「靴の妖精さん その6」






「ハァ…!ハァ…!わかったよっ!あたしが悪かったよっ!」
「うっ、ううん…!何か…私もごめん…!」
長い口論の末、決着がついたようだ。
二人が息切れしながら謝り、お互い頭を下げる。
俺はその決着がつくまでずっとテーブルの上に放置され、仕方がないので二人を傍観していた。
この短い間で凛ちゃんと茜里ちゃんが口喧嘩するまで中が良くなっているとは思わなかった。
仲良き事は美しきかな…。

「ふぅ…じゃ、風呂の用意するかー。こいつの大きさなら洗面所でいいだろ」
「ええっ…!」
凛ちゃんの言葉に茜里ちゃんが驚いて声を発する。
「ん?どした?茜里?」
「えっ…だって…あの…一緒に入るんじゃないんだ…?」
俯いてモジモジ指先を弄り、茜里ちゃんが言う。
えっ…!茜里ちゃんと一緒にお風呂とか…それはマズいんじゃ…。
「はぁー?何で?」
「いや、私もここまでの移動で汗かいちゃったし…凛ちゃん家のお風呂凄そうだし…」
さらに俯き小声でボソボソと話す茜里ちゃん。
あっ…別に俺と入りみたいとかそういう訳じゃないのね…。
「ハハ…!なにそれっ!まあ茜里らしいけど…」
凛ちゃんがニヤニヤと笑って言う。
「ダメ…?」
「そこまで言うならいいよっ!それじゃお湯入れてくるわ」
凛ちゃんはニッと笑ってそう応えるとすぐにお風呂場の方へと歩き出した。
茜里ちゃんはパァッと明るい笑顔を浮かべて背中に向かって「凛ちゃんありがとうっ!」と言った。

茜里ちゃんは鼻歌を歌いながら椅子に座ってくつろいでいる。
俺はというとテーブルの上で座り込み、ボケーっとあたりを見回していた。
しかし…改めて見てて凄いお家だ…。
実家が借家のマンション暮らしな俺には信じられないほどの生活水準…。
ウォーターサーバーはもちろん。大きくてオシャレなシーリングファン…。
絵にかいたようなスタイリッシュなお金持ちのお家だ。
なんでこんなオシャレな家に住んでるのに凛ちゃんはあんな男っぽい子に育っちゃったんだろうなあ…。
「ねえ凛ちゃんの家すごいよねー…私もこんなお家住んでみたいなー」
茜里ちゃんが周りを見渡してる俺に気付いたのかニッコリ笑って話しかけてきた。
「うん…凄い家だよねー…凛ちゃん、お嬢様だったんだ」
「うん!ふふ…!全くそう見えないけど…!」
クスクスと悪戯っぽく笑いながら言う。
「でも凛ちゃんああ見えて勉強できるしピアノも弾けるし絵もすごい上手くって学校の成績凄い良いんだよー!
あっ、でも授業態度が悪いから通信簿は全然良くないって言ってたけど…」
「へえ~…」
確かに向こうにピアノが置いてある。しっかり習い事もやってる子なんだ。
でも授業態度のせいで成績落としてるとかもったいないなぁ~。
「でも体育はそんなに出来る方じゃないんだって…凛ちゃんはそれが嫌みたいだよ…」
「えっ、そうなの?何か意外…」
運動はちょっと苦手だけど勉強はできるしピアノも絵も上手なんて…典型的お嬢様タイプなのに…ああだもんな…。

「ふーん…何か面白そうな話してるなあ…」
「ハッ!」
背後からの凛ちゃんの声にビクッとする俺と茜里ちゃん。
「だーれが運動音痴だよっ!?」
凛ちゃんが大声を挙げ、バンッ!とテーブルに手を叩きつけて言う。
「えー!?そこまで言ってないけど、ごっ、ごめんーっ!って、うわあああああ!!?」
凛ちゃんが俺を巨大な手でぐわあっ!と鷲掴みにし、プルプルと震えながら至近距離で睨みつけてきた。
自分の体よりも大きな指に包まれている…グッと力を込めれば俺なんかひとたまりもない…!そんな恐怖感がダイレクトに伝わる。
さらに巨大な凛ちゃんの怒った顔が迫っている。
その迫力たるや怪獣などといった表現では生易しいくらい恐い…。チビりそう…。
「うっ、運動くらい…その気になったら人並みにできるんだからなっ…!」
凛ちゃんが大声でそう言い終わるとギュッと唇を噛みしめた。
ここまで動揺したのは初めてじゃないかな…。うへえ…飛んで来た唾でベトベト…。
「わっ、わかった!わかったからあ~!!」
俺は慌てて謝るが凛ちゃんは相変わらず唇をかみしめてこちらを睨んでいる。
あれ…?うっすら涙を浮かべてるような…。
「ごっ、ごめんね凛ちゃん…!私が悪いのっ!フラくんは何も悪くないから離してあげて…!」
茜里ちゃんが慌ててそう言うと凛ちゃんは無言で俺をポイッとテーブルの上に解放した。
「いてて…」
俺がテーブルに打ちつけられた体をさすってふと上を見上げるとまだ凛ちゃんはこちらを睨みつけていた。
「凛ちゃん…私たち別に凛ちゃんのことバカにしたりとかそういうのは…」
「わっ、わかってる…!茜里がそんなことするような奴じゃないって…
あたしが…あたしが悪いんだ…運動の事になると何かこう…カッとなっちゃう…」
眼を強くつぶって凛ちゃんが苦しそうに言う。
…のわりに俺には遠慮なく何度も怒りをぶつけてくるようですケド…。
「それに…こいつ見てるとイジワルしたくなるし…」
凛ちゃんが俺を指さして言う。
いやっ!それおかしいでしょっ!どんだけS…!?
「ダメッ!フラくんはちっちゃくて私たちよりも何するにも大変なんだから優しくしなきゃ…!」
「茜里は本当に特別こいつに優しいのな…」
「うんっ!私ちっちゃくて可愛いの大好きだからっ!」
ニッコリ笑って応える茜里ちゃんに凛ちゃんはフフッと笑い「そっか…」と言って俺の方を見た。
茜里ちゃんの言葉は嬉しかったけどちっちゃくて可愛いからって言うのにはずっこけてしまった。
…まあやっぱり俺へのお世話って小動物的な感じなのかなぁ…。
分かっていたけど何かちょっぴり寂しいような…。



「ほら、ここだよ」
俺は茜里ちゃんの胸ポケットに入り顔をひょこっと覗かせていた。
茜里ちゃんが長い廊下を歩き、扉を開くと凛ちゃんが言った。
「おおおぉ…」
思わず俺と茜里ちゃんは声を挙げてしまった。脱衣所なのに広い…!
洗面台も二つ…なんてこったー!!
「おい?どうしたんだよ?」
「あっ…ごめんごめん!すごく広くて綺麗だから…」
「はぁ?普通の脱衣所だぞ?早く入って服脱げよ」
「うっ、うん…!」
茜里ちゃんは戸惑いながらも中に入っていそいそと靴下を脱いだ。
改めて凛ちゃんとのギャップを感じた。これは「普通の脱衣所」じゃないぞ…!
普通の脱衣所って言うのは狭いってのに洗濯機が場所を占領したりとゴチャゴチャしてて洗面台に水垢がついてて…でしょ!?
「あっ、フラくんは踏みつぶしちゃうといけないからここで着替えてね!」
そう言って茜里ちゃんは俺をふかふかのタオルが積み重ねられている棚の隅に俺を降ろした
タオルの塔から高級洗剤の良い香りが漂ってくる…。う~ん…セレブの香りだ~…。
俺はその香りにうっとりしていたがハッ!と思った。
そうか…茜里ちゃんも凛ちゃんも今から着替えるのか…!
俺がチラッと茜里ちゃんのほうへと目をやると今まさに茜里ちゃんがホットパンツを脱ぐところ…!
申し訳ないけど…これはグッタイミン…!?

「おい、何やってんだ?」

突然下からズオォ…!と凛ちゃんの顔が現れて俺を至近距離で睨みつけた。
しゃがみこんで下に隠れてたのか…!
「いっ、いや…別に何も…!」
「ほらっ!この中でさっさと服脱ぎなっ!」
「わっ!?」
一瞬のうちに俺は凛ちゃんの手によって薄暗いどこかに閉じ込められてしまった。
ジメジメしているし酸っぱい匂いがする…。
「りっ、凛ちゃん!一体ここは…!?」
「ハハハッ…!匂いでわかると思ったのに…茜里の靴下の中だよっ!そこで大人しく着替えなー!」
茜里ちゃんの靴下の中か…!そう言われると何だか身に覚えのある匂いのような…。
にしてもジメジメ感がすごい…。周りの布はしっとりと濡れている。
そう言えば今日の茜里ちゃんはこの季節にしては暑そうなアウトドア風の靴に合わせた靴下を履いてたし…。
凛ちゃんの家に着くまで長い時間歩いて来たのだからすごい量の汗をかいたのは当然のことだ。
「ちょっ…!凛ちゃんー…!」
外から茜里ちゃんの怒った声が聞こえる。
「ハハッ…!だってちょうど脱ぎ捨ててあったもんだからさ~」
ズシズンズシドン…!と騒がしい音が響く。
凛ちゃんが意地悪な笑顔を浮かべて顔を真っ赤にして恥ずかしがる茜里ちゃんとじゃれ合ってるのが想像できる。
楽しそ…。はぁ…やれやれ…俺は一人寂しく服脱ぐとするかー…。



「フラくんお待たせー!」
茜里ちゃんが靴下からコロコロと俺を手のひらに転がし出し、笑顔で言う。
顔しか見えない。でも茜里ちゃんも裸になってるのかな…。
「おいっ!はやくこいよー」
ドアの近くで凛ちゃんが呼んでる。凛ちゃんは…タオルで胸と股間をうまく隠してるけど裸だ…!
よくよく考えたら二人の小学生の女の子とお風呂…これはかなりマズいんじゃないか…!?

でも…まあ本人達の同意は得てるんだから…。


「待って凛ちゃん今行くから!」
茜里ちゃんが俺を手のひらに乗せて凛ちゃんのいる風呂場へと駆け出す。
「わあ…!」
俺も茜里ちゃんも同時に声をあげた。
ひっ、広い!自分が小さいからではなく凛ちゃんの姿と比較して普通に広いのが分かる。
しかも丸型のお風呂…贅沢なスペースの使い方…!
「ちょっと凛ちゃんっ!凄すぎるよこのお風呂ー!いいないいなー!」
「えー?そう?普通だろー」
「そんなことないよー!すごいすごいー!」
「茜里はいちいち大げさだなー」
いや、茜里ちゃんが正常だと思う。茜里ちゃんの顔を見上げると嬉々とした表情であたりを見回してる。

「一番に入っちゃお!えーいっ!」
「うわあっ!!?」
茜里ちゃんが小走りで浴槽へと向かう。
もしかして飛び込む気…

バシャーン!!!


「ごぼごぼぼぐぼ…!?」

手のひらに乗っていたが衝撃で浴槽内に落ちてしまった。
水泡だらけで全く何も見えない…!とにかく水面に浮かび上がらないと…!

「ぷはっ!!」

「あっ!フラくん…!ごっ!ごめんねっ!大丈夫だった…?」
「あぁ…茜里ちゃん…僕はだいじょ…ブーッ!!」
俺が立ち泳ぎをしながら見上げたそこには一糸纏わぬ茜里ちゃんが立ってこちらを心配そうに見下していた。
下からゆっくりと見上げて行くと、二本の巨大な肌色の柱…そして、まだまだ幼い女性である証…さらに控えめながらも発育を始めた胸の膨らみ…。
美しく汚れのない茜里ちゃんの巨大な身体が湯けむりで幻想的な雰囲気が醸し出ている…。

そしてこの衝撃的な光景に俺の・・・が水面下で密かに元気になってしまっていた…。

「ハー…でも良いお湯だねー!フラくんっ!」
「おわっ!?」

茜里ちゃんがちゃぷんとお湯に浸かると大きな湯船がうねりをあげ巨大な波が俺に襲いかかった。
「うっ…ぷはーっ!!…わっ!?」
「あっ、またごめん…!」
再び水上に浮かびあがった俺に茜里ちゃんが申し訳なさそうに言う。
でも俺にはそんな言葉が頭の中に入って来なかった。だって目の前にはちょうど茜里ちゃんの胸が…!

あの胸ポケットの中で感じていたささやかな膨らみ…。
花でたとえるならばまだまだつぼみといったところだが確かに存在するその膨らみ…。
普通に見れば何も興奮しない、ただの平らな胸かもしれない。
しかしこの大きさになってこれだけ間近で少女の未発達な胸を目の当たりにすると興奮しても仕方がない。
ポンっとはじけるようなピンク色の乳首がこちらに向かって俺を挑発しているように感じる。
俺は何かを考える間もなく花に吸い寄せられる蜜蜂のように茜里ちゃんのその巨大な乳首へと泳ぎだしていた…。
「…?どうしたのフラくん?」
茜里ちゃんの不思議そうな声。しかし、本能に支配されてしまっている俺にその声は届かない…。

「きゃっ…!?」
俺はその巨大な胸にしがみつき乳首へ抱きつく。驚く声が響く。

「なにっ…!?フラくん…やめっ…て!」
視界をいっぱいにする程巨大な少女の乳首。
そのつるつるとした質感と発する未成熟ながらも確かに存在する女性の香りに俺は我を忘れむしゃぶりついた。

「あっん…!?フラ…くん…?」
「えっ…」
茜里ちゃんの少し怯えたような声。
その声に俺は我を取り戻した。

「あっ、茜里ちゃん…!違うこれは…!」

どうしよう…!?弁解しなくては…!


ズシッ…!ズシッ…!ズァッパーンンン…!!!

「うーわー!!!?」

そんな時に巨大な足音を響かせ、凛ちゃんが風呂の中へ飛び込んできた。
俺はその飛び込み時に発生したとてつもない波にさらわれ湯船に浮かぶゴミ屑のごとくぷかぷかと浮かんだ。
しかし、突然パッと巨大な指先で摘みあげられた。

「ゲホッ!ゲホッ…!しっ、死ぬかと思った…」
「あぁ?死んでも仕方がない事しただろ?」
「うわっ!?」

目の前には巨大な凛ちゃんのこちらを睨みつける顔。
俺を摘みあげたのは凛ちゃんだった。あたりを見回すとオドオドした茜里ちゃんの姿が見える。
「お前、茜里に何してたんだよ?」
まずい…!恐らくまだまだ性に疎い茜里ちゃん本人は多分何をされたかもよく分かってないだろうが、
傍から見ていた凛ちゃんには俺が何をしていたのかハッキリと分かってる…!どうしよう…!
「ちっ、違う…!立て続けに波に襲われて死に物狂いだったから…!」
「だから?お前は死に物狂いになると女の子のおっぱいにしがみつくのかよ、この変態妖精がっ!!」
「うぅ…だから何もよくわかんなくておっぱいだからどうとかそういうの考えてる暇もなく…!」
俺の発言に凛ちゃんは表情ひとつ変えない。
完全に俺を変質者と見ているような目つきだ…。
実際、あまりの衝撃的な光景に我を忘れて取ってしまった行動とは言え、凛ちゃんの考えは当たっている…。
どうしよう…これで追い出されたら野宿の日々…それも巨大な生物がゴロゴロといる世界で…。
今の俺の身長は3~4㎝…ハトやスズメですら遭遇したら恐らく命の危機を感じるほどの脅威だ。
ここでどうにか弁解しなければ死んでしまう…!どうしたら…!

「凛ちゃん、もうやめてっ!きっとフラくんは溺れそうになってパニックになってただけなんだよっ!」

茜里ちゃんの大きな声が広い浴室に響く。

「茜里…」
「茜里ちゃん…」

俺と凛ちゃんは同時に呟いた。
目線の先の茜里ちゃんは少し涙ぐんでいた。

「ごめんねフラくん…!私、フラくんがいきなり胸にしがみついてきて驚いたから変な声出しちゃって…」

少し震えた声。茜里ちゃんは俺に対して何一つとして怒っていなかった。


「フラくんは何も悪くないよ。ちゃんとゆっくりお風呂に入らないでフラくんを危険な目に合わせちゃった私が悪いの…」
「茜里ちゃん…」


とてつもない自己嫌悪が俺に襲いかかる。
さっきの出来事は俺が理性を失っていたとはいえ、確実に性欲に身を任せて取った行動だ。俺が悪い。
そして今、エッチなこともまだよくわからない純粋で優しい茜里ちゃんはそんな俺を疑いもせず全て自分が悪いといって俺に謝っている。

なんて俺はバカなんだ…!

茜里ちゃんに申し訳ない…。

死んでも許されないほどに…。


「わかったよ茜里…大丈夫、どっちも悪くないから」
凛ちゃんが俺を手のひらに乗せてから茜里ちゃんの肩を叩いて言う。

「茜里ちゃん!僕は大丈夫だからそんな自分を責めないで!」

何を言ってるんだ俺は!悪いのは全てお前だろう!
性欲に負けて、恩人の少女を下品な目で見て自慰に走る、虫けらよりも愚かな存在がっ!
それがお前…うっ!違う…俺だ。


しかし、そんな卑怯な俺の一言に茜里ちゃんは無邪気な笑顔を浮かべて涙を拭った。
さらに「ありがとう、フラくん!」と胸に突き刺さるような辛い言葉を満面の笑みで放った。

どんどんと自己嫌悪は酷くなる。
認めたくなくて自分を違う自分だと思いたい自分が生まれる。
そして、俺は自分を隠し続ける。嘘をつき続ける卑怯な俺がどんどんと成長してゆく…。




俺は凛ちゃんの「溺れないように」という提案で薄くお湯をはった洗面器をお風呂に浮かべその中に入れられた。
確かにこれで以前のような波に翻弄されたりなどといった事はない。

「ハハッ…!でもあれだな茜里のおっぱいがおっきいからこいつがしがみついちゃったんだろうな」
「えっ!?べっ、べつに私大きくないよっ!」
「いや、大きいだろ。あたしの見てみろよ」
「それは凛ちゃんがぺったんこ過ぎるだけだよ…」
「はぁ!?茜里あんた…この世の中には言って良い事と悪い事があるんだぞっ!」

茜里ちゃんと凛ちゃんの楽しい会話がはじまった。
洗面器の中から二人の巨大な少女のやりとりをみているととても心がなごむ。
しかし、茜里ちゃんが成長早いってのはあるけど凛ちゃんが年の割にはやっぱり幼いと言うのも両方あるな…。

「おいっ!あたしが正常だよなっ!?」
「違うよっ!私くらいあるのが普通なんだよっ!ね?フラくん?」

ズンッ!と巨大な二人が洗面器の中の俺に胸を見せつけてくる。
なんとも物凄い光景。二人の巨大な少女の裸の上半身が俺を囲んでいる。
下から見上げるとまた茜里ちゃんの胸の巨大さが際立つ。小学生とは言え確実に胸がある。
一方の凛ちゃんは…乳首は女の子だけど…これはもはや男の子レベル…。

「いや…どっちも小学生らしくて良いと思うよ…」

精一杯の俺の答えだった。

「はぁ!?答えになってないじゃんっ!」
凛ちゃんの怒声が響く。
「そうだよっ!フラくんっ!ちゃんと答えてっ!」
茜里ちゃんまで…。うぅ…。

「じゃっ、じゃあちゃんと答えるけど茜里ちゃんはその年にしては成長が早いと思うし、
凛ちゃんは少し成長が遅いと思うよ…」

俺の答えに対する二人の反応はそれぞれ違った。
「えっ…!そうなのかなあ…私やっぱり大きいのかな…」
顔を赤らめて胸をチラッと見る茜里ちゃん。
そして…

「だ…誰が男みたいな胸だあぁー!?」
「えー!?そんなこと言ってないですけどー!?」

一瞬のうちに俺は凛ちゃんに摘みあげられてしまった。何かデジャヴを感じる。
「あたしの胸の…!どこが男なんだよほらっ!ほらあっ!!」
「むぐう!?」

凛ちゃんの胸に押しつけられる。
パッと見た感じではわからなかった微かな膨らみを少し感じる。
とはいっても本当に微かにだけど…。

「どうだっ!?ほらっ!?何か言えー!」
押さえつけ地獄が終わり、凛ちゃんの大声が響く。
本当に同年代の子よりも遅れてる事があると気になっちゃう子なんだなあ。
「ハァハァ…あります…おっぱい…あります…」
息も絶え絶えに俺が言うと凛ちゃんはムフー!と鼻息を出した。
「だっ、だろー!?わかれば良いんだわかれば…!」
ぐったりとした俺は解放され洗面器の中に戻された。

「フラくん大丈夫?」
くすくすと笑う茜里ちゃんの顔がこちらを覗きこんでいる。
俺は「うん、なんとか…」と答えると茜里ちゃんが笑いを抑えられずハハハッ!と笑った。

「そうだ、フラくんの身体洗ってあげないと」
茜里ちゃんが思いついたように言う。
「あっ、確かにな。ちょっと待っててくれ」
凛ちゃんがそういうとザバアッ!と湯船からあがる。
裸の凛ちゃんを揺れる洗面器の中から見上げる小学4年生だとしても幼いと言ったがやはり巨大だ…。
ボーイッシュな格好からはよくわからなかったがその体つきはやはり女の子。
キュッとしまったウェストにはいつも見ている凛ちゃんの姿とはギャップがあった。
いつも二つに結んでいる髪も降ろしていて真っすぐな肩の丈ほどの黒髪がまるで日本人形のようでまた可愛らしい。
将来的に着物の似合う美人さんになりそうな雰囲気だ。あとは男勝りな性格をどうにかすればなー。

「ほい、これ」
両手に小さなボトルを持って凛ちゃんが湯船に戻る。
シャンプーとボディソープのようだ。
「よーし、じゃあシャンプーはあたしがやってやろう!へへへ~…」
凛ちゃんがそういうと天からべチャッとシャンプー液の巨大なしずくが垂れてきた。
「うわ!?ちべたっ!?」
頭に直撃したそれに思わず声をあげてしまったが、次は息をつく暇もなく巨大な凛ちゃんの指が迫ってきた。
「ハハッ!かゆいとこあるかー?」
「えっ…!?と…後ろの方が少し…」
「ハイわかったー」
凛ちゃんの巨大な人差し指が小刻みに後頭部を洗ってくれる。
絶妙な力加減で普通に気持ちが良い。凛ちゃん意外と器用なんだなあ…。
そう感心していると「流すよー」という声とともに天からドドドドーッ!と大量のお湯が降り注いできた。

「ゲホッ…!ありがとう…」
「ほいほーい…じゃあ体は茜里に洗ってもらえよぉ」
「えっ!?いっ、いいよっ!自分で…」
「なんでー!?私に洗われるのそんなに嫌なの?不安?」
茜里ちゃんの声が響く。
「えっ、いやそういうわけじゃ…」
だって全身って…アソコを純真な少女に触らせてしまっても良いのだろうか…。
ていうか俺、女性経験ゼロなのにこれだと茜里ちゃんが母親以外の女性で俺のアソコに触れる初めての女性になってしまう…。
「いいよもう茜里に洗ってもらった方が早いんだからちゃっちゃとやってもらっちゃえー」
凛ちゃんが遠くを見ながら言う。ちょっとのぼせてきたんじゃないか?
のぼせてたから力が入んなくて繊細な洗髪をしてくれたのか?
ってそんな推理をしてる場合じゃないっ!断らないければ…!

「そうだよフラくん。遠慮しないでー」
ニコニコ笑った茜里ちゃんが両手で泡を立てながら言う。
「えっ…でっ、でも…」
しかし、目の前にはふわふわの泡でいっぱいになった両手を構えてジリジリと近づいてくる茜里ちゃん…。
「問答無用っ!大人しくしててねー!」
「うわあ!?」
巨大な泡のついた手で体を挟まれゴシゴシ洗われる。
まるで石鹸になたかのような気分だ…綺麗にはなりそうだが…。
なっ、何か変に気持ち良い…。

…!?こっ、巨大な手で股間がこすれて…うあ!

「あふっ…!?」
まるで巨大なオナホールの中に入り全身を扱かれているような…そんな感覚だ。
しかし、今俺を襲っているのは巨大な少女の手。オナホールにはない本物の人の体温。
そして、巨大な指紋という不定期な凹凸…。
今まで味わったことのないような快感に思わず声が漏れる。
このままだと逝ってしまう…!まずいまずいまずいまずい…!







「お風呂気持ちよかったねっ!」
「うっ、うん…」

何だか大事な物を失った気持ちになりながらも綺麗になった俺を見て満足げな笑顔の茜里ちゃんと
すっかりのぼせてテンションの下がった凛ちゃんと俺はお風呂上がりのアイスを頂いたのだった…。

自分の体から漂う高級石鹸の香りがやけに切なかった。







 ~つづく~