。」
だからといって慌てるほど子供ではない。悠然と攻撃を受け止めていたのだが、少し感覚が変わって来たことを自覚し始めた。
「ヤ・・・ちょっと・・・感じて来ちゃった・・・」

「むぅぅ・・・相変わらずの破壊力だな。」
司令官は片手で戦車部隊を翻弄し、吐息だけで空戦部隊をほぼ全滅させてしまった久美子の圧倒的な破壊力にただ呻くしかなかった。
当然向こうは遊び半分であることも分かっている。それで、この状態なのだ。世界中の国々が久美子や亭主の耕一郎にどれだけ気を使っているかが痛いほどわかる。
しかし、演習とはいえこのままでは武人としてのプライドが崩れてしまう。何とか一矢報いなければ・・・それが形となって見え始めて来たのだ。
命令通り地上部隊は大きく二手に分かれて左右の乳首への集中攻撃に切り替えていた。その効果は少しずつだが現れ始めていた。
あの、悠然としていた超巨大奥様が顔を赤らめ巨体を左右に動かし始めたのだ。遠目にはモジモジしているようにも見える。これは、ひょっとして・・・
司令官は、股間が年甲斐も無く元気になっていくのを自覚していた。その時だった。高収束レーザー砲3門が左胸目がけて砲撃した!

「ひゃぅっ・・・な、なに?今の・・・」
今までに感じたことの無いほどの快感が久美子の全身を震わせ、濡れかけた股間をじっとりとさせてしまった。
胸元を見ると、左胸の乳首と谷間の間に小さな10mほどの穴が空いている。一瞬久美子は眉をしかめたが、すぐに表情を戻していた。
「今のおもちゃは新兵器かなぁ?クミゴンを一撃で感じさせるとは侮れないわね!」
久美子はガバッと上体を起こした。セーターの胸元にくっついていたビルや車がパラパラと落ちていく。そのまま両脚をグイッと広げて前に投げ出した。
ズッシィィィィィィンッ!
右足が市街地横の小山を踏み潰し、巨大地震を軽く凌駕する激震が近くの車はもちろん、建物を基礎から跳ね上げて粉砕する。当然そこに展開していた地上部隊の左翼も例外でなく、
跳ね上げられ、吹き飛ばされ、叩きつけられ、ほぼ完全に戦闘不能状態になった。
ズッシィィィィィィンッ!
左足が市内を流れる川の対岸にある公園施設を一瞬で踏み潰し、隣の山を衝撃で半分ほど崩してさらに川の水を数百m跳ね上げて局地的な大雨を降らせる。
当然、近くにあった建物や地上部隊は右足側と同じ運命を辿らせた。
セーターを惜しげも無く脱ぎ捨てて近くの山にバサリと置く。完全なトップレスだっ!まだ張りも充分な爆乳が攻撃的に突き出している。
さらに少し腰を浮かせてホットパンツまで脱ぎ棄て、中が透けて見えそうなほどの黒のパンティーだけの姿になった。
「みんなにご褒美よっ!さぁ、クミゴンをいかせて頂戴っ!そしたら降参して、あ・げ・る」

上体を起したと途端、見事なV字開脚からM字開脚への連続技を見せつけられ、さらに黒パン一枚になった超巨大奥様に司令部は沸き返っていた。
たった2回の踏みつけで地上部隊の7割が壊滅したことなど関係ない!
「総攻撃だぁっ!何としてもいかせるんだぁ〜っ!」
「おおぉ〜っ!」
士気は最高潮だ。綺麗なM字開脚で挑発しているあの久美子様をなんとしても攻略するんだっ!全員が一丸となった瞬間だった。
「しかし、なんなのだ。あの身体の柔らかさは。全く衰えていないではないか。」
司令官は既に前かがみになっている。
「ご存じなかったのですか?閣下。最近ヨガを始められたそうで、それもなかなかの上達ぶりという噂ですが。」
なに?知らなかった。これはいかん!情報部の奴らは何をやっていたのだ!?これは、早急に軍の情報部を再編する必要があるな。
どう見ても真剣でない体勢で、真剣に考えていた司令官だった。

さて、ここで士気が全く上がらない人物がひとりいた。あの若い参謀である。彼は密かにあの高収束レーザー砲の射線軸をあの大巨人の心臓にあてていたのだ。
ところが、厚さ1mの鋼板が何枚も入った厚さ30mの強化コンクリートでさえ貫く威力の新兵器が全くの無力だったのだ。心臓を貫くどころか、
皮膚が少し赤くなっている程度で傷一つついていない。信じられないほど頑強な肉体に、彼は恐怖さえ覚えていた。
それに、心臓を狙ったことがばれたら・・・間違いなく殺される。捻り潰されてしまう。彼の身体中の毛孔から冷たい汗が噴き出していた。

「あれね。み〜つけた」
久美子は見なれないものが正面にあるのを見つけて手を伸ばした。ゆっくりと上体が倒れていき、未だ戦線を保っている中央の部隊の遥か先に爆乳山が着地して付近の建物を
容赦なく押し潰し、地面と一体にさせて地面まで陥没させる。既に太股の壁を両側に望みながら股間付近まで突出していた中央部隊は大騒ぎだ。背後を遮断された上に、
広大な腹部が巨大な天井と化してまだ迫ってくるのだ。
「たっ、退避だぁ〜っ!急げ〜っ!!!」
既に逃げ場は、せり上がっている太股の付け根付近から先に左右に展開するしかない。光までほぼ遮断された暗闇の中、必死に後退を始める。眼前では間一髪で、巨大な黒パンが
今まで自分達がいた辺りをゴリゴリと押し潰し、さらにパンティーラインの上の白くてスベスベした下腹部が視界を埋め尽くしてくる。もう、限界だった。
直径20mを超える、お湯を張れば立派な屋外大露天風呂になりそうな綺麗な形の臍が頭上に迫ってくる。ただし、深さも相当なものだろうが。
いや、そんなことはどうでもいいのだ。逃げ切らなければもう二度とこんな素晴らしい目、いや、恐ろしい目には遭えないのだ。しかし、肌色の天井は速度を落とそうとしない。
近くで一番高い20階建てのビルの最上階に腹部が触れ、崩れ落ちていく。だめか・・・そう思った瞬間、天井の降下がピタリと止まった。

彼等からは見えなかったが、久美子が前かがみになって巨体をぺったりくっつけて手を伸ばしきったところだった。指先がちょうどあの新兵器に届いていた。
そこが最終防衛ラインとも知らず、周りの戦車などの車両を軽く払いのけ片手で3つ纏めて摘まみ上げると、そのまま上体を起こして綺麗にM字の姿勢に戻っていった。
胸で押し潰した地点は直径300m以上のすり鉢状に凹みが並び、さらにすり鉢の中央には大きな凹みが窺える。真下の地面は、下着の中にあるものの形がうっすらと刻印され、
大きな唇にも見える形になっている。
「ちょっとエッチな地形になっちゃった。」
頬を赤らめながら、摘まんだおもちゃを左手に並べてみる。それぞれが20m四方くらいの箱型だったが、左端のひとつは親指を押し付けたせいか半分以上潰れていた。
中から何人か兵士が飛び出している。
「これはダメね。」
使い物にならない箱を摘まんでクシャリと潰すと、もうふたつを乗せたまま目の前まで上げてみた。
「そうねぇ、こっちは乳首、こっちはクリちゃんね。だいたいの場所はわかるでしょ?」
標的まで指示して、ひとつずつを股間に降ろした。股間では間一髪で助かった戦車部隊が必死の攻撃を黒い壁に向かって敢行していたが、すでに久美子を満足させる火力ではない。
また、海上の艦船から放たれるミサイル群も、いまひとつの精度と威力だった。

あの参謀は乳首を狙えと言われた方に乗っていた。摘まみ上げられた時はそのまま潰されることを覚悟していた。しかしそうはならなかった。最大仰角で狙いをつけると、
乳首の先にちょうど巨人の喉がある。胸はあの膨大な脂肪に阻まれたが喉だったら・・・彼の脳裏にチャンスの文字が浮かんだ気がした。しかし、それでも通用しなかったら?
実際、3台がかりでさえあの強靭な皮膚にかすり傷さえつけられなかったではないか。もし、失敗したら、いや、これはチャンスなんだ。
その時、上空から巨大な声が轟いた。
「準備はいいかしら?同時に撃ってくれなきゃだめよ!もし、狙いが外れて違う場所に当たっても怒らないから、ちゃんと撃ちなさいっ!」
狙いが外れれば、首から上のどこかに当たるということだ。この巨人はわざとそういう角度になるように置いたのだろうか?で、あれば・・・ばれてる?間違いない。。。
それでも撃てというのか?何という自信、何という余裕なんだ。。。改めて眼前の巨体を見上げ、嘆息する。
腹の壁の遥か上に、毅然とした風格で突き出しているふたつの胸を見上げていると、自分達があまりに無力であることを改めて思い知らされる。
この方は、我々などが決して抗えない、いや、抗ってはならない存在なのだ。彼は狙いを正確に定めた。

「あ、ん・・・」
渾身の一撃が乳首と黒パンに命中した。直後に黒パンの隙間が怪しい光沢を帯びる。間違いない。クリトリスに命中したと誰もが確信していた。
「う、ん。。。いい感じ。あと何回か刺激してくれたらいけそうだわ・・・あら?」
嬉しそうに下を向いた久美子だったが、あの新兵器の箱から煙が噴き出している。しかも両方共に・・・どうやらオーバーワークだったらしい。
「もう!中途半端なんだからっ!」
兵士たちが逃げ出した高収束レーザー砲のひとつを人差し指でクシャッと押し潰し、もうひとつをビシィッ!弾き飛ばした。
そのままグワッと立ち上がり、総司令部の目の前までいつもより大きな地響きをたて、行く手の建造物を全て踏み荒しながら数歩進み、埋立地の直前で仁王立ちだ!
両手を腰に当てて見下ろす様はまるで不動明王が立ちはだかっているようにも・・・と思ったとたんに久美子は破顔した。
「いいものが残ってるじゃない。」
司令部を軽く跨ぎ越して海に入り、大小様々な艦船の中から200m級以上の戦艦、巡洋艦を5隻ピックアップする。
「これ、いただくわね。こんなに中途半端じゃ気分が悪いもの。」
誰一人逆らえなかったことは言うまでも無い。

直接久美子と対峙した部隊は9割以上の物損を出したが奇跡的に死者はゼロ、しかし行方不明1名という結果だった。もちろん、重軽傷者は数えるのもバカバカしいほどだが。
久美子は一度脱ぎ捨てた服を取りに戻り、埋立地に戻ると、海上に座った。ホットパンツがじわっと濡れているのを隠すためだ。
「今日は努力賞っていうところかしら?でも、今までで一番感じちゃった。今度はもう少し強くて耐久性があるのを作っておいてね。」
お持ち帰りしない小さな駆逐艦を指先で弄んでいる。もちろん乗員は全員退避済みだ。
「最後にもうひとつサービスしてあげる。その代わり、あの人には内緒だからね。」
セーターに空いた穴から見え隠れしているピンク色の大きな乳首に駆逐艦の艦首を当ててベキベキと押し潰していく。ものの数秒でスクラップになった鉄の塊が、バラバラと太股に
叩きつけられていくつもの水しぶきを上げて海に落ちていった。司令部全員が、もう股間を押さえて前かがみだ。もちろん、あの若い参謀もその中にいる。
「でも、行方不明になっちゃった子は可哀想だったわね。今日は変な場所には入れなかったはずなんだけど・・・あれ?なんかくすぐったい・・・」
下を向くと、セーターの穴の近くに何か白いものが見える。何かしら?久美子が指先でそれを摘まみ出すと、パラシュートだった。その先に兵士がひとりぶら下がっている。
「あら、見つけた。引っかかってたのね。」
久美子はパラシュートを司令部の面々の前にぽとりと落とした。パイロットは手荒い祝福で迎えられた。特に司令官はどさくさに紛れて何回か蹴りを入れていたほどだ。
よほど羨ましかったんだろうなぁ。
「これで全員生還かしら?おつかれさま。楽しかったわ。」
眼下の楽しそうな光景を見ながらそう言うと、片手に5隻の大型艦船を乗せたまま、久美子はズシンズシンと地響きを上げながら帰っていった。

後日、あのドーム球場には司令官とあの若い参謀の姿があった。シーズンオフに改装して、今年のドームの色は薄い青だ!しかも、まだ外したての甘い香りが球場全体に漂っている。
「閣下、今度こそあのお方をいかせてみせます。」
「うむ、期待しているぞ。」
参謀の目的は明らかに変わっていた。あの方に悦んでいただくためであれば、どんな苦労もいとわずに新兵器開発が出来るだろう。司令官にも今度こそという思いがある。
ふたりは野球そっちのけでドームの天井を見上げていた。