「ドムはもっと調理のスピード上げて!」
「分かってるっスよっ!」
「リリとツグミはお客様の案内を!」
「はーい!」「分かりましたぁー!」
「ノヤはさっさと会計終わらせて!」
「今やってるところです!」
「優弥とレイでお客さんにサービスしといて!」
「了解した」「今やりますよー!」

大声で従業員たちに指示を出しているのは吉田優弥の父の妹である吉田貴子だ。
普段は別の仕事が忙しいらしく、温泉には滅多に来ない彼女だが
今日だけはあまりの忙しさに見かねて、手伝いに来たらしい。

「全く……団体客がこんなに一気に来るなんて、本当に珍しい事もあるもんだわ」
「確かに……こんなに混む事、この温泉では初めてですよね」
「いいから! 優弥は言われた仕通りに自分の仕事をしな!」
「分かってますよ……自分は指示出すだけで何もしてないのに……」
「ちょっと、聞こえてるわよ全部っ!」

従業員たちはそれぞれの仕事場へ向かう。
ドムは厨房で団体のお客のために、急いでフルコースを作り始める。
リリとツグミは団体客の案内を行い、ノヤはいつも通り一人で会計作業をこなしていく。
そして優弥とレイは、団体客の待つ部屋へと向かっていた。

「いいか優弥、お前は右側の部屋へ行け。左側の部屋は俺がやる」
「レイさん、本当に大丈夫なんですか? ただでさえ手強そうな客なのに、こんな大人数で……」
「別にいつもの事だろう。それにお前だっていつも体格差を気にせず、巨人相手に仕事をしてきたはずじゃないのか?」
「まあ、確かにそうですけど……」
「今のお前には、知識も技量もそれなりにある。なら、心配はいらんはずだ。」

レイにそう言われて優弥はふと思い返す。
彼は絵草の間などでの体験から、巨大な宇宙人の相手がどれ程大変かよく知ってたのだった。

「それでは、健闘を祈るぞ優弥」
「分かりました……それじゃ、レイさんも頑張って……」

そして他の従業員達も、本格的に仕事を開始していった。
全ての従業員達の熱き戦いが、今始まったのである。



「お話は聞いておりましたが、まさか本当にヨクト星人がこんなに小さいとは……」
「小さくても仕事はしっかりやれる。だから心配はいらんはずだ」

珍しそうに俺を見つめるのは、両胸が物凄い大きさの巨人サイズの宇宙人女性であった。
いかにも高級そうなドレスに身を包んでいる大富豪らしき彼女。
しかし二つのおっぱいのふくらみは、そんなドレスから今にも飛び出してきそうである。

「では早速、お願い致しますわ。噂の体洗いというものを……」
「噂の、か……まあ要望されれば断る理由も無いな」

目の前にいる、富豪らしき巨人の女性の言葉を聞いた俺は
早速、彼女の事を浴槽まで案内する。

そして俺は、女湯へ着いたと同時に早速体洗いを開始していた。
ドレスの上からでも胸の凄さはハッキリと分かっていたのだが
脱いで見るとその大きさは数倍に感じられた。
張りと弾力と重量感、全てを兼ね備えた超巨大サイズの凄まじき胸だ。

「では下半身から、上半身へ。胸は最後にお願いしますわ」
「分かった」

注文を受けた俺はその通りに動く。肉付きの良い足を洗い登る。
そのまま尻、背中と腹、肩と順序良くこなしていく。
そして。

「では最後に私のおっぱいをお願いします。まずは、この深い谷間の中へどうぞ……」

そう言われた俺は、そのまま深い深い谷間の奥へと入っていく。
後に起こる、壮絶な出来事も知らずに……。



俺は、胸の谷間の奥で必死に仕事をしていた。
上下左右あらゆる場所から、豊満な乳という名の壁が迫ってくるが
それらを押しのけ、順調に仕事を遂行していた。
はずだったのだが。

むにゅうん!

突如、乳の壁がより強さを増して俺を押しつぶそうと迫ってきた。
二つの胸に挟まれ密閉されてしまう俺。
思わず谷間の奥から、女性へ向かって声を上げる。

「この胸の挟まりの強さは、あなたのせいなのか!?」
「ハイ。すいません……ですが、あなたがあまりにも……」
「俺がどうしたと……く、苦しい! 胸に挟まれ……」
「あなたが、あまりにも激しく私の胸を押しのけますので、何だか私もあなたに抵抗したくなったのですわ」

もにゅううぅんっ!!

乳の壁の挟まりが強くなる。呼吸さえも苦しいほどの密閉だ。
ぐっと乳の壁に手を押し当てても、全く反応が無い。
恐らく彼女は、俺を胸の谷間で潰そうとでもしてるのか。
どうする? このままでは胸の谷間でミンチになってしまう……。

「……仕方ない、あの方法で行くか」

俺は乳の壁の隙間から何とか腕だけを出して、近くの突起物を全力で握り締めた。
この方法、今まで巨人の女に胸の谷間で捕まったときに何度も使った確実な技だ。

「ひゃううぅん!」

乳首を激しく掴まれたのだ。
さすがにこの女性も、過敏に反応して体をのけぞらせる。
その瞬間、彼女による胸の谷間の押しつぶしが弱まったのを見逃さない。
そして俺は何とか、谷間からスポンッと抜け出す事に成功したのだった。



「さっきはご無礼を致しました……お許し下さい」
「なに、謝る事ではない。俺はこうして無事に生きている。ならばすべては水に流すべきはずだ」
「本当にありがとうございました……しかも……」
「しかも?」
「あなたの技は本当に最高でしたわ……まさかこのセシリアが、あそこまで熱くなってしまうなんて思いもしませんでしたもの……」

胸の谷間で俺を挟んでいたときの彼女は、非常に高揚し興奮していたようだった。
そして、今もまだその高揚が残っているらしく、頬を赤らめつつ俺の事を見つめている。

「そ、そうか……なら、俺はこれで……」

そんな彼女の視線に耐えられなくなった俺は、すぐに逃げ出すようにして部屋から退散するのだった。



「いやぁ……何とか団体のお客さん達もみんな、満足して帰ってくれたようだし、本当に良かった良かった……って、あれ? レイさん?」

全ての団体客が帰っていく姿を見送りつつ、グッと全身を伸ばしていく優弥。
だが隣にいたレイの、酷くやつれた顔を目にした瞬間、優弥は驚かずにはいられなかった。

「あの、レイさん……どうしてそんな、お疲れに?」
「聞くな、優弥……この世には相性の悪い相手、どうしても勝てない相手というものがいるんだ……」
「は、はぁ……そうですか……」

セシリアが泊まっていた数日間の間
たっぷりと遊び道具にされてしまったレイは、今はただ溜息をつく事しか出来ずにいた……。